Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

モスラ幼虫のこだわり その4

2010年05月31日 | 新作商品情報
<img src="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/11/35a88bcc6ae61fe05d6e8d8962b9b924.jpg" border="0">

<span style="font-weight:bold"><span style="color:red"><span style="font-size:150%;line-height:110%">PART4.造形のこだわり(2)</span></span></span>

<span style="font-weight:bold"> 前回は顔の造形のこだわりについて書きましたが、今日はその他の部分についての造形のこだわりです。</span>

<img src="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/90/a7b8d7c7cd20f96eac2b22f5b7cd374f.jpg" border="0">
<span style="color:blue"><span style="font-size:70%">▲上「モスラ幼虫 誕生バージョン」下「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」</span></span>

<span style="font-weight:bold"><span style="color:green">■顔の横、ボディ、足等のこだわり</span></span
 今日も2体の「モスラ幼虫」をそれぞれ仮に「太郎」と「花子」と呼称させていただきます。

 この「モスラ幼虫」の顔の横、頬にあたる部分には縦長に細長いこぶ状の凹凸、しわがあります。
 この部分が実は造形上の最大の難点でした。昨日書きましたように、劇中では「太郎」「花子」どちらも操演タイプ、自走式タイプ、ギニョールタイプが使用され、それぞれに造形が微妙に違います。一番その差が顕著なのが、この頬にあたる部分なのです。さらにはそれぞれ左右でも対称になっていないのです。
 全てのスーツの左右からのアングルが掲載されている書籍等の写真資料を弊社では入手できませんでした。写真が掲載されているアングルのものでも、かなり前のものなので写真のクオリティが高いとは言えないし、陰影の加減もスチールと劇中ではだいぶ印象が違います。映像で確認しても計6種類のスーツのそれぞれ左右が全部見られるシーンはありません。
 そこで可能な限り、3つのタイプの劇中スーツ(そう呼称させていただきます)を比べて、比較的共通する部分をピックアップ。不明な部分はある程度は自然な流れに見えるように推測での造形はしてあります。顔同様、細かな部分はバランスを考えてなくし、はっきりとした凹凸を中心に造型しました。

 身体の部分では、一見なめらかなツルツルのように見えますが、よく見ると全身に渡って大小の傷のようなしわがあります。特に下に行けば行く程そのしわが目立っています。部分的にはボコボコして見えるぐらいです。
 ここでもリアルを避けるために細かなしわは入れませんでした。下の方の大きく目立つしわや小さな凹凸のみ入れています。

 口の下、あごにあたる部分ですが、「太郎」と「花子」では形状が全く違います。毛の生えている箇所も違うのです(これらは後日改めて比較して紹介致します)。それぞれ4本ある足ですが、その位置も当然変わります。
 足そのものは実際にはかなり小さく、映像で見ても通常ではほとんど見えないものになっています。自走式タイプではついていませんので、操演タイプとギニョールタイプで確認できます。商品では、実物ぐらいの小ささにするとソフビの成型上、抜けないのもありますが、ポーズ的にかわいく見せるためもあって(特に「太郎」)、比率的にはほぼ倍の大きさに作っています。

 お腹の後方に位置している吸盤のような細長いものがこの『モスラ対ゴジラ』の幼虫には、各6個ついています。実物は操演タイプとギニョールタイプでは全く違うものになっています。主に長さと位置です。その形は、ほとんど紐状と言っても過言ではありません。いずれにしてもかなり細く長めなので、これも実物のような形状にすると、ソフビの成型上抜くのは不可能ですし、ぶっちゃけ見た目はあまりカッコよくありません。ですので太さは約2倍、長さは約3分の1にしました。
 余談ですが、他作品の幼虫でもこの部分はそれぞれ全く違う形や大きさです。お時間のある方は比較してみて下さいませ。

モスラ幼虫のこだわり その3

2010年05月29日 | 新作商品情報


PART3.造形のこだわり(1)

 今日から「モスラ幼虫」の造形のこだわった部分、特に顔について書きます。


▲上「モスラ幼虫 誕生バージョン」下「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」
 ちなみに左が「太郎」、右を「花子」と弊社では便宜上、勝手にそう呼んでいます。


■大幅なディフォルメテストの顔のアレンジ
 今回発売する「モスラ幼虫」は、これまでのGメモリーズセレクションの各ゴジラのディフォルメテイストに合わせるべくして造型しております。
 文章の説明上、双子の2体はそれぞれ仮に「太郎」と「花子」と呼称させていただきます。ゴジラとの戦いで尻尾に噛み付いた方を「太郎」、岩影から先にゴジラに向けて糸を吹いた方を「花子」とします。もちろん劇中の設定ではこのような名前はありませんし、雌雄の差も明確ではありません。ここだけでの呼び名ですので誤解のないようにお願い致します。

