Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

モスラ幼虫 スタンダードカラーの制作裏話4

2015年06月07日 | 制作裏話


4 今後の羽沢組のモスラ



 今後のモスラの展開について。

 弊社のように、どのソフビでもなるべくお客様に吟味していただいてからお求めいただきたいと思い、急いで完売しなくても言いというスタンスでいても、売れるペースを考えればゴジラに比べてのんびりな「モスラ幼虫」でした。
 確かに好きでお求めいただいているお客様がいらっしゃってありがたいのですが、中にはGメモリーズの「モスゴジ」を買ったからこれも……という方も多くいらっしゃいます。もし「モスゴジ」を作っていなかったら違った結果になっていたでしょう。
 一時「モスゴジ」とセット商品としても考えた事もありましたが、「ゴジラ以外いらない」という方も出るだろう事を考えて断念した事もあります。
 そういった傾向からも、他のカラーリングの案はあっても頻繁には発売できないわけです。

 モスラ成虫は個人的には作りたい気持ちはあります。特に『モスラ対ゴジラ』のは。
 でも3つほど解決しなくてはならない部分があります。
 ネックになっているのは塗装です。羽根の模様がありますので、その形と色の数だけ塗装用マスクが必要となります。その費用が一つ。経費がかかれば商品単価を上げざるを得ない。
 そして当然色数が多いので塗装の際に時間と手間もかかること。Gメモリーズの塗装は、今は基本的に外注には出していませんので他業務にも影響してしまいます。これが二つ目。
 そして先に書いたように、商品人気が知名度人気に比例しないこと。ガレージキットと違い、ソフビはある程度の数が売れなきゃ話にならないわけです。これが3つ目です。
 趣味だったり、資金的にも時間的にも余裕があれば話は別ですが、今のGメモリーズの展開、規模としては難しいわけです。
 ひとつひとつ何らかの形で回避できれば作りたいと思いますが、3つ目だけは弊社でもどうする事もできません。
 でもあきらめているわけではありませんから。
 羽沢組がしこたまドカーンと儲けて、私が赤字なんか気にしないぜ!って言えるぐらいになったらいいんですけどね(笑)。
 そんな感じで思ってて下さいませ(笑)。

 誤解のないように一つだけ。
 私、どのシリーズのモスラも成虫、幼虫問わずほぼ平等に大好きですから(^^)。
 まだGメモリーズで作っていない総進撃ゴジラ、バトゴジ、S0Sゴジラを作ったら、きっとそれに合わせたその時の幼虫作りたいと思うでしょうね。



TM&(C)TOHO CO., LTD.

モスラ幼虫 スタンダードカラーの制作裏話3

2015年06月06日 | 制作裏話


3 モスラの商品化について



 ちょっと脱線かもしれませんが、ついでなのでたまにはちょっとシビアな話も。

 どんな商品を発売しても、大抵は何人かのお客様に「次は何ですか?」と聞かれます。
 この「モスラ幼虫」でも次のカラーを考えているのか聞かれました。個人的にはやってみたい色はあります。
 同様に「成虫は作らないんですか?」も。もちろんやって見たい怪獣です。特にたくさんあるモスラ成虫の中で一番作ってみたいのは『モスラ対ゴジラ』の成虫ですから。
 でも難しいんです。

 はっきり言います。「モスラ」ではビジネスとして厳しいのです。

 モスラは大変人気のある怪獣です。知名度も文句ありません。
 モスラが登場する作品は、『モスラ対ゴジラ』でもわかるように他作品に比べて興行成績はアタリが多いわけですし、VSシリーズでも最もヒットしたのは『VSモスラ』です。『VSデストロイア』と『ミレニアム』の間の、いわゆる平成モスラシリーズ三部作も決して恥ずべき成績ではないのです。近い時期に作られていた平成ガメラシリーズ三部作より遥かに成績は良かったのですから。
 たくさんの作品にモスラは登場しました。興行成績を考えて製作サイドの意向としてモスラを登場させたいと思うのは自然なわけです。

