北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和元年,万葉集梅花和歌由来新元号と四月三〇日今上陛下御譲位-令和天皇即位-平成上皇即位

2019-04-01 20:00:25 | 国際・政治
■新元号は令和,菅官房長官発表
 平成は令和になる。平成31年と平成時代は4月30日の天皇陛下御譲位と平成上皇即位と共に移ろいまして、5月1日より令和天皇御即位と共に時代は令和元年となります。

 令和、新元号は“令和”へ本日4月1日閣議決定され、菅官房長官が首相官邸にて報道発表しています。この新元号は報道発表に先んじ、首相官邸より宮内庁副長官が宮城の陛下へ上奏されています。昭和から平成への新元号上奏とは転じていまして、天皇譲位と上皇即位という、時代の到来も随分移ろうものと所謂三十年一昔を実感した、率直な感想です。

 平成、好い元号です。そして、令和、これも良い元号だ。本年は令和元年となるのですね。官房長官発表前から、なにしろ四月馬鹿の日と重なり希望願望妄想思考重なる諸案虚報誤報試案乱れ飛ぶ始末でしたが、貞観や天明という災厄を思い出す元号や保元に応仁といった戦禍を思い出す元号は新時代に影を落とすのではと思いつつ、それは幸い杞憂でした。

 万葉集が新元号の出典という。漢文が神武天皇の御世からの元号に充てられたと学びました中で少々保守的な考えからは不思議な印象を感じますが、時代の流れ、万葉集は貴人高官から武人商人農民童歌までを集めた日本最古の和集です。この流れ、案外千年後二千年後の日本元号では我々がインターネットにて呟いた語調から選ばれるのかもしれませんね。

 初春の令月にして-気淑く風和らぎ-梅は鏡前の粉を披き-蘭は珮後の香を薫らす.万葉集梅花の歌三十二首の序文より選ばれました。梅花とは花見の定番で観桜が花見の定番となったのは武家政権時代、源頼朝が平野神社の桜花と家紋の桜を重ねた際からであり、成程花見の季節に移ろう新元号を恰も梅花に掛けたようで我が国文学者の層の厚さにある種感慨を。

 昭和世代は、ますます昭和は遠くなりにけり。平成世代はいずれ紳士淑女の一同も令和世代から我ら昭和世代の化石扱いを継承するのだなあ、と。一方、昭和世代としましては新元号令和に一種昭和の響き、日本が軍事力で世界に挑戦し、敗れますと日本と世界を豊かにする原動力は経済だと再度世界に挑戦し、今度は受け入れられた時代の響きを感じます。

 新年度と共に平成31年も残りわずか、天皇陛下の御譲位は今月末です。平成は東西冷戦崩壊にバブル崩壊と阪神大震災に中国軍事圧力増大と東日本大震災に福島第一原子力発電所事故、時代の変化が大き過ぎ急ぎ過ぎた時代でもあり混迷を極めた時代でもあったように思います。しかし、全般として好い時代であったといえる、他時代を選択できないから。

 大正時代や明治時代は知識でしか知らない世代ではありますが、平成時代はバブル崩壊という衝撃を昭和中興世代が受け止めるまでの字眼が社会構造にまで影響を及ぼした時代であり、昭和初期程飢えさえ認識する時代ではありませんでしたが、方向性が曖昧模糊として社会が今の生活を守る為に現状維持を目指した、守勢の停滞した時代ともいえました。

 天皇陛下の御譲位、これは良い時代の転換であるといえるかもしれません。今上陛下の御英断は感謝したい。昭和から平成への転換は天皇崩御という歴史的悲劇と共に昭和時代が遮断され、平成時代を迎える事となりました。一億国民が喪に服す最中での今上陛下御即位、弔砲と祝砲が放火を交えるような摩訶不可思議な、アガンベンのいう例外状態のよう。

 平成時代は終焉するのではなく次代へ遷ろう、故に昭和時代のような遮断という構図ではなく、祝賀のみと共に新時代を開く事が出来る事は至上の祭事といえる。なによりも上皇陛下という呼称、白河上皇や鳥羽上皇といった歴史上でしか知らぬ時代の再訪なのですから、先帝崩御と共に始まる平成時代は上皇即位により幕を下ろす平成時代、というもの。

 令和へ今月末の天皇陛下御譲位と共に平成は移ろいます。平成上皇即位というこれもまた歴史的な転換点を迎えるのですが、新時代を切り開くのは昭和世代と平成世代が大正世代と明治世代から引き継いだ現代の世代です。令和時代が平成のように安泰であり、昭和時代のように躍動の溢れる時代となるよう、出来る事を一つ一つ、頑張りたいものですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする