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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【榛名備防録】AH-1S後継にF-35Bを!トランプ関税目前-伝家の宝刀”防衛装備品貿易黒字相殺”の提案

2025-07-03 07:01:32 | 国際・政治
■日米貿易摩擦対策
 アメリカでなければ造れないものというとブランド品を除けばF-35Bかトマホーク位しか思い浮ばない昨今ですが。

 日米貿易摩擦対策に、定番となった兵器調達で赤字額を補填する昭和後期から平成初期の手法は今日も可能なのか。トランプ関税措置実行を目の前に、議題に上がっていなかったコメの自由化を求めるなど、参院選に影響が出そうなタイミングでの日米貿易交渉が続いていますが、過去には貿易黒字は兵器を調達して解決していました。

 AH-1SとAH-64D後継機に陸上自衛隊がF-35B戦闘機を取得して、海上自衛隊の将来輸送艦において、乗員の一部が既に陸上自衛隊員であるために、艦載機も統合運用する、こうしたF-35B増強、という方向性は日米貿易摩擦解決の一時的な選択肢として、あり得ないだろうか、中央で一括管理し、方面隊へ分散配置するかたちで。

 F-35B戦闘機であれば、S-300などロシア製防空システムがF-35に対して無力であったのは先日のイランイスラエル戦争においてイラン軍が10年以上にわたり運用しているS-300が捕捉できなかったことが証明していますので、戦闘ヘリコプターのように政府が云う陳腐化した装備には当てはまりません。

 西部方面航空隊の高遊原分屯地であれば滑走路長が3000mありますし、第1ヘリコプター団の木更津駐屯地の滑走路は1830m、第2対戦車ヘリコプター隊の八戸駐屯地の滑走路は2250m、中部方面航空隊第三飛行隊の美保分屯地が滑走路2500m、北部方面航空隊の丘珠駐屯地には1500mと、長い滑走路の駐屯地は全国にある。

 F-35B,分散しすぎますと整備基盤の関係で面倒なことになりますが、海兵隊での飛行隊定数が12機でしたか、海軍空母航空団の飛行隊には10機編成があり、方面隊を超えて、北部方面隊F-35B飛行隊と東北方面隊F-35B飛行隊を同じ八戸におくとか、西部と中部のF-35Bを美保に置くとか、境界を越えた運用は可能でしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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ウクライナ情勢-ロシア軍戦車使用再開!シベルスク方面戦線にて,スムイ州侵攻は低調

2025-07-01 07:01:19 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 戦車の計画的な備蓄は専守防衛という平和憲法の本土決戦志向である我が国防衛において重要である事を示す一例が。

 ロシア軍は戦車と装甲車両の使用を再開したとのこと。これはISWアメリカ戦争研究所6月20日付ウクライナ戦況報告によるもので、ウクライナ軍ルハンスク軍集団司令部報道官のザポロジェッツ中佐の発言によるもの。ロシア軍が戦車と装甲車両の使用を再開したのはいずれもシベルスク方面における攻撃において。

 戦車の使用再開は、ロシア軍はロシア国内において破損戦車と共に廃棄戦車の再生を進めており、経済制裁により電子部品などの供給が絶たれている現状においても戦車をある程度備蓄できたことを意味しています。ロシア軍の100万を超える甚大な死傷者はいずれも装甲車両の不足が原因であり、これらが充足された際には次の攻勢が懸念される。

 スムイ州でのロシア軍攻撃は逆に減少傾向にある、これは同じISW報告において、ウクライナ国境警備局のデムチェンコ報道官発言を紹介したものです。ロシア軍はクルスク州と国境を接しているスムイ州において再度越境攻撃を加えウクライナ軍に圧力をかけていましたが、事実上この攻撃はとん挫している構図といえる。

 オスキル川が現在の焦点である、ウクライナ軍ハリコフ軍集団司令部報道官のシャムシン中佐発表によれば、ロシア軍はオスキル川ドヴォルチナ近郊に現在橋頭堡を拡張している段階で、ここからクピャンスクを攻略すべく渡河の徴候があるとのこと。ただ、渡河には架橋が必要であり、徒渉による渡河は不可能とのこと。

