北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

戦車180輌が参加 北部方面隊射撃競技会2008実施

2008-11-20 23:18:45 | 防衛・安全保障

■日本最大の戦車射撃競技会

 京都から特急トワイライトエクスプレスに乗れば一本で行ける北海道・・・、やはり遠い。さて、産経新聞によれば、その北海道にて北部方面隊射撃競技会が19日から23日まで五日間の予定で開始されたとのこと。

Img_2971  射撃競技会は戦車部隊の団結の強化と射撃技量の向上を期して2002年から実施されており、今回で七回目にあたる、とのこと。北海道大演習場島松地区第1射場にて行われている。比較的平野部が多く、機械化部隊の行動に適しており、更に冷戦時代ソ連からの圧力を大きく受けていた北部方面隊には、多くの戦車部隊が集められている。

Img_0163  参加部隊は、北部方面隊すべての戦車部隊から参加、90式戦車の部に35個小隊140輌、74式戦車の部に10個小隊40輌。実に計180輌もの戦車が参加している、日本最大規模の競技会ということになる(北部方面隊では、もう90式戦車と比べ74式戦車は少数派にあたるということに驚いた!)。

Img_4160  競技会は200~2800㍍の距離で戦車砲や機銃を用いて実施される。複数の台の上に置かれた多数の目標を小隊全車による機銃により制圧、その時間を競う時間点競技や、戦車砲の命中精度を競う命中点競技などが行われているという。一般に公開されていない競技会であるが、一度見てみたい、と思ったりする次第。同時に、模様をインターネット中継して、表彰式も大々的に行い、広報に役立ててみては?と思ったりもする。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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岐阜基地航空祭2007(岐阜基地開庁50周年記念航空祭) (1)

2008-11-19 22:43:23 | 航空自衛隊 装備名鑑

■岐阜基地航空祭07

 2007年10月28日に開催された岐阜基地航空祭、絶好の快晴を舞台に進められた航空祭の模様、今回から数回に分けてその詳報を掲載したい。

Img_6871_1  航空自衛隊岐阜基地には、飛行開発実験団が展開している。この飛行開発実験団が展開することから航空自衛隊が運用を行う航空機に関する評価試験を実施する日本のエドワーズ基地として知られ、また、航空機を開発生産する川崎重工岐阜工場が隣接していることから、定期整備や新造機なども、ここ岐阜を起点として大空に舞い上がっている。

Img_6813  岐阜基地航空祭2007は、この岐阜基地開庁50周年を祝う特別な航空祭でもあった、基地の滑走路に並行する形で名鉄各務原線とJR高山線が走っており基地ゲートに近い名鉄三柿野駅から基地に向かう。メインゲートなど入り口は幾つかあり、交通の利便性が高いのが嬉しい岐阜基地航空祭。

Img_6834  基地にはいり、模擬店のグッズに目を取られながらも、混雑前のエプロン地区に足を運ぶ。時計は0830時をやや過ぎた頃。オープニングフライトが開始される前の時間。しかし、コックピットが一般公開されているT-4練習機などのまえには、さっそく行列が出来上がっている。入間基地航空祭と並ぶ人気の航空祭がいよいよはじまる。

Img_6837  とりあえず、混雑する前に、地上展示を一通り撮ってしまうと考えた。これから混むのだ。格納庫には飛行開発実験団のF-4ファントムと各種装備が並べられていた。20ミリ機関砲。M-61機関砲は機首に搭載され、毎秒100発という高い連射速度で標的に襲い掛かる。ミサイルのように最低射程距離が無い、近接用の装備だ。

Img_6848  AIM-9空対空ミサイル。127ミリロケット弾に誘導装置を取り付けたミサイルとして米軍で運用が始まり、進化を続けているミサイル。航空自衛隊が運用しているのは比較的新型のAIM-9Lで、目標から発せられる熱(赤外線)を追尾し目標に命中する。射程は15km程度。短射程ミサイルで、中射程のレーダー誘導ミサイルと組み合わせて運用される。

Img_6858_1  JDAM,これはGPSを用いて誘導する期待の新型装備。展示されていることに少々驚いたのは、まだ試験中の装備であったからだ。JDAMとはJoint Direct Attack Munition,入力されたGPS座標に向かって安定翼を作動させ落下、命中する精密誘導爆弾で、Mk82/500ポンド爆弾にセンサーと安定翼モータ、GPSアンテナを取り付けるだけという手軽な装備だ。

