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ウクライナ情勢-TPP環太平洋包括パートナーシップ協定加盟申請とロシアの半導体密輸による軍需産業再建

2023-07-10 07:00:59 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 EU欧州連合程超国家的組織を目指すわけではなくASEANよりも制度面での共通化を図るのがTPPだ。

 ウクライナ政府はTPP環太平洋包括パートナーシップ協定への加盟を正式申請しました。この加盟申請は中国と中華民国台湾とともに今後加盟国間での審議が開始されます。これまで、上記各国の他、イギリスやフランスなどがTPPへの加盟へ前向きな姿勢を示し、イギリスは今年三月のTPP加盟国閣僚会合において加盟が正式に認められています。

 ただ、イギリスは太平洋地域に自国領を有し、フランスも海外県が太平洋地域に有しているのに対し、ウクライナ派純粋なヨーロッパ地域の国であり、加盟申請はアジア太平洋地域の諸国との関係強化という目標と、また将来のロシアウクライナ戦争終戦を見込んでの復興を見込んだものと考えられ、ウクライナは現段階EU欧州連合には加盟していません。

 TPP環太平洋包括パートナーシップ協定は、所謂自由貿易協定FTAのような経済協力の他に様々な制度の共通化と経済交流への障壁を下げる目的で締結されたものです、ただ、EU欧州連合の共通安全保障政策のような軍事協力までを含んだものではありませんが、ウクライナとしては協力関係を強化できる様々な糸口を増やしてゆく事が必要なのでしょう。
■兵器製造用半導体輸入
 本来ならば海上阻止行動を行う必要があるのかもしれない。

 アメリカ国務省はロシア当局の兵器製造用半導体輸入が制裁逃れにより開戦前の水準に戻ったと懸念を表明しました。半導体の輸出はロシアのミサイル製造能力にも直結しており、現在一時的にウクライナへの攻撃はイラン製無人機など機関銃などで撃墜できる手段に主力が移っていますが、今後は巡航ミサイル攻撃が増えると懸念されています。

 Ka-52M戦闘ヘリコプター、ウクライナ軍の反撃に対して集中投入されているロシア軍ヘリコプターは公開される画像では新型のGOES-451M-EO電子照準安定装置が搭載されている様子がロシア国防省発表のコックピット映像から確認できており、こうした新装備の製造もロシア経済制裁逃れによる部品調達が影響していることもうたがいないでしょう。

 イラン製無人航空機についてはロシア政府は輸送機による密輸に加え、カスピ海を通じた船舶輸送を行い従来よりも大量の無人航空機を導入すると共に、イラン技術を応用した無人航空機工場をロシア国内へ建設を進めており、ウクライナ本土攻撃で容易に撃墜されるものの安価で数が揃うシャヘド無人航空機による脅威今後も高まる事を意味しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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