 チャシブヤール近郊での戦況について、ウクライナ軍旅団関係者の話をISWは紹介していて、チャシブヤール近郊ではロシア軍部隊が再編制を開始した兆候があるとしています。これは新しく編成した部隊を集中している兆候とのことで、チャシブヤール近郊からクラマトルスク方面へ大規模な攻撃が加えられる兆候と分析しているもよう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【榛名備防録】イラン核開発DIA国防情報局分析-長期化する中東アフリカ地域不安定化を前に

2025-06-26 07:01:11 | 国際・政治
■中東アフリカ
 日本有事の際には陳腐化した装備であっても自衛隊に想定される任務では必要とされる場合があるのではないかという視点です。

 パワープロジェクションとマニューバの両面から空中機動部隊の再編制を行うべきではないか、今回の中東有事を暫定的に考えた場合に筆頭として思い浮びました。こう、いいますのも、MOP地中貫通爆弾によるイラン地下核施設への攻撃について、CNNやNHKなど複数のメディアがアメリカ国防総省情報局DIAの空爆評価を報じている点からです。

 DIA国防情報局の分析としてMOP地中貫通爆弾14発を命中させたイラン地下施設は完全な破壊には至っていない可能性が指摘され、イラン核開発を数カ月遅らせただけという分析が有り、これはCIA中央応報局の分析にあるイランに核兵器開発計画はないという分析と真っ向から矛盾することとなりますが、イランに核開発の火種が残った事となります。

 自衛隊は、今回も邦人輸送任務を実施していますが、日本本土からC-2輸送機を即応させたものの、飛行隊定数はC-1輸送機時代より大幅に縮小しているために即応機を戦闘機部隊のように即座に待機させる事が出来ず、また日本本土からの距離の問題を痛感させられました。イランイスラエルの一例を示しましたが、アフリカ地域も不安定さをましている。

 アフリカ地域は、フランス軍など欧州の地域安定化部隊撤収の動きが強まり、これに代わる民間軍事会社の展開などが、地域不安定要素となり得る為、現在の邦人輸送任務に想定する、戦闘地域を想定しない邦人輸送任務では難しい事案なども考える必要があり、パワープロジェクションというものを、中東アフリカ地域まで延伸する検討が必要ではないか。

 空中機動能力というものを、その最も現実的な手段として想定するのですが、その場合に、陳腐化した装備とされる空中打撃力、これは地上配備の射程の長い多目的誘導弾などにより代替し得るとして消えゆく装備なのですが、地上部隊を大規模に派遣しえない場合に、現在検討される無人機などで代替し得るのか、この点、検討する余地を感じるのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【臨時情報-中東情勢】トランプ停戦成るか?,爆弾を落とすのをやめよ-イランイスラエル戦争

2025-06-25 07:00:50 | 国際・政治
■核開発阻止か体制転覆か
 突然の停戦発表を経てトランプ停戦というべき停戦は実現するのでしょうか。

 トランプ大統領は日本時間24日未明に、イランとアメリカの停戦成立を発表し、またイスラエルとイランについても日本時間25日午後までに完全停戦が成立する見通しであると発表しました。イランはカタールの米軍基地へミサイル攻撃を実施しましたが、これにより政治的に“アメリカへの軍事報復が完了した”という構図です。

 ただ、イスラエル軍がイランへの空爆を続行していて、ここにイランが弾道ミサイルにより反撃を加えていますが、トランプ大統領はイスラエルに対して、“爆弾を落とすのをやめよ”という、停戦宣言違反への露骨な不快感を示しています。イランとイスラエルはアメリカの仲介で停戦を模索しており、このまま停戦は成立するのでしょうか。

 体制転覆か、核開発阻止か、アメリカ軍はイランの地下核関連施設への地中貫通爆弾による攻撃により核開発能力を排除することで核武装を不可能とさせ、また、バンス副大統領の発言として、イランの体制転覆を狙うつもりはないという、今回の攻撃が軍事的な目標に基づくことを強調していますが、イスラエルは違うもようで。