Img_6879  このJDAMは、より詳しくはGBU-38Bという。この爆弾を装備することで、高高度から投下しても高い命中精度を維持できるため、支援戦闘機は機関砲や携帯対空ミサイルが待ち構える危険な低空に降りる必要がなくなる。落下時に滑空させ、長距離地対空ミサイルの射程外から任務を遂行する新型のJDAMも開発されている。

Img_6872  格納庫無いではエンジンも展示されていた。F-4EJに搭載されるJ79-IHI-17エンジンでターボジェットう方式を採用、重量は1700kg、出力は通常時に5350kg、最大出力で8120kgのルイ力を発揮する。エンジンや各種装備については、整備員の方から懇切丁寧な解説を受けることができる。

Img_6890  赤外線誘導装置GSS-1を装着した500ポンド爆弾。海上目標に対して運用するもので、対艦ミサイルASM-1などにより上部構造物を大破した目標にとどめをさす用途で用いられる。四方を海に囲まれた日本列島を守るべく、対艦用の装備は充実している。GSS-1は、より大型の爆弾にも搭載可能だ。

Img_6863_1  格納庫内部をみてまわっていると、かなり距離があるにもかかわらず、エンジンの鼓動がこちらに届く、F-15Jが二つのF-100-PWエンジンが咆哮をあげ、全備重量では25トンに達する鋼鉄の猛禽を大空に羽ばたかせてゆく、いよいよオープニングフライトが開始される旨、アナウンスされる。

Img_6868_1  F-15戦闘機は、強力なエンジンにより19.4㍍の巨体を無理やり機動させる戦闘機、巨体には各種レーダーや長大な後続距離を担保させる燃料を充分積み込むことができる。多数のミサイルを積み、広い空域の制空権を維持、この機体は、少ない機体で長大な日本列島の防空を維持し、奪われた大空から敵対勢力を駆逐する日本向きの制空戦闘機である。

Img_6875_1  続いて、オープニングフライトを実施するべく、F-2支援戦闘機が離陸してゆく。岐阜基地では、初めて飛行したFSX初号機時代のまま、初号機が維持されている。三菱重工とロッキードマーティンが共同開発した支援戦闘機で、対艦ミサイル四発を搭載し、日本に接近する洋上からの脅威を取り除くのが任務だ。

Img_6930  機体は離陸しても、すぐに飛行展示をおこなうわけではない、落ち着いて、地上展示機を撮影しつつ、次の撮影ポイントに向かう。この日は快晴、岐阜基地開庁50周年を祝うような快晴、快晴というのは航空祭では本当に感謝しなくてはならない。しかし、岐阜での快晴、これは、ここエプロン地区からは逆光になってしまうことを意味する。

Img_6904  岐阜基地は、入間基地航空祭に準じて10万人以上が集まる航空祭なのだが、撮影するべく立ち入ることができる場所が比較的広い、のだが、2007年はエプロン地区の改修工事が行われており、やや、地上展示区を行うことが可能な地域が狭くなっており、米軍機の参加などにも影響したもよう。

Img_6910  三沢基地から展開したE-2C早期警戒機。三沢基地では航空掩体に収容されて運用されており、有事の際には第一線航空基地に展開し運用される航空機、当初は防空管制のデータリンクへの対応などに機体が小型で苦労したが、現在では小回りの利く装備として重宝されている。より航続距離が大きく、滞空時間の長いE-767早期警戒管制機を補完する形でE-2Cは運用されている。

Img_6902  航空祭ということで航空自衛隊が運用する航空機以外の装備も展示される。写真は、災害派遣に活躍する人命救助システム。阪神大震災を契機として陸海空自衛隊に装備されている装備で、人命救助や救急など、震災後24時間で必要とされる各種装備が収められている装備品である。

Img_6920  第4高射群のペトリオットミサイル部隊が装備する車両。第4高射群は、ここ岐阜基地を司令部とし、要撃機がうち漏らした目標に対して中京京阪地区の防空を担う実戦部隊。高射隊はミサイルのほか、野外において展開し自活するための所定の装備を有しており、陸上自衛隊の装備よりも充実した面があり、興味深い。

Img_6935  T-3初等練習機。この時点で最後の一機まで練習機としては除籍された期待ではあるが、飛行しないまでも、地上展示には出されていた。まだまだ飛べそうな良好な状態。後方に見える巨大な格納庫は、次期輸送機C-Xを収容するための格納庫である。残念ながらC-Xは初飛行に至っていない。

