■イスラエルガザ戦争
日本は未だ紅海のシーレーン脅威に対する商船への海上警備行動を実施していませんが多くの船舶が紅海を避け喜望峰経由に切り替えた事で世界規模の物流障害が発生しています。
ガザ戦争、昨年10月から続く、ガザ地区の武装勢力ハマスによるイスラエル本土攻撃と大量拉致事件を契機とし、イスラエル軍が軍事介入したことで、中東全域に緊張が走っています。特にイエメンの武装勢力フーシ派が、サウジアラビアやアラブ首長国連邦の油田施設への攻撃から、商船の無差別攻撃を開始して以降、世界のシーレーンが脅かされている。
ハニーヤ氏暗殺、こうした中でハマスの政治部門トップ、しかしガザ地区には居住していない有力者のハニーヤ氏がイランのテヘランで暗殺される事件が昨日発生しました。ハニーヤ氏はイランの新大統領ペゼシュキアン大統領就任式に出席するべくイランを訪問中でしたが、ここに空からの攻撃、恐らく無人機、が加えられ死亡するという事態となった。
紅海でのフーシ派による攻撃の背景にはガザ戦争による非戦闘員被害とともにガザ地区のパレスチナ人への連帯を掲げ、イスラエルに向かう船舶とイスラエルから来る船舶、要するに紅海の北側出口にはイスラエルに隣接するシナイ半島の先にスエズ運河が有るので、航行する船舶は事実上、全てイスラエル関係船舶と主張できる、この攻撃が行われていた。
ハニーヤ最高幹部の暗殺により、イスラエルはハマスの武装組織について、少なくとも指揮中枢を無力化したこととなりますので、ガザ地区における治安作戦は終了し得ることとなります。この原則論に依拠するならば、漸く出口戦略が見えた、といえるのかもしれません。ただ、現実的にはもうしばらく紅海での商船攻撃が続く可能性があります。
フーシ派の自爆型無人機によるテルアビブ攻撃、これによる死者が出た事からイスラエル軍はイエメン空爆を実施、一過性の攻撃でしたがイエメン国内の石油関連施設を攻撃し大きな被害が生じました。双方に一定の報復が完了した事で、イスラエル本土への攻撃を終了する決断が為されれば、こちらも出口戦略へ発展する可能性は出てくるのですが。
しかし、こうした視点はかなり楽観的要素を含んだもので、具体的に言えばイラン政府、イスラエル国家の存在を認めていない、そのイラン政府から見た場合、新大統領就任式に自国の首都に敵対勢力による空からの攻撃を許す事態となった訳ですので、何らかの報復措置を取る可能性が高く、中東情勢は今後も格段の緊張が継続することとなるのでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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ガザ戦争、昨年10月から続く、ガザ地区の武装勢力ハマスによるイスラエル本土攻撃と大量拉致事件を契機とし、イスラエル軍が軍事介入したことで、中東全域に緊張が走っています。特にイエメンの武装勢力フーシ派が、サウジアラビアやアラブ首長国連邦の油田施設への攻撃から、商船の無差別攻撃を開始して以降、世界のシーレーンが脅かされている。
ハニーヤ氏暗殺、こうした中でハマスの政治部門トップ、しかしガザ地区には居住していない有力者のハニーヤ氏がイランのテヘランで暗殺される事件が昨日発生しました。ハニーヤ氏はイランの新大統領ペゼシュキアン大統領就任式に出席するべくイランを訪問中でしたが、ここに空からの攻撃、恐らく無人機、が加えられ死亡するという事態となった。
紅海でのフーシ派による攻撃の背景にはガザ戦争による非戦闘員被害とともにガザ地区のパレスチナ人への連帯を掲げ、イスラエルに向かう船舶とイスラエルから来る船舶、要するに紅海の北側出口にはイスラエルに隣接するシナイ半島の先にスエズ運河が有るので、航行する船舶は事実上、全てイスラエル関係船舶と主張できる、この攻撃が行われていた。
ハニーヤ最高幹部の暗殺により、イスラエルはハマスの武装組織について、少なくとも指揮中枢を無力化したこととなりますので、ガザ地区における治安作戦は終了し得ることとなります。この原則論に依拠するならば、漸く出口戦略が見えた、といえるのかもしれません。ただ、現実的にはもうしばらく紅海での商船攻撃が続く可能性があります。
フーシ派の自爆型無人機によるテルアビブ攻撃、これによる死者が出た事からイスラエル軍はイエメン空爆を実施、一過性の攻撃でしたがイエメン国内の石油関連施設を攻撃し大きな被害が生じました。双方に一定の報復が完了した事で、イスラエル本土への攻撃を終了する決断が為されれば、こちらも出口戦略へ発展する可能性は出てくるのですが。
しかし、こうした視点はかなり楽観的要素を含んだもので、具体的に言えばイラン政府、イスラエル国家の存在を認めていない、そのイラン政府から見た場合、新大統領就任式に自国の首都に敵対勢力による空からの攻撃を許す事態となった訳ですので、何らかの報復措置を取る可能性が高く、中東情勢は今後も格段の緊張が継続することとなるのでしょう。
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