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難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

文字表記が障害者権利条約議長テキストに

2006年03月16日 23時55分30秒 | 福祉サービス

guide
UNscene1JDFから第8回障害者権利条約に関する特別委員会委員会に向けて、討議の元になる議長テキストの翻訳が出された。
これは、その翻訳によれば、今年1月に開かれていた第7回アドホック委員会の最後に採択された同委員会報告書の付属書2に含まれている。
翻訳が参照した文書はこれである。
http://www.un.org/esa/socdev/enable/rights/ahc7docs/ahc7draftannex2.DOC

この翻訳によれば、第2条に「文字表記」(display of text)が追加された。
「第2条 定義
この条約の適用上、
「コミュニケーション」には、音声言語、手話、文字表記、点字、触覚コミュニケーション、拡大文字、筆記、音声装置、アクセシブルなマルチメディア、平易な言葉、朗読者、並びにコミュニケーションの補助的及び代替的な様式、手段及び形態(アクセシブルな情報通信技術を含む。)を含む 。」

全難聴は、第7回特別委員会でサイドイベントを国際難聴者連盟と開催し、中途失聴・難聴者のニーズの実現を強くアピールした。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/adhoc7/ri20060120s.html
このサイドイベントに参加したカナダ代表が、第21条の情報アクセスに関して、文字表示を含めるべきだと発言した。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/adhoc7/ri20060120.html
JDFが2月8日に外務大臣に提出した議長草案への要望にはコミュニケーションの定義に「文字表示」も含めるべきであるとしている
http://www.normanet.ne.jp/%7Ejdf/yobo/20060208.html

文字通訳は、第9条の人的支援の中には含まれていないが、第8回特別委員会中の我々の活動いかんでは文字通訳が書き込まれる可能性もある。
第7回特別委員会の最中から、国際難聴者連盟、世界ろう連が国連事務局と同委員会会場に文字通訳をスクリーンに映すことを検討している。

同翻訳はいずれJDFや日本障害者リハビリテーション協会のホームページなどに発表されるものと思われる
http://www.normanet.ne.jp/%7Ejdf/
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/index.html

ラビット 記





コミュニケーション支援サービスに有料化を食い止めるには

2006年03月12日 07時59分06秒 | 福祉サービス
中央対策本部では、15日の事務局会議を開催し、各地に広がる手話通訳等のコミュニケーション支援サービスの有料化の動きにどう対応するかを協議する。

東京のある区の障害福祉担当者は、視覚障害者のガイドヘルパーは1割負担になるが聴覚障害者のコミュニケーション支援サービスは無料であるという理由を示して欲しいという。
医師に診察を受ける時、手話通訳を依頼すると費用を負担しなければならないとなったら、みな控えるだろう。診療を控えているうちに重要な兆候が見落とされないとも限らない。現実に高齢者の医療がそうなっている。

対策本部では、行政サービスや相談を受けるのに有料がありえないので、行政の障害者福祉課や自立支援法の相談やケアマネジメントのサービスを受ける時は有料かを問うのがポイントとしている。
①介護給付・訓練等給付のサービスをどのように利用して生活を組み立てるか等の相談場面の手話通訳は有料ですか?
②補装具の申請や判定、業者との折衝の手話通訳は有料ですか?
③自立支援医療の手続きの手話通訳は有料ですか
④日常生活用具の申請手続きや業者との折衝の手話通訳は有料ですか?
⑤自立支援法の相談支援事業所を利用する場合の手話通訳は有料ですか?
⑥手話通訳を依頼しがてら打ち合わせは有料ですか?

また、自立支援法のサービスを受ける時は有料かもポイントだと示されている。
①ホームヘルパーが来るとき手話通訳を頼んだら有料ですか?
②介護保険のデイサービスを利用しているとき手話通訳を頼んだら有料ですか?
③自立支援医療の更生医療や精神科の受診の際の手話通訳は有料ですか?
④確定申告を行う際の手話通訳は有料ですか?