Img_6939  航空祭では、地上展示機が並ぶエプロン地区の、そして離着陸を少しでも間近にみれる最前列が混雑する。しかし、端のほうに行ってみると案外最前列まであいていたり、また一歩さがっても、飛行展示は大空を背景におこなわれるので、十分見ることができるのだが、一風変わったアングルを求め足を進める。

Img_6933  さてさて、始まったばかりの航空祭、飛行展示を観覧するべく、エプロン地区の最前列に向けて人々が歩んでゆく。岐阜基地開庁50周年記念航空祭、来場者は基地広報の発表では10万3000名に達する規模となるのだが、オープニングフライトに続き実施される飛行展示については、次回以降に詳報として掲載したい次第。

HARUNA

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日本海上自衛隊のパワープロジェクション能力は再考の時期を迎えるか?

2008-11-18 23:44:00 | 国際・政治

■20日にも衆院で再議決?

 新テロ対策特別措置法改正案は、与野党の対立で野党が過半数を占めている参議院の通過は望めず、与党が過半数を有する衆院にて来週にも再議決し可決するとみられている。ということで本日もコネタ。

Img_4097  少なくとも、自民党政権下では、インド洋における海上阻止行動給油支援は維持される見込みであり、将来的に政権交代が実現したとしても対米外交の指針に抜本的な変化がなければ、アフガニスタンを含め、中央アジアやインド洋アラビア海といった、冷戦時代には想定していなかった地域での海上自衛隊の任務は続きそうだ。

Img_9782  しかしながら、海上自衛隊のパワープロジェクション能力(戦力投射能力)は、ここまで広範な地域での任務を想定して整備されたとは言いがたく、補給艦の保有数や、給油支援以外の任務、例えば国際平和維持活動や緊急人道支援任務などにおいて必要となるヘリコプターや人員の展開能力は充分とは言いがたい。

Img_0215  海上自衛隊は、より柔軟な任務遂行を念頭におき、今年度から護衛艦隊隷下の護衛隊群をヘリコプター護衛艦を中心とした護衛隊、イージス艦を中心とした護衛隊に分けているが、護衛隊規模での行動は、リムパックなどを例外として実施されず、補給支援などはその都度、任務部隊を編成して実施している次第。しかし、任務範囲の広域化と実任務増大に対応した人員交代体系や訓練体系はいまだ未整備なのが現状だ。

Img_0141  補給艦の増勢や艦隊編成の規模の拡大再編、場合によっては、現在整備中のヘリコプター搭載護衛艦を超える、パワープロジェクション任務に対応可能な、航空機整備能力や長期任務への対応能力、洋上拠点機能を有する大型艦の整備なども検討する時期にきているのでは、と考えた次第。

HARUNA

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岐阜基地航空祭2008 どこから観るか、撮影ポイントを考える

2008-11-17 23:57:02 | 航空自衛隊 装備名鑑

■多忙につきコネタです

 岐阜基地航空祭、とんぺい氏が足を運ばれるようだし、当方も当初、少し足を運ぶ程度の予定であったが、全展示撮影へ展開を再度検討と調整しているところ。

Img_7462  滑走路南側の保存展示区から撮影、という方法だと順光環境で撮影することができるが、地上展示機が並んでいる区域とまわろうとすると、どうしても相当歩かなくてはならない、シャトルバス(有料)もあるが、移動には結局並ぶ時間を含め相当な余裕をみておかなければならない。しかも、ブルーインパルスの飛行展示のあとに、異機種編隊飛行が行われるので、どのタイミングで移動するか、という決定が難しい。天候が曇りであれば、また話が違ってくるのだが。

Img_6901_1  いちばんの王道は、地上展示機が並ぶエプロン地区からの撮影だ、すべての展示は、ここからみることを前提に実施されるので、航空機の向きや構図などがいちばんよくみえるエリアだ。また、各種新鋭機や飛行開発実験団ならではの航空機用の各種装備をじっくりと間近にみることができる。ただし、滑走路の北側に位置する関係から、どうしても逆光になってしまう。

Img_7400 滑走路付近から撮影、という方法もある。岐阜基地の西側地区滑走路外周道路に沿って数kmの区間は立ち入ることができ、人口密度の高いエプロン地区からは考えられないようなゆったりとした撮影が可能だ。一方で、糧秣飲料水の補給とお手洗いが遠い、救難展示が遠くて見れない、などの問題もある。