 この『モスラ対ゴジラ』に登場した幼虫の造形は、後の他作品に登場した幼虫の基本ベースとなっている感があります。ファンの皆さんが一番最初に思い浮かべる幼虫の顔と言えば、この『モスラ対ゴジラ』での幼虫ではないでしょうか。
 その『モスラ対ゴジラ』に登場したこの幼虫ですが、各作品に登場した全幼虫の中で、顔(頭部)の形状が最も複雑な凹凸、しわ等があるものと思われます。各特徴につきましては、先日ここで書いた「見聞録」をご覧下さい。
 双子の2体の顔は、どちらも明らかに左右不対称です。さらには操演タイプ、自走式タイプ、ギニョールタイプでも微妙に作りが違います。また一見すると同じように見えても、「太郎」と「花子」でも造形の差があるのです。
 これら統一されていない造形という条件の中、「カッコかわいく」というGメモリーズセレクションのテーマで「太郎」は「太郎」として、「花子」は「花子」としてバランスを考えて原型を作りました。

 顔そのものは大小の凹凸、しわがあり、複雑な顔をしています。それらひとつひとつをもれなく造型していては、ディフォルメテストから外れ、リアルになってしまいます。ましてや正直な所、本物の顔は造りからしてかわいさがどうしても足りません(ごめんなさい)。
 凹凸やしわのうち、細かな部分は思いきってなくし、強調する部分だけを造型する事にしました。もちろんそれだけでは、物足りないだけの顔になってしまいますし、かわいさがあるかと言えばそれも足りません。ですからさらにかわいさを重視すべく、若干凹凸としわは位置や大きさをアレンジし、目玉もひと回り大きくしたり、口や触覚の位置や形状をアレンジして顔を整うようにしました。
 顔をかわいくしなくてはならない…という点では、もしかしたら今まで作ってきたゴジラ達よりも大幅なアレンジになったのかもしれません。
 かなり慎重に「太郎」「花子」共々『モスラ対ゴジラ』の2体である特徴を消さずにアレンジしたつもりです。それでいてかなりかわいくなったと思いますが、いかがでしょうか。

モスラ幼虫のこだわり その2

2010年05月28日 | 新作商品情報


PART2.商品の大きさとゴジラとの比較サイズ

 今日「モスラ幼虫」の商品としての大きさについて書きます。


▲上「モスラ幼虫 誕生バージョン」下「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」

■設定サイズより見た目のサイズ
 この「モスラ幼虫」は、弊社商品の「モスゴジ」と並べても違和感がないようなディフォルメと大きさで作りました。
 弊社発売のソフビ商品では、現時点では最小の物となります。

 劇中でゴジラは全長50m、幼虫は53mという設定です。それに合わせて作るとしたら、弊社「モスゴジ」が全長約17cmですので、幼虫はそれ以上の長さにしなくてはなりません。にもかかわらず、商品は、2体の双子、どちらも全長約13cmです。

 実際に劇中で戦っているゴジラと幼虫なのですが、戦いのシーンはほとんど距離を置いています。ゴジラは岩を蹴飛ばしたり、熱線攻撃だったリですし、幼虫はお馴染みの糸を吹いて攻撃します。そのため組み合って戦うというシーンはありません。ですから、大きさの比較と言うのが劇中の映像ではわかりにくくなっています。
 唯一直接触れて戦っているのは、幼虫1体だけゴジラの尻尾に噛み付いて振り回されているシーンです。ここで唯一、だいたいではありますが、大きさの比較ができます。
 振り回されている幼虫とゴジラの身長を比べてみると、どうしても幼虫の長さがゴジラの身長を上回っているようには見えません。明らかに短いのです。
 商品の原型制作時に、設定を重視するか、映像で見られるシーンや見た目の印象を重視するか考え、結果として後者を選びました。一番の理由はやはり、弊社「モスゴジ」と並べて劇中の雰囲気を楽しんでいただきたいと言う意図です。
 もし幼虫の全長を設定での比較に合わせて17cm以上にしていたら、頭部の大きさはゴジラに合わせてパランスを取って作っていますので、そのままの頭部の大きさだと5~6頭身となり、いくらディフォルメ造形にしたところで、ゴジラに比べて幼虫の方がリアルに見えてしまいます。4頭身のままで17cm以上にしていたら、頭部はゴジラよりひと回り大きくなってしまい、かなり頭のでかさが目立ち、ゴジラと並べてもバランスが悪くなります。
 設定上からは離れてしまいますが、「モスゴジ」と並べると言う意味でも、あえて13cmにしたのです。
 ちなみに13cmという数字ですが、劇中で見られたゴジラとの比較で、おそらくはゴジラの4分の3ぐらいだろうと言う推定で決めたものです。ですから商品でも弊社「モスゴジ」の4分の3になるように計算して作りました。

 他のソフビメーカーさんでも過去に「モスゴジ」と「モスラ幼虫」を発売された所がいくつかあります。が、同一メーカー同一シリーズ商品でその2つを並べてみると、不思議な事に劇中で見られる比較サイズに揃えて作られている所はほとんどありません。劇中サイズにあわせるのではなく、商品サイズを統一しているからなのでしょう。そういう意味でも今回の「幼虫」の発売は、「モスゴジ」との関係性でも珍しいパターンかと思います。

モスラ幼虫のこだわり その1

2010年05月27日 | 新作商品情報


PART1.発売の理由

 今日から6月1日発売の「モスラ幼虫 誕生バージョン」「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」の造形や彩色の詳細、こだわった所について書きます。購入の際の参考にして下されば幸いです。


