大好き!藁科川

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名人の視線の先

2012年03月05日 | 料理・食べ物
 先日もこのブログで書きましたが、4月1日の春の祭礼に向けて、神楽の練習が毎週日曜日に地区の集会所で行われています。地区に伝わる舞を受け継いでいらっしゃるお二人の地元の方に指導して頂いていますが、このお二人の舞う姿を見ていると、同じ演目でも随分と踊り方に違いがあることに気がつきます。お一人の方は、型がしっかりとした端正なきれいな舞で、もうひと方の踊りは踊り上がるようなダイナミックな神楽です。“形を受け継いでいることの中に、個性がにじみ出てくるものだなぁ”などと感心しながらその違いをまじまじと眺めていると、その生真面目な視線に気づいて、ちょっとからかってみたくなったのでしょうか、「○○ちゃ~ん(親しみをこめてこう呼んで下さいます)、踊りのうまい人は、いったい踊り手のどこを見てると思う?」という謎かけをしてきました。踊りの“お”の字も知らない癖に、どこかで聞きかじったことがあったものですから、それを思い出して「腰ですかねぇ?」と応えると、「違う違う、足元だよ、名人は足元をみてくる。足遣いを見られるほど緊張するものはないよ」とのお返事でした。「名人は足元を見る」。踊りの練習を終えた娘に「どこがむずかしかった?」などと質問してみると「手の使い方」という答えが返ってきたことがありましたが、どうやらそのように表面に出てくるような所より、ベテランの踊り手はそれを支えている部分に視線を注いでいるらしいのです。何やら踊りばかりの話でもないようで、お灸を据えられたような気持ちになりました。
 翌日、その踊りの師匠が朝、家に寄って下さり、「無着色で、無添加だから、味気ないけど」と手作りの梅干しを大中小と3パック持ってきて下さいました。この梅干が、またまっすぐにしょっぱい。ご厚意の嬉しさと共に、外見には惑わされないまっすぐなものをこの味にも感じました。


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