はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

能登の七夕まつり

2006-07-07 19:28:52 | 田舎暮らし雑記
今日は七夕。

能登半島は、ちょうど左手のような形をしています。
人差し指と親指の間、
ちょうど写真では能登空港のシンボルマーク「スカイノッピー」の位置に
能登島という島があります。

この島のほぼ中央にある集落・向田(こうだ)で七月の終わりに開催される向田の火祭は、日本三大火祭りの一つなのだそうです。
向田の火祭(ケーブルテレビのとじま:デジタルアルバム「写真が好き」さんの投稿写真へのリンク)

このお祭りは、能登島の伊夜比め(本字は[口羊]で一文字)神社のお祭りです。

何度かご紹介している能登半島の伝説と写真を集めた「1000の星 1000の愛」にも、このお祭りに伝わる伝説から「年に一夜の星祭り」と題する短編があります。

向田の火祭に伝わるという伝説を「1000の星…」から簡単に


むかし、むかし。まだ神々の御世の頃…
伊夜彦という名の、それは凛々しいお姿の神様が、このあたりに居られたと。
伊夜彦さまのお通りになった跡には草木が芽生え、花が咲いたそうな。

ある日、伊夜彦さまが能登の山を歩いておいでた。
せせらぎの水音に誘われて行ってみると世にも香しい女神さまが微笑んでおられた。
そのお方は、伊夜姫さまといわれて、並ぶものの無い美しい神さまやった。

お二人はたちまち心を奪われて、いつまでも立ち尽くしていたそうじゃ。

それからというもの、お二人はいつも一緒におられたと。
しかしお二人は神さまじゃ。人のように結婚はできん。

他の神さまたちが、お二人を引き離しなすった。

伊夜彦さまは、越後の伊夜比古神社に
伊夜姫さまは、能登の伊夜比め神社に
祀られることになった。

最後の夜
伊夜彦さまは、伊夜姫さまを胸に抱き、瞳を見つめながら誓い合ったそうな。
どんなことがあっても、決してこの思いを忘れないと

その証に、年に一度だけ、伊夜姫さまが待つ能登へ
越後から伊夜彦さまが海をお渡りになるそうな。

大きな火を熾すのは、伊夜彦さまがお迷いにならないように
ということかのぅ…


能登では、いよいよ連日どこかで祭りが開催される季節になりました。

ふっと、ご自分の左手をご覧になったとき、
能登半島と、そこで繰り広げられる祭り、神々のお話を
想い出して頂けると嬉しいです。


今日金沢は、すこし雲が残っています。
日が落ちて、天の川は見えるでしょうか


●向田の火祭の紹介ページ
向田の火祭り(2006-06-08投稿)
 web版能登の「語り部」を目指しているnoto-webさんのブログ
 「能登半島」から2006年の開催概要。
能登島向田の火祭の概要
向田の火祭とキリコ(「北陸見物」より)
向田の火祭の祭礼進行の様子。

●参考・関連ページ
・こにまり夫妻さんのブログ「子育て日記」から「能登島へ」(2005-07-15)
 大学時代の仲間の住む能登島へ家族旅行された記録と
 向田の火祭についてもちょびっと。
能登の夏祭り(のとホットライン2006/06/15号)
能登半島広域観光協会