◆第一航空団展開する航空自衛隊発祥の基地
浜松基地、静岡県の出世城浜松城よりやや北に所在する航空自衛隊基地です。今回から航空自衛隊行事詳報紹介として、2012年11月18日に行われたこの浜松基地航空祭を掲載しましょう。
浜松基地航空祭エアフェスタ浜松、浜松基地はJR東海道本線と東海道新幹線浜松駅から、北へ5kmの場所にあります。この浜松基地へは路線バスで行くことが出来ますが、航空祭では浜松駅からシャトルバスを利用して基地まで移動します、この日は浜松駅に0745時に到着、0749時にシャトルバスの長蛇の列に並んだのですが、0756時には乗車でき、0818時に基地へ入場、0824時に降車しました。
航空自衛隊発祥の地、浜松基地は1954年7月1日に行われた航空自衛隊発足記念式典の会場となり、当時は連絡機と練習機のみながら、第二次大戦を戦い抜いた精鋭が集い、見事な編隊飛行を行った記録写真が残されています。つまり、こうしたことから、ここ浜松基地は航空自衛隊発祥の地、といえるわけですね。
現在の浜松基地は、航空自衛隊教育訓練体系の総本山、航空教育集団司令部が展開し、司令部とともに第一航空団、第一術科学校、第二術科学校、教材整備隊、高射教導隊が展開、また航空総隊隷下で早期警戒機を運用する警戒航空隊司令部と飛行警戒管制隊が展開している基地です。
基地へ入ると共に聞こえていた金属音の正体、二機のT-4練習機が編隊を組み、エンジン音を響かせつつ天候偵察へ離陸してゆきます。時計を見れば0830時、いよいよ航空祭が始まるわけです。さて、実はこの浜松基地航空祭ですが、新幹線ひかり号利用で、東京からも京都からも一時間半、名古屋からは名鉄線とJR線利用で一時間半、東名高速と新東名高速の開通で凄く便利になりました。
これはなにを意味するか、簡単です、物凄く混雑する航空祭なのです。日本最大の入場者を誇る航空祭は池袋から西武線で一本の入間基地航空祭ですが、それに次いで混雑する航空祭は、この浜松基地航空祭か、岐阜基地航空祭、つまり急いで撮影位置を確保しなければ滑走路を離陸する勇壮な様子が見れない。
空腹感を感じ、当面の口糧を入手する、これを早いうちに実施しないと、ものの十分十五分でこの長大な出店街も全て長蛇の列で覆われます。さあ、モリモリ食べて元気に撮ろう!、つか車両展開で夜明け前に到達しているはずという、現地合流予定のあいつはどこだあ。
T-4,地上展示機を、多少空腹感がまぎれるとともに撮影開始です。地上展示機も混み始めると観衆の大海に浮かぶ小島の如く、撮影しにくくなるので、朝一で撮影するか、航空祭終了間際に撮影するのか、ということになるので、それならば早いうちにとってしまおう、ということとしたところ。
ブルーインパルスのT-4と、奥にはE-767早期警戒管制機、このブルーインパルスは現在松島基地の第四航空団に所属していますが、発足したのはここ浜松基地で、当初は決して新しいとは言えない亜音速の昼間戦闘機F-86を以て如何に最新鋭機を相手に抑止力を維持するか、という戦技研究班として、実戦部隊を支える技術を研究していました。
それにしてもいい天気だ、この日は十一月十八日、十月までは秋とは名ばかりの蒸し暑さが続き、残暑じゃないという印象でしたが十一月となればもう冬のはずなのに心地よい秋風が身を包む絶好の外出日和で、映える青空の写真通りというべき良い一日の始まりでした、人多かったけど。
F-15,術科学校の教材で地上展示に展開していました。ちなみに、ここ浜松基地、会場は混雑するのですが横に非常に長く開城が確保されているので、最前列を確保したい場合には、空いている方角へ、横へ横へ、芝生の奥にある臨時駐車場の方へ向かってゆくと、なんとか最前列を確保できる。
AAM-5空対空ミサイルが搭載されています、白いこの短射程ミサイルは短射程といいつつ射程は30kmから50kmに達し、従来の中射程ミサイルに相当するほか、非常に高い機動性を有し、現在第一線の最新鋭戦闘機であっても、回避行動によるミサイルの追尾からの離脱が出来ないという2004年制式化の最新空対空ミサイル、下の青いミサイルはAIM-7中射程空対空ミサイル、射程70kmで戦闘機がレーダーで誘導しマッハ4で目標へ向かう。
F-2支援戦闘機、こちらも教材です。F-15は敵戦闘機を排除する要撃戦闘機で制空戦闘機ですから空に溶け込む塗装ですが、F-2は超低空から日本へ接近する艦隊を撃破する支援戦闘kという事もあり、海洋に溶け込む迷彩を施しているのが分かります。そして翼にはAAM-3空対空ミサイルなど、様々な装備がみえますね。
GCS-1赤外線誘導爆弾、F-2は四発のASM-3空対艦ミサイルを搭載し敵艦隊を攻撃しますが、敵艦の機能をミサイルで麻痺させたのち、燃えている敵艦に止めを刺すのがGCS-1です。赤外線誘導爆弾、つまり投下しますと熱源へ向かって落下するので、洋上の艦艇へ高高度から投射すると、そのまま艦艇に命中します。改良型として滑空用翼を装備し、射程を延ばしたものもあります。
JDAM,航空自衛隊が導入したGPS誘導爆弾で、地上目標へ精密誘導を行います。改良型にはレーザー誘導対応のものもあり、出撃前に目標情報が判明しているときには高高度からGPS座標へ投射、目標をその場で発見した際にはレーザー誘導で即座に無力化することも出来ます。アメリカ製で、この装備の導入により、策源地攻撃という選択肢が現実的に模索できるようになりました。この調子で次回も飛行展示まで地上展示を見てゆくこととしましょう。
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)