Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その252

2011年08月10日 | 制作裏話




トラブル(2)

 昨日の続きです。これらの「GMKゴジラ」は不良成型分が出るのを覚悟で生産を進めたのでした。



■納品されるまでハラハラドキドキ!
 気泡や穴が出やすくなっていた「GMKゴジラ」の金型。
 サンプル成型の段階では、通常原料より柔らかいクリア成型ということもあって気泡はかなり目立ってしまっていました。ましてやラメ入りなので金型への負担も少なからずともあります。
 中断する訳にも行かず、何回か抜いて続けていくとまた微妙に変わってくる事もまれにあるそうなので、イチかバチか多少の不良品が出てしまうのを覚悟で生産する事にしました。
 あとは成型屋さんの経験と技術にお任せするしかありませんでした。納品されるまでいくつ生産できるかわからないので、いつもここをご覧いただいている皆様にはギリギリまでいつもぐらいの販売個数を確保できるかお約束できなかったのです。
 そして納品。商品に使用できるのはいつもよりちょっとだけ少なめになりましたが、ほぼ予定数に近い分が確保できました。半分は廃棄かと覚悟していたので、本当に成型屋さんに感謝、様様です。
 ですからこの2つの商品に喜んでいただいた皆様、ちょっとだけでもいいので心の中で成型屋さんに拍手していただけたら幸いです。

 無事商品化できた2つの「GMKゴジラ」ですが、今後の事を考えると同じ金型を使用しての新規カラーは難しいと言わざるを得ません。ギリギリのパーツ形状でソフビを作るという事は、そういうリスクも伴うという事を考えなければならない事を身をもって知ったのでした。
 そして「GMKゴジラ」より前に作ったゴジラたち(「キンゴジ」「デスゴジ」「ミレゴジ」)は今どれもしばらく成型してません。ですからこれらの金型も心配はあります。なかなか時間がないので試せませんが、今でも各パーツをちゃんと抜けるのかどうか確認が必要と考えてます。最悪の状態にならなきゃいいんですけど……(焦)。

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ソフビ制作裏話 その251

2011年08月09日 | 制作裏話




トラブル(1)

 今日は「GMKゴジラ クライマックスバージョン」と「GMKゴジラ 熱線ダメージバージョン」の成型時に起こった気泡のトラブルについて。



■気泡と穴が……!!
 こうして企画した2つの「GMKゴジラ」の新規カラー、商品化するのは久しぶりでした。が、予想外のことが起こりました。
 成型サンプルを出していただく時に、気泡や細かな穴が以前発売した時のものより出やすいのです。

 ソフビは各パーツごとに高温に熱した金型に原料を流し込み、冷やして固まった時(まだ柔らかい状態)にすぐにそこから抜き(それでもまだ熱い状態)、完全に冷えて形になります。そのため抜くための形状には限りがあります。当然、可能な状態の金型にすべく、角度、太さ、長さや大きさ等形状を計算して原型(ワックス原型)で各パーツをいつも作っています。
 細かな突起が多かったり、鋭角的な角度のパーツを抜くのにはかなり難しいのです。ですから怪獣等はリアルであればある程、細かくパーツ分けしないと商品化は難しいと言わざるを得ません。レトロタイプのように細かな突起が少なく、全体が滑らかで丸っこいものであればある程、成型は楽ということになります。さらに大きければ大きい程、抜く時も金型に負担がかからないので、ソフビのサイズでも影響する加減は変わってくるのです。
 弊社商品は、一般に言うスタンダードサイズよりかなり小さいし、毎回かわいいながらも各ゴジラの形状に似せるべく特徴をできる限り重視して盛り込んで造形していますので、他社さんのレトロタイプゴジラよりも金型に大きな負担がかかっているのです。
 希望する形状をできる限り実現するために、抜くための角度やサイズをギリギリ可能な所まで弊社なりに計算して作る場合が多いので、時には部分的に気泡が出やすいものもあるのです。金型屋さんや成型屋さんに相談にのっていただく事は多々あり、ワックス原型を作り直した事も何度かあります。
 そして使用した金型は、錆や汚れを防止すべく保管しなければなりませんが、多少なりとも空気に触れますから完全には無理で、しばらく使っていないと何らかの微妙な変化はあるようです。
 この時の「GMKゴジラ」の金型は、おそらくその微妙な部分で起こってしまったと思われるのです。

