■法観寺八坂の塔と東山花灯路
日常の中の非日常を探す、それは香辛料のような日々の幕間の新鮮さへの探索路でもあります。東山花灯路、本年も今月3日から12日まで京都の宵の口を美しく彩りました。
法観寺八坂の塔、東山花灯路としまして仄かな光が夜闇に示される様子、中々幻想的でして、足繁く散策するに相応しい風景です。法観寺八坂の塔と親しまれる五重塔は1440年の造営で高さ49m、祇園から見上げる東山ランドマークタワーといったところでしょうか。
八坂の塔がどのくらいランドマークタワーかといわれますと、戦国時代に上洛の夢がかなった戦国武将たちが八坂の塔へ家紋の幟を掲げ誇示したといいますので歴史は長く、戦国大名は支配を誇示し、街の人々は新しい御のぼりさんがまた恥ずかしいことやってる、と。
東山花灯路、京都東山で初春を告げる恒例行事となっています。ほんのりと灯る石畳の夜道が点々と遠くまでを照らす風景は、東京駅でも京都観光を勧める東海道新幹線の広告にも描かれており、この古都を強く印象付ける数多い風景の一つなのかもしれませんね。
常夜灯の様に美しく彩る事の宵の口ですが、東山花灯路は毎年毎日毎晩行われているのではなく期間限定です。そして東山花灯路は法観寺八坂の塔界隈が五重塔という優美な伝統建築に浮かび上がる為、また、八坂神社からも足を運びやすいのですがもっと場所は広い。
法観寺よりももっと上った知恩院と青蓮院のあたりから東山花灯路は始まっています、そして知恩院道と円山公園のしだれ桜とを八坂神社の界隈を廻るように続きまして、楽しいのは敢えて雨天の日を選び石畳に照らされる灯火の中を散策する、という趣向でしょうか。
円山公園では竹灯篭が幽玄の川として展示、下川原町通りから高台寺ねねの道に沿い栗田神社、大雲院祇園閣、大谷祖廟、勝利摩利支天尊天、圓徳院、八坂金剛寺、妙法院門跡とこの界隈にある寺社仏閣はこんなにもあるのか、と毎度の様に発見を楽しみながら続く。
清水寺が東山花灯路の到達点でして、清水坂や茶碗坂と産寧坂も東山花灯路により彩られています、ただ、全てを一度に散策するのは時間もかかりますし、週末などには物凄い人々の散策が集い混雑、並行する東大路通に沿って市バスを利用し移動する事もいいでしょう。
五智如来を本尊とする法観寺は臨済宗建仁寺派の寺院で、歴史は古く592年に聖徳太子がお告げを受け釈迦の舎利三粒を奉じる仏塔としてここに創建された、と伝わります。ただ、平安遷都以前からある寺院には伝承の検証が難しく、7世紀頃の造営との研究もあるという。
渡来氏族八坂氏がこの地域を領地としていましたので、八坂の塔という呼称からこの地域が八坂氏の所領であった7世紀頃という歴史と照らし合わせますと、法観寺の造営の時代を割り出す事も出来ますが、やはり詳細な資料は見つかっておらず諸説あるようですね。
法観寺は薬師堂には本尊薬師如来とともに日光菩薩と月光菩薩、そして夢見地蔵菩薩や十二神将像が奉納されています、しかし、興味深いのは八坂の塔は不定期ではありますが、内部を拝観する事が出来るというもので五重塔が通常公開されるのは全国的に稀有という。
東山花灯路を撮影する際には長時間露光として三脚から撮影する手法が多く、通行の邪魔とならないように道の端側に写真愛好家、当方も含め並び撮影します。興味深いのは長時間露光により露光時間が長いと、通行人が写真中を流れてしまい写り込まないのですよね。
高台寺夜間特別拝観や清水寺夜間特別拝観の時期とも重なる東山花灯路、仕事を終えた後に少しだけ散策するにも丁度良い立地ですし、京阪祇園四条や阪急河原町駅に地下鉄東西線からもすぐ立ち寄る事が出来ます、日常の非日常、平日の旅情は中々楽しいものですよ。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