 ではそれに付随する形での商品展開ではどうかというと、必ずしも人気や知名度と比例しないのです。
 映像ソフト、書籍、玩具……ゴジラ程ではないもののたくさん商品化されてきました。が、残念ながらそこそこの売り上げはあるものの大ヒットと言えるものはほとんどありません。
 弊社のような仕事をしていれば、ソフビに限らず映像ソフトでも書籍でも他社さんの「何が売れたか」などの情報は入ってきます。数少ないモスラ中心の書籍についてはいずれも大苦戦されてます。一時期各ソフビメーカーでもたくさん発売された時がありましたが、数で言えばゴジラには到底及ばず、残ったものをリペイントして販売されていた所もあります。今に至っても、そこそこの売り上げのあるものでもたまにの発売だからこそであって、コストを考えて数を限定されたり、イベント限定を謳ったりしての販売だったりしているのです。
 モスラが登場すれば映画は見に行くけど、関連商品を買う程ではない……。こんな感じなのでしょうか。
 そこがゴジラや他の怪獣と違った不思議な所なんです。
 弊社にも「モスラシリーズの本の企画はしないんですか」とたまに聞かれますが、申し訳ないのですが「うーん…」としか言いようがないのです。

 これらはGメモリーズでも当てはまるわけです。



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モスラ幼虫 スタンダードカラーの制作裏話2

2015年06月05日 | 制作裏話


2 発売後の反響



 以前書いた「こだわり」にもありますように、この「スタンダードカラー」を作ったのは、オーソドックスなカラーリングの幼虫がほしかったというのもありますが、まだまだ誤解されている幼虫の事をもっとしていただきたかったという気持ちもあります。
 実際、お客様からは「双子の違いがあったんですか?」と複数聞かれましたし、他メーカーさんからも聞かれた事がありました。「そこまでこだわる人なんかいないよ」と言われたり、「マニア過ぎるよ」と鼻で笑う方もいましたが、多少は双子の違いなどがわかったもらえた方もいらっしゃるので、その点は作ってよかったと思いました。
 今だから言えますが、歴代のGメモリーズの中で、許諾の申請時に違いやデフォルメの加減など、最も時間と手間をかけて事細かく東宝、当時の担当の方に説明したのはこの「モスラ幼虫」なのです。

 ゴジラに比べれば、正直売れるペースも数も及びません。中にはわずかではありますが「ゴジラは集めていないけどモスラだけ集めてるんです」という方もいらっしゃいます。嬉しい事に「普段はゴジラ以外は買わないけど、ゴジラと並べたいのでGメモリーズのだけは買いたくなりました」とおっしゃっていただけた方もいらっしゃいました。
 まあ、一番はお求めいただいた方々が「モスゴジ」と合わせて楽しく遊んでいただければ一番嬉しいわけで、購入後にお客様から「早速モスゴジとならべました」「ジオラマにしちゃいました」など、そういうお声を聞くとこちらも楽しく聞かせてもらえるわけです。
 でも一番商品化されて喜んでいるのは私かもしれませんね(笑)。

 作っている過程では、実に楽しいんです。「キングギドラ」や「メカゴジラ」は塗装時にたまに(たまにですよ、たまに…笑)「しんど…」という時があるのですが、「モスラ幼虫」は塗装も楽しいんです。
 愛おしいんです。なぜだか自分でもよくわかりません。