有料化を反対するには、多くの負担に苦しんでいる市民の理解を得る運動が必要だろう。権利としての障害者福祉が、国民全体の健康と安全を守る基本的人権、社会権の擁護と同じということを理解してもらうのだ。

ラビット 記




対人援助に必要なこと

2006年03月12日 07時48分16秒 | 福祉サービス
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東京都中途失聴・難聴者協会が、協会の理事や部長、障害者会館中途失聴・難聴者相談員など、会員内外からいろいろな相談を受ける機械が多い人を対象に、対人援助の心構えなどを学ぶ講演会を開いた。
講師の山本多賀子さんは、世田谷区総合福祉センターで30年間も相談業務に携わってこられた方で、東京いのちの電話の開設にも関わっておられる。
日ごろから、会員のなやみをどう受け止めるか悩んでいた担当者たちは、真剣に話を聞いていた。

ラビット 記



良くわからないパソコン字幕

2006年03月10日 09時04分15秒 | 福祉サービス

RABIT昨日は、とても分かりにくい字幕を見た
パソコン要約筆記とは似て非なるものだ
事業計画や予算の説明だったが、説明している人が非常にていねいな言葉つかいをするがそのまま、入力する
「…のとおりでございます」
「…をご覧下さい」

資料にある金額を読みあげるのに千円単位までそのまま表示する
「3,280万3,000円」(例)

参加している難聴者の役割が何なのか、何のためにコミュニケーション支援を必要としているのかを理解しないまま、入力をしている
事業計画などを承認する理事会では収入、支出のバランス、計画の妥当性などを審議するものであり、金額の正確さを確認する場ではない

結果として、ずらずらと並ぶ文字列から必要な言葉を抜き出しながら、「読み解く」作業を強いられた
隣にいらしたろう団体の方は文章を読み書く方でろう者にもパソコン要約筆記は必要と言われる方だが、画面はほとんど見ていなかった

毎回ほとんど同じメンバーで、経験の長い方たちが入力しているし、毎回同じような指摘をしているが、今回も言うだけでなく、メモも渡したがリーダーの方が困惑した顔をされた。

その困惑した顔が気になる。派遣元に言って欲しいということなのか、私たちも精一杯やっているのを認めて欲しいということなのか、他の難聴者からはそんなことは言われないし逆に誉め称えてられているということなのか、どうしたら良いか分からないということなのか。

困惑の原因に関係があるかもしれないが、私は磁気ループは使わない、磁気ループを使うために補聴器にあれこれ接続しなければならないのと補聴器で聞いても細部は聞き取りにくいからだ。文字が頼りだ

情報の伝達、意味の伝達、難聴者の参加保障とは何か考えて欲しい
この問題に整理が付かなければ、パソコン要約筆記の「認定」ができない

ラビット 記





難聴のM子さんの高校生活

2006年03月09日 09時06分57秒 | 福祉サービス
難聴のM子さんは、無事、要約筆記もついて、仲間と一緒に卒業出来た。おめでとう。

M子さんがが入学した時、お母さんは学年主任と校長先生に一歩も引かずに、貴女に普通の学校生活と送らせたいと要望した。三年間の中学校生活に地域の要約筆記者や同じ母親がノートテイクを続けてきた。だから、卒業式にも要約筆記を付けることを校長が認めた。
同市内公立中学校で、卒業式に要約筆記が付いたのは初めてで、全国でも余り例がないと言う。

この卒業式は、新聞でも大きく取り上げられている。「ハンディを乗り越えたM子さん」、「ボランティアや保護者が要約筆記などで手伝った」、「学校によると市内で初めて」、「高校は地域が変わるために新たなボランティアを募っている」
これを読んで、全く問題の本質をとらえていないこの新聞記者は、いったい何を取材したのか。なぜ、要約筆記を「お願い」しなければならなかったのか、「なぜボランティアがやらなければならなかったのか」、「教師は何をしてくれたのか」、「何でまたボランティアを募わなくてはならないのか」
障害を持つ子供が自分に合った教育を受ける権利が侵害されてきたということに疑問を感じないなら報道に携わる資格はない。
なぜ、校長に3年間何もしなかったのか、教育委員会にその責任を問わないのか聞くべきだ。
難聴とはどういう障害か、特別支援教育、障害者自立支援法、教育基本法、憲法と掘り下げられないなら、ジャーナリストの看板を下ろすべきだ。

まだ、多くの卒業式があり、入学式を迎える子供たちがいる。行政と社会が動かなくては、この子らの権利は守れない。権利が守られない社会はもろい。
次報に期待したい

ラビット 記



要約筆記事業の課題の整理

2006年03月06日 23時49分39秒 | 福祉サービス
060225_1201~001.jpg土曜日は京都府綾部市で、京都府要約筆記奉仕員現任研修があった。
京都駅から急行で1時間かかるところだが95人くらいも参加があり、東京と比べても多いのでちょっと驚いた。
京都府の要約筆記者は1981年から養成が始まって、各市や町に組織されていて、746名もいる。要約筆記サークルは33団体、493名。ただ2004年度の派遣実績は425人なので、年に数回しか派遣の依頼がないということになる。

