はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

みゃあらくもん

2006-06-25 23:54:21 | 食べログこぼれ話
みゃあらくもん

富山の方言。

身の楽もの⇒身が楽な者
から来た言葉で、
働かず気楽に遊んでいるような風流人
を指すようです。

勤勉な富山人気風からすると、
多少の非難もニュアンスとしてあるかも。

これを銘柄にした酒が富山で作られています。
しかも、会員限定。

会の事務局は、富山駅前から歩いて数分の「酒肆 真酒亭」。(店名をクリックするとホームページに飛べますが、いきなり店主のデカイ顔が出現するので心のご準備を…)
オーナーの村田さんは、大変な拘り人間で、お店には純米酒しかありません。
つまり、一般的な醸造用アルコール添加:略してアル添酒は一切無し。

有名な、あの酒も、この酒も…
ありません。

しかも、古くから店内禁煙。
タバコの臭いが邪魔して日本酒の香りが楽しめないのは許せない。
というわけです。

この拘り亭主が取り仕切る会員限定酒が「みゃあらくもん」

トップの写真は昨夜、飲み干した平成15年物の生酒。
「生酒」のラベルが輝いています。(生酒でない場合は、このラベル無し)

日本酒は、世界一製造が難しいとされていますが、最後に火入れと称する過熱によって酵母を殺菌して発酵を止めます。

この作業をせず、酵母を生かしているのが生酒。

ですから、保管が極めて難しい。
しかも熟成・発酵が進むので、保管する期間によって味が変わる楽しみがあります。

会員限定酒頒布会は真酒の会と称し、年間3本の「みゃあらくもん」が届けられます。
そのうち1本が生酒です。

ただし、蔵元の醸造用タンクを借り切るので全体量は固定。
したがって、退会する会員が出ないと新規加入はできません。
超閉塞・村社会的な会。(^^;ヾ

私も今から10年以上前に知人から紹介され、真酒亭さんに足を運んでご当主に直接、紹介状持参で入会を頼みに行きました。
「3年ほど待ってくれない?」と言われたものの、意外に早く空席ができて会員になり、以後何かと薀蓄をたれるのに役立っています。(^^;ヾ

現物があると強い。

さて、この会員限定酒「みゃあらくもん」を全国で唯一、呑めるのが真酒亭。
しかも、新酒と古酒との呑み比べもできます。

「みゃあらくもん」で初めて吟醸酒特有の「吟醸香」を判別することができるようになりました。
現在ではフルーティーな香りとよく称される独特の香りです。
ただし、他の酒では判ったような判らないような感じですが、「みゃあらくもん」はピカイチでこの香りが際立っています。

新酒の場合は、この香りのほかに、草の香りと言いますか一種の青臭さを感じます。
しかし、僅か一年寝かせただけで、それがなくなり、柔らかい香りと味わいになります。

ブランデーでも寝かせが浅いものと、かなり寝かせたものとでは同じような違いを感ずることができますが、日本酒の場合はたった一年で歴然とした差がでるから不思議です。

このお酒は、会員も参加して酒米を耕作(農家の名前は失念しました)し、満寿泉(ますいずみ)というブランドの蔵元枡田酒造さんに作って貰い、富山県で唯一「通信販売酒類小売業免許」をもつ酒販店をやっておられる寺島酒店を通じて届けられます。

寺島酒店当主の寺島圭吾さん(ホームページ「ときの舎(や)」)は、「美味しんぼ」の富山シリーズの案内人でもあるそうです。
寺島さんのページの「食卓」にはちょっと珍味な楽しいレシピや料理が紹介されています。

「みゃあらくもん」や真酒亭については、山形県のみみずさんのブログ(2005.05.22)でも書かれていました。
知る人ぞ知るお店なんですね~


この週末は研修やら、家の仕事やら、金曜日の夕方急遽舞い込んだ月曜日締め切りの仕事やら、疲労回復やらで忙しく(?)
その合間を縫って、N会と称する会合が某寿司屋さんで昨夜。

以前のこのブログ記事を見たY君の奥様が「私たちをつれて行く様に」とご命令を発せられたらしく、一家を挙げて横浜からご参集。
お酒が大好きな奥様のために(後から知りましたが)無理やり「みゃあらくもん」を持ち込んだものの、あっという間に一升がカラ…(^^;ヾ

さて、ここで問題です。
昨夜のN会に参加したメンバーは
男4名。
3家族+1名。
夫婦3組。
子供4人(全員女の子)
成人の独身2名
兄弟1組
の構成でした。

さて、全員で何人だったでしょうか?
また、女性は何人だったでしょうか?