Img_7208  いっそのこと、外から撮影、という方法もある。平日基地撮影の定番として多くの航空雑誌で紹介され有名な東側丘陵や、航空宇宙博物館から撮影、という方法がある。航空宇宙博物館からは、やや遠くなるが順光であるし、基地へはいるルートもあるようだ。なんとなれ、ここでの問題は、オープニングフライト、機動飛行、そしてブルーインパルスが飛行し、異機種編隊飛行、という今年のプログラム編成の関係上、移動のタイミング、という問題に尽きるのだが。

HARUNA

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京都紅葉最前線 京都御所秋の特別公開と高台寺夜間特別拝観

2008-11-16 15:08:35 | 写真

■見頃近づく京都の紅葉

 来週あたり、ひとつ鞍馬にでも足を運ぼうかと考えている今日この頃。京都市内の紅葉の様子が、いまどのくらい色づいているかということをお伝えしたい。

Img_8229  京都東寺。夕日が山野稜線の向こうに、いよいよ古都夕闇に包まれるなか、東寺、いまをもって京都有数の高層建築物である東寺五重塔が静かにライトアップされる。京都はもうひとつの時間を迎える。それは昼間の喧騒が静まり、ゆっくりと時間が移り行く夜、そして寺院の夜間特別拝観が始まる時間である。

Img_7722  京都高台寺。京都の中心部である四条河原町界隈から八坂神社に向かい、そして円山公園を抜けて足を運ぶ、京都市街を一望できる高台には、臨済宗建仁寺派の寺院、鷲峰山高台寺がある。建立されたのは1606年、豊臣秀吉の夫人、北政所ねねが、秀吉を弔う目的で造営された寺院である。

Img_7610  夜間特別拝観は12月7日まで行われる。木曜日から清水寺の夜間特別拝観が行われており、調べると様々な特別拝観が行われている。ライトアップされた寺院は、昼間の陽の向きにより逆光や写らなくていいものが写ってしまうことがあるが、夜になるとやや人の拝観も少なくなっており、そう言う心配もやや少なくなる。

Img_7661  開山堂から庭園の紅葉を望む。建仁寺より三江和尚を1624年に招き、開祖として寺の造営に努めた。特に徳川家康が政治的配慮から大きな財政的援助を行ったということで栄華を極めたという。しかし、木造の宿命というべきか高台寺は残念なことに1789年以降たびたび火災に見舞われ、今日に至っている。

Img_7620  書院から方丈へ、方丈から方丈庭園のライトアップを眺める。当時から残るものは開山堂と霊屋、傘亭、時雨亭、表門、観月台など。たびたび起こった火災の災厄を免れ、今日ではこれら建築物は国の重要文化財に指定されている。しかし、今日の高台寺は万全の火災対策を有しており、美しい庭園や伽藍は、これからは都市京都の一部として末永く残ることだろう。

Img_7670  開山堂から霊屋までを結ぶ臥龍廊が、月光に照らされている。斜面とともに反っている様子が面白い。開山堂は偃月池と臥龍池に囲まれたところにあり、周りは紅葉が美しい情景に囲まれている。偃月池には観月台が置かれており、照明が無い時代では、池に映る月とともに観月を楽しんだのであろう。

Img_7689  臥龍池に臥龍廊が写っている。開山堂も見えている。開山堂は、撮影禁止だ(開山堂から外を撮るのはいい、とのこと)。臥龍廊や観月台は立ち入ることができないため、臥龍廊が結ぶ霊屋を拝観するにはいったん、中門に戻らなければならない。そこから霊屋や傘亭、時雨亭へ、山に続く階段を上ってゆく。

Img_7711  竹林もライトアップされると、直線的であり、幹には葉が少ない竹が並ぶ竹林は、このように美しく見える。嵐山花灯路を思い出した。こうして、高台寺を拝観したのち、勅使門の隣を通り、外に出た。帰路は、八坂神社を拝観し、四条河原町に戻った次第。紅葉はそろそろ見頃を迎えつつある。

Img_8138  さてさて、この季節、たぶん、気のせいかもしれないかな、と思っているが航空自衛隊のCH-47が飛んでいる。紅葉をみていると昨年も飛んでいたようにも、訓練飛行なのだろうが、上空から俯瞰した紅葉の情景は、素晴らしいのだろうか、部屋から望む比叡山の紅葉は美しい、おそらくヘリからはもっと間近にみれるわけで、想像できないほどの情景が広がっているのだろう。