 核開発阻止ならば地下核施設を破壊すればよい、一方、イスラエルは現在の指導体制を破壊するまで、攻撃を継続する可能性を示唆しており、ネタニヤフ首相はハメネイ師の排除も示唆する発言を行っています。ただ、空爆だけで体制崩壊に持って行くには限界があり、単に指導部を崩壊させただけでは破綻国家化さえしかねない懸念があります。

 トランプ大統領の岩盤支持層には、対外軍事干渉を極端に忌避する、外交的に孤立主義へ回帰する事もいとわない支持層が影響を及ぼしており、今回の中東介入についても否定的です。爆弾を落とすのをやめよ、とは、このまま推移した場合、破綻国家化を回避する場合や影響が中東全体に及び関与せざるを得ない状況が成立するのを警戒しているようです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【臨時情報-中東情勢】ミッドナイトハンマー作戦,B-2戦略爆撃機飛行37時間-フォルドゥとナタンズ地下核施設を破壊

2025-06-23 20:19:34 | 国際・政治
■ミッドナイトハンマー作戦
 自衛隊の邦人輸送が続く中ではありますがアメリカは一回限りの航空打撃作戦により核開発にかなり大きな打撃を加えたこととなったもよう。

 ミッドナイトハンマー作戦、今回のアメリカ軍によるイラン核施設空爆は、昨日開かれたアメリカ国防総省でのケイン統合参謀本部議長の記者会見においてB-2爆撃機はミズーリ州ホワイトマン空軍基地を起点として今回の作戦を実施しました。参加したB-2爆撃機は7機とのことで、アメリカ本土と大西洋上と地中海で空中給油を受けている。

 B-2爆撃機が空中給油を受けた空域へはKC-135空中給油機が先行して展開しており、この空中給油機展開はフライトレーダー24など民間航空機運航状況などを世界規模で把握できるサービスにおいて飛行が表示されていましたが、まずB-2をもってしてもGBU-57/MOPは重く、離陸直後に空中給油を受けています。

 ホワイトマン空軍基地を離陸したのは21日0001時とのこと、ここから1700時まで空中給油を受けつつ大西洋と地中海を飛行士1700時に中央軍より作戦が正式開始、1800時までに爆撃機はイラン上空へ展開しています。爆弾投下は1840時から1900時にかけ、これにより地下目標を破壊したと発表しました。

 KC-135での空中給油、MOPは1発14tあり、これをB-2爆撃機は各2発を搭載していますので重量は28t、最大離陸重量には余裕がありますが、離陸は軽量としたうえで離陸してから十分な燃料を、ということです。ジブラルタル上空を飛行し地中海上空を飛行、国防総省によればシリア上空からイラク上空を経てイランへ。

 F-35戦闘機とほかに第四世代戦闘機による護衛を途中から受けたと国防総省は発表しており、F-35戦闘機が護衛に付かなければならない程度には、イラン空軍には能力が残っているというアメリカ側の評価なのでしょうか。今回の攻撃によるアメリカ軍の損害はなく、現在のところ核関連施設以外の民間人にも被害は出ていないもようです。

 MOP地中貫通爆弾の直撃を受けたフォルドゥ地下核施設は外見からは大きな破損は確認できていませんが、広範囲に地面の色が変貌している様子が衛星写真により確認されており、爆発の衝撃により地表が剥離するなどして地色がむき出しになったのが原因ではないかとも考えられています。

 ナタンズ、国防総省の発表によればB-2爆撃機によるMOP地中貫通爆弾による攻撃はナタンズ地下核施設に対してもおこなわれていて、トマホークミサイルによる攻撃が行われたのはイスファハンのみであったということが発表されました。アメリカ軍の作戦は本土から開始され、一部陽動機はあったようですが、本土へ戻る経路となりました。

