ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「ジーパン、インディ、そしてマグナム」

2021-12-17 00:30:07 | コレクション

MGCモデルガンの「ハイウェイパトロールマン41(略してハイパト)」は『太陽にほえろ!』が放映スタートしたのと同じ1972年に発売されました。日本におけるプラスチック製モデルガン第2号、リボルバーとしては初の製品です。

それだけに『太陽〜』をはじめとするアクションドラマや映画で引っ張りだことなり、それを観た男の子たちがみんな飛びついて商品としても大ヒット。

ただし、私が持ってるのは実はハイパトじゃなくて、本来なら357マグナム弾を使うハイパトのフレームに44マグナム(S&W M29)のシリンダーを組み合わせてリニューアルされた「ヘビーマグナム」であり、しかも友人から譲り受けたもの。

私が自分でモデルガンを買える年齢になった頃、MGCハイパトはすでに絶版品だったし、刑事ドラマの拳銃と言えばCOLTローマンMk-IIIの時代でしたから、さして興味も無かったんですね。

ところが今、あらためて見るとすこぶるカッコいい! 3.5インチっていう小ぶりなサイズが如何にもポリス仕様だし、やっぱり何と言ってもマカロニ(萩原健一)やジーパン(松田優作)が愛用したリボルバーですから。



で、私のハイパトならぬ「ヘビーマグナム」には、コクサイ製・旧ハイパト用の黒いプラグリップが付いてます。(MGC純正のグリップは茶色)

なんとなく、このテカテカと黒光りするグリップに郷愁みたいなものを感じて、コクサイの旧ハイパトをネットオークションで探してたら、グリップだけ単体で出品されてたから「よっしゃ、これだ!」と。

旧ハイパトはコクサイが「リボルバーのコクサイ」と呼ばれるほどハイクオリティーな製品を連発するようになる前、MGCのコピー製品ばっか造ってた頃のモデルガンだから、きっとグリップのサイズも同じに違いない!と思って買ったら案の定ピッタリでしたw

若干のグラつきはあったけど、試しにグリップアダプター(コクサイのKフレーム用)を差し込んだらそれも解決。カートリッジもコクサイの44マグナム弾を入れてるし、まさにMGC&コクサイのハイブリッドモデルガン! それがどうした!?



で、コクサイが「リボルバーのコクサイ」と呼ばれるようになった’80年代に完全新規設計でリリースされたのが、NEWハイウェイパトロールマンことS&W M28の4インチと6インチ。私が持ってるのは画像上の4インチです。

実銃のM28に3.5インチは存在しないそうで、MGCのハイパトは(そしてコクサイの旧ハイパトも)あくまで架空のリボルバーって事になります。



↑旧ハイパトとは比べものにならないほど、外観も内部メカも格段にリアルになったコクサイのNEWハイパト。私が持ってるのは’90年代にリバイバル発売されたもので、パックマイヤー風のラバーグリップが標準装備されてたけど、アルタモントの木製グリップに付け替えてあります。

アルタモントのグリップはオリジナルよりも細めに作られており、私みたいに手の小さい人にオススメ。とても握り易いです。木目やチェッカリングもなんだかエレガントで、もしかすると女性向けに作られたグリップなのかも知れません。



↑これは近年になってタナカ・ワークス社から発売されたモデルガン「S&W M1917・6.5インチ」ヘビーウェイト・バージョン。

『太陽にほえろ!』でジーパン刑事が任期後半で愛用した架空のリボルバー「SWミリタリーポリス22口径 (通称ジーパンカスタム)」に、市販されてるモデルガンの中だと一番シルエットが近いんじゃないかと思って買いました。

ジーパンカスタムは恐らくS&W M10ミリタリー&ポリスをイメージして造られたと思うんだけど、ベースがMGCハイパトだからフレームのサイズがM10よりひと回り大きい。このM1917はハイパトと同じサイズの「Nフレーム」の拳銃なんです。(M10はKフレーム)

M1917の銃身は5.5インチと6.5インチの2種があり、ジーパンカスタムの銃身は恐らく6インチ。ちょっと長い方か短い方か、どっちを選ぶかさんざん迷ったけど、長い方が劇中のイメージに近いと私は感じたので6.5インチにしました。