参加された方々は障害者自立支援法が施行されると制度や要約筆記事業がどうなるのか、サークルや現任研修である程度のことを学ばれており、高い関心を持たれていた。
奉仕員と要約筆記者の違いが良く分かったとか、何人が要約筆記者になるか分からないが必要なことだと思う、方向性が見えたという声やもあり、思ったより積極的に受け止められている感じがした。
一方で、行政や事業体の方向が定まっていないことや自分が通訳として要約筆記が出来るのか、どのように認定されるのか、PC要約筆記はどうかという不安も感じられる方もいらした。
何度も聞いて理解を深めたい、さらに学習をしたいという方も多かった。

いろいろな課題、問題があふれているが、制度の課題、要約筆記事業の課題、要約筆記の課題、要約筆記者の課題、中途失聴・難聴者の課題にわけて考えたい。
1)制度の課題は、まず利用料の徴収、対象者の問題がある。
2)要約筆記事業の問題は奉仕員から要約筆記者へどのように移行するか、市町村の派遣事業をどこが実施するか、要約筆記者養成事業はどのように実施するかの問題がある。
3)要約筆記者の課題は、要約筆記者としての意識をどう高めるか。通訳としての要約筆記はどういう技術か理解して実践できる力を身につけるか。
4)中途失聴・難聴者は、要約筆記「者」になることをどう受けとめるか、自立のためにどういう支援を求めるのか
を明らかにすることだろう。

全難聴と全要研は、3/26日に京都の全国手話研修センターで合同学習会を開くことにしている。

ラビット 記








要約筆記者の養成コスト

2006年03月05日 12時34分50秒 | 福祉サービス
福祉基礎構造改革と国や自治体の財政悪化に伴い、事業の効率化をいっそう図ることとされているが、釧路市では市民一人当たりの行政コストが算出算出されていることに驚いた。
http://www.city.kushiro.hokkaido.jp/kikaku/gyouseihyouka/h1601/h15j2746.pdf

教育や福祉、医療はそうしたコストのみで評価出来るものではないが、その金額のデータだけが独り歩きする危険がある。

しかし、要約筆記者の養成事業を行って何人が要約筆記派遣事業に従事するかというのは、今後は重く見られるだろう。
20人養成して、数人しか従事しないというのでは、養成方法に問題があるのか、需要の喚起が足りないのか、派遣に特別な困難があるのかどうか、検証しなくてはならない。講習時間が不足して、技術に自信を持てずに現場に出られない(出せない)、年に数回しか依頼がないか、謝礼が安いのでボランティアしか出来ないなどの問題がある

障害福祉計画で平成23年の要約筆記の利用者数を算定し、平成20年までの第1期、平成23年までの第2期の計画することがすべての市町村、都道府県に義務付けられている。

ラビット 記



再度のコミュニケーション支援事業の実施要綱

2006年03月02日 23時14分57秒 | 福祉サービス
厚生労働省の障害保健福祉関係主管課長会議が3月1日に行われ、多くの資料が出された。
4月から実施される個別給付に関わる文書や省令改正がほとんどだが、コミュニケーション支援事業実施要綱案が再び出ている。
内容は、1/25の部局長会議の時とまったく同じだ。

これは、4月の施行を控えて、支援費関係、自立支援医療関係などを先に通知しなければ、各自治体とも予算が組めない、事業が始められないということから、地域生活支援事業関係は後回しになった感がする。
もう一つの理由は、聴覚障害者団体、視覚障害者団体の意見を待っていることがある。全難聴も全日本ろうあ連盟も自立支援法後の事業のあり方や実施方法について、助成事業で調査研究を行っており、三月末で報告書が出る。それを厚生労働省が待っている。

コミュニケーション支援事業、なかでも要約筆記事業は要約筆記奉仕員事業から要約筆記者事業になるので、多くのことがまだ明確になっていない。
1)要約筆記派遣サービスの内容に個人派遣と団体派遣の含まれること
2)要約筆記奉仕員が要約筆記者になるプロセス
3)要約筆記者派遣事業の実施要件
4)要約筆記者養成研修事業の内容
5)広域派遣ネットワーク事業の内容
6)他のサービスとの併用の費用負担
などだ。