 125機の航空機が参加した、国防総省によれば空中給油機と偵察機及び戦闘機を含めて125機の航空機が参加し、精密誘導兵器75発が使用されたとしています。このうちGBU-57は14発でトマホークミサイルを足した上でも75発とはなりませんので、護衛戦闘機が防空制圧任務などを担当したとも考えられるでしょう。

 ケイン統合参謀本部議長は発表の場で、イラン側がアメリカ軍部隊へ攻撃を加えたことは確認されておらず、イラン軍の戦闘機は離陸しておらず、またイラン側の地対空ミサイルはアメリカ軍の航空機を探知できなかったようだとも述べています。B-2爆撃機とF-35戦闘機はステルス性が高くレーダーでは探知が簡単ではありません。

 B-2戦略爆撃機7機による飛行は今回37時間二及んだと云うことで、MOP地中貫通爆弾の実戦使用は史上初であるとともに、B-2爆撃機による同時爆撃の任務飛行も過去最大規模であったとのことでしたトランプ大統領は作戦成功をうけての演説で、搭乗員達を労っています。

 当初、インド洋上のディエゴガルシア基地へB-2爆撃機が集結していたことからそのままディエゴガルシアを起点に作戦がおこなわれたと解釈していましたが、ペルシャ湾というイランの防衛正面を避け、シリアから展開したということでしょうか。イスラエル軍も地中海を経由している経路を飛行しているという話ではありますが。

 フォルドゥとナタンズ、MOP地中貫通爆弾が使用されたのは片方と当初報道されており、双方が地下核施設であることから第二次攻撃が行われるのかが一つの関心事でしたが、国防総省の発表では地下施設は二カ所ともMOPによる攻撃を受けたこととなり、アメリカの作戦が終了したという発表の意味を示しています。

 核軍縮気運とは逆行して、意志を持ってすすめるイラン核武装、イランはイラン革命当時からイスラエル廃滅を宣言しているため、使うための核兵器の開発を結局、核兵器禁止条約は止めることが出来ず、核不拡散条約もIAEAの限界が見えたところですが、MOPで文字通り消えた事は、核軍縮を考える際、複雑な気持ちです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【臨時情報-中東情勢】アメリカ空軍B-2ステルス爆撃機,イラン地下核施設を地中貫通爆弾で攻撃

2025-06-22 20:16:52 | 国際・政治
■イラン本土初空襲
 アメリカ軍はイラン本土を始めて直接攻撃しました、フィクションでは核関連施設への攻撃は幾度も描かれていますがアメリカ軍が行うのは初めてで今後の日本を含めた影響が関心事です。

 アメリカ軍は日本時間本日1100時過ぎ、イラン本土への直接攻撃に踏み切りました。ディエゴガルシア基地へ展開していたB-2爆撃機とアラビア海に展開していた攻撃型原潜が参加したものとみられ、フォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核関連施設が攻撃を受け、IAEA国際原子力機関によれば攻撃による放射線量上昇はないとしていますが。

 フォルドゥの地下核施設へはB-2爆撃機からのMOP地中貫通爆弾が使用されたとされ、他の施設へはトマホーク巡航ミサイルが使用されたとのこと、地中貫通爆弾は12発が使用されたとされ、これにより地下施設が破壊されたとアメリカ政府は発表しています。他の二つの施設は地下部分はトマホークでは破壊できず、今後の攻撃が懸念されます。

 欧州各国の反応は抑制を求める談話が。この背景には、イランの中距離弾道弾が欧州を射程に含めており、もともと欧州ミサイル防衛計画がイランからの中距離弾道ミサイル脅威からの防衛を念頭に整備されたという実情があります。また、イランのシャハブミサイルシリーズはその形状から北朝鮮のテポドンミサイルとの共通点などが指摘されている。

 シャハブ6を例に挙げれば射程は5000kmで、イスラエル本土を狙う場合は射程2000kmで十分対応できるため、またアメリカ本土を狙うためには射程が足りません、しかし、欧州地域を射程に収めるならば4500km程度が最適であり、東欧イージスアショアはもともと欧州を防衛する事が目的となっています。