通路との間のふすまを全開にしていた私がいけないのですが、途中で知り合いのO会長とバッタリ。
後から聞いたのですが、会長は我々のために寿司屋の大将に○万円も置いていってくれたとのこと。
お蔭で精算時、寿司屋の大宴会にもかかわらず、一家族数千円…。
ありがとうございました。ははぁ~っm(_._;m


日本酒は奥が深いです。一旦迷い込んだら出てこれそうにない迷宮の世界(んな大袈裟な…)に足を踏み入れたい方は「酒肆 真酒亭」で扱っている「みゃあらく」で「いちがい」なお酒(ちょっと写真が重い)たちをとくとご覧あれ。

健康診断

2006-06-12 17:40:27 | 食べログこぼれ話
本日、健康診断でした。

結果は…

今日が健康診断ということを完全に忘れていて、検査用のう○○を前夜に採るのを忘れていたり、二日続けて肉料理とフライ(コンボクッカーの慣らしのため)。
おまけにお酒をしっかり頂いてしまい…

これでよい結果がでたら、後が怖い~
だから、中性脂肪がなんと500(正常値上限150)を越え、肝臓系の指標も前年までに引き続き、軒並みNGのまま
なんて結果も仕方が無い(^^;;;ヾ

新しい持病の一つになった尿酸値は今朝薬を飲めない(検診の条件)でいってぎりぎり正常範囲内だから、ちょっと喜ぶべきか。

ちょっと下ネタ系ですが、尿のpHが5.0でしっかり酸性なのが余計に拙いとか。

6.0~6.5が正常との事。
干ししいたけ、わかめ、ひじき、こんぶ、大豆、ほうれんそう
ごぼう、にんじん、サツマイモ…
などが良いそう。

単身赴任ではほとんど、どれも摂っていないなぁ…

毎夕食のメニューを考え直さなくちゃ…

といいながら、今夜も外で呑みながら会議…
あぁ

いしり紙鍋と、大騒ぎの夜

2006-05-16 16:59:46 | 食べログこぼれ話
先週は東京(往復1040Km)・新潟(同700Km)・名古屋(同380Km)と連日物凄い距離を移動。東京は電車で23時間、新潟は車で12時間、名古屋は車で1泊2日36時間にて往復。合計2,120Km。

元々寝付きが悪い方なのだが、疲れているはずなのにさっぱり寝られず、横になっている時間で4~5時間。いつもなら、ぎりぎりまで起きないのが、何故か朝5時ごろに目覚めて以後さっぱり寝られなくなっていた。

昨夜、友人のHさんの会社の方々と、飲み会に。
割烹 富来以前よく通ったものの最近トンとご無沙汰していた「割烹 富来」さんの暖簾を久々にくぐる。こちらの名物はお通しが十数種類から選べること。僕は、フグの糠漬けを。こいつは酒に合う。刺身の次は、海鼠腸(このわた)の茶碗蒸し。これもこのわたの風味がほのかに美味しい。
冒頭の写真はこちらの名物・紙のいしり鍋。お味は変わっていなくてよかった。美味。

いしりとは能登特有の魚醤。醤油は大豆で作るが、魚醤は魚や烏賊の身・内臓などから作る。秋田のしょっつる、ベトナムのニョクマム、タイのナンプラーも同じ魚醤の仲間。
魚醤に対して大豆など穀物で作られた物を穀醤というらしい。魚醤はもっぱら東南アジア地域に、穀醤は中国・韓国・日本など東アジア地域に分布している。この点からも、東南アジアから沖縄を経て、日本海側とはかなり古くからの交流交易があったものと想像。
ちなみに、紙を使って鍋ができることにもご注目。紙の下には鉄製の編籠。小学校の自由研究にも使えそうだが如何?

さて、疲労困憊の中で飲みすぎると、正体不明の大失態を晒すので、用心していた「つもり」が何故か絶好調。持病には厳禁の麦酒を何杯頂いたことやら…
二次会まで行って(あれっ三次会だったかな)、最後はKちゃんのお店に。
ここで、常連のUさんと鉢合わせ。僕も含めてHさんと、この三人は同じ年生まれ。
Uさんは趣味でバンドをやっているちょっと不思議な雰囲気の方だが、こちらに合わせてハモってくれたりして大いに盛り上がる。
そういえば、ここのところ腹から声を出していなかった。

中学・高校時代、札幌ではデビュー前から松山千春がラジオのDJをしていた。「昨日作った歌」と言ってはその場でギター一本のライブをしていたっけ。
そんなことで、千春の歌が好きで調子のよい時は、カラオケでもよく声が出る。
昨夜は久々に「大空と大地の中で」を熱唱。カウンター越しのKちゃんから、マイクが要らないと言われてしまう。

