北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ひゅうが&いせ掃海隊群移管可能性(4)いずも型護衛艦増強か掃海母艦うらが型延命の選択肢

2019-04-04 20:11:13 | 防衛・安全保障
■二〇二〇年代後半に後継艦必要
 平成40年代といいますか令和10年代に、今回までに示しました護衛艦の移管か掃海母艦延命かの決定が必要となる。

 掃海隊群へ、ひゅうが型護衛艦ひゅうが、いせ配備の可能性、あくまで可能性を示したのですが、少なくとも当面実現することはありません、うらが型掃海母艦はまだまだ現役ですし、なにより、いずも型護衛艦の量産を行わなければ護衛隊群のヘリコプター搭載護衛艦定数が定数われとなってしまいます。そして現時点では当面現役である将来有る艦だ。

 中期防衛力整備計画にも建造する護衛艦の計画は既に明示されていますので、ここに護衛艦いずも型のようなものを2隻追加する余地はありません、排水量だけで一挙に40000tという30FFM十倍以上の数値となりますので、別表をどれだけ裏返してもこの可能性はないといえるのですが、大綱計画の整備計画完了後となりますと、新しい可能性が生まれます。

 うらが竣工は1997年、ぶんご竣工は1998年、艦齢延長改修も実施していますので、30年間現役で運用すると仮定して2027年から2028年まで運用可能です。計画から建造と就役まで考えますと、後継艦画定は2020年代初頭、延命改修を重ねるならば、判断を先延ばしできるでしょう。しかし、それでも数年内、次々中期防までに決定しなければ成りません。

 ひゅうが竣工は2009年、いせ竣工が2011年です。うらが型よりも十年以上艦齢が若いのですが。うらが型がどの程度延命改修が行われるかに寄り、ひゅうが型護衛艦の掃海隊群移管可能性は変わります。しかし、うらが型に出来て、ひゅうが型に出来ない任務とは何か。艦砲の有無が挙げられますが、それ以上に最大の違いは機雷敷設能力の有無でしょう。

 そうや、機雷敷設艦そうや任務を掃海母艦うらが型は担っています。そうや設計は掃海母艦はやせ、と共通点が多いのですが、そうや、はやせ、2隻の任務を同じ設計の母艦で担うことが主眼となっています。機雷敷設装置3型を搭載しているのですね。この点で護衛艦ひゅうが型には機雷敷設装置はなく、上甲板の飛行甲板から落とすのも乾舷が高く難しい。

 30FFM、ここで視点を戻したいのが掃海隊群へ配備される新しい護衛艦です。この護衛艦は機雷戦能力をい有していますが機雷掃討装置一式を搭載するとともに機雷戦能力として処理するだけではなく仕掛ける能力、簡易機雷敷設装置を搭載する事となっています。要するに、現在のように掃海母艦だけが機雷敷設能力を有する時代は終わる、ということ。

 MCH-101から機雷を敷設するという運用も、ひゅうが型であれば可能です。なにしろ艦内の格納庫容積だけは十分ありますし、MCH-101ならば従来の掃海母艦による機雷敷設よりも迅速に機雷原構築が可能だ。しかし此処に加えて30FFMにも機雷敷設能力がもうけられるということで、掃海隊群直轄艦が機雷敷設の第一線に当たる必要はなくなるという。

 30FFMの整備計画完了後、22隻の3900t型護衛艦の建造が完了するまでは、防衛予算にここまで余裕はありません。毎年2隻を建造しますのであと10年か。そして中期防衛力整備計画の計画建造トン数も明らかにそこまで大きな艦艇の取得計画がない。もっとも、いずも型護衛艦の建造費用は30FFM二隻分と、かなり建造費が抑えられているのですがね。

 その上で、今後海上自衛隊がF-35Bの運用について、例えば政治が海上自衛隊へ局地防空能力を求めるなどの転換が加われば、ひゅうが型護衛艦では護衛隊群の航空中枢艦を担えないと判断する可能性はあります。もちろん、ひゅうが型にはF-35Bの十分な運用能力はあるのですが局地防空にあたるならば飛行隊規模の搭載が要る、すると過小となるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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コメント (2)
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