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異字同訓 冷める・覚める・醒める・褪める を使う

2022年04月14日 | 日本語を見直し研究してみる



異字同訓語
 きょうは、これまでの同音異義語ではなく、異字同訓語」について考えてみよう。
さめる」にもいろいろあり、「冷める・覚める・醒める・褪める」がある。「覚める・醒める」の「異字同訓」で、なまじ「覚醒剤」などという熟語があるためにややこしいが、醒めるに関してはあっさり割り切って使わないか、ひらがな表記にするとよい。

「冷める」
 冷めるとは、熱(温度)が去る、下がること。高まった感情や気持ちが薄れること、つまり、興奮がおさまる場合にも使える。これは案外間違える人は少ないようである。

 味噌汁が冷める 料理が冷める
 彼氏への思いが
冷めた 彼は性格的に熱しやすく冷めやすい
 熱狂的な興奮が
冷めた

覚める」
 覚めるとは、本来の意識に戻る、迷いが解ける、現実に戻るという意味に使われ、広く一般的に用いられている。
2014年年2月 文化審議会国語分科会でも、【覚ます・覚める】は、睡眠や迷いなどの状態から元に戻る。太平の眠りを覚ます。迷いを覚ます。目が覚める。寝覚めが悪い。という例を挙げている。

 目が覚める 迷いから覚める 呼び覚ます
 夢から覚める 麻酔から目が覚める 

「醒める」
 醒めるとは、覚めると殆ど同じ意味に使われている。
醒める常用外の漢字で、「醒」は平成22年の常用漢字表の改定で追加された漢字である。(但し、音訓(読み)欄には「セイ」しか掲げられておらず、役所の書類などの公用文、公の教育の教科書など正式な文書には使えない漢字である。)
よって、「醒める」の代わりに「覚める」を使っても間違いではない。ニュアンス的には高ぶった感情が落ち着く場合、例えば、極端な酔い・興奮の状態から普通の状態に戻る場合に、「酔いが醒める・興奮が醒めた」として使うこともできる。
文学的なことを考えなければ敢えて使う必要はなく、覚えなくてもよいと言えるのではなかろうか。

 酒の酔いから醒める 悪い夢から醒める

「褪める」
 褪めるは、物理的に色が薄くなる。あせる。ということを表現する言葉であり、常用漢字表にもなく、一般的にはひらがな表記されることも多い。は「あ」とも読み「色褪せた」という表現にも使われるが、若い世代には読めない方も多い。

 洗濯により色褪めたシャツ 古い色褪せた写真 恐怖で青褪めた


オマケの試験 各種国家試験(公用文)に使われる文章です。
これは難問ですよ!  

試験には、鉛筆、ボールペン又は万年筆を持参してください

あなたはどれを選びますか? A~Dの中に正解は幾つ? そしてどれが?
 A:鉛筆とボールペン
 B:鉛筆と万年筆
 C:ボールペンと万年筆
 D:鉛筆、ボールペン、万年筆の3点すべて
 E:鉛筆、ボールペン、万年筆の3点の中からどれか1点
公用文では「又は」が文中にある場合、どれか一つと解釈する決まりです。

従って、「E」が正解です。

答えは、線の上をマウスポインターでハイライト

   ▼  勉強をしたい方のみ読んでください。
公用文作成の考え方」(建議)文化審議会 (令和4年1月7日)
公用文ってな~に?⇦ こちらも参考になるかも?(書籍のPRではありません!)
一番下(E)が正解です。公用文では「又は」が文中にある場合、どれか一つと解釈する決まりがあります。





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