▲左「モスラ幼虫 誕生バージョン」右「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」

■ぜひ「モスゴジ」と並べてみて下さい!!
 今回弊社から発売する「モスラ幼虫」は『モスラ対ゴジラ』(1964年)に登場した2体の双子のモスラ幼虫です。「見聞録」でも書きましたように、造形や彩色が違う他作品の幼虫ではありません。
 これまで弊社で発売してきたソフビの中で、ゴジラの対戦怪獣は「キングギドラ」だけでした。ですからそれ以来の対戦怪獣となります。
 いくつか各種ゴジラソフビを発売してきましたGメモリーズセレクションですが、並べたり遊んだりと言う点で、対戦怪獣が別にあるかないかで印象も変わってきます。ゴジラ中心のGメモリーズではありますが、作る側としてたまにはこういった対戦怪獣が欲しくなりますし、日頃お求めいただいているお客様達からもリクエストをいただきます。
 各ゴジラのソフビを発売する際(特に新規造形第一弾の時)、同一のディフォルメで劇中の比率サイズにあったそのゴジラの対戦怪獣があればもっと楽しいし、並べた時の雰囲気もより増すといつも思っています。
 昨年から「モスゴジ」を発売しましたが、「こうなるとモスラも欲しいですね」と言うお声もたくさんいただきました。弊社としても原型制作時から「並べられるモスラも欲しいなぁ」と言う思いがいつもより強くありました。
 諸事情で「モスゴジ」と同時発売はできませんでしたが、こうして今「モスゴジ」と並べられる「モスラ幼虫」を発売する事ができました。

 弊社としてもゴジラ中心のGメモリーズセレクションである事は変わりがないと考えてはおりますし、PRのために嘘を言ってもしょうがないので正直に言いますと、「ゴジラに並べるため」「ゴジラと遊べるため」という、「ゴジラありき」の思いで企画した商品です。だからと言ってゴジラのためだけと言う思いや、モスラへの思い入れが希薄で作ったものではございません。ゴジラ同様にモスラへもたくさんの愛情と魂を込めておりますし、Gメモリーズならではの「モスラ幼虫」としてしっかりこだわって作りました。
 ですから逆に「ゴジラよりモスラが好き」と言われるモスラファンの方々にでも、楽しんでいただける事、お求めいただいてよかったと思っていただける事を目指しました。

 これまで弊社商品をお求めいただいている皆様のほとんどは、ゴジラが大好きなのだと思います。中には「ゴジラだけ」「モスラは興味が薄い」という方もいらっしゃるでしょう。でも弊社商品の「モスゴジ」の側にこの「幼虫」を置いておく事で、その「モスゴジ」の「カッコかわいさ」がより増すと思いますし、劇中の雰囲気も多少は思い出していただけるものになるのではないかと思います。ゴジラでの楽しみ方にもプラスアルファになれればと考えております。
 その反対に、モスラが大好きな方には、「幼虫」のそばに「モスゴジ」を置いていただける事で「幼虫」の魅力もアップするのではないかと思っております。
 ぜひゴジラファンにもモスラファンにも楽しく並べていただけると嬉しく思います。

▲「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」と「モスゴジ ブルーグリーン」。
 並べてみていい感じになったと思いますが、いかがですか?


ゴジラをやっつけろ!

2010年05月26日 | Gフォトギャラリー


『モスラ対ゴジラ』のクライマックス、岩島でのゴジラと幼虫の戦いのイメージです。
 使用しているのは「モスゴジ スタンダードカラー」と「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」です。
 なお、「モスゴジ」の尻尾はシーンのイメージにするために画像ソフトで加工しておりますので、このようには曲りませんので。

 自社製品どうしでこういう対決シーンの画像が作れるのは幸せです。
 ぜひ皆さんもご家庭で実現して楽しんで下さい。

モスラ幼虫あれこれ その6

2010年05月24日 | 羽沢組的怪獣見聞録
PART6.各社のモスラ幼虫フィギュア

 今日は余談的な話になりますが、これまで発売されてきた各メーカーさんのモスラ幼虫フィギュアの傾向の話をします。いろいろと初めて気がつく事が多数ありました。

■数多く存在する「モスラ幼虫」フィギュア
 塗装済完成品の「モスラ幼虫」のフィギュアは、これまでたくさんのメーカーさんから発売されてきました。ソフビだけでもかなりの数のメーカーさんが作られています。映画での登場作品も多いので、人気怪獣である事の証明でもあるのでしょう。特に平成以降は、登場作品の映画公開後に発売される事も珍しくはなかったのは皆さんご承知の通りです。
 私もモスラは好きな怪獣ですので、何から何までと言う程ではありませんが、いくつかコレクションをしてきました。
 今回、弊社で「モスラ幼虫」を発売する事になり、参考のために他社さんではどれぐらい作られているのか、どんな風に作られているのか、しまっていたコレクションのいくつかを取り出してみました。一番の目的は、ディフォルメテイストがだぶらないように、形状や色等も同じにしないためのチェックをするためです。
 しまいこんであったものは全部出せたわけではないのですが、それでもかなりの数で、ちょっと自分でも驚きです。

 昨日までここで「見聞録」を書いてきたように、今回の弊社商品の発売のためにいろいろ「モスラ幼虫」について調べ、作品毎の造形や特徴の違いがわかりました。初めて気がついた事も多々あります。
 それに照らし合わせてみると、他社さんの「幼虫」たちの造形や色には驚く事ばかりです。
 まず『モスラ対ゴジラ』の「幼虫」。2体セットとしてはいるものの、ポーズや口の開閉で差はつけてはいても、その2体での違うはずの造形そのものや特徴の差は、どのメーカーさんもつけてはいないんです。
 一番の驚きは、混合です。一部分をファースト『モスラ』の要素で、一部分を『モスラ対ゴジラ』版にしていたり、統一の造形で作られていないのが多いのです。中には平成の「幼虫」として作られているはずなのに、一部分が昭和の「幼虫」の作りだったり、その逆だったり………。
 全般的に見て、明らかにどれでもなく、おそらくは想像だけで作られていたんだろう箇所があるものもあります。
 特に顔の下部分、あごと言える箇所です。登場作品に限らず、ほとんどの商品が劇中の物と違うようです。
 次に多かったのは足です。形状、位置等は本当にバラバラです。中には足の数が間違っているものも。
 目の色の塗装にしても、劇中では赤か青かではっきり分かれているはず(『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の「幼虫」以外)なのに、反対の色で塗られているものも多々ありました。
 中には刻印の版権表記の年号を見ないと、どの「幼虫」なのかわからないものもあります。
 全種類持っているわけではありませんが、私のコレクションしている塗装済完成品の中で、きちんとその作品の中での「幼虫」を検証して作られているものは、ほとんどありませんでした。少なくとも『モスラ対ゴジラ』の「幼虫」ソフビが間違いがなく作られているものは、ディフォルメと言う事を差し引いても皆無でした。
 今まで何気なく集めてはいましたが、改めてこれらに気がつき驚くばかりです。
(もちろん私の持っていないものの中で、ちゃんと作られているものも存在するかもしれません。)

 誤解されると困りますが、なにも他社さんの悪口を言うつもりはないんです。
 発売された時期を考えれば、当時は映像でも書籍でも資料は少なかっただろうし、造形の詳細を知る術がなかったのかと思います。特に古ければ古い程です。資料や詳細がなければ、ある程度は想像で作るしかなかったのだろうし、妥協もやむを得なかったのでしょう。中にはレトロタイプと言うカテゴリーでのディフォルメであえてそうした部分もあったのかもしれません。イメージで作るしかなかった場合もあったでしょう。
 ましてやゴジラに比べれば明らかに扱いが少ない場合が多いので、より資料の収集は難しいものと思われます。
 近年は旧作の写真資料等も発掘されて、いくつか書籍化されて発売されていますし、映像でもソフトがどんどん画質に向上が見られたり、ゆっくり静止画で確認できたりしています。それらがなかった時代に作られたのですから、ある意味その先輩メーカーさん達、原型師さん達の開拓心には敬意を感じずにはいられません。もしその当時に「羽沢組で作れ」と言われれば、わからない事だらけでサジを投げていたでしょう。
 表面的な資料だけで立体フィギュアを作ると言う事は、想像以上にエネルギーと技術と創造力が必要なのだと思っております。

 偉そうな事ばかり書いてきましたが、だからこそ弊社商品ではちゃんと作らなければならないとより強く覚悟しました。もちろん弊社の「幼虫」は「カッコかわいく」のディフォルメテイストですし、昔程ではないにしろ今でも完全な造形資料はありませんので、リアルに造形や彩色を表現はできません。それでもディフォルメでありながらも、可能な限り明らかに、そして間違いなく『モスラ対ゴジラ』の「幼虫」であると判断できる事、最低限必要な双子の造形の差を表現する事を心がけて作りました。

 今回の文章で気分を害された方、メーカーさんがいらっしゃいましたら深くお詫び致します。悪意は全くございませんので何卒ご了承下さいませ。


▲私が持っているコレクションの一部です。いろんなタイプがあるのが改めてわかります。
諸先輩方の作られた大切な資料としても大事にしたいと思います。


モスラ幼虫あれこれ その5

2010年05月22日 | 羽沢組的怪獣見聞録
PART5.各作品に登場のモスラ幼虫(4)

 昨日の続きで『モスラ対ゴジラ』に登場した「モスラ(幼虫)」の造形や特徴についてです。

■「モスラ幼虫」の発売前に(後)
 顔そのものは多くのファンが一番多く覚えている物だとは思いますが、後の平成以降の幼虫に比べればお世辞にもかわいいとはいいにくい顔です。しかし、全ての幼虫を比べてみれば、顔や身体の各部分の造形の基本になっているので、この時の幼虫が後の作品の幼虫のデザインベースになっている事がよくわかります。
 口そのものは各タイプ共ギミックで開閉が見られます。

 各タイプの実際の大きさですが、ここでのモスラ幼虫の全長は53mと設定されています。この時のゴジラは50m。
 つまり幼虫はゴジラの身長より大きくなければなりません。しかし映像で見る限りどう見ても幼虫の方が短いわけです。ゴジラの身長の3分の2から半分ぐらいにしか見えません。もしかしたら幼虫の全長の設定は、各劇中スーツの制作途中、または制作後に後付けで決められたものなのかもしれません。

 また、この双子を「オス」「メス」と決めておられるファンの方もいらっしゃるようですが、設定上雌雄が明確にされているオフィシャルリリースはありません。ちなみに雌雄がはっきり明確に設定されている幼虫は、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に登場した双子だけです。
 この『モスラ対ゴジラ』に登場した幼虫の目はライトブルーです。各作品同様に発光装置がついています。
 モスラの目は通常は青で怒った時は赤……そう思われている方も多いのではないでしょうか。その表現がされているのは『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』だけです。つまりそれ以前の幼虫ではそのような目ではないのです。
 昭和の各作品の幼虫を見て私も子供の頃はそう勝手に思っていましたのですが、都市伝説(?)なのかどこかが推測で広めたものなのかはわかりません。後でオフィシャルにそう設定されたとしても、昭和の作品ではなかった事ですので、オフィシャルの設定ではない事は確かです。アニメ『風の谷のナウシカ』に登場した王蟲(オーム)がそのような目の変化をしますが、映像表現ではモスラ幼虫より王蟲が先なのに、それを見て「モスラみたい」と思った方も多いのではないでしょうか(私もです)。不思議です。
 そして『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』で初めて見られた目の変化。初めての目の変化の映像であるにも関わらず、当然の事として自然に思えた事が今になってこれまた不思議なのです。
 余談ですが、雌雄の設定や目の変化の表現等を入れた事から、『SOS』を作られた手塚監督はゴジラを撮るために監督になったと言われるだけに、ファンの心を持ちつつ作られた方なんだなぁと今頃になって気がつきました。

▲弊社商品「モスラ 岩島戦バージョン」

モスラ幼虫あれこれ その4

2010年05月21日 | 羽沢組的怪獣見聞録
PART4.各作品に登場のモスラ幼虫(3)

 今日は弊社商品になった『モスラ対ゴジラ』に登場した「モスラ(幼虫)」の造形や特徴についてです。

■「モスラ幼虫」の発売前に(前)
 昨日より予約受付を開始した6月1日発売予定の「モスラ幼虫」についての、商品としての造形や配色の「こだわり」は近日ここで書く予定です。その前に、これまで紹介してきたように劇中での『モスラ対ゴジラ』に登場した「モスラ幼虫」についての特徴等を弊社としての観点でまとめてみました。

『モスラ対ゴジラ』(1964年)
 双子という事で、ここでは2体の幼虫が登場します。大まかにシーンとしては3つに分けられます。
 ひとつめは卵から誕生するシーン。2つめはゴジラを追って海を渡って岩島に向かうシーン。3つめは岩島でのゴジラの戦いのシーン。
 書籍での資料や映像での確認でわかった事ですが、劇中では自走式タイプ、操演タイプ、ギニョール(人間が手を入れて動かす)タイプと使い分けて撮影されているようです。それぞれに複数あったかは定かではありませんが、同時に画面に写っている事から、少なくとも双子の分はそれぞれ作られています。ですから少なくともこの作品の中では6体の幼虫が作られている事がわかります。
 誕生シーンはそれぞれ上半身しか写っていませんし、動きからしてギニョールと思われます。
 岩島に上陸して動いている所、ゴジラに向かっている所は自走式。
 戦いのシーンでは操演と自走式を組み合わせているようです。ゴジラの尻尾に噛み付いたり、はねとばされたりしている所は操演です。糸を吹く所のアップ等では一部ギニョールかと思われますが、誕生の時と比べて色が違うので再塗装されていたと思われます。

 この6体ですが、よく見ると造形が統一されていません。おそらくは同一の型から作られたとは思うのですが、表面の皮の部分のしわの付き方、微妙な凹凸の形が違うのです。見比べて初めてわかるのが顔の頬にあたる部分の凹凸です。特に2体の差ははっきりとしています。
 そして一番の差は頭の下部分の形状です。普通にしていては見えない所です。映像から判断して操演タイプとギニョールを見てどうにか確認できたのですが、2体で形が実はまるで違うのです。
 これらの差は意図的ではなく、スケジュール的に細かく合わせて作る事ができなかったのではないかと推測しています(単に事細かくこだわっていなかったのかもしれませんが)。弊社商品ではその違いも形にしましたので、どう違うのかは後日「こだわり」で書くとします。
 また操演タイプは、他の作品の撮影時にもよくあるように、戦闘シーン等で傷つき途中で修復、再塗装をしていると思われ、ゴジラとの絡みでは統一されていない箇所もあると思われます。尻尾に噛み付くシーンのあたりでは、コマ送りで見るとかなり痛めつけられて損傷しているのがわかります。

 続きはまた明日。

▲弊社商品「モスラ幼虫 誕生バージョン」

モスラ幼虫 本日より予約開始!!

2010年05月20日 | 新作商品情報


モスラ幼虫 誕生バージョン
モスラ幼虫 岩島戦バージョン


本日より先行予約受付を開始致します!!

