障害者自立支援法の応益負担をなくすというのは民主党の公約だった。
応益負担分をなくすのに必要な予算は300億円とされ、障害者大フォーラムでも長妻厚生労働大臣はその解消を図ると言っていたのではないか。
しかし、その予算が事項要求となってしまって、幾ら予算が付くのか、障害者団体が交渉を重ねなければ予算化されるかどうかも怪しくなっていた。
報道や議員のメルマガで110億円にしかならないことが分かって、日本障害者協議会は以下の見解を出した。
ラビット 記
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2009年12月25日
応益負担実質廃止に向けた事項要求の減額に関する見解
日本障害者協議会
報道等によれば、厚生労働省が障害者自立支援法の応益負担の軽減策として300億円を事項要求としてきたもののうち、110億円しか確保されていないようです。
新政権に期待感を持っていた私たち日本障害者協議会(JD)は、このことに沈痛な想いで、今後の障害者施策について楽観視できない、極めて憂慮すべき事態と認識しています。
厚生労働大臣を始め、政務三役や与党の方々の多くは、私たちの要求を理解され、財務省との折衝をされてきたという御尽力については、感謝の気持ちでいっぱいです。でも、私たちにも生活がかかっています。
私たち日本障害者協議会(JD)は、多くの当事者・関係団体と共に、2005年に成立した障害者自立支援法に対して、多くの問題点を指摘していき、その後撤廃を求め運動を続けてきました。
その大きな理由は、応益負担(定率負担)の導入によって、これまでの障害者施策の考え方を根本的に変えてしまったことです。障害が重ければ重いほど、利用料も高くなってしまうという仕組みは、障害は自己責任であるといっているのと等しいことです。
障害者自立支援法によって、働く場においては、給料よりも実費や利用料の方が多く取られてしまう人たちが多く出てしまい、多くの人たちが、作業所や授産施設を止めていってしまいました。
その後、軽減措置や特別対策などによって、負担は相当減っていきましたが、応益負担の考え方そのものを変えたわけではありませんでした。
そのような中、全国71名の仲間たちが、日本の障害者の代表という形で、障害者自立支援法は憲法で保障する平等権や幸福追求権などに違反するものであるということで、全国14の地裁で提訴に踏み切りました。
私たち日本障害者協議会は、原告の訴えと想いを共有し、「障害者自立支援法の勝利をめざす会」に積極的に参加をし、この裁判を支援していきました。
この訴訟と私たちの運動の共通の目標は、障害を自己責任とする障害者自立支援法を廃止させ、“権利”という観点から、制度の谷間のない新しい障害福祉法制度を確立することにあるといってよいでしょう。
今回の110億円の予算確保は、低所得世帯の利用料を無料にするなど、応能負担化への第一歩と見てとれないこともありませんが、私たちが障害者自立支援法の導入時、問題にしてきた自立支援医療や実費負担の問題がそのままになる可能性が極めて高く、障害者自立支援法の根本思想としての「障害は自己責任である」とする考え方の転換が図られていない、と残念ながら見るしかありません。
長妻厚生労働大臣の「障害者自立支援法を廃止し…」の発言は、前政権による市場原理主義による福祉政策との決別を宣言したものと私たちは認識しています。そうした観点に立った時に、今回の予算措置は極めて不十分というしかなく、前政権でも同様の措置が可能であったのではないかと思わせる範囲のことです。
日本障害者協議会(JD)は、障害者自立支援法の真の意味での廃止を求め、新法の制定を強く要望するものです。
そして、その本当の第一歩・証としての応益負担の実質無料化のための事項要求の満額確保を重ねて強く要求するものです。
応益負担分をなくすのに必要な予算は300億円とされ、障害者大フォーラムでも長妻厚生労働大臣はその解消を図ると言っていたのではないか。
しかし、その予算が事項要求となってしまって、幾ら予算が付くのか、障害者団体が交渉を重ねなければ予算化されるかどうかも怪しくなっていた。
報道や議員のメルマガで110億円にしかならないことが分かって、日本障害者協議会は以下の見解を出した。
ラビット 記
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2009年12月25日
応益負担実質廃止に向けた事項要求の減額に関する見解
日本障害者協議会
報道等によれば、厚生労働省が障害者自立支援法の応益負担の軽減策として300億円を事項要求としてきたもののうち、110億円しか確保されていないようです。
新政権に期待感を持っていた私たち日本障害者協議会(JD)は、このことに沈痛な想いで、今後の障害者施策について楽観視できない、極めて憂慮すべき事態と認識しています。
厚生労働大臣を始め、政務三役や与党の方々の多くは、私たちの要求を理解され、財務省との折衝をされてきたという御尽力については、感謝の気持ちでいっぱいです。でも、私たちにも生活がかかっています。
私たち日本障害者協議会(JD)は、多くの当事者・関係団体と共に、2005年に成立した障害者自立支援法に対して、多くの問題点を指摘していき、その後撤廃を求め運動を続けてきました。
その大きな理由は、応益負担(定率負担)の導入によって、これまでの障害者施策の考え方を根本的に変えてしまったことです。障害が重ければ重いほど、利用料も高くなってしまうという仕組みは、障害は自己責任であるといっているのと等しいことです。
障害者自立支援法によって、働く場においては、給料よりも実費や利用料の方が多く取られてしまう人たちが多く出てしまい、多くの人たちが、作業所や授産施設を止めていってしまいました。
その後、軽減措置や特別対策などによって、負担は相当減っていきましたが、応益負担の考え方そのものを変えたわけではありませんでした。
そのような中、全国71名の仲間たちが、日本の障害者の代表という形で、障害者自立支援法は憲法で保障する平等権や幸福追求権などに違反するものであるということで、全国14の地裁で提訴に踏み切りました。
私たち日本障害者協議会は、原告の訴えと想いを共有し、「障害者自立支援法の勝利をめざす会」に積極的に参加をし、この裁判を支援していきました。
この訴訟と私たちの運動の共通の目標は、障害を自己責任とする障害者自立支援法を廃止させ、“権利”という観点から、制度の谷間のない新しい障害福祉法制度を確立することにあるといってよいでしょう。
今回の110億円の予算確保は、低所得世帯の利用料を無料にするなど、応能負担化への第一歩と見てとれないこともありませんが、私たちが障害者自立支援法の導入時、問題にしてきた自立支援医療や実費負担の問題がそのままになる可能性が極めて高く、障害者自立支援法の根本思想としての「障害は自己責任である」とする考え方の転換が図られていない、と残念ながら見るしかありません。
長妻厚生労働大臣の「障害者自立支援法を廃止し…」の発言は、前政権による市場原理主義による福祉政策との決別を宣言したものと私たちは認識しています。そうした観点に立った時に、今回の予算措置は極めて不十分というしかなく、前政権でも同様の措置が可能であったのではないかと思わせる範囲のことです。
日本障害者協議会(JD)は、障害者自立支援法の真の意味での廃止を求め、新法の制定を強く要望するものです。
そして、その本当の第一歩・証としての応益負担の実質無料化のための事項要求の満額確保を重ねて強く要求するものです。