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『大川の風土記』45~湯島部落⑱~

2011年08月21日 | 大川の風土記
湯ノ島在住の故小沢慶一氏が著した『大川の風土記』(1966)を再録します。

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湯島⑱

二ツ岩のアユ釣りはまた有名で、天然もの遡上期には水量に恵まれ、魚影が濃かった。この話は、明治末期から大正年代の情報で期待できない。この辺から「サカイの渕」までの区域上の方は唐沢口から餅田、上湯島辺がよい釣り場であって、稚アユが夕方にかばりの浮き釣が有望であった。最近は河川工事で天然鮎の遡上はまったく影を消し、漁組の放流稚アユによるもので、十分の楽しみも期待が薄いが、やまめ、うなぎは宝庫らしい。

昔はこの辺の川や用水路の排水口には「鮎かけ」、俗名「アユかけあんごう」。ちょうど大カエルの頭が大きく、しかも口のところに針をそなえナマズの尾がなく、短かくした形の川魚で、食用となっていたも近年はこの種の川魚は見ないが、小さな川魚の同類は魚影を濃く捕獲する。

「巡回文庫と水泳」明治四十三年から大正三年まで満四年幾ケ月か安倍郡長に在任した故田沢義先生ご企画の安倍郡巡回文庫を指す。当時の安倍郡は全部で二十四ケ町村であった。

巡回文庫は堅牢なる大きな木製の箱「本箱の大」錠前付で貸し出日記もあって、一ケ村約一か月位ので幾組もあった。

その巡回文庫が日向青年達の手で二箱入り。夏の太陽の下で重い書籍の運搬、金鉄も溶ける暑さで、さっそく二ツ岩の水泳場に飛び込み涼を求めた。河童

「河童」かっぱ頭に皿があって、水中にすむという想像上の動物。人を水中に引き込んで溺れさせるという。五月から盛夏の八月頃に川に住むので、各地で子供達の水泳には大人達を友添えにしたが、川に溺れて死んだ人達もあると伝う。

『大川の風土記』(小沢慶一.1966)

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