北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

自衛隊南スーダンPKO派遣、拡大する国連UNMISS任務へ政府が物資提供閣議決定

2014-03-13 23:55:19 | 国際・政治

◆UNMISS任務拡大へテント等を無償提供 

 日経新聞等の報道によれば、政府は南スーダンPKO任務において物資を無償提供することとしました。

Img_0777 政府は南スーダンPKO国連UNMISS活動へ、特に任務拡大により不足するテント等の物資を4700万円分、国連へ提供する閣議決定を行いました。これは国連がUNMISS活動を強化するべく増員した際、活動の展開へ必要な物資が不足しており、日本政府へ提供を求めていたもの。

Mimg_2425  南スーダンPKOは、昨年より情勢悪化が大きく伝えられており、特に北部地域が分離独立をも視野にいれた州規模での反乱が勃発、インド隊等に戦闘に巻き込まれての犠牲者が発生し韓国隊は武装勢力の大部隊に包囲され孤立、自衛隊の弾薬を緊急供与する事態ともなりました。

Img_0481 ソチ五輪開催中、ウクライナでの大規模暴動が大きく報じられ、南スーダン騒乱が拡大していた頃に同じく国家破綻の危機に曝されていた中央アフリカ情勢の緊迫化は外報でも多く伝えられていましたが、南スーダン情勢は沈静化したのか否かについて余り伝えられていません。

Gimg_9378 しかし、停戦交渉が軌道に乗ったという情報ののち、その後の展開は一応停戦の方向で進んでいたようです。PKO部隊が活動を拡大することは、情勢悪化に応じるというもので勿論復興以外に新しい任務が増えている可能性も否定しませんが、国連は活動を強化するもののその範囲を拡大する発表は行っていません。

Img_64_55 もともと、現在のPKO任務は国連憲章七章措置に基づく決議として実施されているため、必要に応じて平和構築から平和執行へ、展開する可能性を有しています。当方が危惧していたのは武器使用の基準が不明確である我が国が、この平和執行、言い換えれば軍事介入への枠組みへ含められることでした。

Img_9911 しかし、戦闘部隊派遣の要請ではなく、テントなどの物資要請であり、このほか、大きな戦闘部隊の重装備展開なども実施されていませんので、前途多難という状況ではないにしても、我が国が想定する最悪の状況へは展開していない、こうしたことが言えるでしょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

 

 

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