








1968年に公開された、東宝製作、本多猪四郎&有川貞昌 監督による日本映画。昭和『ゴジラ』シリーズの第9弾です。
近未来の1994年w、小笠原諸島に設けられた「怪獣ランド」に集められ、言わば飼育されてる状態のゴジラ、モスラ、ラドンといった怪獣たちが島を脱走し、ニューヨーク、ロンドン、モスクワなど世界の主要都市を破壊し始めたからさぁ大変!
それは地球侵略を企むキラアク星人の仕業で、怪獣たちは謎の洗脳装置によりリモートコントロールされてるのでした。
このプロットは東宝ミレニアムシリーズ最終作『ゴジラ/FINAL WARS』はじめ多くの作品に流用され、ハリウッド版『ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』にも少なからず影響を与えたものと思われます。
最終的にゴジラたちは地球人の味方となり、キラアク星人に操られたキングギドラと対決するワケだけど、10対1という多勢に無勢のフルボッコ描写は集団リンチ以外の何物でもなくw、最大最凶の悪役である筈のキングギドラが気の毒に見えちゃうという困った事態。
『忠臣蔵』をモチーフにした原案からキラアク(吉良・悪)星人というネーミングになったらしいけど、江戸時代の仁義を怪獣映画に持ち込むのはちょっと無茶だったかも知れませんw
そんな一発アイデアと勢いだけで突っ走っちゃうフットワークの軽さも昭和『ゴジラ』シリーズの魅力かと思いますが、さすがに現在ほど怪獣映画のクオリティーが進化してしまうと、あの時代の作品をマジメに論評しても仕方ないですよね。
おかしな点をあげつらって笑うのも楽しみ方の1つだし、CGでは絶対に味わえない手作り特撮の温かみや、明るい未来を皆がまだ信じてた時代の近未来描写にノスタルジーを感じるのも一興。
いや、だけど当時としては、1本の映画にこれだけ沢山の怪獣が出てくることや、彼らが宇宙人に操られて……っていうアイデアは画期的だったかも知れません。
実に50年後にハリウッドの最新技術で創られた『ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』も、侵略宇宙人を環境テロリストに置き換えただけで大筋はほとんど同じですから、よくよく考えてみれば凄いことです。
キャストは久保 明、小林夕岐子、愛 京子、佐原健二、土屋嘉男、アンドリュー・ヒューズ、田嶋義文、田崎 潤、といった顔ぶれ。後に刑事ドラマでお見かけする佐原さんや土屋さん、田崎さんはかろうじて知ってるけど、さすがに'60年代作品ともなると俳優さんのお顔とお名前が一致しません。あの頃、私は若かった。(3歳ですw)