 以下、「モスラ幼虫」についての参考にされて下さい。

●「モスラ幼虫」見聞録
●その1 ●その2 ●その3
●その4 ●その5 ●その6 

●「誕生バージョン」「岩島戦バージョン」のこだわり
●その1 ●その2 ●その3 ●その4 
●その5 ●その6 ●その7

●「スタンダードカラー」のこだわり
●その1 ●その2 ●その3

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モスラ幼虫 スタンダードカラーの制作裏話1

2015年06月04日 | 制作裏話


1 知ってほしかった双子の差

 久しぶりの制作裏話。今日から2013年4月に発売した「モスラ幼虫 スタンダードカラー」の制作裏話を書きます。商品はすでに完売しております。ご了承下さい。



 4つめのカラーリングとなった「モスラ幼虫」。
 発売のきっかけやこだわった所は、以前「こだわり」で書きましたので詳しくはそちらをご覧いただければと思います。
 その「こだわり」では、柔らかく書きましたが、本音を言うとたくさんのモスラ幼虫に対しての不思議に思う事や誤解されている事など多々あって、じっとしていられなかった部分はあるのです。
 確かにゴジラに比べて、『モスラ対ゴジラ』(1964年)に登場したモスラ幼虫については、造形部分やギニョールや自走式などの違いや経緯など、不明な点も多々あります。後年の『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年)や『怪獣総進撃』(1968年)に登場したものについても同様で、『モスラ対ゴジラ』の幼虫とのプロップとしての関係性についても推測として語るにとどまっています。
 弊社が義務感を感じる必要は全くないのですが、少なくとも弊社としては「モスゴジ」を発売し、それに合わせる形で作った幼虫なので、『モスラ対ゴジラ』でのモスラ幼虫については、商品を楽しんでいただく上でもっと理解してもらえればいいなぁという気持ちでいました。

 先に発売していた「誕生バージョン」や「岩島戦バージョン」をお客様にお求めいただいた時に気がついたのですが、モスラ幼虫に対して間違った情報を信じている方が実に多いという事です。
 さすがに造形もサイズも違うので『モスラ』(1961年)のものと混合されている方は少ないのですが、この『モスラ対ゴジラ』の幼虫が『三大怪獣 』や『怪獣総進撃』のものと全く同じとと勘違いされていたり、目の色がどの時の幼虫も青から赤に変わると思われていたり(変わるのは『東京SOS』だけ)といろいろです。
 特に多かったのは、双子の幼虫とはいえ、ギニョール、自走式、操演のいずれでも二体の造形差があることをご存じない方がたくさんいらっしゃるということです。

 弊社が一番はじめに「モスラ幼虫」を商品化した一番の理由は、先に発売していた「モスゴジ」に合わせた幼虫が欲しかったからなのですが、もう一つの理由としては双子の二体の造形の差を表したかったからでもあるのです。
 他社さんの事を言うのは申し訳ないのですが、弊社がまだフィギュアの制作をはじめる前まで多くのソフビメーカーが双子の幼虫のソフビを発売しました。いずれも造形の差はありません。同じ形状にしています。口を開いているか閉じているかぐらいの差でした。それで良しとしている風潮や流れがとうしても嫌だったんです。



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メカゴジラダークシルバー制作裏話2

2014年03月25日 | 制作裏話



▲「メカゴジラ スタンダードカラー」(左・完売)との比較

2.発売後

デフォルメソフビだからこそできるカラーリング
 こちらの商品は、ちょうど「ガンヘッド パーフェクション」の編集・デザインで大変な時期でしたので、たくさん作る事はできず、少数限定で発売させていただきました。そのせいもあってか短期間で完売し、再販のお声もいただいたにもかかわらず実現できずに複数の皆さんに残念な思いをさせてしまいました。ごめんなさい。
 お求めいただいた方々には、同じシルバー系のカラーリングをした「スタンダードカラー」(完売)と「ライトシルバー」(発売中)と比較していただいて楽しんでいただきました。中には「ダークシルバー」の方が「メカゴジラらしい」というお声もありました。

 個人的にも欲しかったカラーリングでしたので満足はしています。
 ゴジラに比べれば、全身を塗装しなくてはならないので塗装には時間がかかるのですが、作業自体もスケジュールに追われていなかったら(笑)楽しいものです。
 それに、こういったイメージ展開での配色は、デフォルメソフビだからこそできるカラーリングです。リアル造形のものでもしやったら「シルバーの色が違ーーう!」というお声も出そうですしね。そういう意味では企画自体楽しめたものでした。
 お客様からもいただいたアイデアで赤系や青系といった、もっとシルバーや黒にこだわらない別のカラーリングのも面白いとは思いますし、やってみたい気持ちはあります。正直な所、「採算が取れるほど売れるのか?」という不安があるので、二の足を踏んでいるのは確かです。でも一つぐらいはいつか挑戦してみたいとは思います。
 もしその時は何色がいいですか?

