難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の職場就労の実情(後編) さあ,聞こえないどうする?自分一人だ

2007年01月10日 03時29分01秒 | 就労

ウィルコムのPHS(続き)
職場の電話の電話機には難聴者用拡声装置(アンプ)が付いているが、相手の声が割れたりして良く聞こえない。相手が携帯電話だと完全にアウト。
しかし、長年使っている個人のPHSで電話すると良く聞こえる。補聴器がTコイル対応でないデジタル補聴器なので、PHSの受話部を補聴器のマイクに直接あてて聞くと、補聴器で目の前の人と補聴器で話を聞くよりもはっきり聞こえる。
ウィルコムWX310K
http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/wx/310k/index.html

何で、電話回線を通じた電話よりPHSの方が良く聞こえるのかわからないが、とにかく言葉はハキハキと明瞭に聞こえる。
PHSの電話代が心配だが、今はそんなことにかまっていられない。

そうこうしているうちに、前から予定していた課の会議の時間になる。派遣を依頼した要約筆記者も待機している。混乱を極めた1日の仕事の流れを急いでまとめた資料を配布し、説明する。普段は何も意見も質問もなく終わるが、今日は私からこれで良いかと聞くと皆から質問が二の矢,三の矢と飛んでくる。
要約筆記者も急いでペンを走らせる。ノートに書いている手の動きに皆が注目しているのが分かる。目をノートに走らせて、対応を説明する。
皆はたまっている仕事の最中なので早く終わって仕事に戻りたがっているし、終わった人は帰り時間を気にしている。こういう時にテキパキと対応しなくてはならない。
あれもこれも私の対応が後手後手に回っていて,失笑も漏れる。しかし,聞こえなくてトンチンカンな返事に対する失笑ではない。返事が遅れても的確に対応できるの要約筆記は私にとって心強い存在だ。

皆が帰った後、明日の仕事がうまく運ぶように,オペレーションを再度組み直し,各部門,支店に連絡書を書いてメールし,時計を見ると午前零時だ。早く帰宅しよう。
嵐のような1日が過ぎた。明日は,早朝から自動車の免許の更新だ。要約筆記者との待ち合わせの時間も早い。

ラビット 記


難聴者の職場就労の実情(前編) 職場で電話が聞こえない!自分一人だ、どうする!?

2007年01月10日 03時14分46秒 | 就労

拡声アンプ付き電話/a>職場の受注部門と配送業者を結びつけていた物流部門が8日から離れたところに転居してしまった。そのために、仕事の流れを再度整理しなくてはならなくなり、その準備で連休がほとんどつぶれてしまった。
いざ、その初日になってみると、あれはどうする、これはどうしたら良いかと問い合わせが殺到した。その度に前もって相手先別に送っておいた業務報告書の内容を参照し、オペレーションの確認をしたり、急きょ方法を変更したありするには、メールやファックスでは間に合わない。どうしても時間に追われているので、電話せざるを得ない。
おまけに、いつも電話を代わってもらっている職場の上司が休日中に足首をねんざしたとかで急きょ休まれ、2チームの片方のリーダーも出勤途上で怪我をしたので午後から退社しまうという状況でてんてこ舞いだった。

電話通訳のように他の人を使えればいいのだが、そういうやり方を説明していない。第一、何本も電話がかかっているのに説明してやらせる余裕がない。
かかって来た電話はこちらからかけ直すことにして、一旦切る。切ったとたんにこれはどうする、これで良いかと聞かれ、説明している内に10分、20分、30分と過ぎる。切った相手から催促の電話がかかってくる。

電話が良く聞こえないで多分こういうことだと考えて返事をして切ることが何回かあった。するといつもくるファックスが来ていないと言われる。それで,さっきの電話はそのファックスを送らなくても良いのかという意味だったのかと分かる。別の支店からの電話はファクスを送るから届いたら電話をくれと言う。届いたファックスは経費処理のものだったのでその処理の仕方を聞いているのかと思って,届いたファックスにその方法を書いて返信したら,すぐ電話がかかって来て違うと言う。こちらからかけ直して聞くと,相手は支店長で処理の方法を変えてもらいたい相談だと分かって恐縮した。もう一人は何のことか分からず声で誰か分からないまま、折り返し電話すると電話を切った。かかって来た電話番号に電話すると誰か分からないでいると、電話がかかって来て東京本社の部長だったことが分かって,平謝りした。
(続く)

ラビット 記
写真は会社の拡声アンプ付き電話