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『日向の戦い』

2012年01月08日 | 言い伝え&伝承
藁科川上流・日向地区に伝わる言い伝えを再録します。

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『日向の戦い』

今、私たちの住んでいる日向を開いたのが、ひこじという男だそうで、このひこじの弟に、ひこ次郎という人がいたそうです。650年も前のことであり、あらそいが絶え間なくおこっていた時代のことです。日向の奥にも、城山城というお城がありますが、ひこ次郎は、この城山城を討とうと考えました。それにはまず、こちらもお城を築かなければならないといって、萩多城というのを築き、できあがるとさっそく、戦いを始めました。
戦いは一進一退でしたが、ひこ次郎軍の方がわずかに優勢にすすめられているように見えました。
しかし、ある夜のこと、正平八年八月十二日のことだそうです。ひこ次郎軍は、闇にまぎれて近づく城山城軍に気づきませんでした。卑怯なり城山軍。夜討ちにあったのです。その夜、萩多城は大混乱になり、翌十三日、萩多城は落城してしまったのです。日向の人々はその後、萩多城の跡を萩野平と呼ぶようになり、この戦いのため使う矢を作った場所を矢上と言いました。矢上から日向に下る道があり、途中四箇所に分かれているところがありますが、矢上辻と呼ばれるようになりました。
(藁科物語第4号~藁科の史話と伝説~.静岡市立中央図書館.2000)

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