平地治美の漢方ブログ 

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裏内庭(うらないてい)

2013年03月06日 | 鍼灸

一昨日の深夜、腹痛で目が覚めトイレに駆け込んだ私。
ベッドに戻り横になると、またすぐに便意を感じトイレに戻る、、、
そんなことを5回くらい繰り返し、これは放っておいて治る種類のものでは
ないかもしれない、、、と危機感を感じました。

まず五苓散を服用し、触っただけで痛かった腹部のツボ水分、足三里に鍼を
したあと、足裏の裏内庭にお灸をしました。

まず左の裏内庭から開始し、まったく熱くないのですえ続けたところ、35壮
にしてようやく熱さを感じました。右は最初から熱かったので2壮で終わり。

この時点で腹痛が治まり眠くなり、朝まで3時間くらい眠ることができ、翌日は通常通り
仕事をすることができました。
ただ、一夜にしてで2kg近く脱水したのでいまだに何となくだるさが残りますが。


(以下、以前「おけら」に投稿した記事)
この裏内庭、食あたりの際の特効穴です。
他にも、胃痙攣、つわり、胃の痛みの治療等によく使われます。
ツボの取り方は、足の第2指に印をつけ折り曲げて、印が足裏に当たったところです。足の甲側に胃経の内庭というツボがあり、その足裏側にあるので裏内庭という名前がついています。

 半米粒大(米粒の半分くらいの大きさ)に艾(もぐさ)をひねってお灸をします。連続して3回熱さを感じるまで、100壮でも200壮でも続けます。ちなみに壮(そう)というのはお灸の数え方。赤痢にかかった人は、600壮すえてやっと熱さを感じたそうです。

 この裏内庭には、次のようなエピソードがあります。
 かつて明治三名人のひとりと謳われた能楽の宝生流の家元・宝生九郎が寿司にあたり舞台で胃痙攣様の症状を起こしたそうです。客は気付かなかったようですが、森道伯先生は家元の異変を察し、幕間の僅かな時間に所持していた鍼で裏内庭に施術しました。その結果、発作は止み、無事に舞台をつとめたそうです。

 通常は灸をするツボですが、このような咄嗟の判断をされた森先生は臨床家の鏡です。
 先生を見習い、何も持っていない場合はタバコを近づける、楊子やペンなど尖ったもので刺激する、手で揉むのも良いと思われます。


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