ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『大空港』#01

2021-07-07 23:24:23 | 刑事ドラマ'70年代





 
CSの「日本映画専門ch」で『大空港』の放映が始まりました。1978年7月から'80年3月まで、フジテレビ系列の月曜夜9時枠で全78話が放映された、新東京(成田)国際空港を舞台にした刑事ドラマです。

警察庁刑事局国際刑事課の分室「空港特捜部」を率いるチーフ=加賀警視に鶴田浩二、メンバーの鯉沼刑事に中村雅俊、神坂刑事に片平なぎさ、立野刑事に岡本富士太、海原刑事に高岡健二、そして現場を仕切るベテランの梶警部に緒形拳!というレギュラーメンバーで番組はスタート。

この第1話はさらにセミレギュラーの沢井空港長として池部良、ゲストの警察庁幹部として天知茂、空港警察幹部として稲葉義男、空港職員として氏家修、そして海外逃亡を謀る指名手配犯として中尾彬まで加わるという豪華絢爛ぶり!

この顔ぶれを眺めてるだけで楽しくなるし、いぶし銀の演技を見てるだけで感銘を受けずにいられません。いや~渋い! 実に渋い! ザッツ・昭和!



特に、かつて日本軍の特攻隊で「同期の桜」だったという、加賀チーフと沢井空港長の会話が昭和そのもの!

例えば、犯人逮捕を優先したい特捜部と、乗客の安全こそが最優先の空港側が対立した時、それぞれのリーダーである二人がこんな会話を交わすワケです。

「俺とお前はむかし最前線で一緒に戦った仲だ。この空港も犯罪にとっちゃ最前線なんだぞ?」

「空港は戦場じゃないよ、平和と文明の交差点だ!」

「それを護るために戦いが必要だってことが貴様には分からんのか!」

そして捜査が行き詰まったり、犠牲者を出してしまった時なんかに、行き交う飛行機を眺めながらこんな会話を交わすんです。

「進んだもんだなあ。俺たちが青春を賭けた飛行機……あの頃は国と国とが戦う道具だったのが、今じゃ国と国とを結ぶ橋だ」

「…………」

「俺はな、つらい時、苦しい時、考えが詰まった時……いつも飛行機を見るんだ。すると全てを忘れる」

「……昔は、人間が操縦した。今じゃ全てボタンで安全に操縦できる」

「少しは俺たちも、この文明の進歩に役立って来たんじゃないかな? 俺はいつもそう思いながら、此処からあのでっかいヤツを見ているんだ」

鶴田浩二さんが実際に「特攻崩れ」だったのは有名な話だし、池部良さんも陸軍の生き残りという、両者のプロフィールが活かされてるワケです。

今やこんなセリフを実感こめて言える役者さんはいないし、言ったところで共感できる視聴者もほとんどいない。ザッツ・昭和! 良くも悪くも……


第1話では、強盗殺人を犯して国外逃亡を謀る中尾彬を阻止すべく、特捜部が空港内を全力でパトロール。困った彬は沢井空港長の愛娘を誘拐し、その生命と引き換えに海外便への搭乗を見逃すよう要求して来ます。

これが平成や令和のドラマなら、空港側は彬の要求を呑む以外に道が無い、呑まなきゃ我々視聴者が許さないワケだけど、昭和は違いますw

「私は空港長だ。国から与えられた任務だ。どんな事態が起ころうと職権を利用することは出来ん!」

つまり空港長は、我が娘の生命よりも職務を優先しちゃう!

「あなた、それでも親ですかっ!?」と妻に責められても空港長は意志を曲げず、加賀チーフにこう言うのでした。

「娘はどうなってもいい、ヤツを捕まえてくれ!」

悪役でもなければ今回かぎりのゲストでもない、セミレギュラーの重要人物がこんなセリフを吐いたら、現在なら間違いなく「大炎上」ですよねw だけど昭和は……いや、1970年代までは、これが働く男の美徳だったんです。

で、加賀チーフは彬の要求を呑みつつ、便が飛び立つ前に人質を救出すべく特捜部を指揮します。

そして彬の愛人が人質を監禁してる場所を突き止める為、システムトラブルを装って空港を緊急閉鎖! 彬がその真偽を確かめようとして、TVニュースを観てる愛人に公衆電話で連絡する、その手元を港内の監視カメラでズームアップし、電話番号を読み取るというイチかバチかの賭けに出るのでした。さすが元カミカゼ!

もちろん、フライト時刻ぎりぎりで人質救出を成功させたチーフは、いよいよ便に乗り込もうとする彬の手首に無情の手錠を叩き込みます。まだ携帯電話が存在しない、昭和という時代ならではのサスペンスでこれは見応えありました。

しかしそれにしても、準主役の空港長が「娘はどうなってもいい!」ですよw これが現在なら娘も妻も「あなたを一生許さない!」って言いそうだけど、'70年代は違います。救出された娘は涙を流しながら「お父様、お母様……怖かったけど、もう大丈夫よ。安心して」と笑顔を見せ、空港長はひとこと「良かった」ってw 先に土下座して謝りなはれ!w

良くも悪くもザッツ・昭和! 『太陽にほえろ!』でも'70年代は山さん(露口 茂)や長さん(下川辰平)が家族より職務を優先し、家族もそれを受け入れ、じっと我慢するのが美徳として描かれてました。

ところが'80年代になってから『太陽~』に登場したトシさん(地井武男)の場合、小学生の息子をオトリ捜査に利用したせいで「私はあなたを許しません!」と奥さんにキレられ、関係を修復出来ないまま離婚しちゃうという、対照的な描き方をされてました。世の中の価値観が変わった……というより、女性が本音を言える時代になったって事でしょう。

そんなワケで、色んな意味で昭和という時代を、他の番組よりも強く色濃く感じさせる『大空港』第1話でした。

セクシーショットは、いつになくボインぼよよんなファッションで登場された、神坂刑事役の片平なぎささん。『ゆうひが丘の総理大臣』の中村雅俊さんとここで共演し、後に『あさひが丘の大統領』でタックル先生を演じられるワケです。


 

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『太陽にほえろ!』#433

2021-07-05 21:21:15 | 刑事ドラマ'80年代






 
☆第433話『金髪のジェニー』(1980.11.21.OA/脚本=柏原寛司/監督=高瀬昌弘)

ゴリさん(竜 雷太)が、夜の酒場で聞き覚えある歌声を聴いてハッとします。

「源さん!」

かつて何度か捕まえ、面倒を見てきた窃盗常習犯の源次(梅津 栄)が、周りの迷惑もどこ吹く風でスティーブン・フォスターの『金髪のジェニー』を熱唱してるのでした。

1ヶ月前に出所したばかりの源次は、長い間会えなかった娘とやっと会えたし、もう足を洗ってマジメに生きていくんだとゴリさんには言うんだけど、嘘っぽいですw

「旦那だけだね……わしのことを心配して下さるのは」

とはいえ娘を想う気持ちだけは本当らしく、彼女が幼い頃によく唄ってたという『金髪のジェニー』を再び口ずさみながら、また夜の街へと消えていく源次なのでした。

もちろん、そんな時は翌朝、源次が溺死体となって発見されちゃうのがお約束。

ショックを受けつつ他殺と直感したゴリさんは、横浜でホステスとして働く源次の娘=ユミ(竹田かほり)に会いに行きます。なぜ横浜かと言えば、柏原寛司さんの脚本だからですw

ところが! ゴリさんの眼の前でユミが二人組の男にさらわれそうになり、駆けつけると彼らは黒塗りの外車で逃走! 源次がまた犯罪と関わってたのは間違いなさそうです。

しかし助けてもらったにも関わらず、ヤンキー気質のユミはゴリさんに礼も言わず、源次が亡くなったと聞いても動じません。

どうしょうもないロクデナシで、父親らしいことは何もしてくれなかった源次を「父親だなんて思ったことは一度もない」と言いきるユミは、彼が殺された理由を知りたがるゴリさんにこんな言葉を浴びせます。

