インフルエンザワクチンの有効期間は?
コメントにインフルエンザワクチンに関する質問を頂きました。
質問は、インフルエンザワクチンは接種後どの程度の期間有効であるか?
三ヶ月やら五ヶ月やらと言われているが実際はどうなのか? という質問でした。
明確な答えはありませんが、少し頭をひねって回答を作成しました。
さて、インフルエンザワクチン接種後の有効期間ですが3か月も5か月も正解だと思います。
難しい話になりますが、インフルエンザワクチンにより防御抗体価が持続するのは3か月と言われておりますので3か月というのは正解です。(抗体というのは、体の中にあって、インフルエンザウイルスが体に取り付いたら、やっつけてくれる蛋白質です。抗体価とは抗体の多さと考えてください)
しかし、抗体価の上昇と維持は接種法、接種年齢によって変わります。小児のインフルエンザワクチンは2回接種で1回目と2回目の間隔は1~4週間ですが、1週間より4週間の方が効果は強くなります。そして、低年齢では免疫反応が強く抗体産生量が少なくなります。そして、個人差がとても大きいです。つまり、抗体価をみても人によってバラツキがあります。
以上のことを踏まえて抗体価を目安にすると3か月程度となります。
しかし、実際に発症するかしないかを調べると5か月程度まで有効であるという報告もあります。つまり、抗体価が5か月程度維持されることもあれば、防御抗体価以下になっても感染が成立しないことも多いため5か月程度まで有効であることもあるということです。
それならば調査すればよいと思いますが、残念ながらインフルエンザワクチンに関しては明確なデーターはありません。調べようと思えば数万人を、予防接種を受ける群と受けない群に無作為に分けて(個人が選択するのではなく行政が抽選などで分けて)、全員を追跡調査して1カ月に1度程度、抗体価を測定して、インフルエンザの流行期にインフルエンザに感染したかどうか調べれば分かると思いますが、そのような研究ができないのが現状です。
このために、どうしても、接種した人と接種しない人を単純に比較することになるのですが、この比較が大変難しいのです。例えば、予防接種を積極的に受けた人はインフルエンザに対して気をつけていて、マスクをしたり手洗いをしたり人混みを避けたりしてインフルエンザに感染しにくい知れません。予防接種を受けなかった人は、感染に気をつけなければ感染しやすいかも知れません。他にも様々な要因があります。これらの要因による差を考えて違いがあるかどうかを言うために統計という手法が使われるのですが、この統計というのか難しくて普通の医師でも間違って理解しています。そして、間違ったまま報告されていることが大変多いのですが、読んでいる方も間違っていることに気がつかなければ間違った情報が一人歩きします。私が読んでいても明らかに間違っている統計結果が堂々と報告されているので、私の気がつかない間違えも多くあると思います。
今後優秀な研究が成されて明らかになることを願っています。
現時点では以上のような根拠を元に10月~12月中旬くらいまでが適切な接種時期とされています。
ひきた小児科クリニックでは、三種混合ワクチン、BCGワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、BCGワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘(水ぼうそう)ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、他などの予防接種ができます。(注:インフルエンザワクチンは10月から1月に接種するワクチンなので5月現在は接種していません)
ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www.hikita.sx3.jp/
コメントにインフルエンザワクチンに関する質問を頂きました。
質問は、インフルエンザワクチンは接種後どの程度の期間有効であるか?
三ヶ月やら五ヶ月やらと言われているが実際はどうなのか? という質問でした。
明確な答えはありませんが、少し頭をひねって回答を作成しました。
さて、インフルエンザワクチン接種後の有効期間ですが3か月も5か月も正解だと思います。
難しい話になりますが、インフルエンザワクチンにより防御抗体価が持続するのは3か月と言われておりますので3か月というのは正解です。(抗体というのは、体の中にあって、インフルエンザウイルスが体に取り付いたら、やっつけてくれる蛋白質です。抗体価とは抗体の多さと考えてください)
しかし、抗体価の上昇と維持は接種法、接種年齢によって変わります。小児のインフルエンザワクチンは2回接種で1回目と2回目の間隔は1~4週間ですが、1週間より4週間の方が効果は強くなります。そして、低年齢では免疫反応が強く抗体産生量が少なくなります。そして、個人差がとても大きいです。つまり、抗体価をみても人によってバラツキがあります。
以上のことを踏まえて抗体価を目安にすると3か月程度となります。
しかし、実際に発症するかしないかを調べると5か月程度まで有効であるという報告もあります。つまり、抗体価が5か月程度維持されることもあれば、防御抗体価以下になっても感染が成立しないことも多いため5か月程度まで有効であることもあるということです。
それならば調査すればよいと思いますが、残念ながらインフルエンザワクチンに関しては明確なデーターはありません。調べようと思えば数万人を、予防接種を受ける群と受けない群に無作為に分けて(個人が選択するのではなく行政が抽選などで分けて)、全員を追跡調査して1カ月に1度程度、抗体価を測定して、インフルエンザの流行期にインフルエンザに感染したかどうか調べれば分かると思いますが、そのような研究ができないのが現状です。
このために、どうしても、接種した人と接種しない人を単純に比較することになるのですが、この比較が大変難しいのです。例えば、予防接種を積極的に受けた人はインフルエンザに対して気をつけていて、マスクをしたり手洗いをしたり人混みを避けたりしてインフルエンザに感染しにくい知れません。予防接種を受けなかった人は、感染に気をつけなければ感染しやすいかも知れません。他にも様々な要因があります。これらの要因による差を考えて違いがあるかどうかを言うために統計という手法が使われるのですが、この統計というのか難しくて普通の医師でも間違って理解しています。そして、間違ったまま報告されていることが大変多いのですが、読んでいる方も間違っていることに気がつかなければ間違った情報が一人歩きします。私が読んでいても明らかに間違っている統計結果が堂々と報告されているので、私の気がつかない間違えも多くあると思います。
今後優秀な研究が成されて明らかになることを願っています。
現時点では以上のような根拠を元に10月~12月中旬くらいまでが適切な接種時期とされています。
ひきた小児科クリニックでは、三種混合ワクチン、BCGワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、BCGワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘(水ぼうそう)ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、他などの予防接種ができます。(注:インフルエンザワクチンは10月から1月に接種するワクチンなので5月現在は接種していません)
ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www.hikita.sx3.jp/
最適時期は小児科学会が推奨しているように10月11月です。つまり、体調が良ければ1回目は”今”接種するのが一番よいです。
ワクチン接種から、防御効果発揮までは、1カ月程度かかるのでしたでしょうか?
ワクチンを体内に入れて、免疫を作るまでに時間がかかると聞いたことがあります。
勝手な考えですが、インフルエンザのピークアウトが2月とすると、
最適接種時期はいつ頃でしょうか?
できれば、猛威を振るっている時期に、
ワクチンの効果を最大限に生かしたいと思う母心です。