本題に入る前に亜也さんの詩を紹介したい。
小さな心で 小さな花を
あなたは うけとってくださいますか
小さな手で 小さな愛を
あなたはうけとってくださいますか (文字盤で)
この詩に今回のドラマの重要なポイントがあると実感した。
昨日、原作「1リットルの涙」と母の手記「いのちのハードル」を再度読んでいた。実際に母である木藤潮香さんは献身的に亜也さんを支えていた。名前からして、潮の香り=海(大海原の如く)とってもとっても広い心の持ち主の方と勝手に推測した。この物語にない壮絶なドラマがあったのだ。家族は無論、医師、家政婦と様々な葛藤が実際はあった。転々と病院を変えてある医師から見離されていた。ここはドラマで最終回に麻生が医師の卵に忠告する場面と脚色されていると想像する。実際にドラマにはいない麻生君と家政婦。この家政婦がとっても良い人もいれば、亜也さんのお尻を叩いた家政婦もいると手記にある。とにかく母と亜也さんの10年間が克明に書かれているが、正直真似なんてとても出来ない。実際に家族に居たら病魔と一緒に戦うのだろうが良くこの木藤潮香さんが医師、家政婦と協力し頭を下げ時には声を荒らげて喧嘩もしたそうだ。これをドラマにしてはと脚本家が、違う視点で我々に訴えかけてくれた。ただ間違いないのは原作もドラマも「生きることの大切さ」「勇気」「愛情」「努力」「健康であることの尊さ」「障害であっても前向きに生きる様」等色々な問いかけをしてくれた。この本を読まれた方、ドラマを見られた方もきっと感動されたと思う。その裏には壮絶で献身的な親子の愛が存在している。「感動」・・・一体何を持って感動したか、されたかは人それぞれで良いと思うけれど、あれだけ頭のいい亜也さんが段々身体が不自由になる。頭は人並以上なのに身体がついていかない。でも心の広さ、暖かさは少なくとも健常者である私には真似が出来ず頭の下がる思いでずっとこの1リットルの涙を見続けた。亡くなられて17年経ち、ドラマ化されて映画にもなった。そして我々に一番身近なテレビというメディアで忘れかけていた「本当の愛情」「生きることの尊さ」を改めて実感した。いい役者がこのドラマに出たことと、スタッフの方に感謝したい。ある人の言葉にこんな言葉がある。「気がついた時がスタート」だと。中々時間が経過してしまうと人は記憶が薄れて行く。(当事者でない限り)でもこれは実話でしかもこの「脊髄小脳変性症」という病気の根治は未だない。しかし、気が付いたことが僕の中には沢山あった。今から僕に出来ること、しなければならないことを始めたいと思う。今年最高のドラマ、いや、ここ数年のドラマの中では僕の断然トップ1である。当たり前を当たり前と思わず苦しい人、悩んでいる人が側にいたら助けて上げられる位の気持ちを大切にして今からこのドラマ、本に習って人生悔いのないよう過ごして行きたい。