キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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TBを承認制にしました

2007年01月31日 | 雑感
あまりにもエロTBがしつこいので、TBを承認制にしました。
TBが反映されるまで多少時間が掛かりますが、ご了承ください。
最新の日記は下から
   ↓

「日本人の死生観」

2007年01月30日 | 
「日本人の死生観」 五来重 角川選書―250 (1300円)

非常に興味深い本。
本の内容とは全く関係ないが、作者の名前「五来(ごらい)」というのはなんとなく日本の宗教学、民俗学を学ぶ人に似合っているような気がする。

◆荒魂(あらみたま)と和魂(にぎみたま)

◆水死者=エビス 漁師の信仰においては水死者も豊穣の神も同じ

◆古語で(遺骨を入れる)壺をホトキといったので、死者の霊をホトケという(柳田国男の説)

似てる!

2007年01月29日 | 雑感
「墨攻」のポスターを観て驚いた。
吹越満が主役!?
吹越ビッグな仕事入ったなぁ・・・

・・・・・・ってそれ、アンディ・ラウですから!

でも似てる~。
アンディ・ラウが髭を生やすと吹越満になるとは知らなんだ。

■NHKの「風林火山」のミツって鈴木杏が演じてるのだとばかり思ってたら・・・。
貫地谷しほりという全く別の女優だった。
でも私だけじゃなく、絶対鈴木杏と間違ってる人は多いと思う(←負け惜しみ)。

デザイナー佐藤可士和氏

2007年01月29日 | アート
デザイナーの佐藤可士和って、悔しいけどやはり才能のある人だな、と改めて思った。

国立新美術館のロゴは彼の作品。
こんなのデザインできないもんな。

ちなみにユニクロSOHOのロゴも彼の作品。
いや、ユニクロSOHOはロゴだけじゃなくクリエイティブ・ディレクション全般を手掛けたそうだが。

国立新美術館に行きたいんだけど今凄く混んでるだろうから、もう少し空いたら出かけようっと。

「散るぞ悲しき」

2007年01月27日 | 
「散るぞ悲しき」 梯久美子著 (新潮社刊)


映画「硫黄島からの手紙」のパンフレットに寄せられた文章で、最も私の胸を打ったのは梯久美子氏のものであった。
ほんの短いワン・センテンスにも、栗林中将や彼の地で亡くなった英霊たちへの深い愛情と共感が溢れていた。
栗林を演じた俳優の渡辺謙も、撮影中この本を何度も読み返したという。

一読し、映画よりもなお悲惨な阿鼻叫喚の地獄が彼の地にあったことに驚きと深い悲しみを覚え、同時に栗林のような人物がかつてこの日本に存在したことを心から誇りに思った。
彼のような知性と教養を持ち人格高潔な人間の命を奪った日本の軍部および戦争を、深く憎悪せずにはいられない。

日本人として、硫黄島での激戦について全く知らずに今まで生きてきたことを恥ずかしく思う。

慈悲深き神の視線

2007年01月27日 | 映画
【映画「硫黄島からの手紙」の結末に触れています。ご注意ください。】




「硫黄島からの手紙」は非常に静かで淡々とした映画である。
大仰な音楽やこれ見よがしの演出で観客を泣かせようというあざとさは一切感じられない。

栗林はもちろん英雄であるが、イーストウッドは彼を英雄としては描いていない。
総司令官も名もなき一兵卒も同じフラットな視線で捉えている。
そしてまた、アメリカと日本のどちらにも肩入れせず、徹頭徹尾フェアな視点で物語を進めている。
この映画を御覧になって「あまりにも淡々としている」という感想をお持ちになる方もいるだろうが、私はその淡々としたところに、かえって慈悲深い神の視線を感じた。

神がもしいるならば、きっとこのように人間を捉えているだろうから。
神は、等しく戦争という巨大な運命の波に押し流された人間たちを、その愚かしさや残酷さまでをも含めて何もかも赦してくれるだろう。

兵士たちの肉体が塵になり地上から消え去った後、地中から掘り出されたのは家族への愛に溢れた手紙だった・・・という結末に大きな救いを感じた。
あの結末はクリント・イーストウッド監督の、人間に対する神のごとき大いなる愛情の表れであった、と思う。

「硫黄島からの手紙」

2007年01月25日 | 映画
【映画の内容に触れています。ご注意ください。】


「硫黄島からの手紙」を観終わって、出口のエスカレーターで、「可哀想だよ、だって栗林中将は最初から知っ・・・」とつれあいに言いかけたところで、泣けて泣けて後はもう言葉にならなかった。

火曜日の上映が最終の回で、午前零時のシネコンの外にはもう誰も人がいなくて助かったが。




この映画を観て、一番心に残ったのは上に立つ者の悲しみである。

陸軍大学校を2番の成績で卒業し、成績優秀者の特権としてアメリカに留学経験のあった栗林。
敵国アメリカを実際に知り、その豊富な物資と合理的な戦術も知っていた彼は、どんなに孤独で辛かっただろう。

硫黄島の村外れに、部品が届かぬまま放置された戦車を見た時点で、もう日本軍の敗北を薄々感付いていたに違いないのである。

もちろん一兵卒の西郷や清水だって、ものすごい恐怖と苦悩の中にいたであろうが、栗林の感じた恐怖や孤独はその何倍も凄まじかったに違いない。

しかし、彼は逃げなかった。
潔く散ることよりも、生きて地獄を戦い抜くことを兵士たちに命じた。

普段は非常に温厚で紳士的な栗林が声を荒げて部下を叱り飛ばした言葉。

「我々の子供らが日本で一日でも長く安泰に暮らせるなら、我々がこの島を守る一日には意味があるんです。」

友軍の到着が不可能と知った時点で、彼はもう解り過ぎるくらい解っていたはずだ。
アメリカに勝つことは出来ない、と。

それでもなお命を賭して、5日で落ちると言われた硫黄島を36日間守りぬいた栗林忠道は、アメリカかぶれの戦い方を知らぬ奴と彼を嘲笑った、海軍出身の古参幕僚の誰よりも日本男児であった、と思う。




それにしても・・・。
イーストウッド翁の才能と創作意欲には感動を通り越して畏怖の念すら覚える。
正直、日本人にもこれ以上の戦争映画は作れないだろう。
たとえ豊富な資金や技術力があったとしても、だ。

総攻撃を前に「靖国で会おう」という言葉。
短銃を持たないために、手榴弾での爆死を選ぶ下級の兵士たち。
亡くなった清水の体にそっと千人針を刺したさらしを掛けてやる西郷。

日本に原爆を2発落とした敵国アメリカの映画人が、これほどまでに日本の精神性や文化に深く心を寄せ、上官から下級兵士まで一人ひとりに愛情を注いだ映画を撮ってくれるなんて、一体誰が想像できただろうか?

イーストウッド監督、日本人の一人としてお礼を述べさせてください。
「硫黄島からの手紙」を撮って下さって本当に有難うございました。
あなたに、アメリカの映画界に、そしてアメリカの国民性に敬意を表します。
そのfairnessの精神に。


イラク戦争を仕掛けたブッシュのいるアメリカはまた、「硫黄島からの手紙」を撮ったイーストウッドのいるアメリカでもある。


アカデミー賞作品賞、監督賞はこの作品で決まりだろう。
マーティ、残念だけど今回もオスカーはクリントに持ってかれそうだ。
あなたのライバルはあまりにも強敵過ぎる。


父親たちの星条旗 硫黄島からの手紙 公式HP

万俵鉄平のスタイリングが間違ってる

2007年01月22日 | ファッション
「華麗なる一族」におけるキムタクが昭和40年代の人に見えないのには、茶髪でパーマというその髪型もさることながら、スタイリングのとんでもなさも大いに関わってると思う。

昭和40年代の鉄鋼会社の専務がクレリックシャツ着るか?

次男の銀平も着てるけど、40年代の金融業や鉄鋼業の会社員が派手なクレリックシャツなんて着ないだろう。

しかも万俵鉄平は、東大工学部冶金科卒、MIT留学経験ありのエンジニアなのに。

髪型は七三かオールバック、シャツは白、タイは暗色系のレジメンタルがいいとこでしょ。


おまけに鉄平、第1話ではカラーピンしてたからね・・・。
カラーピンなんて、私の今までの人生で仕事の場でしてる人見たことないよ。
鉄一筋のエンジニアがカラーピンなんてするかな?

「カッコイイ俺、木村拓也」じゃなく、「鉄鋼会社の少壮専務兼エンジニア・万俵鉄平」を演じたいなら、もう少しスタイリストとキムタクは考えるべきじゃないか?

あ、言っとくけど私は別にアンチ・キムタクではない。
キムタクにはキムタクのかっこよさや魅力があると思う一人だけど。
もうちょっと万俵鉄平としての役作りをしたほうがいいんじゃないかなぁ、と。


*クレリックシャツ カラーとカフスは白、身頃が色無地や柄のシャツ。

*カラーピン 襟を留めるピン。元々はネクタイのノットの形を崩さないためのもの。現在は装飾的な意味合いのほうが強いか。

「どろろ」映画化

2007年01月21日 | 漫画
朝から穏やかで暖かい。
快晴の日曜日。

今度手塚治虫の「どろろ」が映画化されたが、ある登場人物が○○○だったということが結構大きなオチになってるのに、それがキャストで丸分かりってのはどうなんだろう?

