『朝鮮日報』（１０月３１日付）は、「検事２３０人が秋美愛法相に集団反発、『検察反乱』に拡大」と題する記事を掲載

勝又壽良のワールドビュー

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韓国の秋美愛（チュ・ミエ）法務部長官の独断専行に対して、一般検事２３０人がＳＮＳで批判文を掲載する騒ぎになっている。

秋法務部長官は、進歩派政権を２０年継続させるという政略的な動きに賛同しており、政権の恥部を捜査する検事を一斉に左遷するなど目に余る行動をとっている。

文大統領は、こういう法務部長官を見て見ぬふりしている。

秋法務部長官は、与党・政権の捜査を一切認めぬという常識外れの行動を取っている。

民主主義政治において、許されないこの党派的な動きが、進歩派政権において行われている。

まさに、韓国の悲劇と言うほかない。

これでは、軍事政権以下という批判を浴びているが、全く動ずる姿勢を見せない「確信犯」的な振る舞いである。

『朝鮮日報』（１０月３１日付）は、「検事２３０人が秋美愛法相に集団反発、『検察反乱』に拡大」と題する記事を掲載した。

（１）「秋美愛（チュ・ミエ）法務部長官が２９日、尹錫悦（ユン・ソクヨル）検察総長を狙った自身の相次ぐ監察指示を「監察権乱発」と批判した李煥羽（イ・ファンウ）済州地検検事に「報復」を予告したことを受け、第一線の検事たちの反発が相次いでいる。

与党関係者らはこうした検事たちの反発を「検察改革に対する抵抗」と規定、「検察が政治集団化し、その中心に尹錫悦検察総長がいる」と批判した。「検事たちの『カミングアウト（自ら政治性向を公表すること）』が流行」と嘲弄（ちょうろう）する声まで上がっている」

この問題は、尹検察総長を辞職に追い込みたい秋法務部長官が、検察総長の捜査指揮権を取り上げる「異常行動」に対し、検察内部から出た批判である。

検察総長の任期は２年である。文政権は、自ら任命した尹検察総長を任期満了前に辞任させたい、として悪辣な行動を行っているもの。

尹検察総長の捜査指揮権の剥奪は、すでに２回を数えており、執拗なまでの辞任圧力を掛けている。

政権が保守党に移れば、この問題を最初に事件として取り上げるべきであろう。

（２）「秋美愛長官が１０月２９日、平（ひら）の検事である李煥羽検事を名指ししてソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）「フェイスブック」に、「上等です。そうやってカミングアウトしてくだされば、改革だけが答えです」と投稿すると、千正培（チョン・ジョンベ）元法務部長官の娘婿である崔在万（チェ・ジェマン）春川地検検事が同日午後、「私も李煥羽検事と同じ考えだ。私もカミングアウトする」という文章を検察内ネットワーク「イープロス」に投稿した。同日だけで６３人の検事がこの投稿文に「（秋美愛長官の）稚拙で無道な攻撃」というコメントを書き込んだのに続き、３０日にはコメントを書き込んだ検事が約２３０人に増えた」

検事約２３０人が、ＳＮＳにコメントを書き込み、司法部長官へ批判が集中している。

尹検察総長は、２回目の捜査指揮権を剥奪された際、「検察総長は、司法部長官の部下でない」と声明を出している。

検察は、政治から独立した機関であるという正論を述べたもので、検察内部で多くの同感を得ていることを証明した。

韓国では、司法全体（警察・検察・裁判）が、大統領の指揮下にあるという思い上がりが支配している。司法の政治化は、民主国家であってはならない事態だ。

（３）「検事たちの書き込みは辛らつだ。

シン・ギリョン大邱地検検事はこの日、「北朝鮮じゃあるまいし、怖くて何も言えない世の中になったようで悲しい」と、キム・サンミン水原地検検事は「（秋美愛長官は）政治的な修辞で政治が検察を型押しする現在の状況を隠そうとするな」と書いた。

イ・ジョングン議政府地検部長検事は「正義の側に立つというカミングアウト」だと賛同した。イ・ヒョンジョン蔚山地検部長検事は「つぶて打ち（小石を投げつけること）と敵味方分け」と書いた」

進歩派の看板の下で、保守派を上回る「党派政治」を行っている。

韓国進歩派は、欧州の進歩派とは、似ても似つかない「民族主義者」の集団であり、普遍的な民主主義と無縁の差音罪である。

それにも関わらず、韓国朱子学の悪弊で「道徳主義者」と錯覚している。この誤解・錯誤によって、手のつけられない「横暴集団」となっている。

（４）「秋美愛長官はこれに関して、同日は見解を出していない。しかし姜琪正（カン・ギジョン）元青瓦台政務首席秘書官はフェイスブックに、「検事たちの『私もカミングアウト』が流行」「国民は『自省のカミングアウト』を待っている」と投稿した。

与党・共に民主党の金容民（キム・ヨンミン）議員は「検査様たち、尹錫悦検察総長の政治発言に激怒なさるべきでは」と同検察総長を攻撃した。

同党の金太年（キム・テニョン）院内代表はこの日、法務部監察結果によっては「尹錫悦検察総長の解任事由」が生じる可能性があると言った」

 韓国与党は、こうした検事たちの抗議に対して、尹錫悦検察総長を解任する理由ができたという呆れた態度である。どこまでも「反省」と無縁の韓国進歩派の悪行である。