Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その251

2011年08月09日 | 制作裏話




トラブル(1)

 今日は「GMKゴジラ クライマックスバージョン」と「GMKゴジラ 熱線ダメージバージョン」の成型時に起こった気泡のトラブルについて。



■気泡と穴が……!!
 こうして企画した2つの「GMKゴジラ」の新規カラー、商品化するのは久しぶりでした。が、予想外のことが起こりました。
 成型サンプルを出していただく時に、気泡や細かな穴が以前発売した時のものより出やすいのです。

 ソフビは各パーツごとに高温に熱した金型に原料を流し込み、冷やして固まった時(まだ柔らかい状態)にすぐにそこから抜き(それでもまだ熱い状態)、完全に冷えて形になります。そのため抜くための形状には限りがあります。当然、可能な状態の金型にすべく、角度、太さ、長さや大きさ等形状を計算して原型(ワックス原型)で各パーツをいつも作っています。
 細かな突起が多かったり、鋭角的な角度のパーツを抜くのにはかなり難しいのです。ですから怪獣等はリアルであればある程、細かくパーツ分けしないと商品化は難しいと言わざるを得ません。レトロタイプのように細かな突起が少なく、全体が滑らかで丸っこいものであればある程、成型は楽ということになります。さらに大きければ大きい程、抜く時も金型に負担がかからないので、ソフビのサイズでも影響する加減は変わってくるのです。
 弊社商品は、一般に言うスタンダードサイズよりかなり小さいし、毎回かわいいながらも各ゴジラの形状に似せるべく特徴をできる限り重視して盛り込んで造形していますので、他社さんのレトロタイプゴジラよりも金型に大きな負担がかかっているのです。
 希望する形状をできる限り実現するために、抜くための角度やサイズをギリギリ可能な所まで弊社なりに計算して作る場合が多いので、時には部分的に気泡が出やすいものもあるのです。金型屋さんや成型屋さんに相談にのっていただく事は多々あり、ワックス原型を作り直した事も何度かあります。
 そして使用した金型は、錆や汚れを防止すべく保管しなければなりませんが、多少なりとも空気に触れますから完全には無理で、しばらく使っていないと何らかの微妙な変化はあるようです。
 この時の「GMKゴジラ」の金型は、おそらくその微妙な部分で起こってしまったと思われるのです。