■明野のUH-2機動飛行
対戦車ヘリコプターと戦闘ヘリコプターは現在全廃方針の下で削減が続いており今後は最小限度の武装を施した多用途ヘリコプターが空中打撃力を担うという。

昨年11月4日の明野航空祭、シンコークーガッコーと銘打った記念行事における明野レインボー飛行展示において新しく装備されましたUH-2多用途ヘリコプターハヤブサと、その背景のように飛行し機動飛行を展示してくれましたAH-1S対戦車ヘリコプターが並ぶ様子をみましたらば、多くの方が思ったのではないでしょうか、AH-1の次、AH-2の可能性を。

AH-2というのはおそらく全国の中学生がクラスに一人くらい授業中にノートの端に日本版AH-1Zバイパーか、OH-1観測ヘリコプターの重武装型を落書きしたことでしょう、そしてそのほかに一応OH-1の重武装型か過去にテストケースとして可能性が示されていますし、川崎重工自身もOH-1の多用途ヘリコプター型を提示したその先にはUH採用後、あり得た構想といえます。

UH-2多用途ヘリコプター、実際に現物をみてみますとUH-1Jの設計を応用し、ベル412EPという比較的新しい機体の日本仕様という設計は、特に明野駐屯地のAH-1S対戦車ヘリコプターと並び飛行する飛行展示を併せてみることで、このUH-2のAH-1S版を開発することはできないか、とどうしても考えてしまいます、AH全廃という趨勢の中でも。

AH-1S対戦車ヘリコプター、1960年代の設計であり、AH-1Sが開発当時単なるコブラではなくトゥコブラと呼称されていたとおり、AH-1JまでコブラはTOW対戦車ミサイルの運用能力を持たず、70mmロケット弾と20mm機関砲、もしくは7.62mmミニガンと40mm擲弾銃を基本装備とするいわゆるところのガンシップとなっていまして、TOWを備えた。

TOW対戦車ミサイルは有線誘導式対戦車ミサイルの傑作であり、1970年代以降このTOWミサイルは従来のM-40無反動砲にかわりジープに搭載され3750mとM-40では命中精度が期待できない距離からも高い確率で敵戦車を撃破できる能力を有しており、これは続いてMD-500ヘリコプター、日本ではOH-6のほうが通りがよいか、搭載されます。

コブラがトゥコブラと呼ばれるようになった際、AH-1は胴体部分の幅が1m以下でしかなく、敵対空砲火に際しても命中する可能性を抑えており、なにしろ有線誘導ですから命中するまでの誘導が必要、戦車に対してはTOWを、地域制圧や装甲車両に対しては70mmロケット弾と20mm機関砲を駆使する運用となっていました。今でもある程度は有効だ。

AH-64アパッチ、最近はアパッチというだけで無印ではなくアパッチガーディアンかその原型であるアパッチロングボウを示すようになっていますけれども、こちらが開発されますと搭載するヘルファイアミサイルは6kmから現用型では8kmまで射程が延伸しています、そしてMANDPASに代表される携帯地対空ミサイルの脅威が顕在化しました。

ヘルファイアミサイルであれば、携帯地対空ミサイルの射程で8kmに達するのは、スウェーデンのRBS-70、携帯するには重すぎるということで三脚運用するRBS-70くらいであり、自衛用に第一線に配備されている携帯地対空ミサイルであればヘルファイアはアウトレンジ、射程外から叩けるのですが、TOWの射程ではそうはいきません、あまりに射程が短い。

AH-1Sが陳腐化し、そして自衛隊での配備開始が1981年であり、もちろん相当数が既に退役していますから、AH-1Sをそのまま維持することは不可能ですし、またライセンス生産として富士重工、いまはスバルですか、調達した場合でもTOWの性能限界から開発当時の性能は発揮できません、40年前の性能が陳腐化せず現代で通じる装備は少ないゆえ、ね。

ハヤブサ、UH-2について、しかしUH-1Jから大きな設計変更なしに、もちろんコックピットなどはグラスコックピット化されていますし、なにより自衛隊が求めた南西諸島での運用を念頭に航続距離や洋上飛行性能に余裕がある機体ですので、もちろんこれをガンシップ化する安直な方法ではなく、これのAH-1S版を考えるのは意味があるのではないか。

ガンシップ化、一応自衛隊は多用途ヘリコプターへの武装は念頭に置いているようで、思い浮かべるのはアメリカ海兵隊がUH-1Yヴェノム軽輸送ヘリコプターにイスラエル製徘徊式弾薬HERO-120を搭載し、これも機内から投げ出すように投下するという、お手軽な、運用方式を試験しています、これはコストさえ見合えば検討の余地があるのかもしれない。

しかしAH-1がUH-1から開発された当時のガンシップ方式は、自衛隊には適合しません、UH-1のガンシップ化は、これは1973年の映画キングコングに出てくる機体か、映画ダイハードでFBIの人たちが使っていた機体を思い浮かべれば適当でしょうが、スタブウィングを追加して、ここに7.62mmミニガンとロケット弾を搭載するものでした。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
対戦車ヘリコプターと戦闘ヘリコプターは現在全廃方針の下で削減が続いており今後は最小限度の武装を施した多用途ヘリコプターが空中打撃力を担うという。

昨年11月4日の明野航空祭、シンコークーガッコーと銘打った記念行事における明野レインボー飛行展示において新しく装備されましたUH-2多用途ヘリコプターハヤブサと、その背景のように飛行し機動飛行を展示してくれましたAH-1S対戦車ヘリコプターが並ぶ様子をみましたらば、多くの方が思ったのではないでしょうか、AH-1の次、AH-2の可能性を。

AH-2というのはおそらく全国の中学生がクラスに一人くらい授業中にノートの端に日本版AH-1Zバイパーか、OH-1観測ヘリコプターの重武装型を落書きしたことでしょう、そしてそのほかに一応OH-1の重武装型か過去にテストケースとして可能性が示されていますし、川崎重工自身もOH-1の多用途ヘリコプター型を提示したその先にはUH採用後、あり得た構想といえます。

UH-2多用途ヘリコプター、実際に現物をみてみますとUH-1Jの設計を応用し、ベル412EPという比較的新しい機体の日本仕様という設計は、特に明野駐屯地のAH-1S対戦車ヘリコプターと並び飛行する飛行展示を併せてみることで、このUH-2のAH-1S版を開発することはできないか、とどうしても考えてしまいます、AH全廃という趨勢の中でも。

AH-1S対戦車ヘリコプター、1960年代の設計であり、AH-1Sが開発当時単なるコブラではなくトゥコブラと呼称されていたとおり、AH-1JまでコブラはTOW対戦車ミサイルの運用能力を持たず、70mmロケット弾と20mm機関砲、もしくは7.62mmミニガンと40mm擲弾銃を基本装備とするいわゆるところのガンシップとなっていまして、TOWを備えた。

TOW対戦車ミサイルは有線誘導式対戦車ミサイルの傑作であり、1970年代以降このTOWミサイルは従来のM-40無反動砲にかわりジープに搭載され3750mとM-40では命中精度が期待できない距離からも高い確率で敵戦車を撃破できる能力を有しており、これは続いてMD-500ヘリコプター、日本ではOH-6のほうが通りがよいか、搭載されます。

コブラがトゥコブラと呼ばれるようになった際、AH-1は胴体部分の幅が1m以下でしかなく、敵対空砲火に際しても命中する可能性を抑えており、なにしろ有線誘導ですから命中するまでの誘導が必要、戦車に対してはTOWを、地域制圧や装甲車両に対しては70mmロケット弾と20mm機関砲を駆使する運用となっていました。今でもある程度は有効だ。

AH-64アパッチ、最近はアパッチというだけで無印ではなくアパッチガーディアンかその原型であるアパッチロングボウを示すようになっていますけれども、こちらが開発されますと搭載するヘルファイアミサイルは6kmから現用型では8kmまで射程が延伸しています、そしてMANDPASに代表される携帯地対空ミサイルの脅威が顕在化しました。

ヘルファイアミサイルであれば、携帯地対空ミサイルの射程で8kmに達するのは、スウェーデンのRBS-70、携帯するには重すぎるということで三脚運用するRBS-70くらいであり、自衛用に第一線に配備されている携帯地対空ミサイルであればヘルファイアはアウトレンジ、射程外から叩けるのですが、TOWの射程ではそうはいきません、あまりに射程が短い。

AH-1Sが陳腐化し、そして自衛隊での配備開始が1981年であり、もちろん相当数が既に退役していますから、AH-1Sをそのまま維持することは不可能ですし、またライセンス生産として富士重工、いまはスバルですか、調達した場合でもTOWの性能限界から開発当時の性能は発揮できません、40年前の性能が陳腐化せず現代で通じる装備は少ないゆえ、ね。

ハヤブサ、UH-2について、しかしUH-1Jから大きな設計変更なしに、もちろんコックピットなどはグラスコックピット化されていますし、なにより自衛隊が求めた南西諸島での運用を念頭に航続距離や洋上飛行性能に余裕がある機体ですので、もちろんこれをガンシップ化する安直な方法ではなく、これのAH-1S版を考えるのは意味があるのではないか。

ガンシップ化、一応自衛隊は多用途ヘリコプターへの武装は念頭に置いているようで、思い浮かべるのはアメリカ海兵隊がUH-1Yヴェノム軽輸送ヘリコプターにイスラエル製徘徊式弾薬HERO-120を搭載し、これも機内から投げ出すように投下するという、お手軽な、運用方式を試験しています、これはコストさえ見合えば検討の余地があるのかもしれない。

しかしAH-1がUH-1から開発された当時のガンシップ方式は、自衛隊には適合しません、UH-1のガンシップ化は、これは1973年の映画キングコングに出てくる機体か、映画ダイハードでFBIの人たちが使っていた機体を思い浮かべれば適当でしょうが、スタブウィングを追加して、ここに7.62mmミニガンとロケット弾を搭載するものでした。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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