もうひとつ大きな問題がある。手話通訳を利用するに当たって有料化を市議会で答弁した生駒市の例もあり、有料化をなんとしても食い止めなければならない。

これは、コミュニケーション支援の重要性は確かにあるが、他の障害者からみればその支援がなければ命に関わる障害だけに、強く反対をしてきた。その支援サービスは一割り負担が求められて、コミュニケーション支援のみが無料であることを行政や他の障害者にも納得してもらえる理由を示す必要がある
それは、個別給付は予算確保をすることを引き換えに負担が求められて、コミュニケーション支援事業は事業補助なのでそうならなかったと説明するしかないという意見がある。
つまり、制度が違うので、有料化を求めるのはおかしいということだ。

あれだけの反対運動を押し切って導入され、成立後に厚生労働大臣が財務省の意向があったという一割り負担を盾に取るのは気が進まない向きもあるがこれから地域で他の障害者団体とも共闘しなければならないので、きちんと理解を求め、一割負担の軽減、負担上限額の引き下げにも
要求が必要だ

いずれにせよ、今後、中央対策本部や県本部の取り組みがさらに重要になる。

ラビット 記






障害者差別禁止法の制定

2006年02月28日 06時22分33秒 | 福祉サービス

jinken日本弁護士連合会の「障害者差別禁止法」パンフレットが2003年9月発行だがわかりやすい。

情報アクセスに関する記述がないが、その後のシンポジウムでは取り上げられていた。

日本弁護士連合会人権擁護委員会
障害のある人に対する差別を禁止する法律に関する調査研究委員会
「差別禁止法の制定に向けて」
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/jinken/jinken_pam.html

ラビット 記




コミュニケーション支援サービスが有料に

2006年02月28日 00時06分37秒 | 福祉サービス
060225_1057~001.jpg全難聴の理事会と総会で、障害者自立支援法に対する各地の取り組みと自治体の対応が報告された。

これからの運動にとって、いくつかの重要なポイントがある。
一つは、コミュニケーション支援事業の有料化だ。
奈良県生駒市では市議会で手話通訳の派遣1回に付き円の負担を求めると市当局が答弁し、全国から問い合わせが集中しているらしい。東京のK区で担当者が他の障害者の一割負担と同じ負担にして何が悪いみたいに言われたとか。
対策本部では、通訳は聴覚障害者を健聴者の両方にメリットがあるのに聴覚障害者だけが負担するのはおかしい、複数の聴覚障害者が通訳を受けた時に負担をどうするのか決められない。そもそも、地域生活支援事業は無料であった事業を有料にするものではな説明いる。1/25日までに各都道府県に交渉するように指示がでていたが、まだ自治体側も無料でと言い切るところは少ない。
コミュニケーション支援は個別支援の自立支援サービスと違い、無料であるという行政も他の障害者も納得する積極的な理由が必要だ。

もう一つは、障害福祉計画に中途失聴・難聴者協会の参画問題だ。
障害福祉計画には市町村は住民の意見を、都道府県は障害者基本法による障害者施策協議会などの意見を聞かなければならないとされている。
しかし、中途失聴・難聴者は市町村に組織を持たないので要望をだしにくい。
四月から九月の間に19年度から年度の自立支援法第一期の障害福祉計画に要約筆記などの見込まれる利用者数を書きこませる運動が必要になる。
要約筆記の利用者数をどう見積もるか試算をしなければならない。現在の派遣実績では目標にならない。身体障害者手帳をもつ聴覚障害者35万人のおよそ20%は要約筆記や筆談をコミュニケーション方法にしている。しかし、何らかの聴力の低下をある難聴者人口は一説には1千万人、人口の10%近くもいると言われている。
これをどう展開するか。

ラビット 記





東京の支援法緊急学習会

2006年02月21日 23時22分17秒 | 福祉サービス
060221_2026~001.jpg060221_1943~001.jpg2月21日、中野区で東京の聴覚障害者団体の障害者自立支援法緊急学習会が開かれ、67人が参加した
これは、東京都聴覚障害者連盟が傘下の協会代表を集めたものに都内聴覚障害者関係団体も加わり、東京都聴覚障害者対策本部として開かれた

支援法を巡る情勢などの報告や中途失聴・難聴者協会が行った区市への要請の区市障害福祉課の反応や今後の障害福祉計画へのニーズや目標を出す必要性などが話された

なかでも、要約筆記の利用の負担=有料化を公言した区もあり、緊急に反撃が必要だ

ラビット 記





障害者自立支援法と難聴者運動

2006年02月19日 12時27分54秒 | 福祉サービス

NPO事務局の仕事中途失聴・難聴者のほとんどは、「孤立」している。難聴は目に見えない障害で周囲の人には気づきにくい。難聴という障害は目に見えない障害というが、障害の部位が外見的にわからないというのではなく、音声や音によるコミュニケーションが目に見えるものではないからだ。音声、音は消えてなくなる、その場だけのものだから、コミュニケーションが成立しなかった結果、現象だけが残る。
また、このことから、自分で障害の程度、社会での差別、権利侵害のはなかなか分からない。
本人にとっても周囲にもなかなか理解されにくい難聴という障害を持つ人々は非常に多いが、適切な情報提供や支援が受けられていない。
コミュニケーションの障害なので、地域や社会資源とも関係が薄く、社会的に「孤立」しているからだ。

孤立している難聴者を支援するのは、難聴を自覚している当事者集団、中途失聴・難聴者協会が社会の中で一つの役割を果たさなければならない。
一つの役割というのは、難聴者の抱える問題は当然だが難聴者協会だけでは解決できないからだ。相談員、相談支援事業者、カウンセラー、ケースワーカー、医師、補聴器店、補聴支援技術者、社会福祉協議会、商店会、町内会、老人クラブ、自治会その他多くの団体、機関と連携を組むことが重要だ。

中途失聴・難聴者協会にとって、障害者自立支援法の地域生活支援事業との関わりをどうするかが、今後の運動の大きな課題になる。



要約筆記事業の夜明け

2006年02月17日 08時08分58秒 | 福祉サービス
060216_1633~001.jpg全難聴は全要研とともに、2月16日障害者自立支援法の要約筆記事業に関わる実施要項に対する要望書を厚生労働省に提出した。
厚生労働省は3月初めの主管課長会議に向けて、各障害者団体のヒアリングを始めているが、その中の一つとなった。

要望は9項目にわたり、要約筆記の派遣対象から、要約筆記者への転換事業まで幅広いものとなった。
要望のポイントの一つとなったのは、要約筆記奉仕員を要約筆記者とするための研修と認定だ。要約筆記者養成事業は実施されておらず、要約筆記者がまだ存在しないため、手話奉仕員と違って、レベルアップのための研修とその確認をする認定はセットで実施される必要がある。
要約筆記者は、要約筆記奉仕員の名称変更ではない。明確に、国民の社会福祉制度の一翼を担う人材の創出である。中途失聴・難聴者を中心とした聴覚障害者の権利擁護、社会参加を保障する社会資源だ。要約筆記者は、通訳出来る技術と知識、及び社会資源であることを自覚したものでなければならない。要約筆記奉仕員養成講習会52時間を受講しても要約筆記者になるわけではない理由がここにある。
従って、要約筆記者の養成は新しいカリキュラムが通知されてから3年間かかるがそれまで「奉仕員カリキュラム」養成される要約筆記者も研修・認定の対象になる。
要約筆記者はもちろんのこと、行政がこのことを深く理解して欲しい。

全難聴と全要研が国の施策について連名の要望書を出したのは初めてではないか。
要約筆記事業に対して、とにかくも足並みをそろえた意味は大きいし、責任も重い。

ラビット 記

写真は新宿区四谷と曙橋の間の「暗闇(くらやみ)坂」の標識
坂の脇の全長寺が昼でも暗いところから名付けられたそう。
江戸時代中期からのこの名がある。
http://www.mycgiserver.com/%7Efookey/map-shinjuku-akebonobashi.htm





難聴者等の支援

2006年02月12日 00時50分18秒 | 福祉サービス
難聴者の支援は難しい。
理由は、難聴者が求めていることが十分分析されていないように思う。難聴であることが自分の意思決定、自分の行動を妨げているとわかっていても、難聴者自身が支援を求めない。どういう支援があるか、支援を求める権利があることすら、自覚されていない。
また、支援方法が成熟していない。本人にも周囲にも存在を気づかれないように、聞えをサポートする方法を身に付けた人がどれだけいるのだろう。

難聴者は情報障害者、コミュニケーション障害者だと言われている。難聴者には情報提供する、通訳等情報保障すれば事足りるのだろうか。
聞えが低下すれば、医者に行き、診察を受ける。医者は治療なり、投薬なり、臨床対応をする。あるいは補聴器店で補聴器を購入する。補聴器店は聴力を調べ、良い補聴器店なら聞えの補償を求める生活場面、生活の内容を問い、適切な補聴器を選定する。
しかし、聞えが衰えればどういう問題が発生するのか、どういう意味を持つのか、権利が侵害されていること、解決のために制度など社会資源をどう利用するかについて、学ぶ場がない。補聴器を使ってコミュニケーションする上で補聴器の限界、補聴器以外のコミュニケショーン方法も理解することが大事だ。言わば補聴器のリテラシーが必要なのだがこれを教える機関がないに等しい。

これらは、医療機関、コミュニケーション支援等の事業者、補聴器販売店、ケースワーカー、ソーシャルワーカーなどの社会資源がそれぞれの役割を自覚したネットワークが必要である。また、難聴は表に出にくい障害であり、社会に広く難聴者問題を理解した人がいなければ問題が顕在化しない。これらの社会資源と中途失聴・難聴者を結ぶ「難聴者等支援員」が必要である。

難聴者の地域生活における自立のための支援の内容は、全難聴は「四つのニーズ」にまとめている。一つは、補聴器と補聴援助システムの供給体制の確立。二つ目は、要約筆記等コミュニケーション支援の充実、三つ目がコミュニケーション方法の学習支援、読話や手話、補聴器装用方法などだ。ITリテラシーの学習支援も含まれる。四つ目が、中途失聴・難聴者を対象にした相談事業の確立だ。

一つ目は補聴器や機器の給付は、難聴者の立場での販売事業者や社会への啓発も行う必要がある。難聴者を単なる「顧客」としてではなく、コンシューマー教育とコンシューマー保護も必要だ。
二つ目の要約筆記者の養成、派遣はこれからの社会福祉サービスの担い手、権利擁護の担い手であることを自覚した要約筆記者の養成が原点になる。難聴者は組織化されにくい障害者なので、難聴者と接する要約筆記者は権利侵害に敏感でなければならない。
三つ目は、コミュニケーション方法の習得の過程で、中途失聴・難聴者を支援する制度や各種の知識を学び、難聴者としての権利意識の自覚も育てる。自らの障害のアピール方法も習得する。三つ目のその使いこなしの方法も社会への理解も含めてだ。
難聴者の自立のための環境整備と難聴者自身のエンパワメントの両方が必要なのである。

要約筆記者は、要約筆記という専門性を持った通訳を通じて、難聴者等の自立を支援する事業を担う。しかし、これまでの要約筆記者には、先に挙げた「難聴者等支援員」の役割も求められていたのではないか。これは、区別して支援することが重要だ。

ラビット 記





要約筆記事業のガイドライン

2006年02月09日 22時11分20秒 | 福祉サービス
060205_1040~001.jpg障害者自立支援法では、中途失聴・難聴者等のコミュニケーション支援事業の要約筆記奉仕員事業は「要約筆記者事業」となり、市町村で実施されることになる
しかし、1月25日の厚生労働省の会議で示された地域生活の実施要項案のコミュニケーション支援事業のところに「要約筆記者には要約筆記奉仕員を含む」と記されたことから、一部には要約筆記奉仕員事業が継続されるかのようにとらえる向きもある。

これは、今の障害者福祉施策を二重、三重にも後退した理解になってしまうだろう。
第一に、奉仕員つまりボランティアでは中途失聴・難聴者の真の権利保障にならないことである。
司法、立法の場に資格の保障のないボランティアでは公権力に関わる通訳としては受けられない(利用者が不安を抱く)。
まして企業などに働く中途失聴・難聴者が職場で働く権利の保障に要約筆記を要求する場合、守秘義務や高い倫理性を持ち、派遣元と連携して対応することの理解のある要約筆記者でなくては、弱い立場の中途失聴・難聴者を守ることができないだろう。

第二に、奉仕員のままでは要約筆記者の身分保障がされず、報酬も低ければ要約筆記者を目指す人もいなくなり、コミュニケーション支援する人材が不足してしまう。

第三に、中途失聴・難聴者の支援は要約筆記に限らない幅広い情報支援から、カウンセリング、エンパワント補助まで多岐にわたって必要だが、要約筆記者である必要性はない。
要約筆記は誰でも良いというなら、要約筆記者の通訳という仕事の専門性を低めることにらないか。

社会福祉サービスの担い手であるというのは、国民の基本的人権を擁護するために「法律(制度)」で運用されている。
要約筆記者が養成後試験を受けて資格を認定されれば、身分的にも保障されるようになるだろう。


ラビット 記

写真は、早春の湘南の海