平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

(11)隠蔽されているヤコブ病

2006年01月26日 | 食の安全
狂牛病(BSE)と狂鹿病(CWD) (11)

前回、「アメリカでは、病気の牛を、ひょっとするとBSEかもしれない牛を、脊柱などの特定危険部位も除去することなく食用に供していたわけです」と書きましたが、そうするとアメリカではクロイツフェルト・ヤコブ病(以下ではヤコブ病と略称)の患者がかなりいるはずです。ところが、そういう数字はありません。公式発表によれば、

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プリオン病の中でも牛の海綿状脳症(BSE)との関係が指摘されているもので希な疾患に分類されます。イギリスを中心としたヨーロッパ諸国で167例(平成17年1月13日現在)が報告されています。内訳はイギリスが153例、フランスが9例となっており、ヨーロッパ以外のアメリカ、カナダで発生した症例については、イギリスの滞在歴があることがわかっています。
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http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kenkou/kansensyou/cjd.htm

つまり、イギリスとフランス以外では、全世界で5例しかないというのです。アメリカ人でヤコブ病で死んだ人は1人です。日本人も1名です。

ところが、アメリカではこういう事件が起こっています。先の田中ニュースより――

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 アメリカ東海岸のニュージャージ州に住むフリーランスライターのジャネット・スカーベック(Janet Skarbek)さんが、その「異常さ」に気づいたのは昨年、地元新聞の訃報欄で同じ町に住むキャロル・オリーブ(Carol Olive)という女性が死んだという記事を読んだときだった。

 記事によると死因はクロイツフェルト・ヤコブ病だったが、スカーベックの友人だった別の女性も3年前の2000年に同じ病気で死んでいた。スカーベックは、ヤコブ病は100万人に1人しかかからない病気だと聞いていたので、そんな奇病にしては自分のまわりで起きる確率が高いのではないかと奇異に感じた。

 死亡記事をさらに読み進むと、もっと奇妙なことに気づいた。ヤコブ病で死んだ2人は、同じ職場に勤めていたことがあるのだった。その職場は「ガーデンステート競技場」という地元の陸上競技場で、そこにはスカーベック自身の母親も勤めていたことがあったので、よく知っている場所だった。(ガーデンステートはニュージャージ州の別名)

 100万人に1人の奇病が、同じ職場から3年間に2人も出るのはおかしい。そう感じたスカーベックは、地元新聞の訃報などを使い、地元におけるヤコブ病での死亡を調べてみた。すると、さらに驚くべきことが分かった。ガーデンステート競技場の約100人の職員のうち2人、競技場の会員パス(一定料金で何回でも入れる常連者用の定期券)の保有者1000人のうち7人がヤコブ病で死亡していたのである。このほか、競技場内のレストランで食事したことがあるという人がヤコブ病で死んだケースも見つかり、合計で13人の競技場に出入りしていた人々がヤコブ病で死んだことが分かった。(関連記事)

 こうした事実を突き止めたスカーベックは、競技場内のレストランで出した牛肉に狂牛病に感染したものが混じっており、それを食べた13人がヤコブ病にかかったのではないか、と推測した。13人はいずれも、1988年から92年の間に競技場のレストランで食事した可能性が高かった。
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ヤコブ病には、プリオンが原因で起きる「変異性」のほかに「弧発性」というのがあり、こちらは遺伝などいくつかの原因によって起きるとされています。上記の事件は、弧発性ヤコブ病だとされてしまいました。そんなことがありえないことは、誰にでもわかります。つまり、アメリカで「弧発性ヤコブ病」だとされている病気の中には、「変異性ヤコブ病」が相当数含まれている可能性が高いのです。