M1917は第一次世界大戦の末期、アメリカ軍の制式拳銃である45オート=COLTガバメントM1911の数が不足し、それ用の弾丸(.45ACP)をそのまま使えるリボルバーとして開発されたそうです。

で、この6.5インチのM1917はイギリス軍仕様で.455ウェブリーと呼ばれる弾丸が使われてた。これもオートマチック用の弾丸だから、リボルバーに使われる通常のカートリッジより短いワケです。なんてマニアックな話なんでしょうw



↑そして同じタナカ・ワークス製のABS製モデルガン、M1917の4インチ・カスタム。なぜ「カスタム」と呼ばれるかと言えば、とある映画用にアレンジされたプロップGUNを再現したモデルだから。(実銃のM1917に4インチは存在しないようです)

その映画とは、スティーブン・スピルバーグ監督の『レイダース/失われたアーク』、主人公=インディアナ・ジョーンズ博士を演じたのは勿論、我らがハリソン・フォード!

私がタナカ製のS&W系リボルバーを買ったのは、実はこれが最初。発売された頃 (約10年前)、私はマジンガーZのフィギュア集めに凝ってたもんでモデルガン熱は冷めてたんだけど、インディの愛用銃が商品化されたと聞けばスルー出来ませんでした。

で、買ってそのクオリティーの高さに驚愕。さっきご紹介したMGCヘビーマグナムとは大違い!w そりゃあ発売時期に30年以上の開きがありますから、技術は格段に進歩してるワケです。



モデルガンを買ってそれが気に入ると、木製グリップやらホルスターやらも買わずにいられないワケです。画像に写ってる本革ホルスターは、MGCのリボルバーが(発売当時の価格なら)2〜3挺買えちゃう値段だけどw、これもインディが使ったのと同じ型と聞いて、つい……

木グリの手触り、革ホルスターの匂いや軋む音なんかもひっくるめて銃の魅力なんですよね。



↑「Nフレーム」繋がりで、我が家にある44マグナム・リボルバーも紹介させて下さい。これはMGCのABS製モデルガン、S&W M29の4インチ。

M29はご存知『ダーティハリー』シリーズで世界一有名になった「(当時)世界一強力なハンドガン」で、MGC社がハイパトのフレームを流用して製造&発売したこのモデルガンも大ヒット。昭和のガンマニアなら誰でも一度は手にした筈です。

一番メジャーなのはやっぱり『ダーティハリー』で使われた6インチ(6.5インチ?)でしょうけど、この4インチもドラマ『大激闘』でマッドポリスの制式拳銃として使われたり、『太陽にほえろ!』でボギー刑事(世良公則)が、『あぶない刑事』シリーズで町田刑事(仲村トオル)が愛用して強い印象を残してます。



M29は後にコクサイ社やタナカ・ワークス社がもっと(そりゃもう比較にならないほど)ハイクオリティーなモデルガンを出してるけど、この4インチだけはマッドポリスが使ってた「MGCの44マグナム」がどうしても欲しくなり、ネットオークションでほぼ新品に近い中古を見つけて購入しました。

やっぱり、真っ黒でテカテカ光ってるのが好きなんです。昭和のアクションドラマで活躍した真っ黒でテカテカ光ってるモデルガンこそが、私にとっての「リアルな拳銃」だから。



↑コクサイ社のABS製モデルガン・NEW M29 44マグナムの6インチ。これも’90年代にリバイバル発売された製品です。コクサイは後にヘビーウェイトや金属モデルのM29もリリースしてますが、さすがにこのサイズだと私の手には重すぎるので、今はABSのしか持ってません。



しかしやっぱり、つくづくカッコいい拳銃ですよね。バランス的にはこの6インチが一番しっくり来ます。日本の刑事ドラマでは『俺たちの勲章』で松田優作さん、『華麗なる刑事』で草刈正雄さん、『爆走!ドーベルマン刑事』で黒沢年雄さん、『警視庁殺人課』で菅原文太さん等が6インチを愛用されてました。