 6月1日発売の「モスラ幼虫 誕生バージョン」「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」の先行予約を本日昼12時より受付致します。ご希望の方は弊社までお電話でお申し込み下さい。

 久しぶりのゴジラの敵怪獣、新規造形で新発売です。どちらの「モスラ幼虫」のバージョンも同時にお申し込みできます。
 ご希望の方は、本日昼12時を過ぎてから弊社までお電話でお申し込み下さい。誠に恐れ入りますが12時前はご遠慮下さい。ご協力をお願い致します。

TEL 03-5802-4316

 たくさんの皆様のお申し込みをお待ちしております。


G メモリーズセレクション
「モスラ幼虫 誕生バージョン」

●ソフトビニール製 2体セット
●全長 各約13センチメートル
 ノンスケール ディフォルメタイプ
●価格 2940円(税込)
●発売日 2010年6月1日発売
●登場作品 東宝映画『モスラ対ゴジラ』1964年作品
 TM&(C)1964,2010 TOHO CO.,LTD.



G メモリーズセレクション
「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」

●ソフトビニール製 2体セット
●全長 各約13センチメートル
 ノンスケール ディフォルメタイプ
●価格 2940円(税込)
●発売日 2010年6月1日発売
●登場作品 東宝映画『モスラ対ゴジラ』1964年作品
 TM&(C)1964,2010 TOHO CO.,LTD.


 各商品の内容は5月6日の記事をご参照下さい。
 さらに詳しい「こだわり」は近日書きますのでお楽しみに!
 各商品の販売個数は確定しておりません。いつものゴジラソフビよりは少なくなる予定です。予めご了承下さい。
「モスラ幼虫」の両方のバージョンを同時購入の方には、特典プレゼント(内容はまだ秘密です)を企画しております。こちらもお楽しみに!

■お申し込みをされる方へ
 通販ですので商品代金の他にそれぞれに別途都道府県別に送料をいただく事になります。
 他商品との同時購入も可能です。(合計4個以上で送料はサービス致します)
 お申し込みをされた方は、申し込まれた日よりできる限り2週間以内のご入金をお願い致します。入金後の報告のお電話は必要ありませんが(確認は弊社の方で行ないます)、不安な方はご連絡いただいても構いません。
 電話でのお申し込み後、入金前のキャンセルや入金が遅れる場合は必ず連絡して下さい。もし入金が遅れる場合は、事前におっしゃっていただければ、取り置きしておきますのでお申し出下さい。
 入金は銀行振込み、郵便振込み、現金書留の中から、お客様のご都合のよろしいものを選択してお願いします。代金引き換え、後払いでのお求めはできませんのでご了承下さい。
 配達時間、日付けの指定を希望される方は、お申し込みの際にお知らせ下さい。
 商品は6月1日発売の物ですので、ご入金いただいた方への発送は6月1日以降となります。予めご了承下さい。

●銀行振込みを希望される方(お申し込み後、以下にお振込下さい)
 三井住友銀行 小石川支店(店番号813) 普通3635003
 口座名儀 有限会社クリエイティブデザイン羽沢組
●郵便振込みを希望される方(お申し込み後、以下にお振込下さい)
 記号10090 番号13066541
 加入者名 ユ)クリエイティブデザインハザワグミ
●現金書留での送金を希望される方(お申し込み後、以下に送金願います)
 〒113-0033
 東京都文京区本郷1-33-19グリーンハイツ本郷103号
 有限会社クリエイティブデザイン羽沢組
 TEL/03-5802-4316

■その他のソフビ商品について
 現在発売中の他の商品と同時購入を希望される方は、通販情報をご覧いただき、ご希望の商品をご確認下さい。
 中には一部数が少なくなってきたものもございます。あとわずかの物はなくなってしまう可能性もありますのでご注意下さい。今日現在、残りが少ないものは以下の商品です。

●「ミレゴジ グリーンバージョン」あと3個
●「ミレゴジ ファイアーバージョン」あとわずか
●「GMKゴジラ 箱根決戦バージョン」あと3個
●「GMKゴジラ 横浜激戦バージョン」(追加販売分)あと4個
●「大戦争ゴジラ ブラウンバージョン」ラスト1個
●「ギドゴジ 原潜襲撃バージョン」あとわずか
●「モスゴジ スタンダードカラー」あと3個
●「ファイナルゴジラ ブラックバージョン」あとわずか
●「キングギドラ シャイニングゴールド」あとわずか

 上記以外の他の商品はまだございますが(詳細は「通販情報」をご覧下さい)、全体的に少なくなってきましたのでご注意下さいませ。あとわずかになったものはここ数日でまた変動がある可能性がありますので、気になるものにつきましては早めにご検討下さい。
 現在合計4個以上の同時購入の場合、送料をサービスさせていただいております。こちらのサービスもぜひご利用下さい。
 ではたくさんの皆さんのお求めをお待ちしております。
 お申し込みの際、ご不明な点やご意見、質問等ございましたらお気軽にお尋ね下さい。

(2010.7.5更新)
「モスゴジ スタンダードカラー」「大戦争ゴジラ ブラウンバージョン」は完売致しました。ありがとうございました。
(2010.7.26更新)
「ミレゴジ グリーンバージョン」は完売しました。ありがとうございました。
(2010.7.28更新)
「GMKゴジラ 箱根決戦バージョン」は完売しました。ありがとうございました。
(2010.9.27更新)
「ギドゴジ 原潜襲撃バージョン」は完売いたしました。ありがとうございました。
(2011.1.8更新)
「ファイナルゴジラ ブラックバージョン」は完売致しました。ありがとうございました。
(2011.2.7更新)
「GMKゴジラ 横浜激戦バージョン」(追加販売分)は完売致しました。ありがとうございました。再販・追加販売はございません。ご了承下さい。
(2011.4.30更新)
「ミレゴジ ファイアーバージョン」は完売致しました。ありがとうございました。

モスラ幼虫あれこれ その3

2010年05月19日 | 羽沢組的怪獣見聞録
PART3.各作品に登場のモスラ幼虫(2)

 今日は昨日の続きで「モスラ(幼虫)」の造形や特徴の違いを登場・出演した平成以降の各映画作品毎に列記します。

■平成以降の作品に登場した「モスラ幼虫」
 今回もあくまで「モスラ(幼虫)」として登場した場合です。「成虫」につきましては割愛させていただきます。他作品のフィルムをそのまま流用使用した物は含まれません。劇場で公開された映画作品に登場したものだけです。
 検証という程の大袈裟なものではありませんが、弊社が書籍類や映像で確認したものです。事実確認できていない事柄も多々ありますので、予めご了承下さい。

『ゴジラVSモスラ』(1992年)
 平成初のモスラ。顔そのものは『モスラ対ゴジラ』の幼虫をベースに造型されていると思われますが、全体的に丸みを帯び、凹凸もなめらかになっている事からかなりかわいい印象になっています。形状での一番の違いは足。昭和の幼虫は計4本ですが、この時から6本に。そしてその位置も昭和のものよりかなり前側、口の裏側すぐに位置しています。口の形も変わり、上下の部分が昭和のものより倍近く大きくなっています。他に目立つ違いは尻尾の先端。三又に分かれている先端のうち、上部分だけが細く鋭利に上向きになりました。ギミックで口横の触覚が動くようになっているのがわかります。
 一番の違いは大きさ。ゴジラとの比較で一目瞭然で、昭和のものより倍以上になっています。
 身体色は『モスラ対ゴジラ』の幼虫よりやや薄めの茶色。目は赤。

『モスラ』(1996年)
 平成モスラ3部作の第一弾。目のくぼみが小さくなっている事や、口横の触覚が上向きで長めになっていたり、完全に顔の凹凸の形状が変わり、リニューアルされている事がわかります。見比べてみるとそれまでの物とは顔が似ていない事がわかります。また、足と呼べるものがなくなっており、あごの下に触覚的に突起として付けられています。口は太さ的にはひと回り小さめとなっていますが、前に突き出し、以前よりも細く長くなった印象があります。
 身体の色はVS版によく似た茶色。目は青。

『モスラ3 キングギドラ来襲』(1998年)
 ここで登場する幼虫は白亜紀版。形状は全く違うものなので、比較対象から外します。

『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)
 ここで登場する幼虫はほんのわずか。『モスラ』(1996年)の幼虫の前身部分だけの流用。水上のシーンのため、水漏れ防止と水が流れ落ちる表現のためかなりの数の細かなしわが加えられています。
 夜のシーのため黒にしか見えませんが、色はほぼ前作のままなのだそうです。目は青。

『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003年)
 現時点では最後のモスラ幼虫。今までで最も大きなリニューアルと言える程、顔の形状、特にくぼみや凹凸の位置や深さが変えられています。双子として登場するのは『モスラ対ゴジラ』以来。足はなく、あご下にキバのように生えています。触覚そのものはこれまでとは表面的な凹凸が違い、口同様かなりよく動いていたのが印象的です。口は小さめで、糸を吐く時の口の広さはおそらくは歴代の幼虫の中でも最も大きく広げています。全身は、ゴジラとの比率で見ると歴代の中でもやや大きめ。
 目は通常時、穏やかな時は青ですが、怒りの時や戦闘時には赤に変化。戦い後は青に戻っています。意外にも目の色の変化が見られるのはこの作品だけ。

モスラ幼虫あれこれ その2

2010年05月18日 | 羽沢組的怪獣見聞録
PART2.各作品に登場のモスラ幼虫(1)

 今日はたくさん存在する「モスラ(幼虫)」の造形や特徴の違いを登場・出演した各映画作品毎に列記してみます。

■昭和の作品に登場した「モスラ幼虫」
 以下はあくまで「モスラ(幼虫)」として登場した場合です。「成虫」につきましては割愛させていただきます。他作品のフィルムをそのまま流用使用した物は含まれません。
 検証という程の大袈裟なものではありませんが、弊社が書籍類や映像で確認したものです。事実確認できていない事柄も多々ありますので、予めご了承下さい。

『モスラ』(1961年)
 いわゆるファーストモスラ。劇中では着ぐるみタイプ、操演タイプ、ギニョール(人間が手を入れて動かす)タイプとあるようで、微妙に顔の凹凸に差がありますが、ほとんど気にならない程。後の各作品の幼虫に比べて全体的に顔がやや平たんで口やその横の触覚が小さめ。唯一色が薄く、細かなまだら模様が若干あります。
 着ぐるみタイプのものは7メートルもあり、実際に人間が入って(書籍によっては5人と書かれている物、6人と書かれている物があります)動かしていたのだからかなりの迫力。
 また、これは推測になりますが、スチール写真で使用されている物(後のロビーカードやブロマイド等にも使用された物と思われる)は、身体の関節の数が違う事から上記のいずれでもないようですが(外見的に近いので操演タイプとして使用された事はあったかも)、印刷上で劇中使用の物と合成使用の可能性もあります。
 目の色は水色に近い青発光。

『モスラ対ゴジラ』(1964年)
 後日改めて詳しく書きます。

『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年)
 設定上は『モスラ対ゴジラ』の続きと思われ、双子の一方は死んでしまっていたと説明があります。残った一匹が登場しているという設定となってはいるものの、見比べてみると造形的にも大きさ的にも全く違う物に見えます(自走式タイプ、操演タイプ共に)。顔は前作よりややくたびれた感じで凹凸が顕著、身体はやや細くなっています。ゴジラそのものは全作の流用改修(「モスゴジ」から「決戦ゴジラ」へ)なので、幼虫もその可能性がありますが、もしそうだとしたら、違って見える程くたびれてしまったものと思われます。
 いずれにしても全体の色は変更され、濃いめの茶色だった前作に比べて少しだけ黄色味の強い茶色になっていて、口は焦茶色から黒に変わっています。顔等の凸部分にも黒く塗られている箇所があります。ぶっちゃけその分かわいさが半減した顔になってしまった印象があります。
 目は赤。

『怪獣総進撃』(1968年)
 登場シーンが少ないので一番確認しにくいのがここでの幼虫です。『地球最大の決戦』の時の物を流用したものなのか新規造形なのかは不明です。顔の凹凸があきらかに違うため、流用とするならばかなりの修正が必要だった事は確か。大きさや形状的にもゴジラ等に比べればそう手間もかからないはずなので、もし『モスラ対ゴジラ』の時からの同一の型を使用しての新規造形であっても不思議ではありません。
 ただ、自走式タイプの頭が『地球最大の決戦』の物よりやや小さめになっているのは確認でき、口やその横の触覚が小さくなっているのもわかります。色も全体的にそれまでの物とは違う別の色に塗られています。口の色が黒から焦茶色に戻りました。
 目は赤。

 明日は平成以降の幼虫について書きます。

モスラ幼虫あれこれ その1

2010年05月17日 | 羽沢組的怪獣見聞録
PART1.モスラ幼虫の造形について

 6月1日に予定している「モスラ幼虫 誕生バージョン」「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」の発売を前に、「モスラ幼虫」に関する事を書きたいと思います。「好きなのはゴジラだけ」という方も、ゴジラに全く関係ないわけではありませんのでぜひおつき合い下さい。

■作品毎にはっきりと違いがあるのです
 今回弊社から発売するのは『モスラ対ゴジラ』(1964年)に登場した2体のモスラ幼虫です。
 これまで「モスラ(幼虫)」と名のつく怪獣は東宝映画に多数登場しています。これらほとんどの劇中スーツ(ここではそう呼称させていただきます)は、作品毎に新規造形で、似ているようでいて形状は全く違うものになっています。比べてみるとその造形にははっきりとわかる差があるのです。ほとんど同じと思われていた方も多いのではないでしょうか。

 1つの作品の中で、自走式タイプ、操演タイプ、ギニョール(人間が手を入れて動かす)タイプと使い分けて撮影されているものもあり、残念ながら同一作品、同一キャラクターでありながらもそれぞれに顔等が統一されて造型されていない場合があります。『モスラ対ゴジラ』に登場した幼虫がまさにそれです。この時の幼虫はしかも双子の2体です。その2体でも造形に差があり、違いがあるのです。つまり『モスラ対ゴジラ』では、実質6種類の造形の違う幼虫が登場している事になります。
 大きさもそうです。作品毎に設定されている全長も違うのですが、撮影に使用されている劇中スーツも当然大きさ、長さに違いがあります。
 共演している時のゴジラの身長とほぼ同じ全長と設定されている時の幼虫でも、劇中ではひと回りもふた回りも小さく作られていたりする場合もあります。

 残念なのが、書籍やムック本等によるモスラ幼虫に関しての記事(特に撮影時の劇中スーツや造形について)の中で、各作品の細かなデータや資料として使用できる物が実に少ない事です。主役のゴジラに比べれば、当然の事なのかもしれませんが、印刷物の上では扱いがあまり大きいとは言えないのです。中には登場作品が違う幼虫の写真を使用してキャプションを書かれているものもあるぐらいです。
 大変ではありますが、作品毎の違い等を調べる上では、ひとつひとつ、1カット1カットを映像で確認して比較、検証するのが一番の近道と言えるでしょう。

 続きはまた明日。


▲これは弊社商品の原型。もちろんこのふたつの造形の差はつけてあります。
 その違いについては近日「こだわり」で書きます。