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ソフビ制作裏話 その250

2011年08月08日 | 制作裏話


Part.2 配色

 今日は「GMKゴジラ 熱線ダメージバージョン」の内蔵モールの効果と彩色について。



■ゴジラの熱線放射のダメージの表現のために……
 ラメ入りクリアパープルの成型色を生かす形で企画した「熱線ダメージバージョン」。
 こちらは「クライマックスバージョン」と違い、内部にモールを入れています。体内に放射熱線のエネルギーが巡っている表現としていれたのですが、これがまた面白い効果になりました。
 ラメ入りクリアパープルはライティングで色合いが変化して見えます。モールが入る事でさらにその感じが強調されて、不思議な色合いになりました。これも予想していた以上のものでした。
 試しに暗めの部屋にしてライトを直接当てたりたのですが、角度によっては反射でゴジラの内部だけが光って見えたりもします。面白くてついいろいろ試しても見ました。購入された方はぜひ一度お試しあれ。
 ゴジラソフビとしてはかなり異質ではありますが、雰囲気を壊さずにテーマからは外れずに面白い表現になったと思っています。

 細部の塗装部分については以前書いた「こだわり」に書いた通りです。
 やはりこちらも最初のサンプルから商品製作の途中で、より熱線放射の雰囲気を出すために背びれのグラデーションカラーの一部を変更しました。地色、メタリックライトブルー、シルバー、ツヤ入りのホワイトと。それまで熱線放射イメージをテーマにしたゴジラソフビをいくつか展開してきましたから、それよりグレードを下げるわけにはいかないというプレッシャーもあった事は事実で、手間がかかっても「思いついちゃったのにやらなかったら後悔する」という自戒もあります。それにしても自分で言うのもなんですが、こんな多重グラデーションをするのは羽沢組ぐらいかもしれませんね(笑)。
 背びれのグラデーション塗装同様、ボディに塗ったメタリックパープルもこだわった所。そういう部分は他社さんのソフビゴジラではほとんど見られないので、手前味噌ですがつくづく「羽沢組らしいなぁ」と今でも人ごとのように思ってしまいます。

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ソフビ制作裏話 その250

2011年08月06日 | 制作裏話


Part.1 企画

 今日からは「GMKゴジラ 熱線ダメージバージョン」について。まずは発売のきっかけについてです。



■ラメ入りクリアパープルの成型を生かして
 先日の「クライマックスバージョン」の裏話でも書きましたが、「クライマックスバージョン」のための成型のサンプル出しをしていただいた所、それが思っていた以上に面白い仕上がりでした。
 ラメの入ったクリアパープルは、ライティングの違いで違う色に見え、モールを入れてみるとまたさらに違った面白さがある事がわかりました。光の加減で見え方が変わるのです。この色合いを使ってもう一つ違うゴジラを作りたい衝動に駆られたのです。
 もちろん「クライマックスバージョン」に使用する事は変わりはありませんが、こちらはボディの多くの部分をガンメタブラックでスプレーします。せっかくもう一つこれで作るのなら、この成型の特徴をを生かしてほとんどボディに塗装しないものが作れないかと考えた訳です。
 元々、劇中でのゴジラの最後の見せ場(?)でもある傷ついた肩から熱線を放射してしまうインパクトの強いシーンもシチュエーションカラーの候補としてはあったのですが、傷ついたゴジラを商品化する事には多少の躊躇はありました。が、この色なら塗装の仕方次第で、「カッコかわいく」の範疇で表現できるのではないかと考え直し、急きょ企画を立てて同時発売となったのでした。
 配色そのものについての具体的な部分やこの成型色と「熱線放射時のダメージのゴジラ」というテーマとのマッチングについては、2010年8月28日から書いた「こだわり」をご覧いただくとして、こうして「熱線ダメージバージョン」は企画から発売までは珍しく短期間で商品化したものになりました。
 ちなみに、これまでも同一成型色で同日、もしくは近い日で違う塗装のゴジラ商品を発売してきた事はありましたが、いずれも企画自体はそれぞれ最初からありきで商品化したものです。この時のようにサンプル成型で惚れてしまい、そこから商品化したのは、現在までこの「熱線ダメージバージョン」だけです。そういう意味では弊社にとっても異例の商品となりました。

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ソフビ制作裏話 その249

2011年08月05日 | 制作裏話


Part.4 彩色(2)