Img_7750  紅葉とともに行われているのが、京都御所秋の特別公開である。入場は無料で、内部が公開されるのこ、こういった特別公開以外では中にはいるまでの手続きが大変であるため、この時期には多くの人々が御所に参じる。もちろん、小生もその一人。手荷物検査を終えて中にはいる。

Img_7779  承明門の向こうに紫宸殿を望む。現在の京都御所は、平安京遷都の際の御所が度々生じた火災や戦乱で使用に適さなくなったため、1331年に里内裏として、この位置に移った。光厳天皇から明治天皇の時代まで、御所として機能した。ちなみに、幕末の動乱と戦乱で大半が焼けてしまい、今日の京都御所の建物は1855年に再建されたもの。

Img_7787  紫宸殿。即位礼など、重要な行事を行うための格式の高い建物で。天皇がお座りになる高御座、皇后がお座りになる御帳台が置かれている。この紫宸殿は、大正天皇の即位礼の際に造営されたもので、昭和天皇の即位礼にも使われた日本においてもっとも格式が高い建物のひとつだ。

Img_7807  清涼殿、小御所、御学問所などが並ぶ。格式が高い建物ということで、特に外国から来た観光客の人などは、撮っていいのですか、と宮内庁の人に恐縮して質問し続けてい一幕もあった。平安時代、天皇の日常生活の場として用いられていた建物である。現在の建物は、再建された際に平安時代のものよりもやや小さなものとなっているが、焼失前の様子をよく伝えている。

Img_7833  御常御殿。清涼殿は平安時代に日常生活の場所として用いられていたが、この御常御殿は室町時代以降、日常生活の場として用いられた場所で、内部は十五の部屋より成る。写真に大きく写っているのは御常御殿に続く御三間、ここで、特別公開されている部分は終了である。

Img_7852  京都御所の建礼門。外側からみたもので、その向こうに承明門、そして紫宸殿が見える構図となっている。京都御所、大宮御所、仙洞御所と京都迎賓館をあわせた広大な敷地が京都御苑となっており、御所や迎賓館は特別公開以外では見るのは非常に難しいものの、京都御苑そのものは京都の中心部、緑溢れる市民に憩いの場所として広く開かれている。

HARUNA

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石山寺 近江にある紫式部ゆかりの寺院に紅葉の季節

2008-11-15 15:55:43 | 旅行記

■京阪で石山詣りへ

 石山寺に行ってきた。紅葉シーズン真っ只中、紅葉観覧の一助となれば幸い。この写真は11月6日に撮影したものなので、いまはもう少し紅葉が進んでいるものと考える次第、つまり、見頃だ。

Img_6622  滋賀県石山寺は、紫式部が源氏物語を執筆したことで知られる寺院。石山寺へは、京都市内から地下鉄で京阪浜大津駅に、浜大津駅から石山寺行に乗り換え、徒歩十分で行くことができる。木曜日より清水寺夜間特別拝観が始まり、御所秋の特別公開が行われており、紅葉観光はいよいよ本番。そんな中、あえて京都市内の喧騒を離れ石山寺に足を運んでみた次第。

Img_6532  琵琶湖のほとり、瀬田川に面する石山寺は、本日11月15日から12月7日までの間、源氏物語千年紀として年間行われてきた行事の差異終幕として、石山寺紅葉ライトアップが行われる。この石山寺は紫式部が源氏物語の執筆うぃお行った場所であるとともに、清少納言、和泉式部らも古書にその様子を示している

Img_6527  石山寺の歴史は古く、聖武天皇の時代に、東大寺大仏建立を進める中、天皇が夢告をうけたことで、この地に伽藍の建築が行われた寺院として知られ、本尊としている秘仏如意輪観音像は、聖徳太子が伝えた仏様として、今日も進行を集めているという。奈良時代から観音の霊地として知られ、平安時代にはさらに崇敬を集め、西国三十三所として今日に至る。

Img_6556  石山寺は、京阪石山寺駅から徒歩で10分、石山寺駅というくらいなのでもう少し近いと思いきや、京阪五条駅(清水五条駅)から清水寺まで、くらいの距離がある。ただ、国道沿いにもう少し路線を伸ばせそうな立地、石山道駅ではなく石山寺駅というのだし、もう少し路線を伸ばしてほしかったかな?と。