メカゴジラダークシルバー制作裏話1

2014年03月24日 | 制作裏話


今日から2013年1月に発売した「メカゴジラ ライトシルバー」(完売)の制作裏話を書きます。詳細とこだわった所は以下をご覧下さい。
なお、こちらの商品はすでに完売しております。ご了承下さい。

●発売時の詳細 ●こだわり1 ●こだわり2 ●こだわり3 ●こだわり4 



1.悪役であるメカゴジラ

かわいい造形で“恐さ”を表現
 商品の企画やこだわった所については以前書いた通りです。それに付随した裏話らしい裏話というのはほとんどないんです。
 「こだわり」にも書きましたが、いくつか発売してきた「メカゴジラ」のシルバー系の配色の中でも、劇中シチュエーションではなく、あくまでイメージとしてのカラーリングです。
 漫画家の坂井孝行先生からいただいたヒントを元に、「いかにも悪役らしいメカゴジラ」をシルバー系で作ってみたいという私の個人的願望から商品化したものなのです。これ以前に発売した「メカゴジラ ブラックバージョン」(完売)もガンメタブラック塗装で、悪役のイメージとして企画したものですが、シルバー系で商品化したかったわけです。
 特に弊社の造形は「カッコかわいく」なので、実物に比べればかわいいし、なかなか“恐さ”を表現しづらいものがあります。
 メカゴジラそのものは、皆さんご承知の通り、これでもか……というぐらいの武器を持ち、容赦なくゴジラを攻撃する非情さを持ったキャラクターです。ロボットだから、と言われればそれまでですが(笑)、感情のなさが悪役として秀でた部分でもあります。
 その悪ーーい部分、相手に対して容赦のない部分を、かわいい造形の弊社の「メカゴジラ」で表現したかったわけです。

メカゴジラ ライトシルバー制作裏話4

2014年02月06日 | 制作裏話


4.発売後



メカゴジラの今後の配色の展開
 おかげさまで「メカゴジラ ライトシルバー」は初回生産分は完売し、成型に若干の余裕ができたので好評に応えて追加生産できました。
 不思議なもので、「もっと違うシルバーのものを」という声もあれば、反対に「シルバー系ではないものを」という2つのお声をいただいています。それだけ人気のあるキャラクターである事がよくわかります。
 個人的にはもっとメタリックなものにしたい気持ちもありますし、全くかけ離れた色のものも作ってみたい気持ちはあります。シルバーをはじめとするメタリック系は特にやってみたいところ。
 プラモやガレージキットなどで使うラッカー系の塗料は日々多くのメーカーが新色を企画し、いまでは様々なバリエーションがあります。が、ソフビ専用となると需要が決して広く展開されているわけではないので、塗料メーカーでもなかなかそういった展開がありません。
 無論、ラッカー系の塗料を使用すればいろんな色やバリエーションができますが、ソフビには不向き(数年経つと間違いなくヒビが入って色は取れてしまいます)ですから、もう少しソフビ用の塗料の進歩を待ちたい所です。
 未だ、メカものの原型を作るのは苦手ではありますが、正反対にメカゴジラの配色を考える事自体は楽しいです。それだけ魅力のあるキャラクターなんです。

