キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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勝手にマイ・アカデミー賞

2003年12月28日 | 雑感
大掃除は無理でも中掃除くらいはしたい・・・。
日記書いてる場合かよ、こんにちは偏屈王です。

今年のマイ・アカデミー賞を発表。

<映画館で鑑賞部門>
1位 キル・ビル
(文句なし。サントラもムックも買い、人にも勧めまくった)
2位 アイデンティティー
(傑作サスペンス。結末にはびっくり!)
3位 マトリックス・リローデッド
(ハイウェイ逆走のアクション+キャラのスタイリッシュさ)

<ビデオ・DVD部門>
1位 ザ・ロイヤル・テネンバウムス
(なんていっていいかわからない奇妙な味わい)
2位 太陽を盗んだ男
(ジュリー主演の邦画。あまり知られてないが名作)
3位アパートの鍵貸します
(ビリー・ワイルダーの人情ラブコメ)

 そして、マイ・ラジー賞(ワースト・フィルム賞)
1位 マトリックス・レボリューションズ
(おい、謎解きや、哲学は何処行った?最後はガンダムとナウシカとドラゴン・ボールかよ)
2位 クリスティーナの好きなこと
(下品な上につまんない。最悪。途中までしか観てない)
3位 YAMAKASHI!
(映画館で観ないでよかった・・・。)

「エンゼル・ハート」

2003年12月14日 | 映画
1987年の作品。
16年経ったんだ、この映画見てから・・・。
(軽い驚き)

ウィリアム・ヒョーツバーグの「堕ちる天使」の映画化。
ミッキー・ロークと聞いて、「ああ、あの猫パンチの?」と人々が即答する以前の、まだミッキー・ロークがハリウッド男優一人勝ちだった頃の映画です。

ハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)はNYで開業するしがない私立探偵。
ある日、ルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)という男から、戦前の流行歌手ジョニー・フェイヴァリットの行方を捜して欲しいという依頼が入る。ハリーはジョニーを追って、南部の町、ニュー・オーリンズへと・・・。

やはりこの映画好きだな。
私の好きなホラー映画、ベスト3に入るかも。
主人公の運命を暗示する、螺旋階段。そして降下するエレベーター。
1955年のNYの街並み。
終戦に沸く、タイムズ・スクエア。
ジョニー・フェイヴァリットの行方を追って、たどり付いた南部の町。
ニュー・オーリンズは雨の街だというけれど、本当にその通り。
黒人とJAZZと。
映画館で観た時は、ロバート・デニーロの正体に気付かず、結末には本当にびっくりしたっけ。
おんなじプロットの小説や映画は世界に山ほどあるだろう。
しかし、アラン・パーカーの撮ったこのフィルムは多分最高峰の出来栄え。
撮影での光と影の使い方を観て欲しい。

「ソラリス」

2003年12月11日 | 映画
いわずと知れたSF界に燦然と輝く巨星、タルコフスキーの「惑星ソラリス」のリメイク。

原作ファン・旧作ファンからはブーイングが上がるでしょうが、私はこの映画好きですね。
静謐で美しい。
特に宇宙船内部のプロダクツ・デザインは、私が人生でみたすべてのSF映画の中で最高に美しい!と断言します。
英語でいったら「neat」な感じ。機能的で清潔で洗練されている。
「ブレード・ランナー」から猥雑さを取り除いたような、未来世界も観ていて飽きない。列車や、市民の服装など。

「ソラリス」は一体なんだったのか。理性を超えた感情の支配するところ。
ドラッグで見る悪夢かもしれないし、彼岸なのかもしれない。

難しい哲学は抜きにして、寒い雨降りの日曜に一人でコーヒーを飲みながら観るのに、ピッタリの映画です。
不眠症の人は、速攻眠れます(邪道もいいところな観方)

タランティーノとみうらじゅん

2003年12月05日 | 映画
「キル・ビル」を観て以来、いろんな人に薦めまくっているのだが、「キル・ビル」って本当にビミョーな映画だと思う。
先日も、私の強力なプッシュもあって映画を見に行った友人が、「ギャグとして観る分にはいいが、人にすすめるのはどうか?」とメールを入れてきた。うーむ、お説ご尤も・・・。
確かにこの映画、髪の毛一筋間違ったら、トンデモない悪趣味映画になりそうだ。
(いや、今だってトンデモなく悪趣味なんだが・・・)
しかし、土俵際の踏ん張りで辛うじて、ハリウッドの特A級映画になってるんだから、タラもたいしたもんだ!やっぱセンスいいんだよね。
彼が愛するもの(千葉ちゃん、ブルース・リー、梶芽衣子etc.)を「ボクの好きなモノ」という括りだけで映画にしてしまう、この傍若無人さ!
元ネタの映画、例えば「吸血鬼ゴケミドロ」とか「サンダ対ガイラ」とか「修羅雪姫(主演:梶芽衣子)」を全部観てるのって、世界でもみうらじゅんくらいだと思う。(しかし、タラ、あんた何人よ?)
そういえば、じゅんさんも人がどう思うかなんてお構いなしに、自分の好きなものを追い求めて生きている求道者のような人なのであった。

渋谷パルコ7Fの映画館に行くと、「ボクって(アタシって)映画通なの~」みたいな、変にお洒落な奴らがいっぱいいるんだが、そういうのってかっこ悪いと思う。ピチカート・ファイブの小西康陽が「黒い十人の女」がいい!というとファッションだけで、観に来ちゃうようなやつ。
タラもじゅんさんもキーワードは「お洒落」じゃなくって「好き」
・・・この一言なんだよね、そこがめっちゃカッコイイ!
二人ともオタクなんだけど、人格は閉じてなくって世界に向かって開かれている。