はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

駆けるサックス

2006-07-30 14:06:56 | つぶやきあれこれ
MJF in NOTO 2006モントレー ジャズ フェスティバル イン 能登に29日の土曜日、行ってきました。

昨年、モントレーとの中学生の交換ホームステイに参加させていただいた我が家の娘も、この日は、ボランティアスタッフとして、開催に加わっています。


七尾市と米国モントレー市とは20年にわたる民間交流と、その草の根交流から自治体間の姉妹都市提携を行って10年になります。
モントレー市は、西海岸にあり、小説「キャナリー・ロウ」でも欧米に知られている街です。世界中から姉妹都市提携の申込があるのを、すべて基本的に断りつづけていましたが、民間交流が10年にわたり活発に続いたことで、初めてで唯一の姉妹都市として七尾を選んでくれたそうです。

モントレーはまた、世界3大ジャズフェスティバルの一つであるモントレー・ジャズ・フェスティバル(以下、MJFと略)の開催地としても知られています。
この祭典の名称を冠する事をこれも世界でただ一つ許されているのが、今年で18回目となるMJF in NOTO 2006です。

七尾港と向かいの能登島を結ぶ定期船がでていた埠頭は、能登島大橋の完成後、誰も訪れることの無い埠頭となっていました。ここを市民に開かれた地区とするため、第三セクターで建設・運営されているのが「能登食祭市場」これに隣接して大きなイベントが開催できるマリンパークがあります。
以前は和倉温泉で開催されていたMJF in NOTOですが、同パークの完成後はこちらでの開催となっています。

地元民放局のデジタル録画車両この日は、地元の民放局が地上デジタル放送に向けた番組を制作するためか、かなり大掛かりな撮影隊を組んでいました。




本格的撮影陣会場内の数箇所にやぐらを組み、複数アングルからの撮影と、会場にも向けられたマイクロフォンの数々。
番組はいつオンエアされるのか、判りませんが、できれば全国放映となってほしいものだと思いました。
和倉会場だった数年前、一度NHK金沢が、同様の撮影隊を組んで、番組を放映していたことがありました。海と夕景とヨットを背景とするジャズコンサートは、絵になります。


各放送局の取材陣その他、各局の取材陣も見かけました。

MJF in NOTOは、モントレーの高校生ビッグバンドも米国からやって来て、演奏します。
トップの写真は、彼らの演奏光景です。
彼らは、前後の期間中、七尾市内の家庭にホームステイをしながら、最後の調整をしたり、日本を体験してゆきます。
私の家も3回ほどホストをやらせていただきましたが、どの子も素敵な高校生でした。

MJF in NOTOの楽しみ方1会場が、ちこらに移動してからは、スペースがかなり広くなり、よりジャズを楽しむのに似合う自由なスタイルで聞くことができるようにもなりました。
写真のようにアウトドア用のレジャーチェアを持ち込んで聞いている人、芝生にレジャーシートを敷いている人。

MJF in NOTOの楽しみ方2こんな風に、クーラーボックス持参で、ライブハウス状態に仕立てて、聞いている人。
ジャズらしい雰囲気です。






心地よい風に吹かれて聞くJAZZこの日は、午前中から昼に掛けて雨。それもかなりの量でした。開催されるのか心配しましたが、15時過ぎになんとか、雨が止みました。
お蔭で、暑くも無く、日差しも無く、心地よい海風に吹かれて、聞くジャズは、なんともいえない贅沢な時間を、くれました。

隣接する港に入るボート会場に隣接する水域は、レジャーボートの接岸もできるようになっています。




会場周辺で雰囲気を盛り上げるヨット港町のジャズコンサートとしての雰囲気を盛り上げるかのように、ボートやヨットがゆったりと航行しています。(写真は、気づくのが遅れ、画角に不満がありますが、恥を忍んで雰囲気だけでもとご紹介します)

広々とした会場と港の光景、なんとかお伝えしたいのですが、やはりお越しいただくのが一番のようです。

横浜からこれに併せて帰省してきたY君一家と、彼の幼馴染のF君と一緒に、レジャーシートに腰掛けて、生ビール数杯ずつ・モントレーワイン(会場内で販売していました)を2本呑んでしまいました…(^^;ゞ
Y君の幼い二人のお嬢さんたちも、広くて自由な雰囲気の会場を走り回り、遊んでいます。周囲に迷惑にならないところが、嬉しいです。小さい子ども連れのファミリーも少なくありませんでした。

MJF in NOTO 2006夜景夜の帳は急速に下りてきました。
この後、プロの演奏は、撮影禁止のため、本当に残念ですが、ご紹介できません。


トリは、昨年に続き、渡辺貞夫。
いやぁ、しびれました。

往年の名曲では駆けるようなサックス。
バラードでは、泣くようなサキソフォン…

ナベサダのサックスも健在ですが、パーカッションの方は、アフリカセネガルの出身で国立機関に居たジャンベの名手とか。素晴らしいジャンベ(「南国ジャンベサークル」さんのページへ)の独奏も披露されました。

サックス演奏の合間、ナベサダが色々なリズム楽器を取り出しては、即興でパーカッションに参加していたのが、印象的でした。


その後、愛・地球博でも一緒に演奏したという宇都宮の中学生サンバ・キッズも加わって、数曲。ステージ最前列に並んだ5人の女子が体全体で踊るように歌詞の手話を「演奏」していました。

そうか、手話を必要とする人々に唄の雰囲気を伝えるためには、淡々とした手話だけでは、無理なんだ。と改めて気づかされた次第。

全体にリズム感、ビート感を重視した演奏になっています。
世界のより多くの人々と言葉を抜きに共感するには、そちらの方が良いとナベサダが、考えているかのようでした。

ステージでは、リズム感溢れる演奏をする中学生たちと、ナベサダたちのプロ。

会場と一体になって、リズムを取り、身体を動かしていると、「国・政治・政治家」の存在が急に、疎ましいものに思えてきました。
この地球上で今も進められている大量殺人ゲームは、ひとえに国という体制に由来しているようにさえ感じるのです。そして、それを加速しているかのような御粗末な政治と政治家たち。

人間という存在は本来、もっと自由(気ままという意味ではありません)で、素晴らしいものなのに、それを矮小化させてしまい、窮屈で希望の無い存在にしてしまっているものは、一体何なのでしょうか。


サンバ・キッズや、会場にボランティア・スタッフとして参加している地元の中・高生たちも、このジャズ・コンサートを通じて世界共通語を感じてくれていることだけは、間違いないようでした。