「大空と大地の中で」の歌詞
#果てしない大空と 広い大地の その中で
#いつの日か 幸せを 自分の腕で掴むよう
#歩き出そう 明日の日に 振り返るには まだ若い
#吹きすさぶ 北風に 飛ばされぬよう 飛ばぬよう
#凍えた両手に 息を吹きかけて しばれた身体を温めて

思い通りにならないことが続いたり、何かに負けそうになった時
自分が何か、自分だけの損得勘定や、細かく取るに足らないことに拘っているのではないかと思い直し、「志を高く、透き通らせる」ようと改めて思うようにしている。
そんなとき、千春のこの歌は自分で自分に謳い聞かせる応援歌。


どうやら先週末から気になっていることがあり、僕が心配してもどうしようも無いことなのに、それだけに余計に精神が張り詰めていたようだ。昨日、それも解決したようで、とりあえずホッとしたのだろう。声が嗄れるほど次々と謳い続けていた。

Hさんは1時過ぎにご帰還。
ややあって勘定をすませると、あらら。
持ち合わせは、帰りのタクシー代に僅かに足りそうも無い。
見かねたUさんが、知人の個人タクシーを呼んでくれ、足代をご馳走してくれるという。「いいよ、こんなことしかできないから。また一緒に飲もうね」だって。本当にいい奴だよなぁ。有り難い。有り難い。

さて起きたら…
なんと14時過ぎ。
つまり漸く先ほど勤め先に顔を出し、仕事もせずにブログを書いているというとんでもないことを。(^^;ヾ

やっとぐっすり寝られた。
まだ身体はボロボロに疲れている。とても机にかじりついた仕事ができる状態ではない。
まぁ、これも自ら招いたことだから仕方も無い。

明後日から土曜日まで大きな展示会。明日は、その仕込み。
また働かなきゃぁ。ボチボチと頑張れっ!

和倉温泉信寿司の板さんと

2006-04-22 17:52:58 | 食べログこぼれ話
今年の2月26日に愛知の知人、家内で行ってきました信寿司(のぶずし)さん4月21日に再訪です。

今回は、地元出身で横浜在住のY君と妹のsちゃん、Y君と共通の友人のFさんとHさん、私たち夫婦の6人です。
実は信寿司本店の板さんは、Y君とFさんの1年後輩。なんと今年32歳と大変お若い方ですが、新規開店したばかりの金沢店で握っておられる二代目から本店を任されるほど腕はなかなかです。

この日は先輩風を吹かせたY君が、無理を言って閉店後板さんを囲んで二次会をやろうということで、スロースタートかつ、お料理中心にいただきました。

最初から富山湾獲れたて白えびの刺身、蛍烏賊です。旬のものはさすがに美味ですね~。
バク刺そして、バク刺。別名うまづらハギともいうカワハギの一種の刺身なのですが、身はまるでふぐのように透き通っていて、その肝を付けつついただきます。魚の肝は新しくなければまず口にすることができません。しかも綺麗なピンク色。新しいものです。これに実に細かく刻んだ葱と極微量の唐辛子が和えられていて絶妙です。

バク刺もずくも供されました。能登のもずくは大変細く、糸もずくとも言われています。これからの季節のもので、これは今年一番の早物のようです。細いもずくは他の海草等を取り除くのが大変手間が要ります。海から大量に揚げたつもりが最後には極僅か。漁師の義父が獲って来て、義母が根気良く作業するのを見知っていますから、有難味もひとしおです。一般には黒っぽいものが見慣れたもずくですが、頂いたもずくは綺麗な緑色をしています。これもこの時季だけのもので、冷凍されると黒ずんでしまいます。

この他、刺身を切っていただきましたが、この日は光物が特に美味しくいただきました。

最後ににぎり。すし屋は玉子を食べると腕がわかるのだそうですが、甘味も程よくふわふわでした。勿論、握り全般申し分ありません。
一緒に頂いた味噌汁も皆に大好評。

この日もほとんどが地元客でしたが、浴衣姿のお客さんも二組。
和倉温泉の真中にありますので、私たちも忘新年会などで和倉温泉に宿泊した際、信寿司さんに流れることがあります。

さて、二次会。近くの居酒屋に席を替えます。
すし屋は庶民にはやはりちょっと敷居が高く感じるものですが、まして板さんと一杯やりながらお話できる機会はそうありません。
寿司について、料理人として色々なお話を伺うことができました。