「アンタと会ってたからじゃないの?」

「え?」

「アンタとあの人が会って、そのあと殺されたんでしょ? 警察にタレ込んだと思われたんじゃないの?」

「…………」

「それなら、オヤジ殺したのアンタみたいなもんね」

「!!」



目撃者の証言とゴリさんの記憶により、ユミを襲った外車は「海盛物産」の社用車であることが判るんだけど、社の幹部たち(小倉雄三、北川欽三)は「車を盗まれて被害届を出したばかりなんですよ」と、事件への関与を否定します。

が、海盛物産には以前からヘロイン密輸の黒い噂があり、恐らく源次はそこへ盗みに入って、ヘロインを持ち帰ったせいで殺された。娘のユミまで襲われたのは、そのヘロインがまだ見つかってないからだろうと藤堂チームは推理します。



やんちゃなユミは、源次から何も受け取ってないにも関わらず、カマをかけて海盛物産と取引しようとします。

「売ってやろうかと思ってね。オヤジの遺産」

それで1千万円を要求するんだけど、連中が探してるブツは5千万以上の値がつくヘロインなもんで、カマをかけたことが速攻でバレちゃって絶体絶命!

もちろん、間一髪のところでゴリさんたちが駆けつけ、まずは怒りのゴリパンチ108連発でフルボッコ!

さらにCOLTトルーパー6インチからS&W M29(44マグナム)8インチに乗り換えたスコッチ(沖 雅也)による問答無用のマグナム弾が炸裂!

おまけに毛むくじゃらの大男と運動靴の大男による容赦ないリンチまで加わり、悪党どもは死ぬ一歩手前で刑務所へと送られるのでした。こんな物騒な警察にだけは追われたくないもんですw

「オヤジさんの気持ちも解ってやれよ。酔うといつも『金髪のジェニー』唄ってたんだぜ? よっぽどキミが可愛かったんだな」

「そんな歌……私には関係ないもん」

さすがに懲りたかと思いきや、ユミは相変わらず突っ張った態度を崩しません。

「やり過ぎだよ。何も無いのにアイツらをユスるなんて!」

新婚のロッキー(木之元 亮)が顔を毛むくじゃらにして叱っても、ダサくて古臭いもんだからユミには通じません。

「オヤジだってやったのよ? 殺されなかった私の方が上手じゃない」

「なんてこと言うんだキミは!」

そんなユミの分厚い鎧を脱がせたのは誰あろう、もうこの世にはいない父親の源次でした。ユミのアパートに届いた小包を開けてみると、出てきたのは『金髪のジェニー』のメロディを奏でるオルゴール。

その内部を調べると案の定、ヘロインが隠されてはいたんだけど、源次はそれを知らなかったに違いありません。ゴリさんは全てを察します。

「源さんは、ヤツらをユスろうと思ってこいつを盗んだんじゃない。ただキミにプレゼントしたくて盗んだんだ」

「…………」

「これはね、源さんからキミへの最初のプレゼントだ。そして……最後のプレゼントだよ」

「…………」

たかがオルゴールを買うカネぐらい自分で稼げよ!と内心ツッコミながらw、初めて父親らしいことをして死んでったオヤジを想い、ようやくユミは優しい涙を流すのでした。



よくあるパターンのお話で、作品の良し悪しは全てゲストの女優さんに懸かって来るんだけど、竹田かほりさんなら文句なし。おそらく柏原寛司さんは竹田さんを想定して脚本を書かれただろうし、そもそも竹田さんが呼ばれたのも柏原さんのリクエストだったんじゃないでしょうか?

前述の通り横浜が舞台になるのも柏原脚本のお約束だし、神奈川県警の刑事が「水原」って名前なのも柏原さん流のお遊びに違いありません。(水原は横浜舞台の『大追跡』『プロハンター』における藤竜也さんの役名。今回の水原は藤さんに似ても似つかぬ普通のオジサンだけどw)

また、ゴリさんの相棒役を務めたロッキーの家庭事情(新妻の令子さんが妊娠中)も随所で語られ、「うちの令子が」「令子が」とロッキーがまるで「うちのカミさんが」のコロンボ刑事みたいになって来て存在感を増してるのも見所の1つ。結婚してほんとに良かったね、ロッキーw

にっかつロマンポルノ『桃尻娘』シリーズで知られる竹田かほりさんは、#368『事件の背景』に続く二度目の『太陽にほえろ!』ご登場で、今回の#433との間に松田優作さんの『探偵物語』にレギュラー出演されてました。

