北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-北方領土周辺を封鎖海域通知,Kh-69巡航ミサイル実戦配備とウクライナ動員新法

2024-04-16 07:00:26 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 武器供与も無い中立姿勢でこれだけの圧力を受けるならばMLRSや203mm自走榴弾砲にFH-70と74式戦車にホークミサイルなどいっそのこと退役装備を供与してはともおもう。

 ロシア政府は北方領土付近の国連海洋法条約に基づく無害通航権停止を発表しました。これは11日から17日に掛けてのもので、ロシア船籍街の船舶の通行を禁止したかたちです。我が国外務省は、北方領土は我が国固有の領土であるとしてこの通告は受け入れられないと抗議しています。ロシア側の中途半端な期間の措置についての思惑は不明です。

 海上保安庁は航路警報を発令しました。そもそも今回の発表は政府間の通知ではなくロシアの水路当局から海上保安庁への通報により判明したもので、海上保安庁は安全確保の観点から航路警報を発令しています。ロシア水路当局の意図も不明ですが仮に無害通航権を行使した場合でも不当に拿捕される可能性があるための措置といえるのでしょう。
■Kh-69ミサイル
 射程の長いミサイルの備蓄の重要性を日本にも突き付けている構図なのかもしれません。

 ロシア軍は新型のKh-69巡航ミサイル実戦配備を開始しました、ISWアメリカ戦争研究所4月12日付戦況報告によれば、ウクライナ空軍報道官イエヴラシュ少佐の発言を引用しロシア軍は4月11日に行われたウクライナ本土のインフラ攻撃に際してKh-69ミサイルを実戦使用したとのこと。ウクライナ防空網は危機的な弾薬消耗に曝されています。

 Kh-69ミサイルは亜音速巡航ミサイルでSu-34戦闘爆撃機やSu-35戦闘機から投射可能というもの、従来運用されていたKh-59Mk2巡航ミサイルの射程200kmに対してKh-69の射程は400kmと倍増しておりウクライナ地対空ミサイルの射程圏外から当社出来る他、Kh-59Mk2はTu-95戦略爆撃機など大型機から投射していた為、汎用性が高まりました。
■ウクライナ議会新動員法
 戦争が長期化すると人的リソースがどうしても不足するのでしょう。

 ウクライナ議会は新動員法を採択しました、ISWアメリカ戦争研究所4月11日付戦況分析によれば、ロシア軍がクレミンナ西方のテルニーやバフムトとチャシフヤールを結ぶT0504線及びザポリージャ州ウロジャイン南部などで前進する中、ウクライナ防衛のための人的資源を強化するのが狙いとのこと。5月の大統領署名で成立します。

 新動員法についてウクライナ軍ソドル中将は議会で演説し、本来ならば1個旅団で防衛可能な防衛線を人員不足と交代兵力の欠如により疲弊した3個旅団を充てて防衛している現状をうったえ、将来の反攻作戦の為には動員体制が必要であると強調しました。ゼレンスキー大統領は国内戦争維持の支持率の為に大動員には消極的であると過去に示しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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