地元石川県出身の料理の鉄人、道場六三郎さんも来店されたそうで、料理人として一番嬉しかったことは、出されて直ぐパッと食べられたことだそうです。寿司はネタが勝負ですが、どれだけ苦労をして新鮮なネタを仕入れても、包丁を入れると急速に劣化が始まります。直ぐに口にするのが、礼儀です。

また子供を持つ親であり料理人として、子供の舌が如何に正直か痛感しているお話は興味深いものでした。
三國シェフの講演会を聞いた方から、「人間の舌の感覚器・味蕾は、12歳がピークで2万個、4~50歳では9千個程に減少している。それでも複雑な味がわかるのは、視覚・嗅覚などからも味わっているから」と伺いました。また心理学の本で「味覚を科学的に分析すると情報の力も加わる」そうで、評判のお店はそれだけで美味しく感ずるものなのだそうです。つまりどうも、大人の味覚はある意味「ごまかす事ができる」ということのようなのです。
一方、子供は正直で美味しくないものは、はっきり口に出すこともあり、大人が冷や汗をかくことがあります。
板さんも、このようなことを料理人としても感じておられるご様子で、正直な子供の味覚を大切にしたいと語っておられました。

お若いのに大変実直な方で、人柄にもすっかり魅せられてしまいました。

地元・七尾はすし屋が多い街です。地元ではやや高めの価格帯ですが、明朗会計にとても意識されているとのことでした。市場での価格変動も覚悟の上で、我々には定価を明示する姿勢にも、人柄が感じられますし、何よりも御寿司をもっと食べて欲しいという「寿司を愛する」気持ちが伝わってきます。

値段に充分余りある美味しい御寿司と一品料理。能登・和倉温泉に来られたら是非、暖簾をくぐってみてください。

食べログでのレビューはこちらです。

兼六園の楽しみ方

2006-04-08 22:23:28 | 食べログこぼれ話
石川門と兼六園は、桜が美しい金沢の中でも特に桜が映える処です。
春になって風もぬるみ、街は春霞に包まれ、雪洞(ぼんぼり)に灯がともって朧月夜。
金沢は、春が良く似合う街です。

石川門から兼六園に向かうと桂坂。
この坂の右手に江戸町と呼ばれる筋があります。(表題写真右手奥)

現在では茶店街となっていますが、江戸町の由来は、徳川家康の孫で二代将軍秀忠の娘・珠姫が、後の第三代藩主となる前田利常に1601年嫁入りする頃に遡ります。

徳川が最も警戒していた大名の一つが戦国の雄・前田藩で、この婚姻も政略結婚だったようですが、これに従った約300人ものお共は、普通は婚礼後はすぐに戻るのですが、このとき中々戻らなかったと云います。止む無くお供の人たちのための長屋を前田家がここに建て、江戸町と呼ばれるようになったと伝えられています。以後この辺りは大変賑わったそうです。

金沢城は、戦国時代でも有数の戦城で、今では往時の面影はありませんが、かなり攻め辛い城だったそうです。
唯一の欠点が城の裏門に当たる石川門の付近で、小立野丘陵から攻められるのを防ぐため、今の兼六園と石川門の間の丘陵を削り、さらに百間掘りと呼ばれる人工の堀を造ったそうです。この堀は現在石川門と兼六園の間の道路になっています。
城の最弱点であり、塀越しに一部城内が見越せるこの場所に徳川からのお供を住まわせたのは、反抗の意思が無いことを示すためでもあったかも知れません。

二階のお座敷
この茶店の一軒で、お花見宴会をしようとK君が企画してくれました。
この辺り一帯でのお花見宴会は、旧百間掘りで現在では沈床園と呼ばれている石川門石垣下の公園に、ビニールシートを敷いて行うのが一般的です。
私も二十数年金沢に住んでいますが、向かい側の茶店では初めてでした。

例年ならほぼ満開の頃、4月8日土曜日の16時からと日は未だ高く、今年は桜も開花したばかりで、残念ながらこぼれんばかりの桜絵には早かったようです。
K君もやや残念そうです。
屋外宴会の場合、場所取り役さえ確保しておけば、様子を見ながらできるのと違い、お店への予約はある意味賭けのようなものなので、いたし方ありません。

二階から見る石川門の夜桜
宴会も進んで、日も暮れてゆく光景は、それはそれで素晴らしいものでした。
来年、もし機会があったら今度こそ満開の桜の下で、この二階から悠々と夜桜宴会を楽しみたいと思います。

兼六園の薀蓄やフォトアルバムなど兼六園名園記に詳しく紹介されていますので、一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。