大好き!藁科川

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洪水から村を救ったお地蔵さん@小瀬戸

2010年08月04日 | 祠・石碑
先月18日の日曜日、イベントの会場となる河原を最終確認で出かけた帰りの時のこと。藁科川の中流域の小瀬戸辺りをバイクで通過しようとしたところ、祠の周りになにやら人だかりが・・・・。

「んっ???」

と思い思わず原付を道脇に寄せ、その集まりに目を凝らすと、お坊さんがお経を上げ、その周りに地域の人たち30人ほどがゴザを敷いて、談笑していました。

そばによって声をかけると、古老の男性を紹介され、この川除け地蔵にまつわるお話を丁寧に教えてくれました。あまりにすばらしいお話だったので紹介させてください。

「むかしは、よく小さな子どもたちの面倒は、大きくなった子どもがおぶってみていてあげていたものでした。そんなある日、大きな悲鳴声が聞こえ、村人たちが何事かと思い駆けつけてみると、おんぶひもがゆわえられた地蔵が倒れていて、その下敷きになった幼子が亡くなっていたそうです。

その夜、子どもを弔って、疲れにうとうとしていた村人の夢に地蔵がでてきました。“きょうは本当に申し訳ないことをした。この償いはいつか必ず果たすから”といって、そのお地蔵様は消えたとのこと。聞いてみると、周りの村人もみな同じ夢をみていたとのことで、なんとも不思議なことだと口々に言い合いました。

その年の秋のこと。ここ小瀬戸に大風が吹いて、川が氾濫しそうになったことがありました。村人たちは懸命に土嚢をつみ、石を積み上げ、必死に流れをおさえようとしましたが、力及ばず、いよいよ濁流が決壊しようとしたその時、川の底が青白く光り、何事かと思い村人たちが覗き込むと、そこには大水を防ごうと力をふりしぼる地蔵さんがいました。おかげで村は洪水から救われ、それ以降お地蔵様をたたえ、こうして年に1回供養しているのです」

路傍の何気ない祠に、こんな心温まるエピソードと、それを伝え続けている小瀬戸の人たちの気持ちに接することができ、とても豊かな気持ちです。

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