Img_6576  石山寺、というだけ、山である。山門をくぐって本堂への道を進んでゆくと、階段が続いている。本堂は天然記念物となっている巨大な硅灰石の上にあり、それはそれは見事なのだが、お年寄りにはやや厳しい道程のようだ。ただ、大阪城や名古屋城のように、無理してエレベータがあるよりも、いいのかも。

Img_6581  国宝となっている本堂。奈良時代からここに本堂が置かれていたとのこと。もちろん、本堂の中は撮影禁止となっている。本堂より上、さらにその向こうには、冒頭に写真を掲載した多宝塔が建立されている。ちなみに、この石山寺の多宝塔、多宝塔としては、日本最古のものなのだそうだ。

Img_6585  ちなみに、ここ石山寺で紫式部が源氏物語を執筆した・・・、と思っていたのだが、実際にはこの場所で七日間参籠して構想を練った、とのこと。その場所が、石山寺の中でも本堂の源氏の間、として今日まで保存されている次第。それにしても、当時、石山寺って京阪線もJR琵琶湖線もなかったわけで、けっこうな道程。

Img_6615  観月台。いまほど、娯楽や情報が溢れていない時代には、観月は日々のしかし重要な娯楽のひとつだったのだろう。観月台の内部は公開されていないが、ここからは琵琶湖が一望できるという話である。瀬田川と琵琶湖が見えるということは東海道新幹線もみえる。石山寺へは、東海道新幹線京都駅から東海道線(琵琶湖線)で石山へ、そして京阪電車乗り換えで行くことができる。

HARUNA

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平成二十年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事 実施詳報(3)

2008-11-14 22:11:41 | 北大路機関 広報

■自衛隊関連行事

 11月15日、16日と22日、23日、24日と30日に実施される自衛隊関連行事について掲載したい。十一月下旬は築城基地航空祭、岐阜基地航空祭が実施される。

Img_0802  明日、明後日と福知山駐屯地祭が実施される。京都府の山間部にある福知山市に所在する駐屯地には、山岳連帯として知られる第7普通科連隊が駐屯。土曜日に市街パレード、そして日曜日に駐屯地が一般公開される。また23日には第41普通科連隊が駐屯する別府駐屯地にて駐屯地祭が行われる。

Img_9958  西方では、高射特科部隊の行事が盛んである。方面直轄の高射特科部隊である第2高射特科団の駐屯する飯塚駐屯地、そして第2高射特科団の隷下にある第7高射特科群が駐屯する竹松駐屯地にて駐屯地祭が行われる。高射群隷下にはホークミサイルの高射部隊が配置されている。

Img_2268  施設科部隊の行事としては川内駐屯地祭が行われる。鹿児島県の駐屯地で第8施設大隊が駐屯している駐屯地だ。主要行事の多くは九州で実施されるので、暖かい九州に足を運んでみるのもいいかもしれない。参考までに、東京駅発の最後の九州ブルートレイン富士はやぶさ号の廃止が決定したというので、最後に併せて乗ってみるのもいいかもしれない。忘れてはならないのが、土浦駐屯地祭。武器学校が置かれており、昨年度は旧軍の89式中戦車が復活、見学者を驚かせたことで知られる。

Img_1233  航空祭としては、まず23日、九州の築城基地にて築城基地航空祭が行われる。築城基地には第8航空団が展開しており、築城基地には、F-15Jを運用する第304飛行隊、そしてF-2を運用する第6飛行隊が配置されており、要撃機と支援戦闘機を混成運用する航空団ならではの展示が期待できる。

Img_7275  また、九州沖縄の防空を一手にになう西部航空方面隊司令部が置かれる春日基地でも開庁記念行事が行われる。30日には岐阜基地航空祭が行われる。ブルーインパルスの飛行展示と、輸送機・戦闘機・支援戦闘機・練習機が参加する岐阜基地名物の多機種編隊飛行の時間が入れ替わっており、首都圏など遠方からの新幹線での観覧もやさしい時間帯となっている。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

