ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

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ワクチンにおけるチメロサールの維持

2013-02-05 18:40:34 | 予防接種(ワクチン)
ワクチンにおけるチメロサールの維持

 ワクチンの防腐剤として使用されているチメロサールについて、以前、害があるのではないかと論争になりましたが、最近は害は無いことが確認されています。ところが゛最近でもチメロサールについて心配されている方がおります。これは古い考え方です。全てのワクチンにチメロサールが入っているわけではありませんが、チメロサールが使用されているワクチンにはチメロサールが入っている方が良いために入っているので心配する必要はないと言うことになっています。

 この論争に関して、最近、American Academy of Pediatrics(AAP =アメリカの小児アカデミー)がチメロサールを禁止すべきでないと発表しました。これは画期的な発表で、そもそもAAPは1999年当時確かな証拠がなかったにもかかわらずチメロサールの排除要請をしていました。しかし、最近になって「チメロサールが小児に害を及ぼす原因となるかどうかを解き明かすために非常に多くの試みを行い、その最終結果は基本的にそのようには思えない」との結論が出たそうです。

 少なくとも国内で使用されているワクチンに関しては安全性が確認されているため、チメロサール問題視する必要も、排除する必要もありません。実際に、一時期チメロサールを成分から排除していたワクチンメーカーも最近になって再度チメロサールを使用しはじめています。そして、極々限られたデーターですがチメロサール入りのほうが安全という情報も出ています。

興味のある方は、下記論文に論争が書かれていますので読んでみると良いかも知れません。
Pediatrics. 2013 Jan;131(1):154-6. doi: 10.1542/peds.2012-2976. Epub 2012 Dec 17.
Global justice and the proposed ban on thimerosal-containing vaccines.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23248220

(感染症発生動向の地区分けで、みどり市の感染症発生数は桐生地区に含まれています)
ひきた小児科クリニックでは、三種混合ワクチン、四種混合ワクチン、BCGワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、肺炎球菌ワクチン(プレベナー)、子宮頚癌ワクチン(サーバリックス)、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘(水ぼうそう)ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、B型肝炎ワクチン、不活化ポリオワクチン、インフルエンザワクチン、ロタウイルスワクチン(ロタリックス・ロタテック)他などの予防接種を行っています。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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