難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

「発掘!あるあるⅡ」と聴覚障害者

2007年01月25日 10時08分29秒 | 生活

あるある記事.jpg「発掘!あるある大事典Ⅱ」のデータ捏造事件の波紋が広がっている。
聴覚障害者の立場から考えたことがいくつかある。
ひとつ目はテレビというメディアの巨大な影響力だ。視聴率が10数%というのが何人に相当するかわからないが一千万人は越えるだろう。かくも多くの人に瞬時に同質の情報を与えるメディアは他にない。
この社会的メディアに視聴覚障害者がアクセス出来ないでいるのはやはり差別を受けていると言わざるを得ない。
ちなみに「あるある」は字幕放送だった。もちろん手話も解説放送はない。
ふたつ目が、放送の公共性だ。電波という限られた資源を用いることその影響力による公共性のために放送事業は国の免許になっている
放送法第一条の(目的)には「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図る」ことが記されているのもそのためだ。
しかも第3項には、「放送に携わる者の職責を明らかにし」というモラル条項まであり、「民主主義の発達」の観点も記されている。
他のメディアにも社会的有害なものは見られるが有料だったり、アクセスに一定の困難さがある。テレビは誰でも見られるところが違う。
三つ目は、放送の国家権力からの独立性だ。
こうした不祥事が続けば国の干渉が放送内容にも及ぶことを恐れる。

この事件をきっかけに放送の役割を国民が考える機会になると同時に、視聴覚障害者などの放送アクセスの権利の保障の必要性が担保されるようになって欲しい。

ラビット 記