↑コクサイ「ニュー・コンセプト・モデルガン」シリーズのM29、8+3/8インチのABSスタンダードモデル。私が持ってる中で最も銃身の長いリボルバーです。グリップはS&W社純正のサービスサイズに換えてあります。

8+3/8インチの44マグナムは『大都会PART III』と『西部警察』で寺尾聰さんが、『太陽にほえろ!』で沖雅也さんと又野誠治さんが、いずれもMGCのを愛用されてました。映画『最も危険な遊戯』シリーズでも松田優作さんが使ってましたね。



↑『西部警察PART II』で三浦友和さんがいきなり使い始めて我々の度肝を抜いた、極太バレルの44マグナム「PPCカスタム」。少し遅れて『太陽にほえろ!』でもブルース刑事(又野誠治)が愛用しました。

テレビで使われてたのはMGC製だけど、私が持ってるのはコクサイ製のM29 PPCカスタム「SATAN」6インチ。完成品より安価な組み立てキットを買って自分で作りました。

このモデルはバレルの下にもウェイトが付くんだけど、あまりにゴツ過ぎるし重すぎるので私は外しました。



↑知り合いから譲り受けた、同じくコクサイ製のM29 PPCカスタム「DEVIL」6インチ。これもバレル下部のウェイトを外してあります。

丸いバレルのSATANは大砲みたいで迫力満点だけど、フラットサイド・バレルのDEVILはよりスタイリッシュに見えて格好良く、私はこっちの方が好きです。気に入ったし、けっこう傷だらけだったので自分で塗装しました。



PPCカスタムっていうのは競技射撃用にアレンジされたリボルバーで、発砲時の反動を抑える=フロントをより重くする為にバレルを太くしてあるワケです。

実銃の世界ではKフレーム(M19 357マグナム)のPPCカスタムしか存在しないらしく、テレビで使われた44マグナムやCOLTパイソンのPPCカスタムは、MGCハイパトやジーパンカスタムと同じで架空のピストルなんですね。



↑最後にご紹介するのはモデルガンではなく、マルシン社製のエアーソフトガン(8㎜Xカートリッジ仕様のガスリボルバー)トーラス・レイジングブル44マグナムの6.5インチ。

トーラスはブラジルの銃器メーカーだけど現在はS&Wの系列会社らしく、このレイジングブルも内部メカはS&W製リボルバーのパクリみたいだけど、バレルのデザインがなかなか独創的で気に入りました。

広末涼子さんが出演されたフランス映画『WASABI』でジャン・レノ扮する刑事が使ってたけど、日本じゃいまいちマイナーな拳銃。マルシンさん、よくぞ製品化してくれました!

マルシン製ガスリボルバーはグリップにガスを注入するタイプなので、シリンダーに真鍮のカートリッジを入れるモデルガン同様の操作が楽しめる点でも高ポイント。

スナブノーズ拳銃も良いけど、ごっついマグナム拳銃もやっぱカッコいいですよね!


 


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7 コメント

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Unknown (kawakami(偽者))
2021-12-17 07:14:34
ハイパトM28は高級品のM27の廉価版なので4と6inしかないですけど
ほぼ同型のM27は3.5inもあるので
満更架空の銃というわけでもないです
おっさんの昔語りですが
ハイパトはさすがにリアルタイムではないんですが
MGCがモデルガンシューティングシステムを売り出したときの付属の銃がハイパトでした
シリンダーとカートは従来のピーメ用カートから
44マグナム用になってましたけど
ハイパトは80年代にはカタログから落ちていたみたいですけど
御徒町のMGCサービス部へいって
ハイパトありますか
って聞くと
うらから、埃だらけの箱を持ってきてくれていたそうです
新宿五丁目のモデルガン愛好家協会事務所で
そんな話を聞いたのは40年近く前ですかね(笑)
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Unknown (harrison2018)
2021-12-17 12:07:00
いい話ですねw 昨今はGUNショップがどんどん店じまいしてしまい、さらにコロナですからモデルガンを買うにしてもネット通販になりがち。絶版モデルを倉庫から持って来てくれるなんて、ホントに人の温かみを感じるいい話です。