 今日は「GMKゴジラ クライマックスバージョン」の背びれの塗装について。途中で彩色変更があった経緯についてです。




■ガンメタブラックの調合比
 この「クライマックスバージョン」は、最初に告知した時から発売までの間に一部彩色の変更がありました。主な所は背びれです。
 当初、背びれの先端をゴールドのみでスプレーしたものとして企画していましたが、最終的にはオレンジゴールドを加えてグラデーションに見えるようにしました。
 これまでも弊社商品では何度かこういった事がありました。これらは彩色サンプルが完成してから、時間を置いて改めて商品を見直した時に、もっとテーマにあったアレンジが必要として再検討して変更したものです。
 本来であればすべき事ではありませんし、より商品を良くするためとはいえ、その点は大変申し訳なく思います。
 今の所、これらの変更についてお怒りや残念のお言葉をいただく事はなく、逆に喜んでいただけたお声ばかり頂戴しているのが幸いなのですが、もしも「最初に気づけよ!」と突っ込まれても返す言葉もありません。
 この「クライマックスバージョン」は、サンプル完成数日後、製品の塗装を始める前に改めて『GMK』を見直してみて、背びれの表現の再検討が必要と感じたものです。
 前に書いた「こだわり」でもこの時の劇中シーンでのゴジラのシチュエーションは説明しましたが、それに合うべく変更。しかし、手間や時間は当初予定していたものの方が遥かに楽です。それでも思いついたらそうしたくなる、ある意味悪い癖(?)なのかもしれません。
 考えてみると、過去の商品でも変更することになった時は必ずより手間がかかる行程になっています。そういう時は自分でも「もっと早く気づけよ!」と自分に突っ込みを入れたくなるものです。そういう部分でももっと修行が必要なのだと知る私です。

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ソフビ制作裏話 その248

2011年08月04日 | 制作裏話


Part.3 彩色(1)

 昨日の続きで今日も「GMKゴジラ クライマックスバージョン」の配色について。今日は全身にスプレーした塗装色についてです。



■ガンメタブラックの調合比
 成型色のクリアパープルを使用するのも楽しみでしたが、ボディーにスプレーしたガンメタブラック(メタリックブルー)を使用するのも楽しみでした。
 一般的にガンメタブラックは基本的に黒とシルバーの混合がメインで、場合によっては他の色も隠し味のように入れたりします。しかしそのメインとなる黒とシルバーの調合比が意外と難しいものです。成型色とのバランスの事を考えなくてはなりませんし、ほとんど黒、ほとんどシルバーに見えてしまっては意味がありません。
 後に弊社でも「ファイナルゴジラ ブラックバージョン2」「メカゴジラブラックバージョン」でもガンメタブラックを使用していますが、いずれも調合比は全く同じではありません。成型色や造形状態、カラーリングのテーマ等を考えて変えています。
 他社のレトロソフビでもたまに使用されている塗装色ですが、以前個人的にガンメタブラック塗装と言われて買ってみたらほとんどシルバーにしか見えなかった事が何度かあって驚いた事がありました。そういった経験もあったので、商品によってそれに合うように調合すべきと考えて行ってもいるのです。
 ちなみにこの「クライマックスバージョン」の時の調合比は秘密です(笑)。メタリックな要素が強く見えすぎると軽い印象になってしまうので、やや黒が強く見えるように黒を少し多めに調合しています。画像で見るとメタリックな感じがあまり感じられないのはそのせいでしょう。

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ソフビ制作裏話 その247

2011年08月03日 | 制作裏話


Part.2 配色

 今日は「GMKゴジラ クライマックスバージョン」の配色について。成型色とラメについてです。



■予想以上の効果があったクリアパープル+ラメ
 成型色、彩色、混入ラメ等の配色の詳細につきましては、2010年8月25日からの「こだわり」をご覧下さい。
 前にも書いた事がありますが、全体の配色を考える作業はかなり楽しいものです。
 ラメは入れる量や大きさ、色等でいく通りにも組み合わせができます。微妙な差でイメージや受け取る印象がガラっと変わってしまうのも面白い所です。特にクリア成型ですので、見る場所のライティング、照明の加減でも色合いが違って見える事は多々あります。
 この時使用したラメ入りクリアパープルはまさにそれでした。サンプルが出来上がってみてそれを感じました。明るい部屋と暗い部屋では見られる色合いが違い、予想以上に面白い効果と感じました。やはり実際に成型で抜いてみないとわからない事はあるのだと改めで実感です。
 おそらく違う色のラメや量の加減でも見え方は違うのだろう事は想像できます。

