◆荒天下の富士総合火力演習、傾向と対策
ここ数日間、“富士総合火力演習雨天”という検索文章が増えています、いよいよ明日富士総合火力演習本番という事で本日はこちらの話題を。
富士総合火力演習、幸いにして当方は富士にて豪雨に見舞われたことがあまりなく、数年前に一回それはそれは凄いことになりましたが、夜間演習でしたので、逆に悪天候時らしい写真を撮影することが出来ました。したがって、あまり参考にはならないかもしれませんが。
まず第一に、落雷の危険などが無い限り、富士総合火力演習は実施されます。なお、落雷に関しても会場近くに避雷針が多数配置されており、避雷針より4m以内に立ち入らなければ、という安全上の配慮は為されています。ただ、いくつかの注意点があります。
注意点として、富士総合火力演習は数万の来場者が集まる我が国最大の公開実弾演習ですので、会場の人口密度はかなりのものとなり、従って傘は豪雨でも使用できません。雨合羽、雨衣等で雨を防がねばなりません。ポンチョなどは海上売店でも5000円ほどで売られていますが、コンビニなどで小型のものを事前に用意するのが理想でしょう。
ただ、傘が不要か、と問われれば、そうでもなく、演習中の見学席では使用することはできませんが、御殿場駅や駐車場とのシャトルバスの待ち時間が長くなりますので、この時間帯を考えて折り畳み傘の用意は必要です。長い傘は着席時に邪魔となりますので、ご配慮を。
富士総合火力演習、雨天時に必要なのは敷物です。折畳椅子などは広報の方の邪魔となりますので、当然使用禁止、巡回の隊員からも注意されますが、レジャー用の薄手敷座布団は座っているところに雨滴が沁み込むためあればいい一品、晴天時でも座布団は重宝するものですが、ね。
もうひとつ、雨天時に絶対必要なものは大型のポリ袋です。当方は京都市指定家庭ごみ袋を数枚携行しているのですが、折りたたんである状態では傘ばならない一方、これはいよいよ豪雨が本番となった時、カメラバックにその他小物まで全てを放り込んで防水措置を執るために重宝します。
ポリ袋と豪雨、2006年東千歳駐屯地祭で痛感したもので、昨年の岐阜基地航空祭の豪雨、2009年のサンダーバーズ飛来浜松航空祭でも大活躍ですし、最悪、敷物替わりとして沁み込みを防止するのにも使えますし、カメラの防滴カバーなどの補完用にも活躍すること間違いなし。
なお、富士総合火力演習は雨が飛ぶだけではありません。もちろん、的に向かって銃弾砲弾が飛びますが、それ以外に観客席へ飛んでくるものは雨滴のほか、風向きによって泥飛沫が飛んできます。泥飛沫は戦車などの車両が泥濘を生み、それがヘリコプターのローターで飛沫となて飛ぶもので、これは最前列から一番離れたスタンド席最上段にも来ますので、レンズを拭く装備も必須です。
カメラ用防滴装備は、勿論必須です。コンパクトデジカメなどでしたら防水のものがありますし、何よりコンパクトですので袖口に仕舞いこむ器用な雨天時対応も可能ですが、一眼レフは銀塩やデジタル問わず、防滴が必要です。最悪はコンビニ袋でも代用できなくはありませんが、レンズフードとともに防滴用の専用のものを専門店で購入するのがお勧め。
なお、富士の天候は急変します。御殿場駅前が曇っていても、東富士演習場は豪雨で、数時間東富士演習場の総合火力演習が実施される畑岡地区が豪雨に見舞われていても、帰路に通ったすぐ近くの板妻駐屯地付近の路面が乾いていた、なんて話も聞きます。
雨天時と晴天時問わず、当方ならばどうするか、という視点ですと、まず0630時前には畑岡地区に行き、点検射という早朝の戦車や火砲に装甲車や航空機の点検射撃を撮影しておきます、撮れるものは早めに、ということ。早く行けばシート席最前列や一般用スタンド席が確保できますから、ね。
演習は豪雨で中止にならないのか。これは、実を言いますと段階に寄りますが、在ります。まず、視界不良時は支援戦闘機などの近接航空支援の展示が行われません。また、対戦車ミサイルなどの射撃にも視界は安全管理上影響します、これは照準装置で目標を感知示威別出来ても、安全員が直接確認できないからです。
そして火砲や戦車砲も、例えば90式戦車や10式戦車に89式装甲戦闘車などは熱線暗視装置を搭載し、霧を含めた悪天候時でも正確な照準は出来ますが、これは実戦ではなく演習、したがって、まあ、雨天時に限らず強風時の土煙も含めてですが、安全員が的を確認できない場合は射撃が出来ません。
過去には、前段演習と後段演習の大半が安全員から目標を確認できないほどの豪雨と霞が覆ってしまい、後段演習がいよいよ時間的に厳しくなってきた、という時間帯になり漸く的を確認できる状態となったため、戦車が一斉に展開して物凄い勢いで連続射撃をしたこともありました、その日当方は豪雨の中横田基地に行っていたのですが、ね。
結果的に、当方は過去の様々な自衛隊行事での雨天の教訓から、カメラバックには以下の通りの防滴器材を、たとえ快晴の予報でも携行しています。カメラバック用レインカバー、カメラ用防滴カバー、大型ポリ袋数枚、超小型折り畳み傘、以上を詰め込んでも意外と嵩張りません。
また、多少でも曇りの予報がある際には薄手のレインコート(YAMAMOTOで購入したフランス海軍仕様)、予備超望遠レンズカメラ用防滴カバー、電子機器から文庫本までを含めた防水用ビニールの準備、こんなところの装備を大型のカメラバック用サイドバックに詰め込み傾向たこともあります。
一方、一転して快晴と猛暑の可能性もあります、日焼け防止措置は必要で、長袖と帽子は常に携行しているほか、水分補給も忘れてはなりません。先日の舞鶴展示運連では1?ミネラルウォーターと500mlペットボトルを携行しました、熱中症は生命の危険につながります、油断は大敵です。
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