「メカゴジラ ライトシルバー」は現在発売中です。
 ご希望の方は羽沢組までお電話にてお申し込み下さい。


メカゴジラ ライトシルバー制作裏話3

2014年02月05日 | 制作裏話


3.印刷レベルとメカゴジラ



昔の写真を印刷するという事は……
 今日はちょっと脱線になりますが、印刷の話。

 メカゴジラに限らずですが、昭和の頃の東宝怪獣を紹介、掲載している印刷物では、なかなか実際のスーツの色を再現しているものはそう多くはないと考えています。
 東宝や関係者、一部出版関係の方々が所有しているポジやネガも当然、劣化はあるので、今またそれを元に印刷をしてもさらに本物から遠ざかる色になってしまいます。メカゴジラのようにメタリックな配色のものや微妙な色のものはなおさらでしょう。
 現在、印刷の技術やレベルは日々進歩しています。ほとんどの出版物はデジタル化していますし、そのためのソフトもどんどん新しいものに変わっています。昔のポジやネガでも一旦スキャンしてデジタル化して加工するわけです。当然古いものでもこれらの技術やソフトを利用して当時の色の再現を目指すわけです。しかし、その基準は担当する人間の判断です。どこまでその担当者が当時の色を知っているか、そしてそれをできるのかが大きなウエイトを占める事となります。
 身近な例を上げるとすれば、ムック「平成ゴジラ」「ガンヘッド」「平成ガメラ」と言った各パーフェクションの場合、シーンのビジュアル写真の全ては、いずれも古いので全て当時の色を目指してクリーニング、画像処理などの加工をしています。中にはかなりいじったものもあります。これはDVDなどを見て近い色を探したりするのですが、結局はすべて担当した私の判断な訳です。私の記憶も大いに左右されたことは否定できません。
 映像物も同様で、フィルムやビデオなども時間とともに変色は避けられません。のちにデジタル化してDVDやブルーレイとなる際も、商品化する上で技術者は当時の色の再現を目指してのものだと思われますが、結局基準は人間レベルの判断となります。

『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年)も気がつけば新しい作品とは言えませんが、関連の印刷物では(初代)メカゴジラに近い色のキャラクターである「機龍」はちゃんとシルバーに見えます。これはもう時代の違いによる印刷レベルの差という事は言うまでもないのです。
 1974年の印刷レベルがもっと進歩していたら、またはメカゴジラの初登場が近年だったら……メカゴジラのシルバーの印象は違っていたかもしれませんね。

メカゴジラ ライトシルバー制作裏話2

2014年02月04日 | 制作裏話


2.本物のスーツの色と実際に見える色



「スタンダードカラー」と「ライトシルバー」を別にした理由
 これまた個人的な印象の話で恐縮ですが、ずっと公開当時での子供の頃(当時私11歳)から「メカゴジラって普通のシルバーより白っぽいんじゃないか」と思い込んでいました。おそらくは印刷物の印象が強く残っていたためだと思います。(逆に「メカゴジラ2」はもっとグレーに近いと思っていました)
 ですから大人になって、たくさん見たいろいろなメーカーのメカゴジラ商品化のほとんどが、ノーマルのシルバーで全身を塗装している事に多少の違和感を感じていました。「もうちょっと白っぽいシルバーにすればいいのに……と。

 そして、昨日書いたように、数年してから私の中でメカゴジラの色についての疑問が解決されるわけです。
 川北監督にお聞きした時に、劇中でのアクションスーツは、ノーマルのシルバーよりやや黒を混ぜた感じのシルバーだったと教えていただきました。
 ですから、今では全く逆に他社さんのノーマルのシルバーで塗装されているメカゴジラを見ると「もうちょっと黒を混ぜればいいのに……」と思う事もある私です(笑)。

 が、劇中シーンに限って言えば、撮影時のライティングや背景(昼の設定)の空の反射で白っぽく見える場合が多々ある(これも具体的に書籍などに掲載している写真を実例として川北監督に教えていただきました)わけです。
 メカゴジラフィギュアをベストな配色で商品を作るとしたら、やや暗めのシルバーで塗装をしつつ、周りの色で白っぽくも見える……となります。が、現状のソフビ用塗料では、そんなカラーリングは難しいと言わざるを得ません。
 ですので実際のスーツの装飾色を目指したのが「スタンダードカラー」(完売)で、状況や印刷物で見られる色を目指したのがこの「ライトシルバー」なわけなのです。