 ちなみにいつもの事ですが、予算の事を考えたり、成型屋さんに迷惑をかけたくない事なとの理由で、よほどの事がない限りはサンプル抜きをやり直すという事はしていません。つまり事前に決めたラメの色の組み合わせや量等で「きっとこう仕上がるだろう」と仮定しておいて抜いていただき、商品にそのまま反映させています。
 幸いな事に、これまで弊社で発売したラメ入りクリア成型のソフビでは、サンプル出ししていただいた後に、ラメの量の調整をお願いした事は何度かありますが、大幅なやり直しをした事はありません。ほとんど予想通りか、予想以上の嬉しい効果があったりでしたので、ラッキーと言えばラッキーなのかもしれません。
 このクリアパープルはそういう意味では予想以上の嬉しい結果でした。
 成型色とラメの組み合わせを考える事は、難しいのは今でもそうですが、それ以上に楽しさもあります。

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ソフビ制作裏話 その246

2011年08月02日 | 制作裏話


Part.1 企画

 今日から昨年9月に発売を開始した「GMKゴジラ クライマックスバージョン」「GMKゴジラ 熱線ダメージバージョン」の制作裏話を書きます。どちらも現在発売中ですので(のこりあとわずか)、ご希望の方はぜひお求め下さい。
 今日は「クライマックスバージョン」について。




■企画から3年……ようやく商品化
 弊社の「GMKゴジラ」を最初に発売したのが2007年8月。その時に企画していたカラーリングのアイディアは5つです。第一弾カラーとなったオーソドックスな「ブラックバージョン」と、4つの劇中シチュエーションカラーでした。
 4つのシチュエーションカラーは、劇中でのゴジラの代表的なシーンをモチーフにして企画したもので、バラゴンとの戦いの際の「箱根決戦バージョン」、インパクトの強かった熱線放射攻撃をしているシーンの「熱線放射バージョン」、夜の横浜でのモスラやギドラとの戦いのシーンの「横浜激戦バージョン」、そしてこの「クライマックスバージョン」です。
 最初の3つのシチュエーションカラーは、それぞれある程度の間隔を空けて発売させていただき(いずれも完売)、ようやくこの4つめとなる「クライマックスバージョン」を2010年に発売したものです。

 この「クライマックスバージョン」は、その名の通り劇中での千年竜王と化したキングギドラとの海中、海上での最後の戦いのシーンをイメージしたものです。3年越しの企画でしたから、配色を検討している時はようやく形にする事ができるという嬉しさでいっぱいでした。
 成型色にクリアパープルを初めて使ってみよう、ゴジラの塗装にガンメタブラック(メタリックブラック)を最初に使うのはこの「クライマックスバージョン」にしようとずっと思っていたので、それも含めて制作が楽しみな商品でした。

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川北監督の平成ゴジラPV完成!

2011年08月01日 | ニュース


平成ゴジラ再び!!

 すでにご存知の方も多いと思いますが、11月にバンダイさんからゴジラの可動フィギュアのシリーズの発売がスタート。モゲゴジを皮切りに次々にゴジラや敵怪獣が発売されるそうです。
 これがゴジラフィギュアファンの間ではかなり話題になっているそうで、先日アメリカで開催されたコミコンで公開された時も大きな注目を浴びていたそうです。
 Webで公開されるPVも作られ、撮っているのはもちろんVSシリーズの本家・川北紘一監督です。第一弾は「VSメカゴジラ編」の第一部(三部まであります)。本日から配信予定だそうです。ネタバレしては申し訳ないので内容は詳しくは書きませんが、VSシリーズの雰囲気は充分に描かれています。一瞬フィギュアが劇中スーツに見える所もあり、VSシリーズのファンはこの映像だけでもたまらないと思います。気になる方は一度チェックを!

http://www.bandai.co.jp/press/images/3/62186.pdf

http://tamashii.jp/special/shma/index.html

 これらに関連して雑誌・書籍・ネット等でもいろいろと今動きがあります。弊社も実はいくつかお手伝いさせていただいているので、情報公開のOKが出ましたらまたここでお知らせ致しますのでお楽しみに!

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