モデルガンのシューティングシステム、ありましたね。確かシューターワンと呼ばれてました。火薬の光に反応してターゲットが倒れるという。当時ジワジワと市場を広げて来たエアガンに対抗したみたいだけど、流行りませんでしたね。
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Unknown (1938goo)
2021-12-18 08:43:50
今回も素晴らしいコレクション、眼福です。ありがとうございます。
ハイパトは無骨なところが格好良いです。日本人には大き過ぎるのでしょうが…。

「ダーティハリー」を観た少年のぼくはM29(コクサイ6.5インチ)が欲しくて欲しくて、叔父さんにダダをこねて買ってもらいました。蒸気機関車に例えるとC62のような格好良さで、最強の冠が外されたとしても美しい拳銃だと思います。
ぼくの手には大きすぎて(今も)、もちろんスクリーンの中のキャラハン刑事のようにはなりません。映画やパンフレットを繰り返し見て、イーストウッドの真似をしようと頑張りましたw。

インディの銃があるとは知りませんでした。使おうと思ってホルスターを探ると落としていたり、円月刀の大男とムチで大立ち回りするのかと思いきや、ズドン…と印象深い銃です。あのシーンは大立ち回りを撮るはずが、ハリソンフォードの体調が良くなく、ああなったと聞きました。

45ACP使用の軍用リボルバーはシリンダーばかり大きく、均整の取れたマグナムリボルバーを見慣れた目には格好悪く思えました。今ではその無骨さが魅力に感じますから勝手なものです。

ぼくの地元にも昔ながらのモデルガン屋が残っていますが、ほの暗い垢抜けしない感じが良いですよね。御徒町のサバゲーショップに行ったら店内は明るくオシャレな感じで、「こうじゃないんだ」と思ってしまいましたw。
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Unknown (harrison2018)
2021-12-18 12:05:57
ガンショップとアダルトショップは薄暗くないとダメですよねw

大口径マグナムは大きすぎるのが難点だけど、あの格好良さは大きいからこそなんでしょうね。357マグナムも格好良いけど、44マグナムみたいな迫力はやっぱり感じない。

クリント・イーストウッドもハリソン・フォードも大きいからこそ格好良い。ほんと悔しいですw
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ハイパト素晴らしい! (ジャッキ―)
2022-12-04 19:43:23
素晴らしいコレクションです。
特にハイパトw
タナカに最も作って欲しい鉄砲です。
しかも357Mag次元仕様でw(M27か)
細くなったバレルがたまりません。よだれもんですw
中学生の時にダーティーハリーに憧れて、M29-6.5インチを買って学校に持っていくと、友人はハイパトなので当時は優越感に浸ってましたが、今となってハイパトの稀少価値は桁違いです。
ガキの頃は自分もダーティーハリーになったつもりでしたが、歳とって現実がわかってくるとハイパトの方がいいなって思えます。
当時のMGCは、小遣いで買うガキに優しい鉄砲やでしたね。
すげぇ荒く遊んでも壊れずに作動してました。
あと、宮武のブローバックオートマグをマルイで出せば・・・(絶対に無いなw)
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Unknown (harrison2018)
2022-12-04 21:09:42
M27はリバティチーフを出したA!CTION社が新作ラインナップに挙げてますね。4インチらしいけど、MGCハイパトと同じ3.5インチもぜひ出して欲しいです。

MGCのモデルガンは本当に頑丈で、ハイパトもローマンも、発売から50年近く経った今でも快調に動きます。タナカの最新技術も素晴らしいけど、壊れないMGCがやっぱり一番ですね。
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確かに (ジャッキ―)
2022-12-05 00:43:02
A!CTIONは、5万円以上にはなるでしょう。無理ですねw
今は3万超えはきついですw
ものは素晴らしいのでしょうね。
ローマンもいいですね。2インチってのが今となっては最高です。
タナカもM10の2インチ出せば売れると思うのに。
壊れないでバンバン撃てるって最高です。
それと私も最近は4インチでも長すぎて3インチくらいがちょうどよく感じます。
Nフレームなんで3.5インチはいいですね。
またCAWでローマン再版してくれないかな。HWで。
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