日常の中の非日常を探す、それは香辛料のような日々の幕間の新鮮さへの探索路でもあります。東山花灯路、本年も今月3日から12日まで京都の宵の口を美しく彩りました。
法観寺八坂の塔、東山花灯路としまして仄かな光が夜闇に示される様子、中々幻想的でして、足繁く散策するに相応しい風景です。法観寺八坂の塔と親しまれる五重塔は1440年の造営で高さ49m、祇園から見上げる東山ランドマークタワーといったところでしょうか。
八坂の塔がどのくらいランドマークタワーかといわれますと、戦国時代に上洛の夢がかなった戦国武将たちが八坂の塔へ家紋の幟を掲げ誇示したといいますので歴史は長く、戦国大名は支配を誇示し、街の人々は新しい御のぼりさんがまた恥ずかしいことやってる、と。
東山花灯路、京都東山で初春を告げる恒例行事となっています。ほんのりと灯る石畳の夜道が点々と遠くまでを照らす風景は、東京駅でも京都観光を勧める東海道新幹線の広告にも描かれており、この古都を強く印象付ける数多い風景の一つなのかもしれませんね。
常夜灯の様に美しく彩る事の宵の口ですが、東山花灯路は毎年毎日毎晩行われているのではなく期間限定です。そして東山花灯路は法観寺八坂の塔界隈が五重塔という優美な伝統建築に浮かび上がる為、また、八坂神社からも足を運びやすいのですがもっと場所は広い。
法観寺よりももっと上った知恩院と青蓮院のあたりから東山花灯路は始まっています、そして知恩院道と円山公園のしだれ桜とを八坂神社の界隈を廻るように続きまして、楽しいのは敢えて雨天の日を選び石畳に照らされる灯火の中を散策する、という趣向でしょうか。
円山公園では竹灯篭が幽玄の川として展示、下川原町通りから高台寺ねねの道に沿い栗田神社、大雲院祇園閣、大谷祖廟、勝利摩利支天尊天、圓徳院、八坂金剛寺、妙法院門跡とこの界隈にある寺社仏閣はこんなにもあるのか、と毎度の様に発見を楽しみながら続く。
清水寺が東山花灯路の到達点でして、清水坂や茶碗坂と産寧坂も東山花灯路により彩られています、ただ、全てを一度に散策するのは時間もかかりますし、週末などには物凄い人々の散策が集い混雑、並行する東大路通に沿って市バスを利用し移動する事もいいでしょう。
五智如来を本尊とする法観寺は臨済宗建仁寺派の寺院で、歴史は古く592年に聖徳太子がお告げを受け釈迦の舎利三粒を奉じる仏塔としてここに創建された、と伝わります。ただ、平安遷都以前からある寺院には伝承の検証が難しく、7世紀頃の造営との研究もあるという。
渡来氏族八坂氏がこの地域を領地としていましたので、八坂の塔という呼称からこの地域が八坂氏の所領であった7世紀頃という歴史と照らし合わせますと、法観寺の造営の時代を割り出す事も出来ますが、やはり詳細な資料は見つかっておらず諸説あるようですね。
法観寺は薬師堂には本尊薬師如来とともに日光菩薩と月光菩薩、そして夢見地蔵菩薩や十二神将像が奉納されています、しかし、興味深いのは八坂の塔は不定期ではありますが、内部を拝観する事が出来るというもので五重塔が通常公開されるのは全国的に稀有という。
東山花灯路を撮影する際には長時間露光として三脚から撮影する手法が多く、通行の邪魔とならないように道の端側に写真愛好家、当方も含め並び撮影します。興味深いのは長時間露光により露光時間が長いと、通行人が写真中を流れてしまい写り込まないのですよね。
高台寺夜間特別拝観や清水寺夜間特別拝観の時期とも重なる東山花灯路、仕事を終えた後に少しだけ散策するにも丁度良い立地ですし、京阪祇園四条や阪急河原町駅に地下鉄東西線からもすぐ立ち寄る事が出来ます、日常の非日常、平日の旅情は中々楽しいものですよ。
北大路機関:はるな くらま
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