■2007年米F-15C事故と比較
本日の土曜日第二記事は予定を変更して石川県でのF-15DJ戦闘機墜落事故の続報です。

F-15墜落現場付近に遺体、北國新聞が報道しました。1月31日夕刻に小松基地を離陸した直後に日本海上にて行方不明となりましたF-15戦闘機、離陸してから五分以内に墜落し事故現場海域は基地から5kmという非常に近い距離での事故でした、小松救難隊など航空救難は迅速に行われたようですが、2月11日に発見、残念な結果となってしまいました。

北國新聞によれば行方不明となっているのは飛行教導群司令の田中公司1佐と飛行教導群所属の植田竜生1尉、航空自衛隊の井筒俊司航空幕僚長は、事故に遭ったF-15戦闘機は水深100mの海底に在り、総合的に考えて墜落したと考える、と発言しており不時着などによる水没ではないとの見方を示しています。今後は事故原因の究明が行われるとのこと。

群司令が搭乗している、そして操縦技術の高い要員を集めて巡回訓練にて全国の部隊を鍛え上げる飛行教導群の事故と云う事で、今回の事故は特異な事例といえます。航空自衛隊は来週にも民間のサルベージ会社協力を受け、海底の事故機をサルベージするとのことで、原因究明が待たれます、こういいますのもF-15は古いながら当面は運用を継続する機体だ。

F-15戦闘機、1981年に初号機がアメリカから岐阜基地へ到着していますが、2021年にF-4戦闘機が完全退役してのち、自衛隊では最も古い戦闘機となっています。老朽機かと問われますとチタン合金などをフレームに多用していて、かなり戦闘機の格闘戦を想定し頑丈な構造としたことが結果的に長い期間にわたり運用できる頑強さを有してはいるのですが。

F-15JSI計画、航空自衛隊はF-15戦闘機にかなりの費用を投じて2040年代まで運用を維持する計画です。この改修にはボーイング社が三菱重工の見積もりよりも安価に可能としてF-15JSI計画が始動しましたが、当初見積もりの四倍、つまり三菱案の倍以上まで高騰しており、見直しの上で2021年末に再契約されています、つまりまだまだ運用は続く。

飛行教導群のF-15戦闘機、事故原因は不明です。ただ、飛行教導群の操縦技術から考えて、空間失調、つまり上昇しているつもりで海面に突入という事故は、なかなか考えにくいのですよね。もちろん事故原因はほかにもいろいろとあり得て、鳥と衝突するバードストライクなども考えられますがF-15は双発機、一般的にバードストライクには強いのです。

アメリカでの2007年空中分解事故、F-15戦闘機は気になる事故が過去にアメリカで発生しています、それは2007年10月7日にアメリカ本土ミズーリ州でF-15Jの原型機であるF-15Cが旋回中に空中分解事故を起こしていまして、機首の部分がコックピットの根元から折れるように機体から切り離され、脱落するという事故でした。事故原因は機体の構造材でした。

ミズーリ州のF-15C空中分解事故は機体を構成する縦通材という基本部分が経年劣化、特に金属疲労により罅割れていた、2008年1月10日にアメリカ空軍の事故調査委員会が結論を出しており、最新のF-15Eについても同様の事故の可能性があるとの事から補強工事が行われています。そして事故の時期からアメリカ空軍はF-15C後継機模索を本格化する。

航空自衛隊の原因究明は海底のF-15DJ改修作業と共に開始されるのですが、2040年代まで使用する現在の計画では新しい機体でも半世紀ほど運用する事となります、それよりも思い切ってF-15EXあたりをライセンス生産により後継機に充ててはとも思うのです。なお、現場は好漁場ですが石川県漁協は航空自衛隊の要請を受け、今日も漁を自粛しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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本日の土曜日第二記事は予定を変更して石川県でのF-15DJ戦闘機墜落事故の続報です。

F-15墜落現場付近に遺体、北國新聞が報道しました。1月31日夕刻に小松基地を離陸した直後に日本海上にて行方不明となりましたF-15戦闘機、離陸してから五分以内に墜落し事故現場海域は基地から5kmという非常に近い距離での事故でした、小松救難隊など航空救難は迅速に行われたようですが、2月11日に発見、残念な結果となってしまいました。

北國新聞によれば行方不明となっているのは飛行教導群司令の田中公司1佐と飛行教導群所属の植田竜生1尉、航空自衛隊の井筒俊司航空幕僚長は、事故に遭ったF-15戦闘機は水深100mの海底に在り、総合的に考えて墜落したと考える、と発言しており不時着などによる水没ではないとの見方を示しています。今後は事故原因の究明が行われるとのこと。

群司令が搭乗している、そして操縦技術の高い要員を集めて巡回訓練にて全国の部隊を鍛え上げる飛行教導群の事故と云う事で、今回の事故は特異な事例といえます。航空自衛隊は来週にも民間のサルベージ会社協力を受け、海底の事故機をサルベージするとのことで、原因究明が待たれます、こういいますのもF-15は古いながら当面は運用を継続する機体だ。

F-15戦闘機、1981年に初号機がアメリカから岐阜基地へ到着していますが、2021年にF-4戦闘機が完全退役してのち、自衛隊では最も古い戦闘機となっています。老朽機かと問われますとチタン合金などをフレームに多用していて、かなり戦闘機の格闘戦を想定し頑丈な構造としたことが結果的に長い期間にわたり運用できる頑強さを有してはいるのですが。

F-15JSI計画、航空自衛隊はF-15戦闘機にかなりの費用を投じて2040年代まで運用を維持する計画です。この改修にはボーイング社が三菱重工の見積もりよりも安価に可能としてF-15JSI計画が始動しましたが、当初見積もりの四倍、つまり三菱案の倍以上まで高騰しており、見直しの上で2021年末に再契約されています、つまりまだまだ運用は続く。

飛行教導群のF-15戦闘機、事故原因は不明です。ただ、飛行教導群の操縦技術から考えて、空間失調、つまり上昇しているつもりで海面に突入という事故は、なかなか考えにくいのですよね。もちろん事故原因はほかにもいろいろとあり得て、鳥と衝突するバードストライクなども考えられますがF-15は双発機、一般的にバードストライクには強いのです。

アメリカでの2007年空中分解事故、F-15戦闘機は気になる事故が過去にアメリカで発生しています、それは2007年10月7日にアメリカ本土ミズーリ州でF-15Jの原型機であるF-15Cが旋回中に空中分解事故を起こしていまして、機首の部分がコックピットの根元から折れるように機体から切り離され、脱落するという事故でした。事故原因は機体の構造材でした。

ミズーリ州のF-15C空中分解事故は機体を構成する縦通材という基本部分が経年劣化、特に金属疲労により罅割れていた、2008年1月10日にアメリカ空軍の事故調査委員会が結論を出しており、最新のF-15Eについても同様の事故の可能性があるとの事から補強工事が行われています。そして事故の時期からアメリカ空軍はF-15C後継機模索を本格化する。

航空自衛隊の原因究明は海底のF-15DJ改修作業と共に開始されるのですが、2040年代まで使用する現在の計画では新しい機体でも半世紀ほど運用する事となります、それよりも思い切ってF-15EXあたりをライセンス生産により後継機に充ててはとも思うのです。なお、現場は好漁場ですが石川県漁協は航空自衛隊の要請を受け、今日も漁を自粛しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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