メカゴジラ ライトシルバー制作裏話1

2014年02月03日 | 制作裏話


今日から2012年12月に発売を開始した「メカゴジラ ライトシルバー」の制作裏話を書きます。詳細とこだわった所は以下をご覧下さい。
こちらの商品は一度完売しましたが、好評に応えて現在追加販売をしております。ご希望の方は羽沢組までお電話でお申し込み下さい。


●発売時の詳細 
●こだわり1 ●こだわり2 ●こだわり3 ●こだわり4 ●こだわり5



1.白っぽいメカゴジラ

長らく疑問に思っていたメカゴジラの色
 なぜ「ライトシルバー」として白に近いシルバーのメカゴジラを企画したのかというのは、以前「こだわり」に書きましたのでここでは割愛しますが、この「なぜシルバーであるにも関わらず、メカゴジラが白っぽく見えるのか?」という疑問はずっと思っていた事でした。
 劇中シーンの一部でもそうですが、特に印刷物ではそうです。
 個人的な話で恐縮ですが、デザインの仕事をするようになり、印刷のシステムがわかるようになり、それでいて作品公開時の印刷レベルや技術の程度を理解する事で、なぜ印刷物でのメカゴジラがそのようになってしまったのかという原因が判明しました。
 作品公開当時のメイキング写真などを見ると、チーフ助監督として参加されていた若き川北監督がメカゴジラのそばで写っているものがいくつかありました。そこでGメモリーズセレクションで「メカゴジラ」を作る時に、川北監督にスーツの色についての話しをいろいろしていただき、これもまた「メカゴジラが白っぽく写る」要因の解決に大いに参考になったのです。
 これらの疑問についての結果も「こだわり」に書いてますのでご覧下さい。

 白っぽく見えるとはいえ、その度合いはシーン、印刷物のモノによっても違いは大きくあります。「白っぽく見えるメカゴジラ」を商品化すると言っても結局は、それを決める私の記憶だったり、印象だったりするので、おそらくは「白すぎる」「もっと白っぽく」「もうちょっとシルバーを」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

メガロゴジラグリーンバージョン制作裏話4

2013年10月21日 | 制作裏話

《ソフビ制作裏話 その330》



4.今後のグリーンバリエーション

発売後に感じた事
 昨日書きましたように、これまでいくつか展開してきたグリーン系のゴジラソフビは、どれも同じ配色では行っていません。同じグリーンでも塗装などでは違いをはっきり出していますので、コレクションされている方はぜひ比較して楽しんでいただければ嬉しく思います。
 この「メガロゴジラ グリーンバージョン」についても、他のグリーンイメージカラーのゴジラたちとは違う配色にしていますので、ぜひ比較していただければと思います。配色の際の詳細などは「こだわり」に書きましたのでそちらもご覧下さい。

 お求めいただいたお客様の反応として印象に残っているのが「実際のゴジラはこういう色じゃないけど、イメージしていたのはこんな色」「はじめて見たのに懐かしい感じがする」という、おそらくはチャンピオンまつり世代と思われる方々のお声でした。
 意図が伝わって嬉しかったのをよく覚えています。

 当時の「チャンピオンまつり時代の印刷物で人工着色されたグリーン」の雰囲気を少しでも感じていただきたいというのは、なかなか若い世代のゴジラファンの方々に伝えるのは難しいのですが、これからも昭和のゴジラをリリースする際はグリーンカラーのバリエーション展開はあると思います。
「また、おじさんたちだけが喜ぶグリーン系か…」と若いファンの皆さんに言われないようにしなくてはならないと強く思います。
 その際はおそらく、そういう気持ちを忘れずに、そして今まで作ったグリーンの配色の商品と違いを出すべく悩みながら、そして楽しみながら作るでしょう。ベテランの方々にも若い方々にも喜んでいただけるようにがんばりたいと思います。

Gメモリーズセレクション「メガロゴジラ グリーンバージョン」発売中です。
 ご希望の方は羽沢組までお電話を!


メガロゴジラグリーンバージョン制作裏話3

2013年10月20日 | 制作裏話

《ソフビ制作裏話 その329》



3.グリーンのゴジラを作る難しさ

バリエーションの違いを常に意識
 Gメモリーズセレクションでは、グリーン系カラーリングのゴジラソフビを複数発売してきました。
 その中で、同じ「チャンピオンまつり時代の印刷物で人工着色されたグリーン」のイメージをテーマにしてきたものでも、配色パターンは常に変えるように心がけてきました。
 成型色を変えたり、塗装色や塗装方法を変えたりして。そのゴジラにもよって、同じグリーンでも印象が変わるように展開してきました。同じ成型色を使用する事もありますが、塗装を大幅に変える事で印象が変わるように注意してきたつもりです。
 この「メガロゴジラ グリーンバージョン」以前のものもそうですし、以降にグリーンのイメージで発売した「モスゴジ」や「75ゴジラ」もそうです。
 あえて似せたというケースもまれにありますが、基本的には全く同じではありません。
 ですから同じ配色の違うゴジラというのは、Gメモリーズセレクションでは原則としてありません。

 同じ色合いのものは、作っていてもそうですが、コレクションされている方々にとってもたくさんいらないと思うし、楽しさも半減すると思うのです。
 それでもどうしても似た感じになりがちなところをいかにしてそのゴジラのイメージに合いながら他のグリーンのゴジラとの違いを出すか……。悩みどころでもありますが、作りがいがある所でもあります。
 Gメモリーズでは、ご承知の通り「カッコかわいく」をテーマにしていますので、リアルにはならずに、それでいてかわいいながらにも作品に登場するゴジラの雰囲気が出るようにという気持ちで作っております。配色のイメージの違いを出すだけではなく、この「かっこかわいく」という枠の中でも展開しなくてはなりませんので、作れば作る程グリーン系のゴジラの配色案はどんどん難しくなっています。
 それでも昭和のゴジラでは、グリーンのイメージカラーのバリエーションは欲しくなる……嬉しさと悩みと楽しみが複雑に頭の中を巡る私です(笑)。

メガロゴジラグリーンバージョン制作裏話2

2013年10月19日 | 制作裏話

《ソフビ制作裏話 その328》



2.体験世代と若い世代の方々に

世代を問わずに雰囲気を感じていただきたい
 この「メガロゴジラ グリーンバージョン」をグリーン系のバリエーションにした詳しい企画意図は、以前書いた「こだわり」にありますのでここでは割愛しますが、お求めいただくゴジラが大好きな皆様が、グリーンのゴジラをどう感じて下さるのかという希望を兼ねたところも常にあります。

 まず第一に、映画公開時をリアルタイムで体験された世代の方々には、子供の頃にゴジラに夢中になっていた当時を思い出させるような商品にしたいという気持ちがあります。当時にはもちろんGメモリーズセレクションのようなソフビシリーズはありませんし、印刷物等で植え付けられたグリーンのイメージのゴジラのカラーリングの立体物商品もありませんでした。
 ですからこの「メガロゴジラ グリーンバージョン」を手にする事でちょっとした懐かしさや、あの頃のゴジラへの子供心を思い出していただければ嬉しいという気持ちで作りました。

 一方で、平成以降、「チャンピオンまつり」をリアルタイムで体験されていないゴジラファンの方々を無視した訳ではありません。今の“おじさんファン”の頃とは違い、30~20代のゴジラファンの方が書籍やネットなどで過去の資料や情報はおそらくは数多く入手できていますから、もしかすると昔のゴジラ作品についてもゴジラについておじさんたちより遥かに詳しいかもしれません。
 ただ当時の数少ない情報源の中でゴジラ映画を楽しみにしていたファンの感覚や雰囲気は、リアルタイムで体験しなければわからないものだと思うのです。ですから「メガロゴジラ グリーンバージョン」でその部分を補う役目になって欲しいという気持ちがあります。
 おっさんの上から目線のつもりな気持ちはありません。これからのゴジラは常に若い世代のファンの皆さんに支えていただかなくてはならないので、少しでもファンとしての楽しみの要素を増やすお手伝いの一つになれればという、ちょっとした「おせっかい」な気持ちなのです(でっかいお世話でしたらごめんなさい)。
 ベテランファンだけが楽しめればいいというソフビにはしたくない事はご理解いただければと思います。

メガロゴジラグリーンバージョン制作裏話1

2013年10月18日 | 制作裏話

《ソフビ制作裏話 その327》

 今日から昨年10月から発売を開始した「メガロゴジラ グリーンバージョン」の制作裏話を書きます。発売時の詳細、「こだわり」は過去の記事をご覧下さい。
 こちらの商品は現在発売中です。ご希望の方は羽沢組までお電話を!

●商品発売時の詳細
●こだわり1 ●こだわり2 ●こだわり3 ●こだわり4



1.チャンピオンまつり時代のゴジラ

リアルタイムで体験した当時の雰囲気
 これまで羽沢組の昭和の映画に登場したゴジラソフビのバリエーションでは、グリーン系のカラーリングの商品を展開する事が幾度かありました。
 そのほとんどのテーマとしてきたのが、映画公開当時のポスターやグッズ商品などに数多く見られたグリーン系で人工着色された印刷物のイメージです。グリーン系でゴジラソフビたちを発売する度に「こだわり」などで説明してきましたが、当時ゴジラ映画に夢中だった「チャンピオンまつり」世代の子供たちにとっては、ある意味「正義のゴジラ=グリーン系」という刷り込みに近いイメージがあったと考えられます。
 特に『キングコング対ゴジラ』から『メカゴジラの逆襲』までで、それらは顕著に見られると思いますが、完全にゴジラが子供対象として作られるようになった「東宝チャンピオンまつり」からは印刷物も数多くカラーとして作られるようになりましたので、子供たちにとっては“グリーンで着色されたゴジラ”を目にする機会は増えたと思われます。
 この頃のそのイメージや感覚は、平成以降のゴジラファンの方々にはピンとこない感覚かもしれません。おそらくは「チャンピオンまつり」時代の当時をリアル体験した世代でなければわからないかもしれません。

 この「メガロゴジラ グリーンバージョン」もまた、そういったテーマの元に企画したものです。
 頭部の造型がかわいくなった最初のゴジラですから、“正義の怪獣”感がより強く感じられるゴジラです。そういう意味でも「メガロゴジラ」でのグリーン系のカラーリングは、不可欠なバリエーションであると勝手に義務感を感じてもいました。

ソフビ制作裏話 その326

2013年08月29日 | 制作裏話


6.発売後の反応(2)



おかげさまで完売しましが…
 発売後はたくさんの皆様に喜んでいただけたので安心でしたが、かなりほっとしていました。
 特に全身の色を誉めていただいたのは特に嬉しかったです。がんばって塗装した甲斐がありました。
 ついワンフェスでは何人かのお馴染みのお客さん達に「塗装大変だったんですよー」とグチってしまいました(笑)。その節は失礼致しました。

 長くGメモリーズの商品をお求めいただいている皆様からではなく、近年羽沢組を知ってお求めいただくようになった方や若いゴジラファンの方々からは、この弊社の「キングギドラ」をきっかけにいろいろと質問をいただきました。「青いバージョンのも作ったらどうですか?」「これは初代のキングギドラらしいのですが、昭和のキングギドラって違いはあったんですか?」などいろいろ。イベントでは一つ一つお答えさせていただいていますが、ここではかなり話が長くなりますので以下をご覧下さい。昭和のキングギドラ、青のバージョンについて多少は参考になると思います。
●見聞録その1 ●見聞録その2 ●見聞録その3 ●見聞録その4 
●見聞録その5 ●見聞録その6 ●見聞録その7 

 そして早くも次のカラバリを希望される方々がいらっしゃいます(この、せっかちさん!)。
 前に書きましたようにゴジラに比べて生産が大変ですので、何とも言えません。でもあとちょっとだけ配色案がありますのでやってみたい事は事実です。羽沢組のスケジュールと予算、私にその覚悟ができた時(笑)にやりたいと思います。
 いつやるの!? 今で……じゃない! じゃない!!