大好き!藁科川

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山村に受け継がれる庚申信仰

2010年08月02日 | 祠・石碑
藁科川の流域には、お地蔵さんの他に「庚申塔」と刻まれた石碑がたくさん建っています。この庚申信仰は、その地域や集まり毎に違っているそうですが、普通、農業生産の神様、厄除けの神様、福の神、その土地の神と考えられています。

静岡市では、この藁科川沿いの清沢や大川、またお隣の安倍川の玉川、または井川地域で庚申信仰は盛んだったそうで、この影響で至る所に自然石の庚申塔が建てられています。その塔には、真言密教の青面金剛童子(しょうめんこんごうどうし)の姿は彫られていませんが、「庚申塔」の三文字、時に「庚申供養塔」の五文字のこともあります。

二ヶ月に一度まわってくる「かのえさる(庚申)」の夜(俗にお日待ちの夜ともいうそうです)には、祭壇の前で、夜どおし皆で飲食して語り明かし、人々の心の中にある悪魔を見守り、自己反省して信仰を深めると同時に、農業の生産に関わる知識を交換する場にもなり、の伝承を受け継ぐ機会も提供していたと言います。この一夜は、夫婦の接近も忌み禁じられて、清浄であることが求められていたそうです。

最近では、このようなお日まちの夜を過ごす集まりはすっかり減ったようですが、それでも大川地区の日向などで、今なお共同で飲食し、親睦を深めているところがあるそうです。
このような1年に5~6回の集まりと、60年に一度廻ってくる「かのえさる」の年を待ち受ける庚申信仰は、平安時代に大陸の方から日本に入ってきたのが始まりだそうで、室町時代以降に、庚申待ちの塔が盛んに建てられたとのこと。それが時代の流れと共に、生産や悪病よけの威力を持つ庶民の神の色が濃くなってゆき、今日でも山村地域を中心にひそかに受け継がれています。

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