平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

原発問題のその後(1)

2006年03月24日 | エネルギー問題
3月7日に「六ヶ所村」を一応書き終えてから、原発関係のニュースがたくさん飛び込んできました。

〇制御棒が破損
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 原子炉内の核分裂にブレーキをかける「制御棒」のひび割れが各地の原発で見つかり、判明しただけで原発6基で計46件に上ることが11日、経済産業省原子力安全・保安院のまとめで分かった。これほど多くのひび割れが見つかったのは世界でも例がないという。事業者側は「制御棒が折れることはなく、機能に問題もない」と強調しているが、保安院は「(安全かどうか)判断できない」として事態を重視、本格的な調査に乗り出した。
 制御棒は、核分裂を引き起こす中性子を吸収し、核分裂を制御する役割がある。ひび割れが見つかったものは、中性子の吸収能力が高いハフニウム板を使用していた。
 東京電力は今年1月、福島第1原発6号機で、使用しているハフニウム型制御棒17本のうち9本に破損が見つかったことを公表。これを受けて保安院は全国の電力会社に点検を指示した。
 その結果、同型の制御棒は、東京、東北、中部、日本原電の4電力の沸騰水型軽水炉23基で計382本使われていたが、151本を目視点検した結果、新たに同3号機でも5本のひび割れが見つかった。また、東京電力柏崎刈羽原発と中部電力浜岡原発などの使用済み制御棒にも32本のひび割れがあり、総本数は46本となった。今後、さらに増える可能性がある。
 このうち、2本はステンレス製のカバーがめくれ上がり、スムーズに出し入れできないものだった。ひび割れは最長12センチで、1本で40カ所以上のものもあった。制御棒は中性子を吸収するともろくなり、5サイクル(運転期間が5年余り)が交換の目安とされるが、4サイクルでひび割れが生じたケースもあった。
 保安院防災課の市村知也・事故故障対策室長は「なぜこれほど大量のひび割れが生じたのか試料分析で解明している。来月までにはっきりさせたい」と話している。
 原子力資料情報室の上沢千尋さんは「未点検なまま運転中の原発が12基もあり問題だ」と話している。【中村牧生】
 ■ことば(制御棒) 原子炉出力を制御するために、燃料集合体の間にくまなく挿入される棒または板状の物質。中性子を吸収しやすい素材(ボロン、カーバイド、ハフニウムなど)でできており、制御棒を抜き差しすることで、核反応を調整する。原子炉を緊急に停止する時にはすべての制御棒が挿入される。
(毎日新聞) - 3月12日3時8分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060312-00000008-mai-soci

制御棒の中には、破損がひどくて、動かなくなったものもあるといいます。これは重大な事故です。制御棒が正常に働かなければ、原発が暴走を起こす危険性があります。その行き着く先は、20年前に起こったチェルノブイリです。日本の原発はどうしてこんなにトラブルが多いのでしょうか。事故原因を徹底的に究明しなければなりません。


〇ところが発表に偽りあり
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 東京電力福島第一原発3号機(福島県大熊町)の制御棒のカバーにひびが入り、一部がはがれ落ちた問題で、東電は20日、新たに原子炉内で金属片1個を回収したと発表した。
 東電は今月7日、破片はすべて回収したと発表していたが、これを訂正。あらためて調べた結果、「さらに少なくとも破片2個が残っている」として、炉内の調査を続けていることを明らかにした。「確認作業が不十分だった。不手際で大変申し訳ない」としている。
 東電によると今月10日、原子炉そばの貯蔵プールで縦約1センチ、横約4センチのステンレス片を発見。制御棒カバーの一部と判明した。再度、カバーの欠落個所と照合した結果、2カ所で欠落。まだ計約0・4グラムの破片が未発見であることが分かった。
(共同通信) - 3月20日21時49分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060320-00000231-kyodo-soci

東電がわざと隠蔽したのかどうかはわかりませんが、そういう印象を与えかねません。今までもそういう隠蔽が度々あったので、原発に対する不信が高まったのです。事故に関しては、できるだけ迅速にかつ正直に報告しなければ、国民、とくに近隣住民の信頼を得ることはできません。


〇こんな不備もありました
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 原子力安全・保安院は16日、中部電力が提出した浜岡原発1号機(沸騰水型、出力54万キロワット)の高経年化技術評価等報告書の内容に不備な点があり「中電から内容修正の申し入れがあった」と発表した。
 中電は同日、変更報告書を提出したが、同院は「必要に応じ再度立ち入り検査を実施する」としている。
 中電によると、主な修正内容は(1)評価対象選定の際、機器のグループ分けで材質などを間違え一部で適切な評価ができなかった(2)部品の経年劣化を調べる際、一部機器での部品分割の見直しが必要(3)技術評価の際の計算ミス(4)配管などの名称の不統一、誤記、記載漏れ――など。同院は「本質的かつ大量の内容修正」と指摘したうえで、中電に対し同報告書を改めて総点検するよう求めていた。
 営業運転から30年経過する原発は国の規則に基づき、長期運転による機能変化などを調べ安全運転のための今後10年間の保全計画をまとめた「高経年化技術評価等報告書」を経済産業省に提出する。中電は1月31日に提出。2月13日から同院が立ち入り検査した。【舟津進】
3月17日朝刊
(毎日新聞) - 3月17日11時1分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060317-00000003-mailo-l22

こんないい加減なことでは、原発への信頼感が失われます。










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2 コメント

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Unknown (ひろ)
2006-03-25 00:29:16
>制御棒が正常に働かなければ、原発が暴走を起こす危険性があります



1,2本の制御棒が正常に働かなくても、原子炉を安全に停止させることは出来ます。
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Unknown (heywa)
2006-03-27 22:13:56
なるほど。新幹線のブレーキが一つ二つ故障していても転覆しないし、飛行機のリベットがいくつか外れていても墜落しないのと同じですね。

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