次に、変異性であれ、弧発性であれ、ヤコブ病そのものが隠蔽されている可能性があります。2005年7月のニュース――

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 米国で2頭目のBSE(牛海綿状脳症)感染牛が確認され、今秋にも輸入再開が見込まれていた米国産牛肉の安全性に再び疑問が浮上している。
 政府は米国の検査体制や感染状況を再チェックする方針だが、京大医学部付属病院の福島雅典教授は「アルツハイマーや若年性痴(ち)呆(ほう)と診断された患者にもBSE感染で発症する変異型ヤコブ病の患者がいる可能性がある」と衝撃的な指摘を行った。
 先月30日には、感染牛はテキサス州で生まれ育ったことが判明した。
 こうした事態を受け、輸入再開に向けて安全性評価を審議している日本の食品安全委員会プリオン専門調査会は先月末、詳細なデータを米国に要求、感染状況を再審議する方針を固めた。
 変異型ヤコブ病の詳しい症状は意外と知られていないが、京大の福島教授は「人類で最も悲惨な病気。ガンやエイズとは比べものにならない」とし、こう解説する。
 「破壊される脳の場所によって違うが、初めは数カ月にわたる進行性痴呆や視力障害、錯乱、めまい、無感情などの症状が見られ、次第に筋肉のけいれんや運動失調が起こり、最後は廃人となる。若い人が犠牲になるケースも多い。患者の大半は発病から約3~12カ月で死亡する」
 福島教授は、異常プリオンに汚染された硬膜を脳外科手術などで移植して発病した医原性ヤコブ病のケースから、変異型ヤコブ病についても潜伏期間が(1)約4年(2)約10年(3)10数年など数パターンある可能性を示唆。
 その上で、「正確に変異型ヤコブ病と診断するには、脳の生検か死亡後に患者の脳の病理解剖をするしかない。症状としてはアルツハイマーや若年性痴呆、弧発型ヤコブ病と似ており、そう診断された中に変異型ヤコブ病の患者がいる可能性はある」と指摘する。
 実際、民主党の山田正彦衆院議員は今年2月、国会でこんな不気味な質問をしている。
 「昨年10月14日のニューヨーク・タイムズで、NY州のクラスターという町(人口17万7000人)で、『100万人に1人』といわる孤発型ヤコブ症で4人が死亡したという報道があった。昨年はカリフォルニア、オクラホマ、ミネソタ、ミシガン、テキサス州などで集団発生が表面化している」
 米アルツハイマー病協会などの推定では、1975年は約50万人だったアルツハイマー病患者数が、2005年は約450万人、2050年には1100万人から1600万人になると分析。これは高齢化だけで説明できるのか。
 それでも、政府は米国の外圧を受け、輸入再開を急ごうとしているかにみえる。
 福島教授は「食の安全を守るのは政府の義務。米国産牛肉を輸入せざるを得ないなら、輸入した牛肉を日本の責任ですべて検査するしかないのではないか。情報公開と医学的調査体制を徹底すべきだ」と話している。
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http://www.zakzak.co.jp/top/2005_07/t2005070112.html

100万人に1人の孤発型ヤコブ病が特定の地域で集団発生するなどということは考えられません。

アメリカではアルツハイマーが急増しています。アメリカの数字を日本のそれと比較してみます。

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厚生労働省では3年ごとに患者調査を行っており、「患者調査の概況」(2002)の「主要な疾病の総患者数」によると医療機関で継続的に治療を受けているアルツハイマー患者の数は約89000人(男性28000人、女性61000人)で、その数は年々増加している。治療を受けずに放置されている場合もかなりあると考えられ、実際には日本では60万人~70万人がアルツハイマーにかかっていると推定されている。また高齢化の進展に伴い、患者数は今後急速に増加することが予想されている。
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http://pharmacy.client.jp/altzhimer1.html

単純計算をすると、2005年の数字でアメリカ人のほうが日本人よりも4倍ほどアルツハイマーにかかりやすいということになりますが、なぜそんなことになるのでしょう? アメリカのアルツハイマー患者と言われている中には、相当多くのヤコブ病患者が潜んでいることが推測されます。

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