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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

イギリスTPP環太平洋包括協力協定加盟へ各国11か国の合意見通し,日英次期戦闘機開発へも好影響

2023-03-30 07:01:03 | 国際・政治
■世界GDP15%の規模へ
 TPPがまた一歩前進するようです。そしてこの協定はF-2戦闘機とユーロファイター戦闘機後継機を目指す国際共同開発にも影響する可能性があるのです、

 29日のロイター通信報道によれば、イギリス政府が要請しているTPP環太平洋包括協定加入について、その加入手続き上必要とされている加盟国11か国の合意が間もなく得られる事となる見通しという。これによりイギリスはTPP12か国目の参加国となります。TPPのイギリス加入は、同時に今後本格化する日英伊の戦闘機共同開発にも好影響があります。

 TPP環太平洋包括協定、日本が主導する事になってしまった環太平洋地域での総合的な協力関係で、これは非関税協定のような経済分野は勿論、投資枠組の制度共通化や知的財産権管理、法手続き制度の共通化、紛争解決枠組などが盛り込まれており、また未発効の枠組みとしては電気通信などの共通化など、より踏み込んだ内容も交渉されているものです。

 日本が主導する事となってしまった、という背景には、これは元々アメリカのオバマ政権時代に進められた施策であり、しかしトランプ政権が成立した際、政権公約としてTPP離脱を表明、その協定には署名したものの加盟は凍結したままであり、これは同じ民主党政権であるバイデン政権でも継承され、結果的に日本の位置づけが重くなったというもの。

 イギリスのTPP加盟交渉は、イギリスジョンソン政権時代のEU欧州連合イギリス離脱とともにイギリスの巨財経済圏へのアクセス喪失に伴う代替案として提示されたもので、TPPは欧州共通市場の代替という位置づけです。イギリスは環太平洋諸国かとの問いですが、海外領土として南太平洋にピトケアン諸島という人口数十人規模の領土を有している。

 イギリスTPP加盟により、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ヴェトナム、この加盟国にイギリスが加わる、これによりTPP参加国は全世界のGDP15%に達する事となり、これはEUの25%ほどではないがアメリカも中国も参加しない経済協力としては特筆できる規模です。

 EU欧州連合のような共通安全保障枠組機能を有するものではありません、しかし単なる非関税協定よりも包括協力の名の通り深い分野での協力が盛り込まれ、これは必然的に現在進める戦闘機共同開発など防衛装備品開発に伴う知的財産権保護などの問題にも対応することとなります。そして加入国増大は、アメリカ復帰など別の波及効果も期待できるものです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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