 ロシアとNATOの対立が先鋭化した2007年というのが、東欧へのイージスアショアミサイル防衛システムがロシアからのミサイルに備えたものであるというロシアの一方的解釈によるもので、いまではロシアはNATOの東方拡大に対する危機感、という表現があり、現在のロシアウクライナ戦争さえも、NATOに責任があるという解釈がありますが。

 NATOオブザーバー国にロシアが加わっていて、NATOへのロシア加盟さえオブザーバー国参加の際には想定されていました、この歴史を見ていますと、ロシア擁護論に、我が国でもNATOに責任があるという視点が出されますが、ロシア自身がNATO加盟へ動いていたという決定的な事実が見落とされています。さて、その遠因がイランでした。

 フーシ派による紅海無差別船舶攻撃や、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦の産油施設へのイラン製無人機による攻撃、また、カッサムロケットなどの原料供給を通じイスラエルへの革命防衛隊関連組織によるロケット弾攻撃など、平時におけるテロ攻撃が行われ、イランなりの大義が有るにしても、平時のテロ攻撃を支援した事例があった。

 イランの核開発は、ウラン濃縮により、イラン地震は核兵器開発は意図していないとしつつ、発電用ウランよりも遥かに高濃度で、兵器用ウラン以外に用途が無い濃度まで濃縮を行い、イラン核合意として核兵器開発をやめる事で発電用燃料の供給という道を提示されつつ、経済制裁を理由に一方的に反故とし、兵器用ウラン濃縮を強化した状況があった。

 核爆発装置さえつくらないのであれば核兵器用ウランの開発が認められるという道理はありませんし、発電用ウランは3.5%、兵器用ウランは90%の濃度であり、間違えて濃くしたという言い分は通用しません、それが核拡散防止条約に基づく一つの国際公序、強行規範となっています。イラン擁護の動きが薄いのはこうした実情があるのでしょう。

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ウクライナ情勢-ロシア軍死傷者一〇〇万名突破!白兵突撃多用で本年死傷者既に二〇万

2025-06-20 07:00:05 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 舞鶴を親善訪問していた時代が懐かしいほど昔に想う。

 ロシア軍死傷者が遂に100万人を突破した、6月12日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、2022年のロシア軍ウクライナ侵攻以来の死傷者が100万名に達したとされ、このうち戦死もしくは死亡したと考えられる行方不明者は25万名に達しており、これは第二次世界大戦後のロシア及びソ連の死傷者数としても死者数としても最大という。

 恒久的なロシア軍喪失は、40万から50万とみられ、回復不能の負傷を負ったロシア将兵はロシア全体の医療システムを圧迫すると共に、その兵站体系に大きな負担を掛けると共に、ロシア軍全般の医療要員不足にもつながっているとイギリス国防省は分析しています。この回復不能な負傷というのは四肢欠損以上の、戦線復帰できないものしている。

 2025年だけで死傷者数は20万を超えているとイギリス国防省は戦況分析しており、ウクライナ軍参謀本部は一日平均で1250名の死傷者を報告しています。これは、ロシア軍が依然として防御陣地への損害を度外視した白兵突撃を継続し、ウクライナ軍の疲弊を誘おうとしているためとされ、この傾向は当面継続される可能性がたかいとのこと。

 ロシア政府は、100万の死傷者を受けてもなお戦争を継続する背景には、ロシア指導部を支えるエリート層はいまのことろこの人的損耗の対象外であり、それはロシアが総動員を未だに行っておらず、給与目的の契約軍人と外国からの傭兵が主として死傷者の大半を占めているためであるという。ただ、戦死者だけで25万というのはなかなか。

 ソ連時代に第二次世界大戦後最大の消耗戦となったのは1979年から1988年までのアフガン介入ですが、9年間の戦死者が1万5000名ですので、3年3か月でアフガン戦争の15倍以上の戦死者を出していることとなります。ロシア軍は無人機も大量投入していますが、ウクライナ軍に40000機が撃墜され、それ以上の人命喪失が起きています。