  1. 十一月十五日(陸上自衛隊):武器学校祭・土浦駐屯地創設56周年記念行事(茨城県稲敷郡阿見町)・・・武器科職種の専門教育及び整備技術研究を行う武器学校が駐屯、89式中戦車や3式中戦車の保存展示に加え予科練記念館など見どころ多数。
  2. 十一月十五・十六日(陸上自衛隊):福知山駐屯地創立58周年記念行事(京都府福知山市)・・・山岳連隊として名高い第7普通科連隊が駐屯。土曜日に市街地パレード、日曜日に駐屯地一般公開が行われる
  3. 十一月十六日(陸上自衛隊):竹松駐屯地創設56周年記念行事(長崎県大村市)・・・ホークミサイルを運用する西部方面隊直轄の第2高射特科団第7高射特科群が駐屯
  4. 十一月二十二日(陸上自衛隊):第2高射特科団・飯塚駐屯地創設42周年記念行事(福岡県飯塚市)・・・西部方面隊の方面隊防空を担う第2高射特科団司令部が駐屯、隷下の第3高射特科群や、方面直轄の第2施設群などが駐屯
  5. 十一月二十三日(航空自衛隊):航空自衛隊築城基地航空祭2008(福岡県築上郡築上町)・・・第8航空団が展開。OPフライトに続き救難展示、12教飛団隷下のT-7×4の飛行、8飛行隊のF-2による機動飛行とF-2二機による対地攻撃展示、F-15四機による編隊飛行にブルーインパルス飛行展示などを予定。脚立及び三脚の使用禁止
  6. 十一月二十三日(陸上自衛隊):別府駐屯地創立51周年記念行事(大分県別府市)・・・近接戦闘の訓練を陸上自衛隊に先駆けて取り入れた連隊のひとつとして知られる精鋭、第41普通科連隊が駐屯
  7. 十一月二十三日(陸上自衛隊):川内駐屯地創設23周年記念行事(鹿児島県薩摩川内市)・・・第8師団隷下の第8施設大隊などが駐屯
  8. 十一月二十四日(航空自衛隊):西部航空方面隊・春日基地開庁記念行事(福岡県春日市)・・・西部航空方面隊司令部、西部航空警戒管制団司令部、西部防空管制群、第3移動管制隊、第2高射群本部、指揮所運用隊、西空司令部支援飛行隊、春日ヘリコプター空輸隊、第2移動通信隊が展開。
  9. 十一月三十日(航空自衛隊):航空自衛隊岐阜基地航空祭2008(岐阜県各務ヶ原市)・・・飛行開発実験団、第4高射群、第2補給処などが展開。脚立及び三脚の使用は禁止、防寒具のご用意を、とのこと。F-15/F-2/T-7によるOPフライト、F-2/F-15の機動飛行、エアロック、ブルーインパルスの展示、午後にはC-130の航過飛行、C-1/T-4/F-4/F-2/F-15による異機種大編隊の展示が行われる。

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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環境か国防か? 低周波アクティヴソナー(LFAS)と海洋生物問題に米最高裁判決

2008-11-13 23:17:33 | 国際・政治

◆実戦的訓練が優先

 本日(現地時間では昨日)、米最高裁は、カリフォルニア沖において米海軍が実施している低周波アクティヴソナーによる海洋生物への影響に対して、海軍の実戦的訓練が優先されるとして、環境団体の訓練中止要求を棄却したとのこと。

Img_0750  今朝のABCニュースによれば、さらに判事の傍論として、ジョージワシントンの言葉を引用、平和を求めるには戦争に備えることが何よりも重要、とした。他方で、海軍演習による環境への影響は無制限に認められているわけではない、ということも付け加えた。判決文などを取り寄せたわけではなく、連邦最高裁か州最高裁かも聞き取れなかったが(Supreme Courtっていうのは聞き取れた)、このように言っていた次第。

Img_0992_1  科学的事実に基づく要求であったとしても、たとえば、事実誤認の可能性が完全に否定できない場合などは、決して正しくはない知識に基づいて判断が下されることがある。例えば、環境問題ではオゾンレジームなどがこれにあたり、オゾン層破壊の時期と、オゾン層にフロンガスが到達する時期が重ならないにもかかわらず規範制定が進んでしまった事例があるが、科学的根拠が必ずしも明確ではないものに、劣化ウラン弾やこのLFASの問題が挙げられている。

Img_1025  今回の判決で、特に重視したいのは、ミクロとマクロの混同を行ってはいけない、ということだろう。海軍の実戦的な対潜戦闘演習により護られるものと、海洋生物を保護することで得られるものを冷静に判断したもので、例えば瑣末な問題を大きく取り上げることでキャンペーン化し、規範体系に結び付けようとする事案に対する政治の一つの答え、ともいえる。

Img_9066_1  安全保障の分野の中でも、特に軍事に関する分野は、欧米では、このように冷静に受け取られており、例えば、日本ではマスメディアが度々問題として挙げる、戦車や戦闘機の燃費の悪さや、装備品価格の高さへの批判は、欧米では、CO2排出量に占める割合(戦車の数と一般車の数)や、その特殊性を差し引いて判断、イデオロギー的な要素を排して判断している。

Img_2219  低周波アクティヴソナーの強力な水中放音は、特にクジラやイルカなどの海洋哺乳類の生育や生態系に大きな影響を及ぼし、近年、これら海洋哺乳類の集団座礁や生育数減少など異常行動との関連性が疑われているものの、それ以上に重要なものがある、という、判決のようだ。他方で、それこそ、判決文を取り寄せて読むべきなのかもしれないが、この判決では、低周波アクティヴソナーによる海洋生物への影響を一部認めたのか、と取ることもできるようにみえる。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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航空自衛隊、沖縄周辺空域で日米合同演習を実施(11月18日)

2008-11-12 23:19:43 | 防衛・安全保障

■防空戦闘訓練を実施

 航空自衛隊は、11月11日の報道発表において、日米合同演習の実施を発表した、これについてお伝えしたい(コネタです)。

Img_1223  航空自衛隊は、日米双方の戦術技術向上及び日米共同対処能力の強化を期して、米海軍との間で、合同演習を実施する。実施日は11月18日、航空自衛隊は那覇基地、米海軍は空母ジョージワシントンを使用し、沖縄近海のRD/W-173空域を訓練区域とする。訓練内容は防空戦闘訓練とのこと。

Img_2430  参加部隊は、航空自衛隊より第3航空団、第6航空団、南西航空混成団司令部、南西航空警戒管制隊が、米海軍からは第5空母航空団が参加予定。規模は、航空自衛隊からF-15戦闘機8機程度、F-2支援戦闘機4機程度。在日米空軍からF-18が6機程度、E-2C早期警戒機1機程度が参加予定。

Img_1159  発表では、在日米空軍とのことだが、これは海軍とするのが正しいのか、もしくは指揮系統に特別な配慮がなされているのかは不明。E-2C早期警戒機と、艦載機であるF/A-18、F-15JとF-2が協同する、というもののようだ。ジョージワシントンと航空自衛隊との訓練は、これが初めてなのではないだろうか。

Img_1108 航空自衛隊が日米合同演習を実施している期間中は、海上自衛隊が、海上自衛隊2008として米海軍との合同訓練を実施しており、結果的に米海軍と海上自衛隊、航空自衛隊の合同演習のようなかたちにもなっているようにも。対潜対空対水上戦闘への対処を行う海上自衛隊と防空を訓練する航空自衛隊。

Img_2473  この規模で行うのであれば、陸上自衛隊が参加できるような、国際平和維持活動や協同転地演習的な、もしくは西部方面対直轄部隊の南西諸島への急速展開を想定した演習などを同時に行い、米海軍が参加する3自衛隊統合演習、というようにやってみてもよかったのかな、と考えたりもする。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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海上自衛隊平成20年度日向灘掃海訓練 11月21日~12月1日に実施

2008-11-11 22:46:30 | 防衛・安全保障

■掃海訓練2008

 海上自衛隊ニュースリリース11月11日付によれば、海上自衛隊掃海訓練が11月21日から12月1日にかけて実施されるとのこと。

Img_7745  掃海訓練は、海上自衛隊が毎年実施している最大規模の掃海演習で、掃海母艦2隻、掃海艦3隻、掃海艇20隻と航空機(掃海ヘリコプター)2~3機が参加するという、おそらく一国海軍が行う得る掃海訓練としては、世界最大規模の訓練である。指揮官は、掃海隊群司令である松本幸一郎海将補。

Img_5991  掃海訓練の実施海域は九州の日向灘で、訓練機雷を使用しての掃海艇や掃海艦および掃海ヘリコプターを用いた掃海訓練や、水中処分隊による潜水訓練などが行われる。なお、訓練海域に隣接する港湾には、掃海訓練に参加する25隻の機雷戦艦艇が寄港すると考えられる。

Img_5934  機雷は、敷設に関するコストと戦果とのバランスを見た場合、もっとも費用対効果の高い装備であるといわれ、特に近年は、潜水艦や航空機による機雷敷設による港湾封鎖や通商路破壊に加え、テロ組織による浮遊機雷の散布という新しい脅威が想定されており、世界的に見て多くの機雷戦艦艇を有する海上自衛隊は、この種の脅威に対しても対応能力を有することが求められるのではないか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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