◆任務完了!、20970名が災害派遣
防衛省によれば昨日、伊豆大島災害は伊豆大島での行方不明者捜索が終了し、東京都知事より撤収要請が出され、任務を完了しました。
東京都知事の災害派遣要請に応じ派遣を開始して以来その任務が完了するまでの派遣期間は10月16日から11月8日まで、災害派遣部隊の規模は、延べ派遣人員20970名、派遣車両延べ5120両、航空機延べ80機、艦船延べ17隻が派遣、東日本大震災以降ではかなりの規模の派遣と言えるでしょう。
特筆すべきは10月20日の防衛大臣命令による統合任務部隊編制で、この司令部機能と部隊運用の集約化を迅速に行えたことは、特筆に値するでしょう。また、これは自衛隊全般に言える事で、今回も、というところでしょうが、即応性が非常に高かったことを特筆しておきます。
他方、今回の災害派遣は、大規模な陸上部隊の展開していない地域への海上自衛隊輸送艦のLCACによる揚陸実施における所要時間の意外な大きさやLCACの稼働率、更には東日本大震災発災時より指摘されていた海上自衛隊の海上輸送能力の限界が一つの教訓として改めて提示された、といえるかもしれません。
展開能力ですが、現在検討が進められている防衛計画の大綱の改定検討では現在400両の定数となっている戦車定数を更に100両を減らす検討の下進められているとの報道もありますので、今後は少ない戦車部隊を迅速に展開させ機動運用に充てる必要性が出てきますので、その機動力のためにも輸送艦の増勢は望みたいところ。
なお、災害派遣任務は、最後に実施されているものとして、伊豆大島より台風の接近に伴い23区内へ避難していた病院入院患者の入間基地から伊豆大島へのC-1輸送機による帰島支援で、担架のまま伊豆大島へ戻ることが可能な航空機としてC-1輸送機が活躍しています。
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
東日本大震災でもそうですが、もともと軽装高機動の部隊編成に日本の優れた交通事情が合致して、自衛隊の即応力は高いと思います。その状況でオスプレイのような高額で新しい機種を運用する必要性があるのか?と真剣に考えてしまいます。
さて、今回の戦車削減の件。以前、大綱政策の事務官が講話していたのですが、防衛省はどうも機動戦闘車に戦車の代わりをさせたいようです。そうすれば今回の削減・機動戦闘車の不明瞭な配備兵科 と高額化は避けられない豪華装備、いずれも合点がいきます。機甲戦力も10式とのハイローミックスで部隊編成自体を大きく変えることはないとのこと。
装輪装甲車がローを担当するのたがら、金のかかる装軌車両は戦車だけでいいよね?という何とも台所事情を如実に表した編成になりそうです。だとすれば防衛省は機甲戦の根本を理解していないことになりますが…。
ともかく、増やした人員を防護できる程度の装甲車の配備はこれで急務となりましたね。
出て来て欲しくないものが矢張り出た、モヂュラァ
フォ~ス好きが欣喜雀躍するだけと鬱屈
前世紀の間に配備された90TKの早期退役と、10
TKへの置換を遅滞無く行わしむる他選択肢は無い
と思われ
>機動戦闘車
どーぶつが齧りに来そうに無い(と勝手に類別され
た)管区は此れが唯一の機甲打撃力に祭り上げら
れるんでしょうな、要の戦車を共食い鍋に叩き込む
以上は
戦車定数300両への縮小案が報道され、(小声:せっかく戦車定数に関するブログネタ三回分こっそりMIXIの非公開日記で準備して載せる予定だったのに先を越されて)どうるんだ、という今日この頃ですが。
>機甲戦力も10式とのハイローミックスで部隊編成自体を大きく変えることはないとのこと
すると、師団戦車大隊二個中隊のうち、師団長直轄運用の戦車中隊のみ10式戦車が充当され、残る一個は機動戦闘車で充当、旅団戦車中隊は機動砲中隊へ改編、ということでしょうか、ね
その場合、本土所要の戦車中隊は7個98両になり、機動戦闘車に置き換えられ廃止される戦車は126両、北部方面隊は第7師団の戦車所要数が210両ですが、第7偵察隊の機動戦闘車置き換えと各戦車連隊の一個中隊縮減で160両までは削れるので、第二戦車連隊を戦車大隊へ縮小し、他の旅団と併せ三個中隊分42両、教育所要分を除くと300両で足り、陸上自衛隊は戦車を300両に抑えた分、機動戦闘車182両、第12旅団の戦車中隊再編案と第15旅団への配備所要28両を加えて210両ですか、これだけを手にする、という事、計算はあいますね。
十年ほど前、とある外交研究所へ研修で入れてもらった際に、主任研究員の方から、陸自は戦車師団以外全部の師団と旅団をストライカー旅団にするべきだ、と仰っていたのを思いだします
しかし、ストライカー旅団はストライカー装甲車を409両必要とするので、14個旅団分で5800両近いストライカーが必要になりますよ、と反論しましたが・・・
実のところ、昨年、第25軽歩兵師団の方の話を聞く機会に恵まれ、ストライカー機動砲は60両装備されている、と聞かされ驚いたいたら、当初は130両導入する計画だった、と更に驚く話を聞かせてもらいました
戦車を置き換える装備って、そう簡単にいくものではないのだな、と驚かされた次第です