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【臨時情報-中東情勢】イランイスラエル戦争,イランが警告する全面戦争と理論上あり得ないイスラエル地上軍侵攻

2025-06-18 07:00:59 | 国際・政治
イランイスラエル戦争
 テヘランを脱出しようとする大渋滞の報道映像を見ますと心が痛みます。

 イラン政府は国営放送などへの攻撃を受け、イスラエルに対して全面戦争の可能性を示唆しつつ、全面戦争を回避するには停戦が必要であるとしてアメリカ政府と外相によるこうしょうを模索しています。一方で、イスラエルのネタニヤフ首相は、イラン最高指導者の排除も選択肢の一つである事を示唆していますが、全面戦争とはどういう状況でしょうか。

 イラン軍は散発的に弾道ミサイルで反撃しているようではあり、一部は着弾している景況が報道されていますが、イスラエル軍のアロー3迎撃ミサイルが威力を発揮しています。2024年のような飽和攻撃も行えておらず、散発的な反撃に留まっています。地上戦に持ち込めば、イラン亜国土が広い故にゲリラ戦の可能性があるものの、大きな課題が。

 イスラエルがイランに対して地上軍を侵攻させる可能性はほぼありません、それはイラン
とイスラエルの間にはイラクという緩衝地帯があり、また逆にイラン軍がイスラエルに侵攻するのも、イラクを占領しなければならず、選択肢としてあり得ない為です。もし仮に、1980年イランイラク戦争にイランが勝利していればあり得たのかもしれませんが。

 イラン最高指導部の排除、ネタニヤフ首相が間接的にハメネイ師の排除を示唆したわけですが、可能性として、イラン世論における対イスラエル感情は決して良いものではなく、それはイスラム最高会議が国民に強制している訳ではないという点を留意すべきで、最高指導部を排除しても、親イスラエル政権が樹立する可能性はありません。

 破綻国家化して長期的な内戦に突入する可能性、つまり1990年代のアフガニスタンのような状況に陥る可能性の方が高いでしょう。ただ、フーシ派支援やヒズボラとハマスといった、1979年イスラム革命以降、いまは故人となったホメイニ師が望んだイスラエルとの全面対決が実現した構図ですが、憎悪を煽っても幸せは来ないと実感する次第です。

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【臨時情報】イランイスラエル戦争:イラン軍防空システムが事実上組織的戦闘能力を喪失

2025-06-17 07:00:58 | 国際・政治
■イランイスラエル戦争
湾岸戦争のイラク軍機のようにロシアにでも退避できない機体は空爆で破壊される懸念が。

イスラエル軍によるイラン本土奇襲攻撃は、ライオンライジング作戦と命名されていることが、イスラエル政府により発表されました。イランの核開発停止に関する核合意工廠からイランが離脱した事を受け開始された作戦ではありますが、核関連施設以外にも攻撃が及び、全面戦争の様相を呈しています。

イランイスラエル戦争はイラン軍防空システムが事実上、組織的戦闘能力を喪失している段階にあり、停戦をした場合でも相当長期間の時間と費用を掛けなければ建て直しが難しいのではないか。戦況では双方に応酬があるという内容が報道機関などにより報じられていますが、幾つかの徴候から防空能力の壊滅状態が示唆されます。

滞空型無人偵察機のイラン上空飛行映像、真贋を調査中ではありますが、複数の情報源から、高高度をゆっくりと長時間飛行可能という無人機の飛行映像が入っており、本来は地対空ミサイルの格好の標的であるこうした機体が飛行出来ている事から、一定以上の空域でイラン軍は防空システムが麻痺、全く使えない状況にあると理解できる。

F-14戦闘機の空爆による破壊画像がイスラエル国防省により公開されました。イラン空軍は2024年11月にロシアから待望の新戦闘機Su-35の導入を開始し、退役が始っているF-14戦闘機ではありますが、空軍の象徴的なF-14戦闘機が飛行する事も出来ず破壊されている状況です。Su-35は最終的に50機を導入する予定ですが稼働していない。

