平地治美の漢方ブログ 

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皮膚病 3

2008年03月13日 | 処方・症例
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           膿疱 
           / \
        小水疱  びらん
        /      \
       丘疹      結痂  苔癬化
      /          \ /
     紅斑ーーーーーーーーーーー落屑ーー治愈 
      
        《湿疹三角形》
(線が引けませんでしたが,丘疹→落屑
 小水疱→びらん,結痂,落屑への移行もあります)


①紅斑期…病邪(主に外風)によって気血に急な停滞が生まれます。
     そこで発表剤を使って邪毒をと取り除きます。
     病邪が衛分に限局される場合は麻黄剤中心で

     実証,無汗で乾燥傾向→ 麻黄湯 葛根湯 桂麻各半湯

     虚証で色白,または湿った皮膚の紅斑→桂枝湯
                      桂枝加黄耆湯
                      桂枝加葛根湯 

     熱邪が深部の気分に入ってる場合は石膏を使います。
                     →白虎加人参湯   
                              
子供の目や口の周りに出るものには葛根湯を処方なさることが多
かったです。
「ジベル氏バラ色粃糠疹」には白虎加人参湯が効いていたようです。                 

②丘疹期…風邪+若干の湿邪
     発表剤、水剤をこの段階で用います。
               →小青竜湯 合 荊芥連翹湯
この処方はゆるやかに発表させるので消風散ではメンゲンが心配な
時に使います。今風の男の子(やせ形でやや色黒,神経質で手足の裏
ベタベタしている)に処方されることが多かったです。
     もう少し実証→消風散
            防風通聖散(合 通導散)
                 
③水泡・小水泡期…紅斑を伴う場合は丘疹期と同様の処方です。
         紅斑のない場合は利水剤を中心に与えます。

       →猪苓湯,五苓散,茵蔯五苓散,越婢加朮湯,苓桂朮甘湯
虚証でめまいを伴う場合→真武湯(合 人参湯)      

④膿泡期…熱毒が内盛して化膿しています。
                 →十味敗毒湯(合 温清飲)
                  清上防風湯
                  竜胆潟肝湯
                  黄連解毒湯
            痛みを伴う→排膿散及湯

⑤縻爛(びらん)期…水疱や膿疱が破れたものなので,基本的には
          同じ処方を使います。 

⑥結痂期......「かさぶた」のできる時期で,これ以降はとくに薬物を
       必要としないケースもあります。
                 →治頭瘡一方  

⑦ 落層期…..順調に行けば治愈に向かいますが,血虚の状態に陥り白い
      粉をふいて痒みを生じている場合は治療が必要です。
                 →当帰飲子,温清飲 

⑧苔癬化.....「アポトーシス」がうまくいかず,慢性化した状態です。
      瘀血を伴うことが多いです。
                →桂枝茯苓丸(合 桃核承気湯)
                →通導散(合 防風通聖散)




・その他,すべての段階で女性に多かったのは

  当帰建中湯(合 桔梗石膏)
  桂枝茯苓丸(合 桃核承気湯)
  加味逍遥散(合 四物湯)


・わからない時,とりあえず様子見で出すのに良いのは
  五苓散
  (岡山先生は脱毛等には合 セファランチン)
 
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