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『大川の風土記』44~湯島部落⑰~

2011年08月20日 | 大川の風土記
湯島の故小沢慶一氏が著した『大川の風土記』を再録します。

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湯島⑰

昔の二ツ岩の付近では、古式による火伏の行事が毎年十二月頃「六根清浄」を唱える法院六部らで行ったもので、村の人達は薪一把宛を持ち寄って、山の如き積んだ処に火が燃えて広がった頃、法院が唱え事をなした後、村人達は徐々に火の中を歩いて参拝し、防火祭「火祭り」が斎行された。

世に名高い「火まつり」が斉修せられるのは周智郡春野町静岡県一級社秋葉神社で、毎年十二月十五、十六日火災消除の祈祷が厳修せられ古式豊かな古伝の弓、剣、火の三舞の神事が神秘荘厳のうちに執行し、善男善女の参拝者で賑わう。近郷では、清水市の西久保の秋葉神社峯本院でも防火祭が執行するも、戦前はで時々執行していた。

六根清浄を守護神とした法院もの西組に住みて、易断呪文ごとや神事を修めたと伝うも、現在も祈祷所の屋敷跡や法院の墓所も現存して居り、その子孫が祭祀香華を供えている。
防火祭は火まつりで、火災消除で消防での火の用心であるが、湯島も公設消防組が昭和十年五月三十日付で組織せられて現在に至る。での火災発生件数は明治十年代に家屋が二軒、明治二十年代に家屋が二軒で、大正年代に家屋が一軒に製茶工場一棟が焼失している。

伊勢参りの帰りの報知を受けると、での馬の飼主から馬具一式と馭者一人付で借り受けて、馬に盛装かざり物をつけ、湯島と日向の境のところまで出迎いをした。参加者は参拝者の家族親類やの老若男女の皆さんで迎えた。伊勢詣の人が多いときは、代表者とか馬に馴れた方が乗馬をし、厳粛なる入りを行い、二ツ岩の砂陵で、赤白の菓子その他をまいたと伝う。

ごく最近まで馬の飼主の家にはかざり物付の鞍や、あぶみ等が保存されて居った。

伊勢詣りの人達は氏神に参いりの家に色々なる土産物を配布し、同時に守礼も配った。

『大川の風土記』(小沢慶一.1966)


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