指揮官の空爆による相次ぐ死亡、イラン軍参謀総長モハメドバゲリ将軍、革命防衛隊空軍アミールアリハジザデ司令官、防空軍ダウドシャイキアン司令官、コッズ部隊エスマイルカーニ司令官などが戦死し、参謀総長代理にハビボッラーサヤリ将軍、革命防衛隊司令官代行にアフマドヴァヒディ将軍を補職した状況で、建て直しの目処が立っていません。

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【臨時情報-中東情勢】イスラエルのイラン攻撃,核関連施設とイラン軍指揮官など指揮系統を攻撃

2025-06-14 20:05:57 | 国際・政治
■臨時情報-中東情勢
 イランの指揮系統を根本的に叩き潰すまで継続するか否か、仮にそうした長期戦を視野とした戦争に発展する場合は邦人救出任務を展開する必要が出てきます。

 十三日の金曜日、イスラエルがイラン本土を攻撃し、大規模な空爆によりイラン本土の100カ所以上が空爆され、中東情勢が一挙に緊張状態となっています。イスラエル空軍の航空攻撃によりはじまった武力紛争は、イラン軍がイスラエル国内150カ所以上を標的に反撃し、事実上の戦争状態へむかっています。

 イスラエル空軍の攻撃は200機以上の戦闘機により開始され、攻撃が住宅街に及んだことでイラン当局によればこれまでに死者78名、負傷者は300名以上にたっしているとのこと。この攻撃によりイラン軍のバゲリ参謀総長、革命防衛隊のサラミ総司令官が戦死したとイラン国営メディアが報じています。

 イスラエル軍の攻撃はイラン中部のナタンズ原子力施設などを攻撃し、IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長によれば、この施設ではイランが60%まで濃縮していたウラン地上施設などが破壊されたとしています。具体的には地上の発電施設が破壊されたことで地下の遠心分離機が急停止し、これにより損傷した可能性があるという。

 原子力施設への攻撃は、イラン国内ではフォルドゥのウラン濃縮施設、イスファハンの核燃料加工施設が攻撃を受けた、イラン当局からIAEAへ報告があったと云うことですが、IAEAは情報を確認中とした上で、IAEAが把握している範囲において、外部に放射性物質は漏洩していないと発表しています.

 イラン軍の反撃により、イスラエルのテルアビブ、最大の商業都市であり各国が事実上の首都としているテルアビブとその近郊にミサイル攻撃の被害が出ており、3名が死亡し70名の負傷者がでているとしています。イスラエル軍は13日と14日ともにイラン軍の無人機などを迎撃しているとのこと。

 イエメンからイスラエル方面へミサイル攻撃があった、具体的には着弾したのはパレスチナ自治区のヘブロン近郊に着弾したとのことですが、イエメンの武装勢力フーシ派がイスラエルへのミサイル攻撃を再開したようです。パレスチナの赤新月社によればミサイル着弾により負傷者5名が出たと発表しました。

 イスラエル軍によるイラン攻撃は一過性のものではなく断続的に続いており、14日にはテヘランのメララバード飛行場がミサイル攻撃を受けたとのこと、此処は軍民両用空港となっていますが、イラン空軍の戦闘機格納庫などが被害を受けたという報道もあります。特にイスラエル空軍はテヘラン周辺の攻撃を強化している。

 イスラエル国防省は14日、国境から1500km以上離れたイランのテヘランに対して航空宇宙軍が初の攻撃に成功したと発表、テヘラン周辺の地対空ミサイルシステムを含む数十の軍事目標を攻撃したとしています。こののち、イラン参謀本部のゴラムレザメフラビ情報部長とメフディラバニ作戦部長が戦死したとのこと。

 核開発の阻止が目的であるとするイスラエルの攻撃ですが、イラン核合意再開を目指して明日15日にアメリカとイランの両国協議がオマーンにおいて再開する予定でしたが、アメリカと合意した場合でもイスラエルの攻撃が行われるならば意味はないという主旨の声明を13日、イラン外務省報道官が出した談話に含めています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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