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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

C-2輸送機ミサイル母機化-防衛装備庁C-2輸送機用誘導弾等発射システム開発は日本版ラピッドドラゴン計画か

2023-03-15 07:01:01 | 先端軍事テクノロジー
■榛名防衛備防録
 1964年公開の映画”モスラ対ゴジラ”では名古屋を蹂躙し東京へ向かうゴジラへC-46輸送機を改造した爆撃機がゴジラをキルゾーンへ追込む作戦に就いていましたが、いまこれをやるらしい。

 防衛装備庁はC-2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得の検討業務を公示しました。これはアメリカ空軍が進めるラピッドドラゴン計画のように、輸送機へスタンドオフミサイルを搭載し、ミサイル爆撃機を補完するミサイル輸送機として用いる可能性があります。C-2輸送機はC-1輸送機の後継ですが輸送力が大きく航続距離も長い。

 ラピッドドラゴン計画とは、C-17輸送機の機内にコンテナ方式のミサイル発射装置を搭載、これをコンテナごと空中投下し、落下傘で制動をかけつつ発射するもので、9発内蔵コンテナを4基搭載可能、射程1000㎞規模のJASSMミサイルやLRASMミサイルを搭載します、この27発という搭載能力は、長射程ALCMミサイル24発を積むB-1爆撃機を上回る。

 ハーベストホーク計画、しかしアメリカではもう一つアメリカ海兵隊が輸送機にミサイルを搭載する計画を進めており、こちらは射程の短いヘルファイアミサイルを搭載、哨戒機のように運用する計画があります。C-2輸送機用誘導弾等発射システムが想定しているのは、ラピッドドラゴン方式かハーベストホーク方式かは、まだ明らかにされていません。

 防衛省が検討を開始したC-2輸送機用誘導弾等発射システムについて。一つの関心事は何発搭載できるのか、というところでしょう。これは日本が検討しているのがラピッドドラゴン方式かハーベストホーク方式、二つある輸送機武装計画のどちらを想定しているのか、という点に左右されるところですが、仮にラピッドドラゴン方式であると仮定します。

 ラピッドドラゴン方式では、アメリカでは9発用コンテナともう一つ、アメリカ空軍や海兵隊に広範に装備されるC-130輸送機用に6発用コンテナが開発されており、C-130輸送機は6発用コンテナ2基の12発を搭載します。このうち、9発用コンテナは高さ2.6m、これを投下用パレットに搭載するため、C-2輸送機の高さ4mの貨物室に収容可能となる。

 C-17輸送機には9発用コンテナ4基を搭載可能ですが、全長20.8mで貨物扉が6mあり緊急時にはここにも車両などを積載可能です、対してC-2輸送機の貨物室は15mであり、仮に9発用コンテナを搭載する場合は3基が難しく、しかし2基分の18発は搭載できることとなり、防衛装備庁の方向性は不明ですが輸送機に新しい運用法が開拓されるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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