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自衛隊観閲式(平成30年度自衛隊記念日)安倍総理観閲官に挙行,国民と自衛隊-観閲式の在り方

2018-10-15 20:07:18 | 国際・政治
■神宮外苑観閲式時代と朝霞
 日曜日昨日、平成30年度自衛隊観閲式は安倍総理を観閲官に迎え盛大に挙行されました。

 自衛隊中央観閲式について、一般公開を行う選択肢はないのか、今回はこの点について考えてみましょう。自衛隊中央観閲式は陸海空自衛隊持ち回りで三年に一度、陸上自衛隊朝霞駐屯地朝霞訓練場地区において挙行される自衛隊記念日記念行事、海上自衛隊主催の自衛隊観艦式、航空自衛隊主催の航空観閲式、とともに陸上自衛隊が主催する国家行事です。

 内閣総理大臣を観閲官に招き、主権者により選ばれた国権の最高機関である国会から選ばれた行政府の長に対し、国家予算と防衛政策に依拠した我が国防衛力の水準について、自衛隊が観閲を受ける行事です。しかし、総合予行と観閲式が招待者には公開されているのですが、その見学は簡単ではありません。一方、本来観閲式は国民に示すものではないか。

 朝霞訓練場において実施された中央観閲式、これは田中角栄首相の田中内閣時代から朝霞訓練場での実施が続いており、その歴史は40年を越えます。一方、朝霞訓練場に移転する前は陸上自衛隊観閲式は神宮外苑、つまり都心で行われていたのです。この時代の観閲式も自由観覧が出来るものではありませんが、移動の部隊を自由に見学する事は出来ました。

 神宮外苑での陸上自衛隊観閲式、都心での観閲式実施ですが都心には当時、東部方面総監部と第32普通科連隊がおかれた市ヶ谷駐屯地しか部隊は無く、市ヶ谷駐屯地から神宮外苑は離れていると共に、その市ヶ谷駐屯地も観閲式参加部隊の一時待機に用いる事が出来る程の収容能力はありません。ですから、観閲式参加部隊は朝霞駐屯地に待機したのですね。

 観閲式は本来主権者である国民が、血税として托した税金が我が国の主権と平和主義維持へ必要な水準に足している事を確認する国家行事です。そして神宮外苑で挙行されていた時代は、明治神宮外苑から朝霞駐屯地まで15km、観閲式参加部隊は戦車や装甲車両とミサイルに高射機関砲と自走砲やロケット砲と火砲、部隊毎梯団を組んで自走していたのです。

 首都圏交通量増大と共に戦車ひとつとっても74式戦車へと大型化、観閲式参加部隊を朝霞訓練場から神宮外苑まで大規模な交通規制を行い機動させることが年々難しくなり、田中内閣時代に式典会場を車両待機位置に隣接した朝霞訓練場にて行われる事となったのです。しかし、朝霞訓練場と朝霞駐屯地は川越街道に隣接し、都道108号線で隔てられている。

 都道108号線は自衛隊観閲式実施日には交通規制が引かれますので、言い換えれば観閲官たる内閣総理大臣へ敬礼とともに式典に参加した部隊が、そのまま朝霞訓練場から駐屯地とを隔てる都道108号線を通り朝霞駐屯地へ移動するならば、観閲式会場は保安上の必要性から一般公開が不可能としても、都道108号線沿いの朝霞駐屯地を縦断する1km区間だけでも一般公開する事は不能か。

 練馬駐屯地が朝霞駐屯地から川越街道を通り5kmの位置にあります。神田祭の様に三年に一度の式典なのですから交通規制を行い、この5kmだけでも一般道を観閲部隊が移動し一般に広く展示する事は出来ないか。もちろん50tの90式戦車が梯団を組んで大隊規模にて移動するならば、最高速度70km/hを発揮できるとはいえ安全上難しい部分はあるかもしれません。参加部隊全てではなく、例えば16式機動戦闘車等即応機動連隊等であれば、この距離を移動し実質観閲式を公開する事は出来ましょう。

 お台場で中央観閲意識を行う事は出来ないか、2000年頃に当時の石原東京都知事が打診したものです。埼玉県の遠い場所で国民から見られない式典を行うならば、敢えて都心の臨海地域で、という提案でした。勿論実現はしませんでしたが、主権者である国民が観閲式を視ようにも報道やWebでのみ、という状況は少々不可思議である様に思えてなりません。御上と役所の行事から脱却し、国民と自衛隊の観閲式を模索するべきではないか、と思います。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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2 コメント

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Unknown (こいずも)
2018-10-16 08:57:57
言われてみると確かに三自衛隊観閲式はここ最近はチケットを入手した人々しか拝見できないプレミアムな行事になってしまいましたね。特に航空観閲式はほぼ関係者のみで本当に国民あっての自衛隊が行う国家行事なのかと疑ってしまいます。
国民と自衛隊の紐帯は切ってならないものですからこの視点は大事だと思います。
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観艦式 (はるな)
2018-10-22 23:51:12
こいずも 様 こんばんは

観艦式だけは、観艦式週間、という形で一般公開は行われているのですよね

観閲式や航空観閲式については装備品展示など、式典以外は公開出来るものではないかな、と
返信する

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