刑事ドラマは他に『Gメン'75』『大空港』『爆走!ドーベルマン刑事』等にゲスト出演。中でも『Gメン~』は計7回のご登場でほぼセミレギュラー扱い。宮内淳さんの『探偵同盟』にもレギュラー出演されてたし、我々にはとても馴染み深い女優さんでした。

が、'82年に甲斐バンドの甲斐よしひろさんと結婚され、潔く芸能界を引退。ちなみに甲斐さんは『太陽~』の新人刑事役をオファーされたけど断ってやったぜ!とラジオ番組か何かで自慢されてたそうだけど、真偽は怪しいもんです。


 

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『太陽にほえろ!』#430

2021-07-04 18:50:04 | 刑事ドラマ'80年代




 
☆第430話『東京大追跡』(1980.10.31.OA/脚本=小川英&四十物光男/監督=鈴木一平)

スニーカー(山下真司)を中心に、刑事たちが東京の街をひたすら駆け巡るシンプルなアクション編。私はこういう作品こそが観たいんです! 謎解きなんかもういらんっ!! 人情などクソ食らえっ!! 走れ! 殴れ! 撃て! チョメチョメーッ!!!!

スニーカーが城北署で指名手配されてた傷害犯=角田(真田英明)を七曲署管内で逮捕し、城北署の刑事たち(柄沢英二、関川慎二)と一緒に護送することになります。

ところがその途中、金融会社が拳銃を持った賊に襲撃されてるという連絡が入り、ちょうどその近くを通ってたスニーカーは、城北署の刑事たちの制止も聞かず緊急逮捕に向かい、街中で銃撃戦をおっ始めちゃいます。

で、賊はみごとに押さえたんだけど、そのスキに角田が城北署の刑事から拳銃を奪い、逃走してしまう! えらいこっちゃ!

「キミが余計なことするからだ! キミが悪い! キミの責任だ! ああキミたちがいてボクがいる!」という城北署連中の罵声を背に受けながら、スニーカーは野に放たれた野獣を追い、東京の街をひたすら疾走するのでした。

ところが協力を求めたタクシーの運転手は、日頃の取り締まりで警察を恨んでるのか「ここは20キロ以上出しちゃダメなんでしょ?」とか言ってスピードを出してくれない。その気持ちは解らなくもありませんw

次に協力を頼んだダンプカーの運転手は、ここぞとばかりに街中を暴走し、日頃のストレスを発散するもんだから危なっかしくて仕方がない。

かくも都民たちの協力を得られないどころか度重なる妨害に遭い、あえなくスニーカーは角田を取り逃がしちゃいます。

最初に逮捕した時、取調室で角田は「東京は怖い街だ」と呟いてました。調べると、彼は青森から上京して来た労働者で本来はおとなしい性格なのに、何度も人に騙され蹂躙されて、どうやら自暴自棄になってるらしい。

かつて沖縄から上京し、同じような眼に遭ってヤケになってた時にボン(宮内 淳)と出逢い、七曲署の刑事になったお陰で充実した日々を送ってるスニーカーは、同じ地方出身者の角田に同情します。

「東京は人を変えるんですよ。俺も東京に出てきた時、本当に恐い街だと思いました」

九州出身のゴリさん(竜 雷太)に、スニーカーは本音を吐露します。

「俺も七曲署に入らなかったら、今頃どうなってたか……でも角田には、七曲署が無かったんです」



角田が奪ったと思われる盗難車が発見され、刑事たちが追跡します。この時、ずっと洋モクをくわえたまま覆面パトカーをかっ飛ばし、箱乗りして拳銃を構えるスコッチ刑事(沖 雅也)が超絶カッコいい!! 隣にいるロッキー(木之元 亮)のダサさが絶妙にそれを引き立てますw

結局、盗難車を運転してたのは角田とは別人であることが判り、スニーカーは焦りを募らせます。角田はまだ、人を殺してない。そうなる前に何としてでも捕まえまいと!



