北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

2006年4月9日陸上自衛隊信太山駐屯地祭

2007-03-19 16:21:05 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■第37普通科連隊創設記念行事

 今日もT-3が飛行したという情報はさておき、大阪府和泉市の陸上自衛隊信太山駐屯地には大阪府唯一の普通科部隊として第37普通科連隊が駐屯している。新春の駐屯地祭とあり満開の桜花に囲まれての行事であったが、2006年に実施された駐屯地祭からその様子をお伝えしたい。

Img_0489  信太山駐屯地へはJR信太山駅からの無料シャトルバスが出ていたが、展開した際には0815時頃になっても案内にあたる広報の方が駅前にまだ到着していない状態で、一列に並ぼうにも何処から並んでよいのやらという状況であった。25名程度が乗れるバスが来たが、間隔はあるものの本数はしっかりとしており、式典前に余裕をもって駐屯地に到着することが出来た。駐屯地には0900時頃に到着したが、駐屯地は広く、シャトルバスの乗降所から小火器展示会場や出店の前を移動し、グラウンドに移動する。

Img_0720  0940時には式典に参加する隊員がグラウンド周辺に整列を始める。観閲行進に参加する車輌はモータープールに集結しているが、残念ながら危険なため立ち入り禁止となっている。

 0945時頃から第三音楽隊がグラウンドに入場を開始する。その数分後、太鼓に歩調を合わせながら行進して普通科隊員らが入場する。並ぶ赤いマフラーは普通科の職種を現している。いよいよ式典開始である、姿勢を正した部隊の前を1005時には連隊長乗車の73式小型トラックが部隊巡閲を行う。

Img_0522  指揮官訓示、そして来賓祝辞が行われた後、1030時より観閲行進を行うべく音楽隊がモータープールからグラウンドに移動する。1035時、まず連隊旗を掲げた82式指揮通信車を先頭に連隊幕僚が乗車した車輌を先頭に徒歩行進が行われる。89式小銃やMINIMI分隊機銃、110㍉個人対戦車弾を携帯した隊員は、各普通科中隊から一個小隊くらいの隊員を参加させての観閲行進である。徒歩行進は五分ほどで終わるものの、見学者には強い印象をあたえるものだ。

Img_0530  1040時頃、いよいよ車輌行進の開始である。まず、第三中隊の高機動車が行進する。会場左手のモータープールより続々と車輌が展開してくるが、勾配を曲がり会場に進入する車輌は望遠レンズの圧縮効果にて撮影すれば非常の多くの車輌が一枚に納まる。師団や方面隊行事とは異なり、高機動車に隊員が乗車していないのはご愛嬌。

 それに続いて第五中隊の軽装甲機動車9輌が会場前を通過する。

Img_0728_1  軽装甲機動車はやはり高機動車と比べてより戦闘車輌というに相応しい物々しさである。それに続いて重迫撃砲中隊の120㍉重迫撃砲RT,本部管理中隊情報小隊の偵察オートバイや通信小隊の通信車輌(73式中型トラックに車載したもの)、本部管理中隊施設作業小隊のドーザーや資材運搬車、衛生小隊の救急車が行進する。

 駐屯地祭に幾度か足を運ばれた方も施設作業小隊などの装備には新鮮なのではなかろうか。

Img_0561  連隊の車輌に引き続き、第三師団隷下の車輌も観閲行進を展開する。大久保駐屯地より展開した第三施設大隊の81式自走架橋装置、姫路駐屯地の第三特科隊よりFH-70榴弾砲と第三高射特科大隊の81式短SAM,93式近SAM,伊丹駐屯地の第三偵察隊より87式偵察警戒車、そして今津駐屯地より展開した第三戦車大隊の74式戦車と戦車大隊本部管理中隊所属の73式装甲車が観閲行進の最後を飾る。車輌行進は五分ほどであるが非常に内容が濃いものである。最後に1045時、八尾より飛来したOH-6D三機とUH-1H1機が祝賀飛行を行う。

Img_0600  観閲行進終了後、音楽隊が会場前に前進する。1050時、副連隊長が連隊長に観閲行進終了を報告し、訓練展示(模擬戦闘)の為の準備に入る。1105時頃には砂塵を防ぐ為消防車が観閲台前に散水を行い、1110時頃には会場左手の仮設陣地に赤いテープを巻いた仮設敵が展開する。状況開始!OH-6D観測ヘリが会場上空に飛来し、物凄い機動飛行を展開する。1114時、その情報をもとにUH-1H多用途ヘリより情報小隊の隊員が降下する(写真)。

Img_0784  1116時、陣地構築に先立つ情報収集の為に偵察隊が進入、それに並行して64式や87式といった対戦車誘導弾、120㍉、81㍉迫撃砲、FH-70榴弾砲が陣地展開を開始し、1120時、FH-70榴弾砲が空包を射撃する(一発と記憶)、続いて露出した仮設敵陣地を沈黙させるべく1122時、74式戦車が発砲、1124時には航空支援にあたるべくAH-1Sが飛来する。1125時、3輌の軽装甲機動車より降車した普通科隊員が攻撃前進を開始し、1129時には陣地に突入する。仮設敵陣地より出現した73式装甲車を74式戦車が撃破、その後戦車や偵察警戒車、指揮通信車が突入(写真)し、状況は終了となった。

Img_0861  その後、装備品展示準備に移行し1210時にはUH-1H,AH-1Sが着陸、戦車、装甲車、火砲、誘導弾、架橋装置、浄水装置など師団の保有する主要装備の多くが一列に並べられ、1235時前には装備品展示が開始される。

 以上が昨年実施された信太山駐屯地祭の顛末である。今年度も展開を検討されている方がいらしたら、参考になれば幸いである。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする