「影響の輪」を広げる

向上心旺盛と自画自賛している中年おじさんのブログ日記

黒澤明監督「椿三十郎」

2009-03-11 | 映画

 

この映画は、昭和37年(1962年)の作品。

 

 

「椿三十郎」の「椿」に関連して書いたブログは、ここを参照。

http://blog.goo.ne.jp/hirat55/d/20081130

 

 

 

映画の詳細は、ここを参照:

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%BF%E4%B8%89%E5%8D%81%E9%83%8E

 

 

 

この映画の最後の椿三十郎(三船敏郎)と室戸半兵衛(仲代達矢)の決闘の場面の秒数、コマ数を解析:

 

①お互いが対峙し、袖から手を出してから、お互いが動き出すまで:21秒19コマ(30コマ/秒)

 

②お互いが動き出してから、仲代が刀を抜く動作まで:16コマ(30コマ/秒)

 

③仲代が刀を抜く動作から、三船が切り始めるまで:3コマ(30コマ/秒)

 

④三船が切り始めてから、仲代を切り抜くまで:11コマ(30コマ/秒)

 

⑤三船が仲代を切り抜くから、仲代の体から血飛沫(しぶき)がでるまで:7コマ(30コマ/秒)

 

⑥仲代から血飛沫(しぶき)が出始めから、武士の画面に変わるまで:1秒15コマ=1.5秒(30コマ/秒)

 

⑦武士3人づつ、3画面展開:3秒16コマ=3.5秒(30コマ/秒)

 

⑧仲代が立ったままの画面から、仲代が切られ、傾き始めるまで:1秒22コマ(30コマ/秒)

 

⑨仲代が切られ、傾き初めてから、倒れるまで:4秒24コマ(30コマ/秒)

 

⑩三船が深呼吸を3回する画面:7秒21コマ(30コマ/秒)

 

 

 

この当時は、コンピューター・グラフィックの処理がなかった時代、⑤の三船が切り抜いてから血飛沫(しぶき)がでるまでのタイムラグが、7コマ。(=0.2秒)

 

 

 

俳優の演技と、舞台技術との連携の素晴らしさが、読み取れる。

 

 

 

お互いのタイミングで、抜き合う約束のもと、仲代の刀を抜く動作から三船が反応した時間差が、③の3コマ(=0.1秒)

 

 

 

三船敏郎さんの機敏さも感じる。

 

 

 

お互いが刀を抜くタイミングは、二人の役者に任せていた。 

 

 

 

また、二人には、夫々が刀を抜く技の練習のみさせ、本番まで、相手がどう切り込むのか知らなかったようである。

 

 

 

この画面のコマ展開や、秒数からも、よく計算し尽くしていると感じた。

 

 

 

切り合った後の9名の武士の画面は、3人づつ映す画面で、3画面。計9名の表情を描写。

 

 

 

⑦のとおり、その画面は、夫々が約1秒。

 

 

 

その僅か1画面1秒で、二人の凄かった闘いと驚愕した3人単位の武士の表情から状況を表現。

 

 

 

何れにしても、良いカット(画面、秒数、繋がり)の連続。

 

 

 

従って、「あっ」と言う間の最後の決闘のシーン。

 

 



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