ま、この大オチは漫画や小説だからこそ可能な話で、映像にするときは最初にバラすしかないのかもしれないけど。

それにしても手塚作品は、この「どろろ」もそうだが異端者/フリークスを主人公にしたものが多い。
「ブラック・ジャック」然り。「三つ目が通る」然り。
「鉄腕アトム」だって人間ではなくロボットであるということは、異端者/フリークスとみなしてよいであろう。

その辺はティム・バートンと重なるなぁ。

二人ともやはり自分は異端者だという思いを、子供のころから抱えていたのかもしれない。
「聖なる欠損」を持った主人公というのは物語の定石であるから・・・というよりもむしろ、手塚にしろバートンにしろ天才の孤独を感じる。


キリスト教国には悪魔に己の魂を売り渡す人間の話がたくさんあるけど、百鬼丸の父親は、自分が戦に勝つために我が子の体を鬼神との取引に使うわけで、クリスチャンが見たらとんでもない鬼畜に思えるだろうな。

いや、仏教徒が見ても百鬼丸の父親は酷いけれど。

「だれもが心の片隅で思っていること」

2007年01月20日 | 
「だれもが心の片隅で思っていること」 米山公啓

著者は神経内科の医師。
多くの人が感じる様々な疑問や希望を脳科学の観点から読み解いた本。

興味深かった項目。


●男心が理解できない・女心が理解できない

その理由は、男女は脳の作りからして違うから。

女性のほうが脳梁が大きいため、女性は左右の脳をバランスよく使って会話するが、男性は右脳的生き物。
会話をしながら何かをすることは不得手。

脳梁が大きいために女性はまたカッとしやすくもある、とか。



●死んでしまいたい

昨今は右脳を鍛えるのが流行りだが、右脳が活発なひとは鬱状態になりやすい。
だから芸術家には鬱や自殺が多い。
なるほど。

小沢氏の船「3人しか残らない」=民主党CMをやゆ-自民中川幹事長

2007年01月20日 | 雑感
小沢氏の船「3人しか残らない」=民主党CMをやゆ-自民中川幹事長

「嵐の中で船長がかじを手放し、水夫が逃げ去り、3人しか残らない党に日本の未来を任せるわけにはいかない」。自民党の中川秀直幹事長は17日の党大会であいさつし、嵐の船上で民主党の小沢一郎代表が奮闘するテレビCMをやゆした。
 民主党のCMは、船のかじを取る小沢氏が突風に吹き飛ばされながらも、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長の助けを得ながら船を進める内容。中川氏は「与党の船長、安倍晋三総裁(首相)はどんな荒波でも決してかじを手放さない」と小沢氏との違いをアピールしていた。 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

民主党の新CM 「生活維新。」


あっはっは。
中川幹事長、上手いこと言う。

某巨大掲示板では「宙船」の替え歌で

♪小沢にオールをまかせるな~

って書いた人がいて、腹が割れるかと思う程笑った。

それにしても民主党は絶対に広告代理店変えたほうがいいよ。
以前のCMも酷かったもん。
「日本をあきらめない」ってやつ。

無理!

2007年01月19日 | 雑感
よく行く図書館のロビーにあるAED(自動体外式除細動器)。
心臓が停止した人に電気ショックを与えるアレです。

仮に目の前で老人が泡を吹いて倒れたとしましょう。
「大変だ!心臓が停止している!!」

そのとき私がその場にいたとして、映画やドラマで観るようにカッコよく
「3,2,1,GO!!」
と、出来るかっていったら・・・。

無理!できません!!

「三角寛サンカ選集」

2007年01月18日 | 
「三角寛サンカ選集 
  第六巻 サンカ社会の研究」 現代書館 (定価5,000円)

箕つくり、箕直しを生業とし、士農工商の枠組みの外で生きた日本のジプシー、サンカについての研究本。

ノン・フィクションとして眉唾物の記述もあるが、民俗学に興味のある方はたまらなく面白いだろう。

私が15歳のころ夢中になって読んだ五木寛之「風の王国<翔ぶ女>」が、サンカの物語だったことにこの年になって気づく。
そうか、あの謎めいた女はサンカだったのか、と。

それにしても題材が題材だけに絶版になっているかと思えば、アメーバ・ブックスで再販とは・・・。

「華麗なる一族」

2007年01月17日 | ドラマ
「華麗なる一族」の原作小説、冒頭部分を携帯で無料ダウンロード。
面白かったが、すげぇ目が疲れた(←バカ)。

ドラマのほう、キムタクが昭和40年代の人に見えないとか、ロボ将軍とか、下手な肖像画とか、いろいろ難点はありますが、なかなか面白かったです。
だって原作が山崎豊子先生だもの。
もうしばらく様子を見てみます。