角田が浜松町で発見され、警官を負傷させてさらに逃走! スニーカーは、青森の漁港に似た日の出桟橋あたりを、角田が水上バスからよく眺めてたらしいことを思い出し、乗り場へと向かいます。

間一髪、角田を乗せた水上バスが入れ違いに出航してしまい、スニーカーは幅狭い防波堤の上を全力疾走! そして浅草橋から下を通過する水上バスへと決死のダイビング! これが本当の刑事ドラマだ分かったか!



しかし、スニーカーが迫って来たことで角田はさらに逆上し、他の乗客たちに銃口を向けてしまう! もはや制止は不可能! 次の瞬間、スニーカーのCOLTパイソン4インチが火を放ち、角田のどてっ腹を357マグナム弾が貫きます。

初めての射殺はいつも、そのとき主人公が一番殺したくないヤツが相手という、七曲署の伝統をついにスニーカーも実践しちゃいました。

やるせない想いを背負い、またもや刑事を辞めることを考えながら並木道を歩くスニーカーに、ボス(石原裕次郎)が声をかけます。

「確かに都会は恐い。だから俺たちがいるんじゃないか?」



私自身、高校を卒業してから大学進学を諦めるまでの2年間と、のちに映像業界で働いた約3年間、東京に住んでましたけど、特に東京が恐いっていうイメージは抱いてません。生まれ故郷の布施(東大阪)の方がよっぽどガラが悪くて恐かったw

どこにいようが恐いのは人間という生きものであり、それがこの国で最も密集する場所が東京だから恐い、ってことでしょうね。

「大都会の孤独」ってテーマも『太陽にほえろ!』でよく描かれるけど、それも人間が密集する場所だからこそ感じる痛みでしょう。

私は1人でいるぶんにはちっとも淋しくないけど、集団の中にいると疎外感でいたたまれなくなります。今回の犯人もきっとそういうタイプで、そんな人は都会に住まない方が良いだろうと思います。私が現在「ひとりが一番」なんて言ってられるのも、田舎に住んでるお陰かも知れません。

私にとっての東京は、映画館やホビーショップ、風俗店などがいっぱいあって便利な街、そして芸能人やロケ現場をよく見かけるから嬉しい街っていう、ただそれだけのもんです。

人混みを歩いてると、すれ違う人がみんな肩肘張ってる感じがして、そういうのが「しょーもない」し「バカみたいやな」とは思ってました。みんな必死なのは解るけど、そんなに突っ張らんでもええやんって。

だから、また行きたいとは全く思いません。行ったところで『太陽にほえろ!』のロケはもうやってないですからね。(最初に住んだ2年間、『太陽~』のロケと2度、偶然出くわした時はなんて素晴らしい街だ!と思いましたw)
 

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『IP/サイバー捜査班』2021

2021-07-03 12:12:25 | 刑事ドラマ HISTORY








 
2021年夏シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜8時「木曜ミステリー」枠でスタートした、テレビ朝日&東映の制作による京都を舞台にした刑事ドラマ。

スマートフォンやリモートワークの普及により、サイバー犯罪も増加の一途を辿る現状に対応すべく、京都府警が新たに設立した部署「サイバー総合事犯係」メンバーたちの活躍が描かれます。

「0か1で割り切れない感情に固執するのは時間のムダ」というワケの分からない持論をぶつ「超デジタル人間」の主任=安洛一誠(やすみや いっせい)に、佐々木蔵之介。

新たに配属された新米刑事で、自分がもしかすると亡き母親と安洛がチョメチョメして生まれた娘じゃないかと疑い、それを確かめたくて刑事になった女=古宮山絆(こみやま きずな)に、福原遥。

そしてプロファイリング担当でやたら腰の低い係長=平塚に杉本哲太、鑑識課出身で映像解析を担当する川瀬に堀内敬子、安洛を監視する密命を受けた元捜査一課の刑事=多和田に間宮祥太郎、サイバーパトロール担当のオタク刑事=岡林に吉村界人が扮するほか、高畑淳子、中川知香、金山一彦、押尾佑、国木田かっぱ、升毅etc…といった俳優陣が脇を固めてます。

芸達者なキャストが揃い、初期の『相棒』や『科捜研の女』を支えられた戸田山雅司さんがメインライターとなれば、ミステリードラマとしてのクオリティーは保障されたようなもの。実際「ミステリードラマとしては」普通に楽しめました。

……が! この前さんざん苦言を呈した香取慎吾くんの刑事ドラマ『アノニマス/警視庁“指殺人”対策室』とめっちゃよく似てるんですよねw

と言うより、これまで放映されて来た全ての刑事ドラマと「ここが違う!」っていうポイントが、主人公がいつも羽織姿だったりシンキングタイムにお茶を煎じたりすること(いかにも京都を意識して取ってつけたルーティン)を除けば、何ひとつ無いんですよね。

一匹狼でやさぐれた主人公といい、物語を引っ張る元気な女性刑事といい、上層部からの密命を背負ったイケメン刑事といい、あまりに無能な捜査一課や二課の刑事たちといい、その連中からいつも揶揄され差別されてる主役チームの在り方といい、やけにオシャレな刑事部屋のセットといい、杉本哲太さんや升毅さんに至るまで、もう見飽きたなんて言葉じゃ言い足りない、定番中の定番設定ばかりです。

これはもう、明らかに、わざとそうしてるんですよね。そうせざるを得ない何かがあるんでしょう。上に書いたようなレシピをきっちり押さえないと番組を創らせてもらえない、しがらみのようなもんが業界に蔓延してるとしか思えません。

だって、クリエイターなら誰だって、みんながやって来たのと同じことだけは絶対やりたくない筈なんです。

違うのかなあ? 昨今のクリエイターたちはもう、何か新しいもの、自分にしか創れない作品を生み出したい!なんて野望は、いっさい抱いてないのかなあ? そんなことってあり得るの?

じゃあキミたちは一体、何のためにクリエイターになったの? ずば抜けてハードな職場でフラフラになりながら働く、キミたちのモチベーションって一体どっから湧いて来るの? ああキミたちがいてボクがいる。

……って、言ってやりたくなるんだけど、彼らも「ちゃんとレシピ通りにやらないとどうなるか、分かってるよな?」とか「可愛い娘さんがいるんだねぇ、うひひのひ」とかって、上から脅されて仕方なくやってるのかも知れません。そうでも思わないと私は見てられない!

それともう1つ大いに気になったのが、佐々木蔵之介さんのくっさい芝居。あれじゃ『アノニマス』の香取くんの方がよっぽど自然に感じちゃう!←相当クサいってことですw

まるでアニメみたいな台詞回し、って書くと声優さんに失礼だけど、人物の感情を絵で表現するには限界があるから、アニメキャラの台詞回しがオーバーになるのは仕方がない。

けど、それを実写で生身の俳優さんがやっちゃうと、クドいし、そんな喋り方する人間はこの世におらんやろ!って、少なくとも私は感じてしまう。誰か「蔵之介さん、それはちょっと」って注意してあげられる人はいないんでしょうか? もはやそんなことも許されない空気になっちゃってるの?

現行の刑事ドラマで私が一番好きな『警視庁・捜査一課長』シリーズは、ミステリーとしては凡庸かも知れないけど、そのぶん設定や世界観がすこぶるユニークだし、主人公(内藤剛志さん)の芝居もあくまで自然体で、この『IP』や『アノニマス』とは何から何まで対照的。

それを単なる「好みの違い」だけで片付けちゃって良いんでしょうか? 最近、新番組のレビューが全部おんなじ愚痴になっちゃってるのって、相当ヤバい状況だと思うんだけど、世間の人たちは何とも感じてないのかな? 謎解きさえ楽しめりゃ後はどうでもいいんでしょうか?

私にとって唯一の見所は、ヒロイン=福原遥さんのハツラツとした演技だけ……って、これも『アノニマス』の時(あっちは関水渚さん)と一言一句変わらんし!(金髪チャラ男のイメージが強い吉村界人くんのオタク役も新鮮だけど)

ヤバいよヤバいよ、本当にヤバいよ。TVドラマが本格的にヤバくなって来たよ! あ、ヤバいって、今は褒め言葉なんでしたっけ? なんて世の中だ!

破滅です。……って言い続けて苦節ウン十数年w 底無しですね。


 

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